4174 アピリッツ

アピリッツ 4174 東証S

Appirits Inc.|Webシステム・EC・クラウド開発、デジタル人材の育成・派遣、オンラインゲーム運営、ファンクラブなどの推しカルチャー関連サービスを展開する。
※2026年7月14日時点の情報

事業内容

2026年7月14日の時価総額は約38.8億円。終値925円と、2027年1月期第1四半期末の発行済株式総数4,196,562株を基に算出した。事業はWebソリューション、デジタル人材育成派遣、推しカルチャー&ゲームの3領域で構成される。

会社の概要:2000年7月18日設立。本社は東京都渋谷区桜丘町1番1号 渋谷サクラステージ SHIBUYAタワー24階。代表取締役社長執行役員CEOは和田順児。決算期は1月末、東京証券取引所スタンダード市場に上場する。2026年1月末の資本金は653百万円、2026年4月時点のグループ従業員数は881人。

直近決算の概要:2027年1月期第1四半期は売上高2,498百万円、営業利益40百万円、経常利益38百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益3百万円。前期に収益を圧迫した大型不採算案件が第1四半期末で収束し、営業利益は前年同期の2百万円から改善した。通期予想は売上高10,843百万円、営業利益228百万円、経常利益174百万円、親会社株主に帰属する当期純利益114百万円で、黒字転換を計画する。

Webソリューション事業

外部顧客への売上高は2022年1月期の2,153百万円から2026年1月期の3,510百万円へ拡大した。セグメント利益は2024年1月期の967百万円をピークに、2026年1月期は大型不採算案件の影響で98百万円まで低下した。2027年1月期第1四半期は売上高940百万円、セグメント利益112百万円となり、不採算案件収束後の正常化が進んでいる。
Webソリューション事業の5期推移(百万円)
4000 3000 2000 1000 0 2153 2877 3458 3286 3510 555 837 967 459 98 2022/1 2023/1 2024/1 2025/1 2026/1 売上高 セグメント利益

BtoBtoC型のWebサービスを中心に、ECサイト、会員サイト、ポータルサイト、スマートフォンアプリ、業務システムの企画、設計、開発、保守、運用を提供する。システムを納品して終了するのではなく、アクセス解析、UI・UX改善、Webマーケティング、機能追加を通じて、サービスの継続的な成長を支援する。

受託開発では、請負契約、準委任契約、運用・保守、コンサルティングを組み合わせる。2026年1月期の外部売上高は、受託開発1,999百万円、運用・保守778百万円、コンサルティング656百万円、人材派遣75百万円などで構成された。

AWSのアドバンストティアサービスパートナーとして、クラウド移行、AWS環境の設計・構築、アプリケーション開発、運用・監視にも対応する。既存Webシステムのクラウド化から新規サービスの基盤構築までを一体で受注できる。

EC領域では、サイト構築だけでなく、会員、商品、在庫、決済、物流、マーケティングなどの周辺機能を組み合わせる。ゲームやファンクラブで得た会員課金、デジタルコンテンツ、イベント運営の知見を、一般企業の顧客接点改善へ展開できる点が特徴となる。

2026年1月期は、大型案件でフロントエンド先行の設計、スコープ管理不足、手戻り、外注費増加、工数超過が発生した。不採算案件への人員集中により、新規案件の営業活動と開発ラインの確保にも影響が及んだ。

再発防止策として、受注段階の技術審査、案件選別基準、全社PMOによる進捗・原価管理、設計レビューを強化している。若手中心の人員構成から、要件定義、設計、アーキテクチャを担えるミドル・シニア人材を中核とする体制への移行も進める。

2027年1月期第1四半期末に大型不採算案件が収束し、受注損失引当金も解消した。今後は正常化後のセグメント利益率、1億円以上の大型SI案件の採算、外注費の削減、新規受注の回復が評価の焦点となる。

デジタル人材育成派遣事業

外部顧客への売上高は2022年1月期の422百万円から2024年1月期の1,885百万円まで拡大した。2025年1月期はセグメント区分変更後の比較値で1,446百万円、2026年1月期は1,778百万円となった。一方、セグメント損益は2025年1月期の39百万円から2026年1月期に12百万円の損失へ悪化した。
デジタル人材育成派遣事業の5期推移(百万円)
2100 1550 1000 450 0 -100 422 1227 1885 1446 1778 58 95 111 39 -12 2022/1 2023/1 2024/1 2025/1 2026/1 売上高 セグメント損益

