| 業績項目 | 2021年8月期 | 2022年8月期 | 2023年8月期 | 2024年8月期 | 2025年8月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 5,078 | 5,059 △19 / △0.4% | 4,216 △843 / △16.7% | 2,709 △1,507 / △35.7% | 1,774 △935 / △34.5% |
| 営業損益 | △644 | △424 +220 / +34.2% | △740 △316 / △74.5% | △996 △256 / △34.6% | △1,456 △460 / △46.2% |
| 経常損益 | △633 | △447 +186 / +29.4% | △801 △354 / △79.2% | △1,076 △275 / △34.3% | △316 +760 / +70.6% |
| 当期純利益 | △791 | △525 +266 / +33.6% | △1,164 △639 / △121.7% | △1,187 △23 / △2.0% | △2,660 △1,473 / △124.1% |
| EPS | △175.57円 | △114.74円 +60.83 / +34.6% | △230.84円 △116.10 / △101.2% | △231.54円 △0.70 / △0.3% | △153.95円 +77.59 / +33.5% |
| 一株配当金 | 0.00円 | 0.00円 ±0.00 / +0.0% | 0.00円 ±0.00 / +0.0% | 0.00円 ±0.00 / +0.0% | 0.00円 ±0.00 / +0.0% |
| 純資産 | 573 | 103 △470 / △82.0% | △893 △996 / △967.0% | △2,077 △1,184 / △132.6% | 12,644 +14,721 / +708.8% |
| 営業CF | △397 | △580 △183 / △46.1% | △597 △17 / △2.9% | △747 △150 / △25.1% | △1,948 △1,201 / △160.8% |
| 投資CF | △230 | △43 +187 / +81.3% | △55 △12 / △27.9% | △28 +27 / +49.1% | △10,681 △10,653 / △38046.4% |
| 財務CF | 435 | 876 +441 / +101.4% | 170 △706 / △80.6% | 523 +353 / +207.6% | 13,207 +12,684 / +2425.2% |
| フリーCF | △627 | △623 +4 / +0.6% | △652 △29 / △4.7% | △775 △123 / △18.9% | △12,629 △11,854 / △1529.5% |
単位:百万円(EPS・一株配当金は円)。フリーCF=営業CF+投資CF。2024年8月期は非連結、2025年8月期から連結で、2025年8月期は2025年11月5日公表の訂正後数値を採用しています。受注残高は決算短信に記載がないため作成していません。
1.会社予想と実績
2022年8月期・2023年8月期は期首に数値予想が公表されているため、通期実績と比較しています。2024年8月期以降は数値業績予想が未定のため、実績のみを表示し達成率は算出していません。
| 指標 | 2022年8月期 | 2023年8月期 | 2024年8月期 | 2025年8月期 | 2026年8月期 | ||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 予想 | 実績 | 達成率 | 予想 | 実績 | 達成率 | 予想 | 実績 | 達成率 | 予想 | 実績 | 達成率 | 予想 | 実績 | 達成率 | |
| 売上高 (百万円) | 6,428 | 5,059 | 78.7% | 5,600 | 4,216 | 75.3% | — | 2,709 | 予想未定 | — | 1,774 | 予想未定 | — | — | 予想未定 |
| 営業利益 (百万円) | 137 | △424 | -309.5% | 44 | △740 | -1681.8% | — | △996 | 予想未定 | — | △1,456 | 予想未定 | — | — | 予想未定 |
| 経常利益 (百万円) | 142 | △447 | -314.8% | 31 | △801 | -2583.9% | — | △1,076 | 予想未定 | — | △316 | 予想未定 | — | — | 予想未定 |
| 親会社株主帰属純利益 (百万円) | 126 | △525 | -416.7% | 20 | △1,164 | -5820.0% | — | △1,187 | 予想未定 | — | △2,660 | 予想未定 | — | — | 予想未定 |
| EPS (円) | 27.92 | △114.74 | -411.0% | 4.50 | △230.84 | -5129.8% | — | △231.54 | 予想未定 | — | △153.95 | 予想未定 | — | — | 予想未定 |
達成率=実績÷会社予想×100。レンジ予想はありません。2025年8月期の実績は訂正後数値を採用しています。2026年8月期は通期会社予想・通期実績とも未確定です。
2.達成・未達理由
店舗販売は出店と人流回復で増収となった一方、インターネット販売はEC競争激化とアパレル需要の変容で減収が続きました。販管費は希望退職、物流倉庫・賃料・業務委託の見直し等で圧縮したものの、売上総利益の減少を吸収できず赤字が継続。Re-Born Planも2022年8月に始動したばかりで、会社自身が成果発現には時間を要すると認識していたため、期首の黒字予想を大幅に下回りました。
社会活動正常化で店舗の人流は回復したものの、計画した資金調達が進まず十分な広告宣伝を行えませんでした。インターネット販売では在庫消化を優先した廉価販売が続き、売上・利益とも悪化。Re-Born Planは資金不足から見直しとなり、営業損失・経常損失が前年より拡大しました。さらに固定資産の減損も純損失を押し下げ、黒字を前提とした期首予想と大きく乖離しました。
事業再生ADRの進行と資金調達条件の不確実性が大きく、会社は数値業績予想を公表しませんでした。実績では不採算店舗閉鎖、新規仕入れ抑制、在庫消化を進めた一方、売上高2,709百万円、営業損失996百万円となり、事業再建の途上が続きました。
持株会社体制への移行、新規子会社3社の立ち上げ、アパレル再構築と事業ポートフォリオ変更が重なり、会社は数値予想を公表しませんでした。売上減少に伴う粗利益減と販管費負担で営業損失1,456百万円。経常段階では暗号資産評価益等の影響を受ける一方、債務免除益と大規模な減損損失が特別損益に計上され、訂正後の親会社株主帰属純損失は2,660百万円となりました。
Q3累計の売上高は前年同期比67.3%増加しましたが、広告宣伝費などの負担で営業損失が拡大しました。さらに暗号資産の評価損が営業外損益を大きく押し下げ、経常・純損失が膨らんでいます。会社はグループ構造転換下では適正かつ合理的な予想値の算出が困難として、通期予想を未定のままとしています。
3.事業セグメントの自信度
店舗・卸売販売、ライセンス事業
当連結会計年度は緊急事態宣言の影響はあったものの、全店舗の休業には至っておらず、また新規出店を進めた結果、売上高が増加しております。一方で、新規出店に伴う初期費用が増加しております。
店舗は増収方向でしたが、新規出店コストを伴う段階でした。
売上高は前連結会計年度から出店による増収効果及び、まん延防止等重点措置解除により増加しております。
人流回復と出店効果を確認する一方、旧卸売は減収・赤字でした。
売上高は、前連結会計年度から制限緩和による人流増加の影響により回復傾向がみられるものの、期を通じて在庫消化に注力したことにより、セグメント損失は拡大しました。
需要回復より在庫調整と採算悪化が前面に出ました。
不採算店舗の閉店などを実施し収益の改善を図ったものの、期を通じて新規の仕入れを抑え在庫消化に注力したことにより、売上利益ともに厳しい結果となりセグメント損失は拡大しました。
再建優先で新規仕入れを抑え、収益回復は確認できませんでした。
収益の改善を図ったものの、仕入を抑えた影響があり、売上・利益ともに厳しい結果となりました。
現行区分へ集約後も、仕入制約と赤字が残りました。
新ブランドの展開の効果もあり、売上高は、前期から好転する結果となりましたが、広告宣伝費等の増加も伴って、セグメント損失は、前年同期から増加する結果となりました。
売上反転の手応えは出たものの、広告投資を吸収できず赤字は改善していません。
新ブランドで売上は回復方向ですが、黒字化には広告宣伝費を含む固定費・販促効率の改善が必要です。
インターネット販売事業
ファッションECサイトのサービス競争激化の影響もあり売上高が減少しております。
EC競争激化で主力チャネルの減収が続きました。
ライブコマースによる販売手法が集客のための広告効果も上げるなど、事業としての収益性を高める取り組みとして確かな効果が確認できております。
新しい販促手法への明確な手応えを表現しました。
事業としての収益性を高める施策を行っておりますが、その効果は限定的となり、売上高、セグメント損失ともに前連結会計年度から悪化する結果となりました。
資金不足で広告宣伝も十分に行えず、2022年の強気コメントから後退しました。
