2026年9月18日(金)のストップ高銘柄と理由
本日のポイント
9月18日のストップ高7銘柄は、データセンター通信装置、フィジカルAI、金融DX・資本再編、半導体メモリ、TOB、コンテンツM&Aと複数テーマに分散した。なかでも当日材料の直接性が高いのはテクニスコで、13時30分にデータセンター通信装置向け高機能ヒートシンク部品の大口受注を公表。受注規模は2026年6月期売上高の10%以上で、2027年6月期に売上計上する予定とした。
日本抵抗器製作所は、フェローテックが完全子会社化を目的に1株1,901円でTOBを開始。9月18日の終値1,575円は値幅制限上限で、公開買付価格との差は326円残る。買付期間は9月18日から11月5日までで、成立後は上場廃止を予定する。
ミンカブ・ジ・インフォノイドは前日17日に正式発表されたNTTデータ・SBIホールディングスとの大型再編を受け、2営業日連続のストップ高。3社による金融DXの業務提携、NTTデータの筆頭株主化、ライブドア全株式のSBIグループへの譲渡を同時に進め、メディアから金融情報・ソリューションへ経営資源を移す構造改革となる。
ブレインズテクノロジーは製造現場向けフィジカルAI、ミナトホールディングスはDRAM・NANDフラッシュメモリとAIデータセンター需要、ベビーカレンダーはオレンジページ買収という直近の事業テーマを持つ。コパ・コーポレーションは実演販売、EC、ライブコマースを事業軸とするが、当日の上昇理由について推測的な材料付けは行わない。
テーマ別グルーピング
- データセンター/光通信・放熱:テクニスコ。光通信メーカーから高機能ヒートシンク部品を大口受注。
- フィジカルAI・ロボット:ブレインズテクノロジー。製造現場へのロボット導入をAI認識技術と一体で支援。
- フィンテック/金融DX:ミンカブ・ジ・インフォノイド。NTTデータ・SBIとの3社提携、資本再編、ライブドア譲渡が中心。
- DRAM・フラッシュメモリ:ミナトホールディングス。AIデータセンター投資によるメモリ需給変化が業績へ波及。
- 電子部品/TOB:日本抵抗器製作所。フェローテックが1株1,901円で完全子会社化を目指す。
- 出版/コンテンツM&A:ベビーカレンダー。JR東日本からオレンジページ全株式を取得。
- 広告/ライブコマース:コパ・コーポレーション。実演販売、EC、動画・ライブ配信を組み合わせた販売モデル。
ストップ高銘柄(7銘柄)
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2962テクニスコ
東証S時価総額 約205億円データセンター光デバイス半導体材料
2,231円(前日比+400円 +21.85%)
テクニスコは、金属・セラミック・ガラスなどの精密加工部品を手掛けるメーカー。切断、研削、研磨、メタライズ、接合を組み合わせる独自のクロスエッジ技術を強みとし、光通信、高出力半導体レーザー、パワー半導体、センサー、医療機器などへ部品を供給している。
9月18日は2,231円、前日比400円高、+21.85%のストップ高。終値ベースの時価総額は約205億円。
直接の材料は、13時30分に公表したデータセンターの通信装置向け高機能ヒートシンク部品の大口受注。受注日は9月17日で、受注先は光通信メーカー。
受注先と金額は守秘義務により非開示だが、会社は受注金額が2026年6月期売上高の10%以上に相当すると明示した。売上計上は2027年6月期を予定する。
ヒートシンクは半導体や光通信デバイスから発生する熱を逃がす放熱部品。AI計算量の増加と高速通信化が進むデータセンターでは、通信機器・光デバイスの発熱対策が安定稼働に直結する。
同社は従来から光通信向け、高出力半導体レーザー向け、パワー半導体・MPU向けのヒートシンクを展開しており、今回の案件は既存の精密加工・放熱技術がデータセンター通信装置の実需へつながった受注となる。