Webエンジニア、アプリケーションエンジニア、クリエイター、ゲーム開発人材などを採用・育成し、顧客企業の開発チームやDX部門へ提供する。自社のWeb・ゲーム開発現場を人材育成の場として利用できる点が、一般的な人材派遣会社との違いとなる。

企業のIT投資とデジタル人材不足を背景に、システム開発、クラウド、生成AI活用などの人材需要を取り込む。従来の未経験者中心の採用・育成から、上流工程を担当できるミドル・シニア層の採用強化へ重点を移している。

人材派遣だけでなく、複数の技術者をチームとして提供するラボ型開発、受託開発、技術リード、プロジェクト管理を組み合わせ、契約単価と付加価値を引き上げる方針である。

2026年1月期は大口派遣先の契約終了による待機人員と、中核人材の先行採用が利益を圧迫した。売上高は増加したものの、セグメント損失へ転じており、稼働率と人件費負担の管理が課題となった。

2027年1月期第1四半期は外部顧客への売上高383百万円、セグメント損失13百万円。大口プロジェクト終了後の待機人数は減少傾向となり、同四半期の稼働人月は540人月だった。

第1四半期から、一部の受託開発とラボ型開発をWebソリューション事業へ移管している。このため、表面上のセグメント売上高だけでなく、稼働人月、待機人数、契約単価、Web事業へ移管された開発収益を併せて確認する必要がある。

将来的な利益成長には、派遣人数の単純な拡大よりも、AI教育、クラウド技術、上流設計、プロジェクト管理などの高付加価値人材を育成し、単価と稼働率を同時に引き上げることが求められる。

推しカルチャー&ゲーム事業

2025年1月期以前のオンラインゲーム事業などを現在の区分へ組み替えた比較値では、外部顧客への売上高が2022年1月期の2,220百万円から2026年1月期の4,667百万円へ拡大した。2026年1月期は全社で最大の売上セグメントとなり、セグメント利益341百万円を確保した。
推しカルチャー&ゲーム事業の5期推移(百万円)
5200 3900 2600 1300 0 2220 3219 3085 4277 4667 153 145 190 463 342 2022/1 2023/1 2024/1 2025/1 2026/1 売上高 セグメント利益

スマートフォンゲーム、オンラインゲームの企画、開発、運営、他社タイトルの運営移管、受託開発、イベント更新、ユーザーサポートを提供する。タイトルの新規開発だけでなく、既存ゲームを長期間運営し、収益性を改善する業務を重要な事業領域としている。

売上高は、ゲーム利用者からの課金収入、共同事業者から受け取るレベニューシェア、受託開発、人材派遣、運用・保守などで構成される。2026年1月期は、ユーザー課金収入2,282百万円、共同事業者からのレベニューシェア等1,586百万円を計上した。

「けものフレンズ3」「UNI’S ON AIR」「乃木坂的フラクタル」などを運営し、2027年1月期第1四半期時点では受託案件を含む合計7タイトルの運営パイプラインを維持している。

ファンクラブサービスでは、会員サイト、会員管理、限定コンテンツ、チケット・抽選販売、EC、イベント、デジタル施策などを提供する。ゲームとファンクラブを同一セグメントで扱うことで、IP保有者に対してファン接点と課金機会を横断的に提案できる。

2027年1月期第1四半期は外部顧客への売上高1,175百万円、セグメント利益110百万円。閑散期でありながら外注費の削減と運営コストの最適化が寄与し、セグメント利益率は約9.4%となった。

今後は、他社からの運営移管、既存ゲームの長期運営、ファンクラブ、EC、イベント、デジタルコンテンツを組み合わせ、単一タイトルの課金だけに依存しない収益構造を構築できるかが焦点となる。

身体データとAIを利用する「Physical AI Solution」も新規事業候補として準備している。アプリ開発力と身体性デジタル化技術を組み合わせ、スポーツ指導AIやファン参加型体験などの市場開拓を進めるが、現時点で独立した売上高や利益は開示されていない。