不採算の他社サイトからの撤退を進め、自社サイト及び収益性の高い他社サイトに厳選する施策を実施いたしましたが、その効果は限定的となり、売上高、セグメント損失ともに前事業年度から悪化する結果となりました。
販売先の選別を進めても改善効果は限定的でした。
不採算の他社サイトからの撤退を進め、自社サイト及び収益性の高い他社サイトに厳選する施策を実施いたしましたが、その効果は限定的となり、売上高、セグメント損失ともに前事業年度から悪化する結果となりました。
選択と集中を継続しましたが、通期では成果が数字に表れませんでした。
自社サイト及び収益性の高い他社サイトに特化する施策を実施したことの効果が徐々に表れてきたことにより、売上高は、前年同期から好転しましたが、広告宣伝費等の増加も伴って、セグメント損失は、前年同期から増加する結果となりました。
売上面で施策の効果が初めて明確化しましたが、利益面では未完成です。
売上回復は確認できますが、広告費の増加で損失も拡大しており、収益性改善までの確度はまだ高くありません。
エステティック・リラックスサロン事業
安定した売上は計上しているもの、初期の広告宣伝費等が負担になり、利益は厳しい結果になりました。
売上基盤はあるものの、新規事業コストが収益化を上回りました。
事業の継承が安定せず、広告宣伝費等が負担になりました。
前年の立ち上げコスト問題に加えて事業継承の不安定さが表面化しました。
売上規模は拡大していますが損失の拡大が大きく、店舗・運営体制の再構築が最優先です。
投資関連事業
保有による評価損益を営業外損益で計上しているため、利益には貢献できませんでした。
事業セグメント損益だけでは暗号資産保有の損益影響を評価できない構造です。
保有による評価損益を営業外損益で計上しているため、セグメント利益には寄与しませんでした。
セグメントの営業損益と全社の暗号資産評価損益を切り分けて見る必要があります。
戦略領域として拡大している一方、四半期損益は暗号資産の評価変動に大きく左右され、通常の営業セグメントとは異なる見方が必要です。
4.最新予想信頼度
会社予想そのものが存在しないため、「必要な業績」や達成率を計算することはできません。Q3実績から事業状態は評価できますが、通期目標への進捗率として扱うことは適切ではありません。
達成可能性を高める条件
- 新ブランド展開で店舗・卸売・ライセンスの売上が前年同期から増加し、ECも販売先の選択と集中で売上回復が確認できています。
- 不採算サロンの整理や運営体制の見直しが進み、広告宣伝費・固定費の負担を売上総利益の範囲へ収められれば、営業損失の縮小余地があります。
- アパレル・美容・投資のグループ横断施策が顧客獲得コストを下げ、複数事業間で送客・販促を共通化できれば収益効率改善につながります。
- 暗号資産価格が期末に向けて上昇すれば、評価損益を通じて経常損益が大きく改善する可能性があります。
達成を難しくする要因
- 売上高が増えている一方で営業損失は前年同期より拡大しており、現時点では増収が利益改善へ結びついていません。
- エステティック・リラックスサロン事業のQ3累計セグメント損失は562百万円まで拡大し、事業継承と広告負担が重くなっています。
- 暗号資産の評価変動が営業外損益を大きく動かすため、通常の事業進捗だけでは経常・純利益を予測しにくい収益構造です。
- Q3末の固定負債は長期借入金8,465百万円、社債1,600百万円などで増加しており、財務費用・資金繰りの管理重要度が高まっています。
- 会社自身が「適正かつ合理的な数値の算出が困難」と判断しており、外部から精度の高い通期目標値を補完することはできません。
ANAPホールディングス|最新中長期経営戦略分析
基準日:2026年8月21日
2025年12月1日提出の有価証券報告書に記載された「中長期的な会社の経営戦略」、 現行のビットコインエコシステム戦略、2026年7月15日発表の2026年8月期第3四半期決算を基に分析。
① 企業が掲げる目標業績数字・KPI
保有BTC数量を基準として、世界のビットコイントレジャリー企業で グローバル35位以内を目指します。
2026年8月末の目標を通過点とし、 翌年度にはグローバル30位以内へ順位を引き上げる中期目標です。
会社は営業利益を特に重視し、 売上高営業利益率の向上を経営上の重要指標としています。 ただし、具体的な数値目標は公表していません。
事業再生・グループ経営への転換途上で、 適正かつ合理的な予想数値の算出が困難として非開示です。
| 項目 | 会社目標 | 最新確認値・状況 | 分析 |
|---|---|---|---|
| 2026年8月期 売上高 | 通期予想:未定 | 3Q累計 1,703百万円 | 売上は前年同期比67.3%増だが、会社は通期目標を設定していない。 |
| 営業利益 | 数値目標非開示 | 3Q累計 ▲1,713百万円 | 営業利益率向上を重要KPIとしているが、現状は営業赤字が拡大。 |
| 経常利益 | 通期予想:未定 | 3Q累計 ▲7,475百万円 | BTC評価損の影響を強く受ける。 |
| 親会社株主帰属利益 | 通期予想:未定 | 3Q累計 ▲7,765百万円 | 営業赤字に加え、暗号資産評価損・事業再編損が影響。 |
| BTC保有数量 | 2026/8:世界Top35以内 2027/8:世界Top30以内 |
最新購入開示:1,431.9716BTC | 今後も段階的に取得を継続する方針。 |
| 営業利益率 | 向上 | 3Qは営業損失 | 本業再建の最重要指標だが、目標率そのものは非開示。 |
※1,431.9716BTCは2026年4月21日の購入後に会社が開示した総保有数量。 その後の決算では暗号資産を時価評価しているため、BTC価格変動が経常損益へ直接影響します。
直近業績から見た現在地
前年同期比 +67.3%
前年同期の▲8.36億円から赤字幅が拡大。
BTC価格変動が経常損益に大きく反映。
2025年8月末の126.44億円から減少。
業績を見る際の注意点
ANAPホールディングスでは現在、 「既存事業の営業損益」と「BTCの時価評価による経常損益」 を分けて見る必要があります。
3Qでは売上高が大きく増加した一方、広告宣伝費や新規事業コスト等によって営業赤字が拡大しました。 さらに暗号資産評価損約55.9億円が発生したため、経常損失は約74.8億円まで拡大しています。
② 目標達成へのロードマップ
事業再生・財務再建
- 事業再生ADRによる債務超過解消
- 持株会社体制へ移行
- 資本増強・新株予約権・借入による資金確保
- 不採算店舗・事業の再編
本業再生+BTC事業拡大
- アパレルのリブランディング
- EC・SNSマーケティング強化
- 美容事業の収益モデル再構築
- BTC保有量の拡大
- BTC関連新規事業のPoC
BTCエコシステム企業へ
- 保有だけでなくBTCを活用
- インカムゲイン事業を確立
- 既存事業との融合
- 企業向け支援ビジネスを拡大
- 世界Top30規模を目指す
ビットコイン戦略|「貯める・活用する・稼ぐ・広める」
ビットコイントレジャリー
財務基盤強化を目的にBTCを段階的に取得。 2025年8月末には当初掲げた1,000BTC以上を達成しました。
- 2026年8月末:世界Top35以内
- 2027年8月末:世界Top30以内
- 資金調達と連動してBTC取得を継続
BTC技術を実業へ導入
BTCを単なる保有資産にせず、 ビットコイン関連テクノロジーを既存事業・新規事業へ組み込みます。
- BTCマイニングと再生可能エネルギーの融合
- 海外ソリューション企業とのPoC
- 企業向けBTC導入・再建支援
- 既存事業への決済・技術活用
BTCから収益を生み出す
「保有による値上がり益」だけでなく、 インカムゲインを生み出すモデルを構築する方針です。
- BTCインカムゲイン・ソリューションのPoC
- ビットコイントレーディング戦略
- BTC関連ライフスタイル事業
- ANAPブランドとBTCの融合
国内BTCエコシステムを拡大
国内におけるBTC普及を進め、 ANAPホールディングスをエコシステムのハブにする構想です。
- 国際イベント「BITCOIN JAPAN」の開催
- BTC関連書籍の出版
- オープンソース開発への協賛
- 国内外コミュニティとの連携
既存事業の再建ロードマップ
1.商品原価率・コスト改善
- 海外からの直接仕入れを拡大
- 海外工場との直接取引を強化
- オリジナル商品比率を高め差別化
- 事業効率を継続的に改善
2.EC販売力の回復
- ANAPオンラインショップを再構築
- SNSを活用した広告手法を強化
- ECシステムを全面的に見直し
- 自社サイトと収益性の高い他社サイトへ集中
3.ブランド力の再構築
- 顧客年齢・嗜好に応じたリブランディング
- ターゲットを明確化した商品展開
- BASICKSを中心とした新ブランド展開
- 商品力・独自性の強化
4.美容・新規事業
- 前受型からサブスク型モデルへ転換
- ARF・AELの収益基盤を構築
- ANAPライトニングキャピタルを成長軸化
- 新規販売チャネル・収益性の高い事業へ参入
直近3Qでの進捗評価
| 領域 | 3Qの状況 | 評価 |
|---|---|---|
| 店舗・卸売・ライセンス | 売上高1,029百万円、前年同期比+38.2% | 増収だがセグメント損失304百万円 |
| インターネット販売 | 売上高272百万円、前年同期比+92.9% | 販売回復だが広告費増で損失98百万円 |
| エステ・リラックス | 売上高406百万円、前年同期比+210.2% | 損失562百万円。収益モデル確立が課題 |
| 投資関連 | 売上高0百万円、セグメント損失19百万円 | BTC評価損益は営業外損益に計上されるため注意 |