受注規模を前期売上高の10%以上という定量基準で示した点も重要。個別金額を開示しない案件でも、会社全体の売上規模に対する大きさを把握できる。
本件による2027年6月期業績への影響は、8月14日公表の業績予想へ織り込み済み。大口受注と追加的な業績上方修正は分けて確認する必要がある。
株価は発表時刻後に上昇し、値幅制限上限へ到達した。当日開示と株価反応の時間軸が明確な銘柄。
テーマは「データセンター」「光デバイス」「半導体材料」。AIデータセンター投資の恩恵が、GPUだけでなく光通信機器の放熱部材へ広がっていることを示す受注となった。
4075ブレインズテクノロジー
東証G時価総額 約95億円フィジカルAI・ロボットAI(人工知能)FA関連(工場の自動化)
1,591円(前日比+300円 +23.24%)
ブレインズテクノロジーは、製造業・インフラ企業向けのAI異常検知ソリューション「Impulse」と、企業内検索システム「Neuron ES」を主力とするAIソフトウェア企業。
9月18日は1,591円、前日比300円高、+23.24%のストップ高。終値ベースの時価総額は約95億円。
現在の主要事業テーマは、製造現場でロボットとAIを組み合わせるフィジカルAI。8月28日に「フィジカルAI 現場実装・ロボット導入支援サービス」の提供開始を公表した。
同サービスは、ロボット基盤モデルと画像・動画解析などの認識技術を組み合わせ、工程選定からデータ収集、検証、現場実装、運用定着まで一貫して支援する。
対象にはヒューマノイド、産業用ロボット、四足歩行ロボットなどを含む。機器販売ではなく、製造現場ごとのデータを用いてAI・ロボットを実工程へ組み込む実装支援を事業領域とする。
Impulseは設備のセンサーデータ、音、画像などをAIで分析し、異常や故障兆候を検知する。フィジカルAIでは、この認識・分析技術をロボットの判断や工程自動化へ拡張する。
ホンダ、三菱ケミカルなど製造業での導入事例を持ち、製造現場のデータ収集・異常検知に関する実装ノウハウを蓄積している。
8月31日には業務特化型AIエージェント「Industrial AI Agent」のサービス紹介ページも公開。生成AIを設備保全や製造現場の専門業務へ接続する方向性を明確にしている。
テーマは「フィジカルAI・ロボット」「AI(人工知能)」「FA関連(工場の自動化)」。人手不足、省人化、熟練技能のデジタル化という製造業の課題に対し、AI認識とロボット実装の両面からサービスを展開する。
4436ミンカブ・ジ・インフォノイド
東証G時価総額 約92億円フィンテックAI(人工知能)広告
600円(前日比+100円 +20.00%)
ミンカブ・ジ・インフォノイドは、金融情報・データを提供するソリューション事業と、ライブドアなどを通じたメディア事業を展開する情報サービス企業。
9月18日は600円、前日比100円高、+20.00%のストップ高。前日の500円ストップ高に続く連続ストップ高で、終値ベースの時価総額は約92億円。
材料は9月17日に正式発表された、ミンカブ、NTTデータ、SBIホールディングスの3社による金融領域の業務提携と、関連する資本・事業再編。
3社は金融領域における新サービスの企画・開発・提供と、金融機関・金融事業者向けDX支援の高度化を目的とする業務提携契約を締結した。
同時にNTTデータとミンカブは資本業務提携契約を締結。NTTデータが既存株主からミンカブ株式を取得し、筆頭株主となる新しい資本構成を構築する。
SBIは第2位株主として資本関係を継続。NTTデータの金融機関向けシステム・顧客基盤、SBIの金融事業ノウハウ、ミンカブの金融データ・情報資産を組み合わせる。
さらに、ミンカブが保有するライブドアの全株式をSBIグループへ譲渡することで合意。メディア子会社を切り離す一方、ミンカブ本体は金融情報・ソリューション領域へ経営資源を集中させる方向が明確になった。
