MIXI 2121東証P
MIXI, Inc.|モンスターストライクを収益基盤に、スポーツベッティング・チーム運営、みてね・mixi2などのコミュニケーションサービス、投資事業を展開する。
※2026年8月3日時点の情報
事業内容
2026年8月3日の時価総額は約2,330億円。同日の終値は3,400円で、2027年3月期第1四半期末の発行済株式総数68,530,850株を基準に算出した。
MIXIは1999年6月3日設立。本社は東京都渋谷区渋谷2-24-12 渋谷スクランブルスクエア36階、代表取締役社長 上級執行役員 CEOは木村弘毅、決算期は3月、東証プライム市場に上場する。2026年3月31日時点の資本金は9,698百万円、連結従業員数は2,116名。事業区分はデジタルエンターテインメント、スポーツ、ライフスタイル、投資である。
2026年3月期は売上高171,369百万円、営業利益22,256百万円、経常利益24,700百万円、親会社株主に帰属する当期純利益17,270百万円。2027年3月期第1四半期は売上高47,073百万円、営業利益5,428百万円、経常利益5,652百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益5,825百万円。通期予想は売上高185,000百万円、営業利益19,500百万円、当期純利益25,000百万円である。
デジタルエンターテインメント事業|モンスターストライクの高収益基盤
デジタルエンターテインメント事業 業績推移
売上高とセグメント損益。4事業・全5期間を共通縮尺で表示
単位:百万円(縦軸は1,000百万円=2.5px、全グラフ共通)
デジタルエンターテインメント事業は、スマートデバイス向けゲーム「モンスターストライク」を主力とし、ゲーム運営、イベント、映像、音楽、グッズなどのIP展開を行う。
モンスターストライクは、スマートフォンを持ち寄って遊ぶマルチプレイを中核体験とする。長期運営タイトルであり、コラボレーション、季節イベント、新キャラクター、リアルイベントを組み合わせて利用継続と課金を促す。
売上高は2023年3月期をピークに減少したが、セグメント利益率は高水準を維持した。2026年3月期は売上高が10.8%減少する一方、利益は2.8%減にとどまり、Webショップ利用拡大などによる決済手数料の削減が採算を下支えした。
同時に、テレビアニメ放送などIP強化の広告宣伝費を計上している。短期の利益最大化ではなく、モンスターストライクのブランド寿命を延ばす投資と、既存ユーザーの活性化を両立させる運営が重要となる。
2027年3月期第1四半期は売上高19,532百万円、セグメント利益10,881百万円。前年同期の売上高16,076百万円、利益7,801百万円を上回った。
第1四半期は月間アクティブユーザー数が前年同期を下回った一方、ARPUの上昇により増収となった。利用者数と課金単価の逆方向の動きが続く場合、売上維持の持続性を判断するにはMAU、復帰率、課金者数、Webショップ比率を分けて見る必要がある。
中期ビジョンは、モンスターストライクの安定収益を維持しながら、IPを国内外へ広げる方針を掲げる。新作・海外向け施策では「STRIKE WORLD」などへの開発投資が先行し、収益化時期と既存タイトルへの影響が確認点となる。
デジタルエンターテインメントの2030年代初頭の売上目標は900億円以上。2026年3月期実績は約839億円であり、目標達成にはモンストの底堅さに加えて、新規IPまたは海外売上の上積みが必要になる。
競争相手はサイバーエージェント、DeNA、グリーホールディングスなどの運営型ゲーム企業である。新作ヒットだけでなく、既存IPの更新頻度、広告効率、プラットフォーム手数料、外部IPとの契約条件が利益変動を左右する。
投資判断では、モンストの売上減少速度と利益率、周年・大型コラボの反応、Webショップ比率、開発費、海外向けタイトルのKPIを継続して確認する必要がある。
スポーツ事業|ベッティング・観戦・海外展開
スポーツ事業 業績推移
売上高とセグメント損益。4事業・全5期間を共通縮尺で表示
単位:百万円(縦軸は1,000百万円=2.5px、全グラフ共通)