| BTCトレジャリー | 世界Top35入りを目標に取得継続方針 | BTC価格変動の影響が非常に大きい |
ロードマップ達成の鍵
最も重要なのは、BTC価格の上昇そのものより 既存事業の営業赤字を止めることです。 BTC評価益が発生すれば経常利益を大幅に押し上げる一方、 価格下落時には今回の3Qのように巨額の評価損が発生します。
したがって、中期的な安定成長には 「アパレル・EC・美容事業の営業黒字化」と 「BTCを保有するだけでなく収益化するビジネスモデル」の 両方を成立させる必要があります。
③ 会社が記載する目標達成リスク
| リスク | 会社開示の内容 | 中長期戦略への影響 |
|---|---|---|
| 継続企業の前提に関する重要な不確実性 | 2020年8月期以降6期連続で営業損失・経常損失・最終損失を計上し、 2019年8月期以降7期連続で営業CFがマイナス。 3Q時点でも重要な不確実性が認められると記載。 | 最重要リスク。 本業の収益改善と資金調達が計画どおり進まない場合、成長投資継続に影響。 |
| ビットコイン価格変動 | BTC価格は需給、規制・政策、メディア、技術、経済・政治情勢等によって大幅に変動し、 財務の健全性・経営成果に大きな変動をもたらす可能性がある。 | 影響大。 BTC保有量を増やすほど、純資産・経常利益のボラティリティも高まりやすい。 |
| 売上高減少・収益力低下 | 会社自身が事業再生上の重要課題として認識。 リブランディング、原価率改善、EC・SNS強化等で対応。 | BTC事業以前に、既存事業で営業キャッシュを創出できるかが財務安定化の前提。 |
| ファッショントレンド・顧客嗜好 | 流行の変化や急激な景気悪化、顧客嗜好変化により販売が低迷する可能性。 | アパレル再建・ブランド戦略の達成度を左右する。 |
| 競争激化 | 店舗・EC双方で競合が多数存在し、新規の高付加価値サービス等によって競争力が低下する可能性。 | EC回復やリブランディングの成果が出ないリスク。 |
| 原価上昇 | 海外生産国の原材料費、人件費上昇等によって生産コスト・商品供給が影響を受ける可能性。 | 営業利益率改善という重要KPIに直接影響。 |
リスク分析で特に重要な点
現在のANAPホールディングスは、 「事業再生リスク」と「BTC価格変動リスク」が同時に存在する 点が最大の特徴です。
2026年8月期3Qでは、 売上高は前年同期比67.3%増と回復しているものの、 営業損失は17.1億円へ拡大しました。 さらにBTC評価損55.9億円が加わり、経常損失は74.8億円となっています。
会社は3Q決算で、 事業再生策が「実施途上」であり、 現時点でも「継続企業の前提に関する重要な不確実性」 が認められると明記しています。
資金面のロードマップ
財務基盤を支えるため、ANAPホールディングスは 新株・新株予約権・借入等を組み合わせた資金調達を進めています。
2026年7月17日には、主要株主である合同会社四谷デジタルイノベーターズとの間で 借入限度額20億円の極度貸付契約を締結。 一般運転資金および店舗出退店等の設備資金に利用する方針です。
このため当面は、 営業赤字縮小 現預金確保 資本維持 BTC戦略への投資余力 のバランスが重要になります。
総括
ANAPホールディングスの中長期戦略は、 従来のアパレル企業を再建するだけではなく、 「アパレル・美容などの実業+ビットコイン」 を組み合わせた企業へ事業ポートフォリオそのものを転換する計画です。
数値面で最も明確なのはBTC戦略であり、 2026年8月末に世界Top35、2027年8月末にTop30 という保有規模目標を掲げています。
ただし、本業については売上高・営業利益の具体的な中期数値目標を設定しておらず、 2026年8月期の通期業績予想も未定です。 したがって現在の企業評価では、BTC保有量だけでなく 営業赤字縮小の進捗を最優先で確認する必要があります。
今後の重要チェックポイントは 2026年8月末Top35達成 2027年Top30への取得余力 営業赤字の縮小 EC収益改善 美容事業黒字化 BTCインカム事業の収益化 継続企業リスクの解消 です。
・株式会社ANAPホールディングス「2025年8月期 有価証券報告書」2025年12月1日
・株式会社ANAPホールディングス 公式サイト「事業概要/ビットコインエコシステム」
・株式会社ANAPホールディングス「2026年8月期 第3四半期決算短信」2026年7月15日
・株式会社ANAPホールディングス「当社グループによるビットコイン購入に関するお知らせ」2026年4月22日
・株式会社ANAPホールディングス「資金調達に関するお知らせ」2026年7月17日
※業績数値・目標は会社公表値。評価・分析部分は上記公表資料を基に整理。


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