直近5年業績サマリー

業績項目 2022年1月期 2023年1月期 2024年1月期 2025年1月期 2026年1月期 2027年1月期
会社予想
売上高
(百万円)
4,795 7,323 +2,528 / +52.7% 8,427 +1,104 / +15.1% 9,008 +581 / +6.9% 9,955 +947 / +10.5% 10,843 +888 / +8.9%
営業損益
(百万円)
233 462 +229 / +98.3% 599 +137 / +29.6% 185 -414 / -69.1% -309 -494 / 赤字転落 228 +537 / 黒字転換
経常損益
(百万円)
220 445 +225 / +102.3% 596 +151 / +33.9% 185 -411 / -68.9% -317 -502 / 赤字転落 174 +491 / 黒字転換
当期純利益
(百万円)
109 210 +101 / +92.7% 386 +176 / +83.8% 45 -341 / -88.3% -465 -510 / 赤字転落 114 +579 / 黒字転換
EPS
(円)
25.97 50.04 +24.07 / +92.7% 91.98 +41.94 / +83.8% 10.72 -81.26 / -88.3% -110.80 -121.52 / 赤字転落 27.17 +137.97 / 黒字転換
PER
(倍)
29.5 22.8 12.9 70.3 34.1
PBR
(倍)
1.67 2.26 2.01 1.32 1.48
BPS
(円)
458.47 505.41 +46.94 / +10.2% 588.10 +82.69 / +16.4% 570.47 -17.63 / -3.0% 443.22 -127.25 / -22.3%
純資産
(百万円)
1,924 2,121 +197 / +10.2% 2,468 +347 / +16.4% 2,394 -74 / -3.0% 1,860 -534 / -22.3%
営業CF
(百万円)
307 535 +228 / +74.3% 251 -284 / -53.1% 10 -241 / -96.0% -4 -14 / 赤字転落
投資CF
(百万円)
-426 -254 +172 / 支出縮小 -462 -208 / 支出拡大 -160 +302 / 支出縮小 -170 -10 / 支出拡大
財務CF
(百万円)
525 102 -423 / -80.6% 130 +28 / +27.5% 702 +572 / +440.0% -6 -708 / 支出転換
現金及び現金同等物
(百万円)
1,439 1,822 +383 / +26.6% 1,742 -80 / -4.4% 2,293 +551 / +31.6% 2,117 -176 / -7.7%

中期経営計画

専用の中期経営計画は未公表・中期ビジョン「アピリッツVISION2030」

公式IRサイトでは、具体的な複数年度の売上高、営業利益、ROEなどを数値目標としてまとめた専用の中期経営計画資料は確認できない。一方、会社は中期ビジョンとして「アピリッツVISION2030」を掲げ、人と事業が継続して成長できる環境の構築を進めている。

ビジョンを構成する要素は、組織横断のコミュニティを活性化する「共創・共学」、継続的な学習環境による「人材育成」、学習と技術利用による「生産力向上」である。デジタル人材の育成と多数のサービス開発を通じ、事業・収益の拡大を目指す。

直近の数値目標となる2027年1月期会社予想は、売上高10,843百万円、営業利益228百万円、経常利益174百万円、親会社株主に帰属する当期純利益114百万円。2026年1月期の営業損失309百万円から黒字転換を計画する。年間配当予想は29円である。

Webソリューション事業では、受注選別基準の厳格化、技術審査、PMOによる進捗・原価の可視化、設計レビューを通じて、不採算案件の再発を防ぐ。AI活用の標準化とミドル・シニア人材の増強により、高単価・高付加価値案件への移行を進める。

デジタル人材育成派遣事業では、待機人員の再配置と稼働率回復を優先する。派遣中心のモデルから受託開発を組み合わせるモデルへ移行し、AI教育、クラウド、上流設計、プロジェクト管理を担う人材を育成する。

推しカルチャー&ゲーム事業では、既存タイトルの運営コストを最適化しながら、他社タイトルの運営移管、受託案件、ファンクラブ、EC、イベントを拡大する。自社IPや推し活領域の新規サービス、Physical AI Solutionも将来の事業候補に位置付ける。

M&Aは成長戦略の重要な柱であり、開発会社、先端技術を持つ企業、顧客基盤を持つ企業を対象に検討する。技術者の確保と顧客基盤の拡大を進める一方、買収後の統合、のれん、借入金、収益貢献の検証が必要となる。

IR情報へ

競合他社

① サイバーエージェント(4751)