スポーツ事業は、ベッティング事業と観戦事業で構成される。TIPSTAR、チャリロト、netkeirin、netkeiba、競輪場関連事業、PointsBetに加え、FC東京、千葉ジェッツ、LaLa arena TOKYO-BAYなどを展開する。
ベッティング領域は、メディア、予想情報、投票、映像、競技場運営をつなぐバリューチェーンを持つ。投票取扱高が売上に直結する一方、還元施策、広告宣伝、決済、制度変更、責任ある利用促進が採算と成長の制約になる。
2022年3月期から2024年3月期までは赤字だった。2025年3月期に黒字化し、2026年3月期は売上高65,848百万円、セグメント利益5,088百万円まで拡大した。
2026年3月期は豪州のPointsBet Holdings Limitedを連結し、海外スポーツベッティング事業が加わった。買収後はのれん償却や統合費用を伴うため、セグメント利益だけでなく減価償却・のれん償却後の連結営業利益への寄与を確認する必要がある。
2027年3月期第1四半期は売上高21,673百万円、セグメント利益1,258百万円。前年同期の売上高11,143百万円、利益604百万円から大幅に増加した。
増収にはPointsBetの通期寄与、チャリロトの競輪場運営、ネットドリーマーズの車両販売、チケット収入などが含まれる。FC東京は決算期変更の影響で比較期間が異なるため、単純な前年同期比較だけでは実力値を判断できない。
観戦事業はチケット、スポンサー、物販、飲食、アリーナ稼働、イベント開催を組み合わせる。千葉ジェッツとLaLa arenaはファン接点を自社で設計できる一方、試合日程、チーム成績、稼働率、安全管理、設備費が収益性を左右する。
中期ビジョンのスポーツ売上目標は1,200億円以上。MIXIの3領域で最も大きい目標であり、国内公営競技の成長に加えてPointsBetの海外拡大と観戦事業の収益化が前提となる。
公営競技ネット投票ではサイバーエージェントのWINTICKETと直接競合する。プロスポーツ運営ではDeNAが比較対象となり、デジタル集客から来場・課金までの顧客生涯価値が競争軸になる。
投資判断では、PointsBetの売上・利益、取得関連費用、国内投票取扱高、顧客獲得費、チャリロトの運営施設数、アリーナ稼働率、チーム収入、規制対応を分けて追う必要がある。
ライフスタイル事業|みてね・minimo・mixi2
ライフスタイル事業 業績推移
売上高とセグメント損益。4事業・全5期間を共通縮尺で表示
単位:百万円(縦軸は1,000百万円=2.5px、全グラフ共通)
ライフスタイル事業は、「家族アルバム みてね」、サロンスタッフ直接予約アプリ「minimo」、SNS「mixi」「mixi2」、コミュニケーションロボット「Romi」などを展開する。
みてねは家族間の写真・動画共有を基盤に、プレミアム課金、フォトブック、年賀状、みてねみまもりGPS、広告などへ収益源を広げている。海外ではFamilyAlbumとして提供し、利用者基盤を拡大している。
売上高は5期連続で増加した。2026年3月期は売上高17,159百万円、セグメント利益876百万円となり、過去4期の赤字から黒字へ転換した。
黒字化にはみてねの有料サービス拡大と収益性改善が寄与した。一方、年賀状関連など季節性のある商品は市場縮小や需要変動の影響を受けるため、継続課金の構成比が重要になる。
2027年3月期第1四半期は売上高4,363百万円、セグメント利益261百万円。前年同期は売上高3,505百万円、損失69百万円であり、増収と黒字化が同時に進んだ。
mixi2は短文SNSとして友人・知人や関心軸のコミュニケーションを提供する。成長初期は開発・マーケティング費が先行しやすく、利用者数だけでなく継続率、投稿・閲覧頻度、安全性、収益化手段の開示が必要になる。
minimoは美容師・ネイリストなどと利用者を直接つなぐ予約プラットフォームである。掲載者と利用者の双方を増やすネットワーク効果を持つ一方、大手予約サービスとの競争、集客単価、予約単価、リピート率が採算を左右する。
中期ビジョンのライフスタイル売上目標は400億円以上。2026年3月期実績約172億円から大きな成長を求めるため、みてねの海外展開と周辺サービス、mixi2の利用拡大、M&Aが重要になる。