前日の取引時間中は買収・出資報道を受けてストップ高となり、取引終了後に3社の正式な契約内容が公表された。9月18日は正式発表後の最初の取引日。
テーマは「フィンテック」「AI(人工知能)」「広告」。ライブドア売却を伴う事業ポートフォリオ再編と、NTTデータ・SBIを含む金融データ連携が同時に進む大型の資本業務再編となった。
6862ミナトホールディングス
東証S時価総額 約411億円DRAMフラッシュメモリデータセンター
5,180円(前日比+700円 +15.63%)
ミナトホールディングスは、メモリーモジュール、ROM書込みサービス、デバイスプログラマ、デジタル関連機器などを展開する企業グループ。半導体メモリ関連事業が業績変動の大きな要素となる。
9月18日は5,180円、前日比700円高、+15.63%のストップ高となり、年初来高値を更新。終値ベースの時価総額は約411億円。
業績面で重要な直近開示は、2027年3月期第1四半期決算と通期業績予想の大幅な上方修正。
第1四半期は売上高230億2,700万円、営業利益47億7,100万円。メモリー関連事業が全体業績を大きく押し上げた。
通期売上高予想は480億円から810億円、営業利益予想は35億円から100億円、経常利益予想は32億円から93億円へ引き上げられた。
年間配当予想も30円から42円へ増額し、利益成長を株主還元へ反映する方針を示した。
背景には生成AI向けデータセンター投資の拡大によってHBMやSSD向けへ半導体メーカーの生産能力が振り向けられ、汎用DRAMやNANDフラッシュメモリの需給が引き締まったことがある。
メモリ価格の上昇と、前期までに確保した在庫の販売が第1四半期利益を押し上げた。メモリーモジュールを扱う同社では、メモリ市況の変化が収益へ直接反映される。
会社資料では第1四半期に大きく寄与した在庫販売などについて、第2四半期以降も同じ規模で継続する前提ではないことが示されている。四半期利益を単純に年率換算せず、通期予想を基準に確認する必要がある。
テーマは「DRAM」「フラッシュメモリ」「データセンター」。生成AIインフラ投資がメモリ需給と価格へ波及し、その変化が業績数値へ表れている。
6977日本抵抗器製作所
東証S時価総額 約20億円電子部品自動車TOB
1,575円(前日比+300円 +23.53%)
日本抵抗器製作所は、抵抗器、ポテンショメーター、センサー、電子制御機器などを手掛ける電子部品メーカー。車載、産業機器、家電など幅広い用途へ製品を供給している。
9月18日は1,575円、前日比300円高、+23.53%のストップ高。終値ベースの時価総額は約20億円。
材料は、フェローテックによる完全子会社化を目的としたTOB。日本抵抗器製作所は9月17日の取締役会でTOBへの賛同と、株主に対する応募推奨を決議した。
TOB価格は1株1,901円。買付期間は9月18日から11月5日までで、買付予定数は123万7,203株。
買付予定数の下限は61万8,700株で、上限は設定されていない。TOB成立後は、所定の手続きを経てフェローテックの完全子会社となり、上場廃止となる予定。
9月18日の終値1,575円と公開買付価格1,901円との差は326円。終値ベースではTOB価格が約20.7%上に位置する。
9月18日の値幅制限上限が1,575円だったため、1営業日では公開買付価格まで到達できない価格構造となった。株価はTOB価格を基準にサヤ寄せするイベントドリブン型の値動き。
フェローテックは、半導体製造装置向け部材や電子部品などをグローバル展開する企業。完全子会社化後は研究開発、海外販売網、生産拠点の効率化を進める方針。
両社は日本抵抗器の抵抗器・角度センサーと、フェローテックグループの温度制御部品などを組み合わせ、車載分野を含む事業拡大を想定している。
テーマは「電子部品」「自動車」「TOB」。今回のストップ高は1株1,901円という明確な公開買付価格が株価形成の基準となった。