2026年7月14日の株価は1,511円、時価総額は約7,662億円。メディア&IP、インターネット広告、ゲーム、AI・DXなどを展開する国内大手インターネット企業である。

2026年9月期上期は、売上高4,785億84百万円、営業利益524億59百万円、経常利益539億20百万円、親会社株主に帰属する利益273億36百万円。ゲーム事業は第2四半期に売上高675億円、営業利益209億円を計上した。

アピリッツとは、スマートフォンゲームの企画・開発・運営、IPの獲得、ファンクラブ、会員課金、EC、デジタルコンテンツ、Webマーケティングで競合する。サイバーエージェントは多数の開発会社、広告運用力、メディア、アニメ、音楽などを組み合わせ、大規模なIP投資を行える。

アピリッツは大型新作への投資競争ではなく、他社タイトルの運営移管、中規模タイトルの長期運営、顧客IPに合わせた柔軟な開発、ファンクラブやECとの連携で差別化する必要がある。

② SHIFT(3697)

2026年7月14日の株価は726.2円、時価総額は約1,943億円。ソフトウェアテストと品質保証を起点に、ITコンサルティング、PMO、システム開発、セキュリティ、クラウド、運用、ゲーム支援へ事業領域を広げている。

2026年8月期上期は、売上高720億35百万円、営業利益69億7百万円、経常利益66億9百万円、親会社株主に帰属する利益40億11百万円。売上高は前年同期比16.8%増加したが、AI関連投資、採用、稼働率低下などで営業利益は14.3%減少した。

アピリッツとは、Webシステム、EC、会員サイト、クラウド移行、DX、PMO、IT人材、ゲーム品質保証、運営支援で競合する。SHIFTは大規模な技術者組織とグループ会社を持ち、企画から開発、テスト、運用まで大規模案件へ対応できる。

アピリッツは、第三者品質保証や大規模PMOでは規模の差が大きい。一方、BtoBtoC型Webサービス、ゲームの運営主体、ファンクラブ、ECなど、顧客の売上とファン接点に近い領域で企画から運用まで担当できる。

③ テンダ(4198)

2026年7月14日の株価は494円、時価総額は約32.8億円。DXソリューション、テックワイズコンサルティング、ゲームコンテンツを展開し、Web開発とゲームを併営する点でアピリッツと事業構成が近い。

2026年5月期は売上高51億31百万円、営業利益1億65百万円、経常利益1億84百万円、親会社株主に帰属する利益19百万円。2027年5月期は売上高54億円、営業利益3億円、親会社株主に帰属する利益80百万円を計画する。

Webシステム、スマートフォンアプリ、EC、クラウド、DX、業務改善、オンラインゲーム、コンシューマーゲーム、3D制作などで競合する。テンダは業務改善製品「Dojo」シリーズなどの自社製品を持ち、ライセンスやクラウド利用料を積み上げられる。

アピリッツは複雑なBtoBtoC型サービス、オンラインゲームの運営移管、ファンクラブ、会員課金、ECを組み合わせる点で差別化できる。両社の時価総額と事業規模が比較的近く、案件採算、人材採用、ゲーム運営力を直接比較しやすい競合となる。

強みと将来性

Web開発、人材育成、ゲーム運営、ファンビジネスを横断できる事業基盤

アピリッツの強みは、Webシステム開発、デジタル人材の育成・派遣、オンラインゲーム運営、ファンクラブ、ECを一つの企業グループ内で提供できる点にある。一般的な受託開発会社やゲーム会社よりも、顧客のデジタルサービスを企画、開発、運営、集客、収益化まで長期的に支援できる。

Webソリューション事業では、EC、会員サイト、ポータル、アプリ、クラウド、マーケティング、セキュリティを組み合わせる。ゲームとファンクラブで蓄積した大量アクセス、会員課金、継続率改善の知見を、一般企業のBtoBtoCサービスへ応用できる。

推しカルチャー&ゲーム事業では、ゲーム課金だけでなく、ファンクラブ会費、限定コンテンツ、EC、イベントなど複数の収益接点を持てる。IP保有企業に対し、ゲーム単体ではなくファンのLTVを高める仕組みを提案できる点は差別化要因となる。

ゲーム運営移管は、新作開発より投資額を抑えながら、既存ユーザーと運営収入を引き継げる可能性がある。運営コストを最適化し、イベント更新や課金施策を継続できれば、中規模タイトルを長期収益源として活用できる。