みてねは家族という強い実関係を基盤にする点で一般SNSと異なる。DeNAのPococha・IRIAM、グリーのREALITYとはサービス形式が異なるが、利用者の時間、コミュニティ形成、課金、広告予算では競合する。
投資判断では、みてねの国内外利用者数、有料会員・GPS契約、ARPU、広告収入、mixi2の定着、minimoの予約流通、Romiの販売・継続収入、セグメント利益率を確認する必要がある。
投資事業|スタートアップ・ファンド投資
投資事業 業績推移
売上高とセグメント損益。4事業・全5期間を共通縮尺で表示
単位:百万円(縦軸は1,000百万円=2.5px、全グラフ共通)
投資事業は、スタートアップ企業やベンチャーキャピタルへの出資を行い、投資有価証券の売却益やファンド分配などを収益として計上する。
投資先の企業価値向上によるキャピタルゲインを狙う一方、年度ごとの売却時期や評価損によって損益が大きく変動する。継続課金型サービスとは収益の性質が異なる。
2022年3月期から2026年3月期までセグメント黒字を確保したが、売上高は1,472百万円から5,696百万円まで振れる。利益率の高さだけで基礎収益力を評価することはできない。
2025年3月期は投資先株式の売却などにより売上高5,696百万円、利益1,981百万円。2026年3月期はファンド分配などにより売上高4,440百万円、利益1,001百万円だった。
2027年3月期第1四半期は売上高1,502百万円、セグメント利益860百万円。前年同期は売上高582百万円、損失39百万円であり、投資有価証券の売却やファンド収益が押し上げた。
投資事業はMIXIの既存事業とシナジーを持つサービスの探索、将来のM&A候補との接点、財務リターンの獲得を担う。投資先の技術やユーザー基盤がスポーツ・ライフスタイル・デジタルエンターテインメントに結び付くかが重要になる。
一方、未上場株式は評価の不確実性が高く、流動性も低い。市場環境悪化時には評価損・減損、回収時期の遅延、ファンドの運用成績低下が発生し得る。
中期ビジョンは、既存領域へのM&Aと新規事業創出を成長手段に据える。投資事業の単体利益だけでなく、買収先が重点領域の売上CAGRやEBITDA構成比へ寄与するかで評価する必要がある。
競合各社も投資育成やCVCを持つため、案件獲得、人材、経営支援、出口戦略で競争する。MIXIの強みはコミュニティ、ゲーム、スポーツ、家族向けサービスにおける事業運営ノウハウを提供できる点にある。
投資判断では、売却益を除く連結利益、営業投資有価証券残高、評価損益、キャッシュ回収、投資先の事業連携、M&Aののれん、投下資本利益率を分けて確認する必要がある。
1.会社予想と実績
2022年3月期から2026年3月期は期首会社予想と通期実績を比較。2027年3月期は2026年7月31日時点の最新通期予想を掲載しています。
| 指標 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 2027年3月期 | ||||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 予想 | 実績 | 達成率 | 予想 | 実績 | 達成率 | 予想 | 実績 | 達成率 | 予想 | 実績 | 達成率 | 予想 | 実績 | 達成率 | 予想 | 実績 | 達成率 | |
| 売上高 (百万円) | 117,500 | 118,099 | 100.5% | 120,000 | 146,867 | 122.4% | 138,000 | 146,868 | 106.4% | 147,000 | 154,847 | 105.3% | 155,000 | 171,369 | 110.6% | 185,000 | — | 最新予想 |
| 営業利益 (百万円) | 13,500 | 16,069 | 119.0% | 8,500 | 24,820 | 292.0% | 12,000 | 19,177 | 159.8% | 18,500 | 26,600 | 143.8% | 20,000 | 22,256 | 111.3% | 19,500 | — | 最新予想 |
