| 業績項目 | 2023年6月期 | 2024年6月期 | 2025年6月期 | 2026年6月期 | 2027年6月期予想 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 5,347 △133 / △2.4% | 4,683 △664 / △12.4% | 3,362 △1,321 / △28.2% | 3,745 +383 / +11.4% | 5,900 +2,155 / +57.5% |
| 営業損益 | 273 △346 / △55.9% | △476 △749 / △274.4% | △1,443 △967 / △203.2% | △74 +1,369 / +94.9% | 250 +324 / +437.8% |
| 経常損益 | 329 △558 / △62.9% | △318 △647 / △196.7% | △1,629 △1,311 / △412.3% | 17 +1,646 / +101.0% | 210 +193 / +1135.3% |
| 当期純利益 | 222 △580 / △72.3% | △603 △825 / △371.6% | △2,976 △2,373 / △393.5% | 5 +2,981 / +100.2% | 200 +195 / +3900.0% |
| EPS | 34.12 △89.06 / △72.3% | △67.48 △101.60 / △297.8% | △324.72 △257.24 / △381.2% | 0.60 +325.32 / +100.2% | 21.77 +21.17 / +3528.3% |
| 一株配当金 | 0.00 ±0 / 0.0% | 0.00 ±0 / 0.0% | 0.00 ±0 / 0.0% | 0.00 ±0 / 0.0% | 0.00 ±0 / 0.0% |
| 純資産 | 3,739 +221 / +6.3% | 4,688 +949 / +25.4% | 1,624 △3,064 / △65.4% | 1,763 +139 / +8.6% | ー |
| 営業CF | 361 △681 / △65.4% | △386 △747 / △206.9% | △256 +130 / +33.7% | 97 +353 / +137.9% | ー |
| 投資CF | △792 △158 / △24.9% | △434 +358 / +45.2% | △184 +250 / +57.6% | △229 △45 / △24.5% | ー |
| 財務CF | 416 +663 / +268.4% | 2,092 +1,676 / +402.9% | 226 △1,866 / △89.2% | 46 △180 / △79.6% | ー |
| フリーCF | △431 △839 / △205.6% | △820 △389 / △90.3% | △440 +380 / +46.3% | △132 +308 / +70.0% | ー |
1.会社予想と実績
2023年6月期から2026年6月期は会社予想と通期実績を比較し、2027年6月期は最新の通期会社予想を掲載しています。
| 指標 | 2023年6月期 | 2024年6月期 | 2025年6月期 | 2026年6月期 | 2027年6月期 | ||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 予想 | 実績 | 達成度 | 予想 | 実績 | 達成度 | 予想 | 実績 | 達成度 | 予想 | 実績 | 達成度 | 予想 | 実績 | 達成度 | |
| 売上高 | 5,265 | 5,347 | 101.6% | 6,475 | 4,683 | 72.3% | 4,520 | 3,362 | 74.4% | 4,200 | 3,745 | 89.2% | 5,900 | — | 最新予想 |
| 営業利益 | 256 | 273 | 106.6% | 427 | △476 | -111.5% | △600 | △1,443 | -40.5% | 60 | △74 | -123.3% | 250 | — | 最新予想 |
| 経常利益 | 247 | 329 | 133.2% | 420 | △318 | -75.7% | △620 | △1,629 | -62.7% | 40 | 17 | 42.5% | 210 | — | 最新予想 |
| 親会社株主帰属純利益 | 129 | 222 | 172.1% | 301 | △603 | -200.3% | △630 | △2,976 | -272.4% | 30 | 5 | 16.7% | 200 | — | 最新予想 |
| EPS | 19.80 | 34.12 | 172.3% | 34.87 | △67.48 | -193.5% | △68.81 | △324.72 | -271.9% | 3.27 | 0.60 | 18.3% | 21.77 | — | 最新予想 |
達成度は、利益・EPSが黒字予想の場合「実績÷予想×100」。損失予想の場合は符号反転による誤解を避けるため「100+(実績-予想)÷|予想|×100」で表示し、100%以上を達成、100%未満を未達としています。
2.達成・未達理由
中国主要顧客の生産調整が一巡してヒートシンク出荷が回復し、新規取引先からの受注増も加わりました。ガラス製品では海外ライフサイエンス向け消耗部品の需要が増加し、上場前の6月開示予想を上回りました。ただし予想自体が10か月実績を織り込んだ遅い時点の数値です。
期初は中国レーザー市場の成長とヒートシンク需要拡大を見込んでいましたが、実際には中国の景況悪化、価格競争、世界的な顧客在庫調整が重なり、ヒートシンク売上が減少しました。高利益率の欧米向けガラス製品にも短期的な需要変動が発生し、蘇州子会社の減損損失や繰延税金資産の取り崩しも純利益を押し下げました。
中国市場の景況悪化と価格競争、一部顧客の需要減が続き、ヒートシンク売上がさらに減少しました。日本・欧米向けガラス製品も顧客の需要変動で減収となり、中国向け低採算ヒートシンクの棚卸資産処分も採算を悪化させました。さらに固定資産の減損損失約12.7億円を計上し、最終損失が大幅に拡大しました。
不採算となった中国向け製品からの実質撤退、欧米主要顧客の需要回復、広島工場の歩留まり改善で損益は大幅に回復しました。一方、新規案件の獲得が想定を下回り、見込んでいた大型案件が顧客評価の遅れで2027年6月期以降へずれ込んだため売上が予想未達となり、営業利益以下も計画に届きませんでした。経常利益の黒字化には約9,800万円の為替差益も寄与しています。
データセンター市場の世界的な投資拡大を受け、主要顧客から一定規模のヒートシンク受注を見込むことが増収計画の中心です。前期から期ずれした大型案件も顧客評価の進展を踏まえて今期見通しに反映されています。
3.事業セグメントの自信度
会計上は「精密加工部品事業」の単一セグメントです。各年度の会社原文と実績推移から、事業に対する自信度を推理しています。
精密加工部品事業
2023年1月以降は、中国主要顧客の生産調整も一巡して後倒しとなっていたヒートシンク製品の出荷ベースは回復し、これに新規取引先からの受注増加の動きが加わり、市場取引価格の底打ちの傾向もあることから、ヒートシンク製品市場の好転の動きが見えました。
回復兆候と新規受注を確認した一方、通期では減収減益でした。
中国市場は、不動産問題に端を発する景況感の悪化により、幅広い用途において需要の減退傾向が見られました。また中国以外の市場を含め、価格競争と世界的な先行き不透明感による短期的な顧客在庫調整による需要変動が大きい傾向もあり、ヒートシンク製品全体の売上高は前年より減少しました。
需要減・価格競争・在庫調整が同時進行し、業績は赤字へ転落しました。
主に中国市場で、不動産問題に端を発する景況感の悪化、中国競合との価格競争の継続、一部顧客の需要減が重なったことなどにより、ヒートシンク製品全体の売上高は前年度より減少しました。
需要・価格の悪化が長期化し、大規模減損まで発生しました。
中国市場で不採算となった製品の実質的な撤退があったものの、欧米の主要顧客の需要回復などによって、売上高は前年度より増加しました。
事業構成の是正と欧米需要回復で改善したものの、営業黒字には届きませんでした。
データセンター市場の世界的な投資拡大を受け、主要顧客から一定規模の受注を見込んでいることなどから売上の大幅な増加を予想しております。
データセンター向け需要と期ずれ案件を前提に、売上+57.5%を計画しています。
需要テーマと顧客評価の進展は前向きですが、受注・量産計上の時期ずれを過去に経験しているため、案件の予定通りの立ち上がりが条件です。
4.最新予想信頼度
最新予想は売上高5,900百万円、営業利益250百万円、経常利益210百万円、親会社株主帰属純利益200百万円、EPS21.77円です。2026年6月期は赤字幅を大きく縮小し、経常・最終損益を黒字化しましたが、今期は売上高+57.5%、営業損益は△74百万円から+250百万円への急回復を計画しています。
達成できると判断する理由
- 2026年6月期は中国の不採算製品から実質撤退し、欧米の高採算品需要回復と広島工場の歩留まり改善で営業損失を14.4億円から0.7億円へ大幅に縮小しました。
- データセンター投資拡大を背景に主要顧客から一定規模のヒートシンク受注を見込み、前期から期ずれした大型案件も顧客評価の進展を踏まえて今期計画へ反映されています。
- 2025年6月期の大規模減損後は減価償却負担が軽くなり、早期退職等による固定費削減も損益分岐点の引き下げに寄与します。
- ガラス製品は大幅成長を前提にせず概ね横ばいを見込むため、計画の成否は主にヒートシンクの大型案件へ集約され、確認すべきポイントが明確です。
達成できないと判断する理由
- 2024~2026年6月期は売上・営業利益・経常利益・純利益・EPSの5指標がいずれも期初予想を下回っており、直近3期の予想達成実績は弱い状態です。
- 2027年6月期の売上高+57.5%は、2026年6月期の+11.4%から成長率が大きく跳ね上がる計画で、特定の大型案件の量産・計上時期に強く依存します。
- 実際に2026年6月期は大型案件が顧客評価の遅れで翌期以降へずれ込みました。同じ種類の評価・立上げ遅延が再発すれば、売上と利益が同時に未達となる可能性があります。
- 2026年6月期の経常黒字には為替差益約9,800万円が寄与しており、営業損益はなお赤字です。2027年6月期は本業での明確な黒字化が必要です。
- 決算短信では受注残高の金額開示がなく、「一定規模の受注を見込む」という計画の進捗を数量面から検証しにくい点も不確実性を残します。
利益計上時期の見方
最新資料では、四半期ごとの利益偏重や明確な季節性について特段の説明はありません。一方、2026年6月期に予定していた大型案件が顧客評価の遅れで2027年6月期以降へずれ込んだ実績があるため、この会社では季節性よりも「顧客評価・量産立上げ・案件計上時期」の変動を重視する必要があります。2027年6月期はまだ四半期実績が公表されていないため、単純進捗率は掲載していません。
テクニスコ
最新開示ベースの中期成長戦略分析
情報基準日:2026年8月18日 | 東証スタンダード
01. 企業が掲げる目標業績数字
| 項目 | 2026年6月期 実績 | 2027年6月期 会社予想 | 方向性 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 37.46億円 | 59.00億円 | +57.5% |
| 営業利益 | ▲0.75億円 | 2.50億円 | 黒字転換 |
| 経常利益 | 0.18億円 | 2.10億円 | 大幅増益 |
| 親会社株主帰属純利益 | 0.06億円 | 2.00億円 | 利益拡大 |
2023年のIPO社長会見では、関家社長が「計画という形ではない」と明示した上で、 5年程度のタイミングで売上高100億円、 100億円規模の体制で営業利益率10~13%、 シルバーダイヤについて売上高30億円というイメージを示している。 これは現在の正式な会社業績予想とは区別して見る必要がある。 [5]
02. 目標達成へのロードマップ
不採算領域を整理し、利益体質を再構築
中国市場で価格競争が激化した不採算ヒートシンク製品から実質的に撤退。 欧米向け高粗利製品の構成比改善、広島工場の歩留まり改善、経費削減を進め、 まず利益を出せる事業構造へ転換する。 [1][2]
データセンター需要を取り込み、売上を一段引き上げる
2027年6月期は世界的なデータセンター投資拡大を背景に、 高性能ヒートシンクで主要顧客から一定規模の受注を見込む。 会社はヒートシンク売上の大幅増を計画する一方、ガラス製品は概ね横ばいを想定している。 [1]
「数量増」と「高付加価値化」の2方向でレーザー市場を攻略
レーザーの高出力化に対し、レーザーチップ数が増える用途には生産能力増強で対応し、 1チップ当たりの高出力化には既存製品の改良や「シルバーダイヤ」を投入。 前者で売上数量、後者で利益率を引き上げる構想となっている。 [2]
シルバーダイヤを新たな収益の柱へ
銀とダイヤモンドを組み合わせた独自材料「シルバーダイヤ」を、 高出力レーザーだけでなくデータセンター、高速通信、EV、航空宇宙などへ展開。 高熱伝導性と半導体素子に近い熱膨張特性を武器に、高付加価値市場の開拓を進める。 [2]
重点戦略製品を増やし、利益率そのものを引き上げる
シルバーダイヤ/銅ダイヤ製品、新材料を使ったヒートシンク、 TGV(ガラス貫通電極)などを重点戦略製品候補として育成。 韓国THE GOODSYSTEM CORP.との関係強化を通じ、 高性能ヒートシンクのラインアップ拡充、開発力強化、生産自動化ノウハウの獲得も進める。 [2]
03. 達成シナリオの分析
2027年6月期の59億円計画は、ガラス製品の大幅成長ではなく、 データセンター向けを中心とするヒートシンクの急拡大が主な前提。 したがって大型案件の立ち上がり時期が売上進捗を左右しやすい構造と考えられる。
不採算品の整理、高粗利な欧米向け製品、シルバーダイヤなどの重点戦略製品を増やすことで、 売上数量だけに依存せず利益率を高めることが戦略の中心となっている。
2026年6月期の営業赤字から、翌期に営業利益2.5億円まで改善させる計画。 売上高57.5%増と黒字転換を同時に達成できるかが、 中長期成長シナリオの実現性を測る重要な確認ポイントとなる。
重点戦略製品では粗利率40%以上の高付加価値ゾーンを拡大するイメージを示している。 シルバーダイヤなどが試作・顧客評価から量産へ移行するほど、 全社の収益構造改善につながりやすい。
04. 目標達成リスク
2026年6月期は、新規案件の獲得停滞に加え、 大型案件が顧客評価の遅れによって2027年6月期以降へずれ込んだことが業績未達要因となった。 2027年6月期計画でも受注・量産開始時期の変動は重要なリスクとなる。 [4]
電子部品メーカーの設備投資や生産動向、世界景気、戦争・地政学情勢などによって需要が減少した場合、 売上高と業績へ影響する可能性がある。 [1][3]
海外生産・海外販売の比率が高く、会社は一般に円高が業績へ悪影響を及ぼす可能性を記載している。 急激な為替変動は中期的な利益計画の変動要因となる。 [3]
金属、ガラス、非金属、貴金属などを使用するため、 材料価格の大幅変動や調達困難が発生すると、 コスト、価格転嫁、生産活動に影響する可能性がある。 [3]
広島、蘇州、シンガポールの各拠点にはそれぞれ固有機能があり、 全機能を即座に代替できるわけではない。 災害等で復旧が長期化した場合、生産停滞につながる可能性がある。 [3]
05. 総括
テクニスコの成長戦略は、 「不採算品からの撤退 → データセンター向けヒートシンクの数量拡大 → シルバーダイヤなど高付加価値品へのシフト」 という流れで整理できる。 直近の具体的な関門は2027年6月期の売上高59億円・営業利益2.5億円。 特に、データセンター向け大型案件を計画通り量産へ移行できるか、 重点戦略製品の比率上昇によって利益率まで改善できるかがポイントとなる。 [1][2]
[1] 株式会社テクニスコ「2026年6月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」2026年8月14日
[2] 株式会社テクニスコ「2026年6月期 第2四半期 決算説明資料」2026年2月16日
[3] 株式会社テクニスコ IR「事業等のリスク」
[4] 株式会社テクニスコ「連結業績予想と実績値との差異に関するお知らせ」2026年8月14日
[5] 日本証券新聞「IPO社長会見 テクニスコ」2023年

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