7363ベビーカレンダー
東証G時価総額 約16億円出版育児M&A
1,649円(前日比+300円 +22.24%)
ベビーカレンダーは、妊娠・出産・育児情報メディア「ベビーカレンダー」の運営を中心に、Webメディア、コンテンツ制作、デジタルマーケティング、産婦人科向けサービスなどを展開する。
9月18日は1,649円、前日比300円高、+22.24%のストップ高。終値ベースの時価総額は約16億円。
直近の大きな企業イベントは、9月15日に公表した株式会社オレンジページの完全子会社化。JR東日本が保有するオレンジページの全株式を取得する株式譲渡契約を締結した。
取得対象はオレンジページの全9,910株で、取得価額は概算5億700万円。株式譲渡実行日は11月2日を予定する。
オレンジページは、雑誌『オレンジページ』を中心とする出版事業に加え、料理・生活分野のWebコンテンツ、EC、イベント、講座などを展開する。
ベビーカレンダーはWebメディア運営、SEO、デジタルマーケティングに強みを持ち、オレンジページは長年蓄積した料理・生活コンテンツと出版ブランド、紙媒体・ECの事業基盤を持つ。
買収後はオレンジページのコンテンツをWebで収益化するほか、ベビーカレンダー側のデジタルコンテンツを出版・ECへ横展開するなど、両社の事業基盤を相互活用する方針。
ベビーカレンダーは妊娠・出産・育児というライフステージ特化型メディアから、食・暮らしを含むより広い生活情報領域へ事業ポートフォリオを拡張する。
オレンジページの2026年2月期売上高は28億円規模で、ベビーカレンダーにとって事業規模を大きく変える買収案件。2026年12月期業績への具体的な影響額は精査中としている。
テーマは「出版」「育児」「M&A」。デジタルメディア企業による老舗生活情報ブランドの取得で、コンテンツ資産と販売チャネルの相互活用が事業上の焦点となる。
7689コパ・コーポレーション
東証G時価総額 約15億円広告ライブコマースEC
513円(前日比+80円 +18.48%)
コパ・コーポレーションは、実演販売を核に商品企画・開発、卸売、TV通販、EC、セールスプロモーション、販促映像制作などを展開する。
9月18日は513円、前日比80円高、+18.48%のストップ高。終値ベースの時価総額は約15億円。
同社のビジネスモデルは、実演販売士が商品の特徴や使用方法を分かりやすく伝える「売る力」と、販売現場で得た顧客反応を商品企画へ戻す「作る力」を組み合わせる点に特徴がある。
販売チャネルは量販店などの店頭実演、テレビ通販、自社EC、他社ECモール、販促イベントへ広がっている。直営店舗「デモカウ」では、実演販売と商品体験を組み合わせた販売も行う。
デジタル分野では、動画による商品説明と実演販売のノウハウを組み合わせるライブコマースを事業テーマとしている。TikTok Shopなど、スマートフォン上で視聴から購入まで完結する販売チャネルとの親和性が高い。
実演販売は商品の機能を映像で見せながら購入理由を作る販売手法で、短尺動画やライブ配信との相性が良い。店頭実演で蓄積した話法・演出をデジタルへ転用できる。
企業向けのセールスプロモーションや販促映像制作も手掛け、メーカーの商品認知・販売促進を支援する広告的な事業領域を持つ。
2027年2月期は売上高18億200万円、営業利益100万円を計画し、営業損益の黒字化を目指す。第1四半期は売上高が前年同期を上回り、営業赤字も縮小している。
事業再構築では、実演販売の強みをECや動画、生成AI活用へ接続し、収益構造の改善を進めている。
テーマは「広告」「ライブコマース」「EC」。当日の値動きに推測的な理由付けはせず、確認できる事業内容と直近の業績・デジタル販売戦略を記載する。
主な出典
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