| 経常利益 (百万円) | 13,500 | 17,026 | 126.1% | 8,500 | 18,250 | 214.7% | 11,000 | 15,669 | 142.4% | 17,500 | 26,511 | 151.5% | 19,000 | 24,700 | 130.0% | 20,000 | — | 最新予想 |
| 親会社株主帰属純利益 (百万円) | 9,250 | 10,262 | 110.9% | 5,000 | 5,161 | 103.2% | 7,500 | 7,082 | 94.4% | 12,000 | 17,601 | 146.7% | 13,000 | 17,270 | 132.8% | 25,000 | — | 最新予想 |
| EPS(1株当たり当期純利益) (円) | 125.21 | 139.85 | 111.7% | 68.91 | 70.87 | 102.8% | 102.78 | 99.71 | 97.0% | 170.67 | 255.43 | 149.7% | 191.84 | 260.72 | 135.9% | 383.99 | — | 最新予想 |
達成率=実績÷期首会社予想×100。2022年3月期のレンジ予想は中央値を使用しています。
2.達成・未達理由
モンストは上期にMAU・ARPUが弱含んだものの、8周年・年末年始施策と人気IPコラボで下期ARPUが回復。スポーツ・ライフスタイルも増収し、TIPSTARの想定超費用を吸収して利益はレンジ中央値を上回りました。
モンストのARPU上昇、FC東京の新規連結、オンライン車券販売の伸長、TIPSTARのコスト効率化で売上・営業利益が大幅超過。持分法投資損失や事業撤退損が利益を削りましたが、純利益も小幅に達成しました。
スポーツの観客・物販・車券販売拡大とTIPSTARの費用抑制により営業利益は予想を上回りました。一方、デジタルの減収、ライフスタイルの先行投資に加え、投資有価証券評価損が重く、純利益とEPSは届きませんでした。
デジタルは減収ながら10周年施策費用の反動と事業撤退で増益。スポーツの黒字転換、ライフスタイル赤字縮小、タイミー株式売却、持分法投資損失の解消が重なり、利益指標を大幅に上回りました。
初期予想に含まれていなかったPointsBetの連結、国内ベッティングとアリーナ事業の伸長、ライフスタイル黒字化が増収を牽引。デジタル減収や一時広告費を吸収し、為替差益等も経常利益を押し上げました。
売上・営業利益・経常利益は期初予想を据え置き。純利益はビットバンク株式譲渡に伴う関係会社株式売却益を見込み、135億円から250億円へ上方修正されています。Q1の各指標は概ね通期予想の23~28%です。
3.事業セグメントの自信度
各年度で表現が変化した箇所を事業セグメント別に原文のまま掲載し、実績推移と合わせて自信度を推理しています。
デジタルエンターテインメント事業
2021年10月に実施した8周年イベントや年末年始イベント、第4四半期連結会計期間に実施した人気IPとのコラボが奏功し、当下期でARPUが回復してきております。
通期では減収減益ながら、下期回復を確認。
有力IPとのコラボレーションをはじめ、2022年10月に実施した9周年イベントや年末年始イベントが奏功しARPUが前期を上回った
ARPU改善で増収増益。
10周年施策等の効果によりMAUが増加したものの、前年に大型IPとのコラボがあったため相対的にARPUが低下
利用者は増えたが課金単価低下で減収減益。
ARPUが増加したものの、前年に10周年施策の実施があったため相対的にMAUが減少
売上減をコスト削減で補い増益。
MAUが減少したことにより、前年同期と比較して売上高が減少しております。
決済効率化は進んだが一時広告費で減益。
MAUが減少したものの、ARPUが増加したことにより、前年同期と比較して増収となりました。
Q1はARPUとコスト効率化で増収増益。
Q1は売上21.5%増・セグメント利益39.5%増。MAU低下は継続するため、ARPU上昇とイベント効果の持続性が鍵です。
スポーツ事業
「TIPSTAR」では、9月から10月にかけて還元施策を実施したことでGMVは拡大しましたが、想定以上の費用が発生いたしました。
増収したが投資負担で大幅赤字。
「TIPSTAR」は、コストの効率化を進め費用の抑制を図ったことで、セグメント損益は改善しております。
赤字縮小で改善局面。
前連結会計年度と比較して、売上を順調に拡大しております。
観戦・車券販売が伸び、黒字化目前。
FC東京の物販及び千葉ジェッツのチケット販売が好調であったことや、前年に当社の一部サービス終了による一時的な費用計上があったことにより、セグメント利益が増加しております。
黒字転換し複数事業が寄与。
PointsBet Holdings Limitedの連結子会社化による増収に加え、スポーツベッティングサービス「TIPSTAR」のオンライン車券販売高の増加
買収効果と既存事業成長で利益が急拡大。
株式会社チャリ・ロトの競輪場包括受託運営が好調であったこと及び株式会社ネットドリーマーズの車券販売高の伸長
PointsBet通期化と国内事業の好調が継続。
Q1は売上94.5%増・セグメント利益108.0%増。成長の中心ですが、FC東京の5カ月分取り込みを含むため単純年率化はできません。
ライフスタイル事業
「家族アルバムみてね」はマネタイズの強化を推進しており、株式会社スフィダンテと連携したギフトサービスの定着が進んだ
売上拡大と赤字縮小が進展。
「みてねみまもりGPS」の広告宣伝費等の先行投資が発生したことで費用が増加しております。
高成長と投資負担が併存。
海外ユーザー獲得のためのプロモーション及び体制強化への投資を積極的に行っております。
売上成長より先行投資が重く赤字拡大。
売上伸長によりセグメント損失は縮小しております。
投資継続下でも収益改善。
注力領域(みてねプレミアム、写真プリント、みてねみまもりGPS、広告)の売上は伸長しており、前年同期と比較して増収、黒字転換となりました。
成長商材が黒字化を実現。
「家族アルバムみてね」の注力領域や「minimo」の売上が伸長したことにより、前年同期と比較して増収、黒字転換となりました。
Q1も増収・黒字を維持。
Q1は売上24.5%増、前年赤字から2.61億円の利益。成長と収益性改善が同時進行しています。
投資事業
2023年3月期より、「投資事業」を主たる事業として独立区分し報告セグメントとした
翌年度資料で遡及開示されたため判断材料は限定的。
当社及びアイ・マーキュリーキャピタル株式会社の保有する投資有価証券の売却による収益を計上しております。
収益計上はあったが前年比で大幅減。
出資するファンドの損益の取込や、当社の連結子会社において保有株式の売却を行いました。
売却益依存が続き利益は81%減。
タイミー株式の一部売却や、出資するファンドの損益取込みを行いました。
大型売却で利益が急増。
前年同期においてタイミー株式の売却益を計上しているため、前年同期と比較して減収減益となりました。
一時益反動で収益変動が大きい。
保有株式の売却や当社グループが出資するファンドの損益取込みを行いました。
Q1は黒字化したが再現性は低い。
Q1は8.60億円の利益ですが、株式売却・ファンド損益の影響が大きく、全社予想の安定要因とは見なしにくい事業です。
4.最新予想信頼度
Q1は売上高470.73億円、営業利益54.28億円、経常利益56.52億円、親会社株主帰属純利益58.25億円。売上・営業・経常は通期予想の25%を上回り、前年実績を下回る営業・経常予想には一定の余裕があります。一方、純利益250億円には関係会社株式売却益が含まれます。
達成できると判断する理由
- Q1の売上・営業・経常の単純進捗は25%超で、営業利益と経常利益の通期予想は前期実績を下回る水準です。
- PointsBetの通期連結、国内ベッティング、アリーナ事業がスポーツの成長を支えています。
- モンストはMAU減少下でもARPU上昇と決済コスト効率化によりQ1増収増益となりました。
- ライフスタイルは黒字化後も増収増益が続き、事業ポートフォリオの収益分散が進んでいます。
- 新作ゲームは売上を織り込まずコストのみを見込む前提で、成功時の上振れ余地があります。
達成できないと判断する理由