デジタル人材育成派遣事業は、採用した人材を顧客先へ派遣するだけでなく、自社のWeb・ゲーム案件で経験を積ませることができる。人材育成、受託開発、派遣を循環させることで、外部採用だけに依存しない技術者供給体制を構築できる。

2026年1月期の大型不採算案件は、第1四半期末で収束した。2027年1月期第1四半期の営業利益は40百万円まで改善しており、再発防止策が機能すれば、前期の損失が構造的なものではなく一時的な案件要因だったことを示せる。

2027年1月期の会社予想は営業利益228百万円、当期純利益114百万円である。Web事業の正常化、デジタル人材の稼働率回復、ゲーム事業の利益維持が同時に進めば、赤字からの利益回復幅は大きくなる。

Physical AI Solutionでは、アプリ開発力と身体データ技術を組み合わせ、スポーツ指導AIやファン参加型体験などを検討している。ゲーム、ファンビジネス、スマートフォンアプリの既存能力と接続しやすい領域だが、収益化時期や売上目標はまだ開示されていない。

将来的な評価の転換点は、Web事業の利益率回復、デジタル人材事業の黒字化、ゲーム運営移管案件の増加、ファンクラブ・ECの継続課金収入、Physical AIを含む新規サービスの受注である。

弱みとリスク要因

案件採算、人材稼働率、ゲームタイトルへの依存が利益を大きく変動させる

最大のリスクは、Web受託開発の案件採算である。2026年1月期は一つの大型不採算案件で、Webソリューション事業のセグメント利益が前期の458百万円から98百万円へ減少し、全社営業損失309百万円につながった。

要件定義、設計、スコープ、工数、外注費の管理に失敗すると、売上高が計上されても利益が残らない。さらに、問題案件へ技術者を集中させることで、新規案件の受注や他案件の開発能力まで低下する。

会社は技術審査、受注選別、PMO、原価管理、設計レビューを強化しているが、再発防止の有効性は今後の四半期利益率で確認する必要がある。大型案件の受注拡大は成長機会である一方、一件当たりの損失リスクも大きくなる。

デジタル人材育成派遣事業は、契約終了や案件開始の遅れによって待機人員が発生する。給与は継続的に発生するため、稼働率が低下すると短期間で赤字化しやすい。2027年1月期第1四半期も13百万円のセグメント損失が残った。

Web・クラウド・AI・ゲーム人材は採用競争が激しい。採用費と人件費が上昇する一方、十分な単価で案件を確保できなければ利益率が低下する。SHIFT、サイバーエージェント、テンダなどとは、顧客案件だけでなく技術者の採用でも競合する。

推しカルチャー&ゲーム事業は、既存タイトルの課金額、周年施策、ユーザー数、IP契約、サービス期間に左右される。特定タイトルの終了や課金減少を、新規運営移管やファンクラブ収入で補えない場合、最大セグメントの売上高が減少する。

ゲーム運営では、イベント開発、サーバー、外注、広告、IP使用料などの費用が発生する。売上高が想定を下回るタイトルを長期間保有すると、開発資産やのれんの減損リスクが高まる。

M&Aは技術者と顧客基盤を短期間で獲得できる一方、買収先の利益未達、組織統合、人材流出、のれん償却、借入金増加のリスクがある。子会社ごとの利益貢献が不明確な場合、売上高の拡大が株主利益へ結び付かない可能性がある。

2027年1月期第1四半期末の自己資本比率は30.2%。短期借入金は2026年1月末の674百万円から1,116百万円へ増加し、純資産は1,860百万円から1,814百万円へ減少した。現金及び預金は2,189百万円あるが、配当、M&A、開発投資、借入返済の優先順位を確認する必要がある。

2026年7月14日終値925円に対する2027年1月期予想PERは約34.1倍、2026年1月期末の再計算BPSに対するPBRは約2.09倍となる。利益回復を一定程度織り込む水準であり、通期黒字転換やWeb事業の正常化が遅れた場合は評価倍率が低下しやすい。

出典

本ページは公開情報に基づく企業分析であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。株価、時価総額、PER、PBRなどの指標は市場価格や発行済株式数の変動により変化します。投資判断は最新の適時開示、決算短信、有価証券報告書、決算説明資料などを確認したうえで行ってください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました