| 業績項目 | 2025年6月期 | 2026年6月期 | 2027年6月期予想 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,373.7 | 1,910.0 +536.3 / +39.0% | 2,840.0 +930.0 / +48.7% |
| 営業損益 | 336.4 | 456.5 +120.2 / +35.7% | 715.0 +258.5 / +56.6% |
| 経常損益 | 336.4 | 440.1 +103.7 / +30.8% | 717.0 +276.9 / +62.9% |
| 当期純利益 | 227.6 | 297.5 +69.9 / +30.7% | 489.0 +191.5 / +64.4% |
| EPS | 35.16円 | 45.05円 +9.89 / +28.1% | 69.83円 +24.78 / +55.0% |
| 一株配当金 | 0.00円 | 0.00円 ±0.00 / 0.0% | 0.00円 ±0.00 / 0.0% |
| 純資産 | 1,292.8 | 1,729.8 +437.0 / +33.8% | ー |
| 営業CF | 293.5 | 347.1 +53.6 / +18.2% | ー |
| 投資CF | △9.5 | △55.5 △46.0 / △483.1% | ー |
| 財務CF | 180.4 | 129.9 △50.5 / △28.0% | ー |
| フリーCF | 284.0 | 291.6 +7.6 / +2.7% | ー |
1.会社予想と実績
2026年6月期は、上場日(2026年6月23日)に公表された通期会社予想と通期実績を比較。2027年6月期は最新の通期会社予想を掲載しています。
2.達成・未達理由
売上高は上場時予想を小幅に上回り、利益はより大きく超過しました。予想策定時の売上原価976.6百万円に対し実績は955.8百万円、販管費519.8百万円に対し実績は497.6百万円となり、コストが計画を下回ったことが営業利益超過の主因と考えられます。さらに、上場関連費用等を含む営業外費用の予想38.9百万円に対し実績は17.3百万円にとどまり、経常利益・純利益の上振れを押し上げました。
金融領域のシステムモダナイゼーション案件拡大、AI技術等を活用した自社ソリューションの提供拡大、エンジニア採用の拡大を前提に、売上高48.7%増・営業利益56.8%増を計画しています。
3.事業セグメントの自信度
現在の報告セグメントは「システムモダナイゼーション事業」の単一セグメントです。
システムモダナイゼーション事業
金融領域をはじめとして当社が提供するシステムモダナイゼーションのニーズは、より一層高まっていると認識しております。
勘定系システム開発支援など金融案件の拡大が39.0%増収につながり、営業利益も35.7%増。需要認識と実績が一致しています。
勘定系システムをはじめとした金融領域におけるシステムモダナイゼーションの案件拡大、AI技術等を活用した自社ソリューションの提供拡大、及びエンジニアの採用拡大に引き続き注力してまいります。
案件・自社ソリューション・人材の3方向を同時に拡大し、売上48.7%増と利益率改善まで織り込む計画で、会社姿勢は強気と判断します。
2026年6月期に上場時予想を利益面で大きく上回ったうえで、翌期も大幅増収増益を掲げています。実現にはハイエンド・エンジニアの採用と案件への円滑なアサインが重要です。
4.最新予想信頼度
会社予想は売上高2,840百万円、営業利益715百万円、経常利益717百万円、当期純利益489百万円、EPS69.83円。2026年6月期から売上高を約930百万円積み上げる一方、営業利益率を23.9%から25.2%へ引き上げる計画です。
達成できると判断する理由
- 2026年6月期は売上高39.0%増、営業利益35.7%増と高成長を継続し、金融領域の案件拡大が実績として確認できています。
- 上場時に公表した2026年6月期予想に対し、営業利益112.3%、経常利益119.7%、純利益129.9%で着地し、利益計画には一定の余力がありました。
- 会社は勘定系システム等の案件拡大に加え、AI技術を活用した自社ソリューションと保守・運用などの継続収入の拡大を進めています。
- フロー型収入は主に準委任契約で役務提供期間に応じて認識されるため、案件と稼働人員を積み上げられれば売上の再現性を高めやすい構造です。
達成できないと判断する理由
- 売上高は前期比48.7%増と、2026年6月期の39.0%増からさらに成長速度を引き上げる必要があります。
- 営業利益率は23.9%から25.2%へ約1.3ポイント改善する計画で、採用を増やしながら生産性と単価を維持する必要があります。
- 会社自身も、特定の取引先や業界動向、技術革新のスピード、人材獲得状況の変動を業績予想のリスク要因として挙げています。
- 2027年6月期はまだ通期予想を公表した段階であり、四半期実績による進捗確認ができていません。
収益計上時期を見る際の注意点
主力のフロー型収入は、主に準委任契約に基づき役務提供の期間に応じて収益認識されます。公開資料では特定四半期への明確な利益偏重は示されていません。そのため、今後の四半期進捗を見る際は、単純な進捗率だけでなくエンジニア数、稼働状況、案件拡大、自社ソリューションの伸びを合わせて確認する必要があります。
最終判断
金融領域の案件拡大とハイエンド・エンジニア採用が計画どおり進み、1人あたり生産性を維持しながら自社AIソリューション・保守運用の収入を伸ばせれば、2027年6月期予想は達成圏内と判断します。一方、採用の遅れや案件アサインの遅延が生じる場合、48.7%増収と25%台の営業利益率を同時に満たす難易度は高まります。
LiNKX株式会社
最新中期成長計画・戦略分析
基準日:2026年8月17日 / 成長戦略ロードマップ:2026年6月23日開示 / 最新業績計画:2026年8月14日開示
① 企業が掲げる目標業績数字
| 指標 | 2026年6月期 実績 | 2027年6月期 計画 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 19.09億円 | 28.40億円 | +48.7% |
| 売上総利益 | 9.54億円 | 14.47億円 | +51.7% |
| 営業利益 | 4.56億円 | 7.15億円 | +56.8% |
| 営業利益率 | 23.9% | 25.2% | +1.3pt |
| 経常利益 | 4.40億円 | 7.17億円 | +63.0% |
| 当期純利益 | 2.97億円 | 4.89億円 | +64.4% |
| ハイエンド・エンジニア数 | 103名 | 136名 | +33名 |
| 1名あたり年間平均売上高 | 2,304万円 | 2,430万円 | +125万円 |
中期ロードマップの時間軸
Cloudベースモデル確立
日本企業のDX向けシステム開発を支援し、 ハイエンド・エンジニアによるCloudベースのモダナイゼーションを確立。 デジタルバンクや地域銀行等の金融案件を拡大してきた。
金融領域拡大+AIベース立ち上げ
金融領域でAPIゲートウェイ、データ基盤、勘定系システムを重点領域とし、 新規案件獲得と既存案件拡大を進める。 同時にAIベースモダナイゼーションを本格的な成長ドライバーへ育成する。
異業種参入+ストック型収益拡大
金融で培った実績とSIerとのパートナーシップを活用して 製造、物流・小売、ヘルスケア、公共・行政へ展開。 保守・運用や自社ソリューションによるストック型収入も積み上げる。
② 目標達成へのロードマップ・達成計画
金融のミッション・クリティカル領域を深掘り
短中期は金融領域に集中し、 APIゲートウェイ、データ基盤、勘定系システムのモダナイゼーション案件を拡大。 特に北國銀行の次期勘定系システム「BankWill」の2027年1月ローンチへ向け、 エンジニア・リソースを重点配分する。
AXceleratorを本格収益化
AI活用モダナイゼーションソリューション「AXcelerator」を PoC中心から本開発フェーズへ移行。 2026年6月期はPoCを3件獲得し、 2027年6月期は大規模システムの本開発案件3件を計画している。 うち1件はすでに受注済み。
ストック型収入を積み上げる
フロー型のシステム開発だけでなく、 開発後の保守・運用、自社ソリューション、 プロダクト提供を増やして収益基盤を安定化。 2027年6月期はストック型収入を0.84億円から2.48億円へ拡大し、 売上構成比を4.4%から8.7%へ高める計画。
AXベース売上を急拡大
2026年6月期のAXベースモダナイゼーション売上は0.35億円、 売上構成比1.8%だった。 2027年6月期は2.64億円、構成比9.3%まで拡大する計画で、 新しい成長エンジンとして立ち上げる。
ハイエンド・エンジニアを増員
2027年6月期末のハイエンド・エンジニア数を103名から136名へ拡大。 その他人員も7名増員し、全社員数は162名を計画する。 採用と同時に1人当たり年間平均売上高を2,430万円まで高める。
パートナー経由で顧客基盤を拡大
キンドリルジャパンとのAIパートナーシップや 大手SIer、クラウドサービスベンダーとの連携を強化。 自社単独営業だけでなくパートナーチャネルを利用して 金融案件を拡大し、その後の異業種展開につなげる。
最新計画で特に重要なKPI
事業規模を直接左右する最重要KPI。 2027年6月期は33名の純増を計画し、退職率は8.7%を前提としている。
人数増だけでなく、生産性も約125万円引き上げる計画。 AI活用・高付加価値案件・AXceleratorの拡大が達成手段となる。
売上比率は4.4%から8.7%へ上昇予定。 顧客・案件への依存度を低下させ、収益の安定性を高める役割を担う。
売上構成比は1.8%から9.3%へ上昇予定。 2027年6月期計画の中で最も伸び率の大きい新規成長領域となる。
③ 会社が記載する主な達成リスク
特定取引先への依存
最新資料では、2026年6月期の北國銀行向け売上が 売上高全体の53.2%を占める。 契約規模の縮小や終了が発生した場合、 業績への影響が大きい。 会社は営業体制強化と顧客基盤拡大で対応する。
金融領域への依存
2026年6月期の金融領域プロジェクトは売上高の90.0%、 金融機関向けだけでも69.2%を占める。 金融業界の規制・投資方針・景況変化が 業績に直結しやすい構造となっている。
人件費上昇
売上原価の大部分を人件費が占めるため、 エンジニア獲得競争による給与水準の上昇は利益率を圧迫する。 高付加価値案件の受注、単価向上、 人件費に依存しない自社プロダクト拡大で影響軽減を図る。
総合分析
成長性: 2026年6月期は売上高19.09億円・営業利益4.56億円と過去最高を更新。 2027年6月期はさらに売上高28.40億円・営業利益7.15億円を目指すため、 高成長局面が続く計画となっている。
利益面: 2027年6月期は売上高+48.7%に対して営業利益+56.8%を計画している。 上場準備に伴うコーポレート部門増強費用が一巡することに加え、 高付加価値案件・AI活用・生産性向上による営業レバレッジが前提。
最も重要な成長ドライバー: AXceleratorは2026年6月期にPoC段階だったものが、 2027年6月期から本開発フェーズへ移る。 AXベース売上を0.35億円から2.64億円へ引き上げる計画であり、 ここが計画通り立ち上がるかが成長率を左右する。
中期的な構造変化: 現在は金融向け売上への依存度が非常に高いが、 会社は短中期に金融で実績を積み上げ、 中長期には製造、物流・小売、ヘルスケア、公共・行政へ展開する方針。 したがって異業種売上の立ち上がりは、2031年頃を見据えた重要な評価ポイントとなる。
達成確度を見るKPI: 今後の決算では、 「ハイエンド・エンジニア数」 「1名あたり年間平均売上高」 「AXベースモダナイゼーション売上」 「ストック型収入比率」 「北國銀行向け売上比率」 「金融領域売上比率」 を確認すると、中期戦略の進捗を把握しやすい。
TDnet開示PDF
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公式IRサイト
2028年6月期頃および2031年6月期頃について会社が開示しているのは 成長戦略の時間軸・方向性であり、売上高や営業利益などの数値目標ではない。 本稿では未開示の中期業績数値を推計値として補完していない。 将来の業績や計画達成を保証するものではない。

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