- モンストのMAU低下が続いており、ARPUやコラボ施策が失速すると高採算のデジタル利益が下振れします。
- スポーツQ1にはFC東京の決算期変更による5カ月分の業績が含まれ、Q1進捗をそのまま年率換算できません。
- PointsBet統合後はのれん・無形資産償却、為替、規制、統合コストが利益の変動要因になります。
- 投資事業は株式売却やファンド損益の影響が大きく、Q1利益の再現性は限定的です。
- 純利益予想はビットバンク株式譲渡に伴う特別利益が前提で、譲渡時期・最終売却益に左右されます。
収益計上時期の見方
会社は通期業績の明確な下期偏重を説明していません。ただし、ゲームの周年・年末年始・IPコラボ、スポーツの試合日程、公営競技、投資有価証券売却により四半期変動が大きい事業構成です。加えてQ1のFC東京は5カ月分を取り込んでいるため、掲載した進捗率はあくまで単純進捗率です。
直近5年業績サマリー
| 業績項目 | 2022/3 実績 | 2023/3 実績 |
2024/3 実績 | 2025/3 実績 |
2026/3 実績 | 2027/3 会社予想 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 122,030 | 146,867+24,837 / +20.4% | 146,868+1 / +0.0% | 154,847+7,979 / +5.4% | 171,369+16,522 / +10.7% | 185,000+13,631 / +8.0% |
| 営業損益 | 17,808 | 24,820+7,012 / +39.4% | 19,177-5,643 / -22.7% | 26,600+7,423 / +38.7% | 22,256-4,344 / -16.3% | 19,500-2,756 / -12.4% |
| 経常損益 | 17,626 | 18,250+624 / +3.5% | 15,669-2,581 / -14.1% | 26,511+10,842 / +69.2% | 24,700-1,811 / -6.8% | 20,000-4,700 / -19.0% |
| 当期純利益 | 10,262 | 5,161-5,101 / -49.7% | 7,082+1,921 / +37.2% | 17,601+10,519 / +148.5% | 17,270-331 / -1.9% | 25,000+7,730 / +44.8% |
| EPS | 149.74 | 75.31-74.43 / -49.7% | 103.34+28.03 / +37.2% | 256.83+153.49 / +148.5% | 252.00-4.83 / -1.9% | 364.80+112.80 / +44.8% |
| PER | 14.7 | 35.3 | 25.9 | 12.9 | 10.1 | 9.3 |
| PBR | 0.82 | 1.01 | 1.06 | 1.27 | 0.96 | – |
| BPS | 2,672.29 | 2,641.29-30.99 / -1.2% | 2,530.41-110.88 / -4.2% | 2,611.67+81.26 / +3.2% | 2,648.33+36.66 / +1.4% | – |
| 純資産 | 186,056 | 183,463-2,593 / -1.4% | 175,730-7,733 / -4.2% | 181,333+5,603 / +3.2% | 189,466+8,133 / +4.5% | – |
| 営業CF | 2,647 | 15,751+13,104 / +495.1% | 9,181-6,570 / -41.7% | 27,476+18,295 / +199.3% | 19,287-8,189 / -29.8% | – |
| 投資CF | -17,436 | -7,350+10,086 / +57.8% | -6,852+498 / +6.8% | -14,490-7,638 / -111.5% | -31,552-17,062 / -117.8% | – |
| 財務CF | -16,627 | -8,326+8,301 / +49.9% | -15,730-7,404 / -88.9% | -10,378+5,352 / +34.0% | 14,161+24,539 / +236.5% | – |
| 現金及び現金同等物 | 118,433 | 118,703+270 / +0.2% | 105,688-13,015 / -11.0% | 108,174+2,486 / +2.4% | 111,190+3,016 / +2.8% | – |
中期経営計画
2030年代初頭を見据えた中期ビジョン
MIXIは、友人・家族・仲間と一緒に過ごす時間や感情共有から生まれる経済圏を「We-Time Economy」と定義し、2030年代初頭に売上高3,000億円を目指す。スポーツ、ライフスタイル、デジタルエンターテインメントを成長の中心領域とする。
事業別の数値目標
スポーツは売上高1,200億円以上、ライフスタイルは400億円以上、デジタルエンターテインメントは900億円以上を目標とする。スポーツとライフスタイルの利益構成比を高めながら、モンスターストライクの安定収益を維持し、海外IP展開を進める。
2026年3月期実績は売上高1,713億円、重点投資領域の売上成長率18%、EBITDAマージン11%、ROE9.6%。目標との距離は、スポーツのM&A効果と有機成長、みてねの海外展開、新規IPの立ち上がりで埋める計画である。
重点戦略
スポーツはTIPSTAR、チャリロト、netkeirin、netkeiba、競輪場運営、PointsBetをつなぎ、ベッティングの国内外展開を進める。観戦領域ではFC東京、千葉ジェッツ、LaLa arenaを通じ、試合・イベント・デジタル接点を一体化する。
ライフスタイルは「みてね」の国内外利用者基盤を拡大し、プレミアム、プリント、GPS、広告など周辺サービスを伸ばす。mixi2、minimo、Romiを含むコミュニケーションサービスへの投資を継続する。
デジタルエンターテインメントはモンスターストライクの長期運営と利益維持を最優先にしながら、アニメ・イベント・音楽・グッズを含むIP価値を拡張する。海外向け新規タイトルは開発費が先行するため、ローンチ後の定着率と回収速度が重要になる。
資本政策と株主還元
資本コストを意識した経営を進め、2026年3月時点のWACCは6.18%、株主資本コストは7.40%としている。成長投資ではM&Aを積極活用し、事業間の資源配分を機動的に行う。
株主還元は配当性向40%またはDOE5%を基準とし、自己株式は発行済株式数の5%を上回る部分を原則消却する。2027年3月期第1四半期決算時点の年間配当予想は155円へ修正された。
直近業績との接続
2027年3月期会社予想は売上高1,850億円、EBITDA315億円、営業利益195億円、経常利益200億円、当期純利益250億円。売上は成長する一方、PointsBetののれん償却、新規事業投資、全社費用により営業利益は減益予想である。
中期ビジョンの進捗は、売上高だけでなく重点領域のEBITDA構成比、M&A後の投下資本利益率、モンスト依存度、海外売上、営業キャッシュフロー、株主還元後の財務余力で評価する必要がある。
中期ビジョン資料へ競合他社
① サイバーエージェント(4751)
サイバーエージェントはインターネット広告、ゲーム、メディア・IP、投資育成を展開する。MIXIとはスマートフォンゲーム、IP展開、公営競技ネット投票、動画・スポーツコンテンツ、ユーザー獲得で競合する。
Cygamesなどのゲーム子会社群は、モンスターストライクと利用時間、課金、広告投資、IPファン化を競う。複数タイトルと広告事業をグループ内に持ち、開発・運営・集客を連動させやすい点が強い。
ABEMAはスポーツ・アニメ・エンターテインメントの配信面を持ち、ゲームIPの認知形成やスポンサー価値でもMIXIのスポーツ・デジタルエンターテインメント領域と重なる。
WINTICKETは競輪・オートレースのネット投票サービスであり、TIPSTAR、チャリロトと直接競合する。ABEMAとの映像連携を含め、投票までの導線と集客効率が競争軸になる。
2026年9月期第2四半期累計は売上高478,584百万円、営業利益52,459百万円。ゲーム事業は売上高132,227百万円、営業利益38,596百万円で大幅な増収増益だった。
MIXIとの比較では、サイバーエージェントが広告・メディア・複数ゲームの総合力を持つ一方、MIXIはモンスト、競輪・競馬メディア、チーム・アリーナ、家族向けサービスを実運営する接点に特徴がある。
② ディー・エヌ・エー(2432)
DeNAはゲーム、ライブコミュニティ、スポーツ・スマートシティ、ヘルスケア・メディカル、新規事業を展開する。ゲーム、コミュニティ、スポーツの3軸でMIXIに近い競合である。
Mobage、Yahoo! Mobage、AndApp、自社・協業ゲームは、モンスターストライクを含むMIXIのデジタルエンターテインメントと競合する。両社ともゲーム内コミュニケーションと長期運営の経験を持つ。
PocochaとIRIAMは双方向ライブ配信とキャラクターコミュニティを形成する。mixi2、みてね、ゲーム・スポーツのファンコミュニティとは形態が異なるが、利用時間と課金を競う。
横浜DeNAベイスターズ、川崎ブレイブサンダース、SC相模原などのチーム運営は、FC東京、千葉ジェッツとの直接的な比較対象になる。チケット、スポンサー、物販、地域連携、会場体験を含む事業モデルが重なる。
2026年3月期はIFRS売上収益約147,700百万円、IFRS営業利益約18,700百万円、Non-GAAP営業利益約28,100百万円だった。
MIXIは公営競技投票と海外スポーツベッティングでDeNAより直接的なポジションを持つ。DeNAはプロ野球・バスケットボール・サッカーと都市開発を組み合わせる点で強みがある。
③ グリーホールディングス(3632)
グリーホールディングスはゲーム、VTuber、IP、DX、投資を展開する。SNS・ソーシャルゲームを起点とし、MIXIとはゲーム、アバター、ライブ配信、オンラインコミュニティで競合する。
WFSなどが展開するスマートフォンゲーム、釣りスタ、探検ドリランドなどの運営型タイトルは、モンスト、コトダマンと利用時間、課金、IPコラボで競う。
REALITYはアバター作成、ライブ配信、交流、ギフト、3D空間を提供する。mixi2やMIXIのファンコミュニティとは表現方法が異なるが、オンライン上の滞在時間と関係性形成を争う。
2026年6月期第3四半期累計は売上高38,444百万円、営業利益2,420百万円、経常利益3,210百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益1,912百万円だった。
売上高と営業利益は前年同期を下回った一方、為替差益などにより経常利益と純利益は増加した。ゲーム事業の既存タイトル維持と、VTuber・IP領域への投資回収が確認点となる。
スポーツチーム運営や公営競技ネット投票での直接競合度は低いが、ソーシャルゲーム・アバターコミュニティではMIXIに近い。新しいコミュニケーション体験の獲得競争が続く。
出典
- MIXI 公式コーポレートサイト
- MIXI 会社概要・アクセス
- MIXI 事業トップ
- MIXI スポーツ事業
- MIXI ライフスタイル事業
- MIXI デジタルエンターテインメント事業
- MIXI その他事業
- MIXI IR・投資家情報
- MIXI 決算短信
- MIXI 決算説明会資料
- MIXIのこれから
- MIXI 中期ビジョン
- サイバーエージェント 2026年9月期第2四半期決算短信
- サイバーエージェント 株式会社WinTicket
- DeNA 決算短信
- DeNA 事業
- グリーホールディングス IR資料
- グリーホールディングス ゲーム事業
- グリーホールディングス メタバース事業
本ページは公開情報を基に作成した企業分析であり、特定の有価証券の売買を推奨または勧誘するものではありません。業績予想、株価、時価総額、投資指標、製品構成、競争環境は変動する可能性があります。投資判断は最新の開示資料を確認したうえで、自身の責任で行ってください。

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