2026年6月25日(木)のストップ高銘柄と理由
本日のポイント
6月25日のストップ高は9銘柄。明確な企業アクションでは、日本調理機の1株から4株への株式分割、ソフトテックスの上場記念配当を含む年間75円への増配、スマートバリュー子会社とオリックスによる「空飛ぶクルマ」用ポート整備の事業検討、東京機械製作所の資本コストと株価を意識した経営方針の公表が中心材料となった。
直近IPOでは、6月23日に東証グロースへ上場したLiNKXが上場3日目もストップ高。公開価格790円、初値1,075円に対し、終値2,075円まで上昇した。金融機関向け基幹システムのモダナイゼーション、クラウドネイティブ、金融DX、AI活用という事業テーマに、上場直後の価格形成が重なった。
AIインフラ・光半導体関連では、テクニスコが人工ダイヤモンド複合材と高性能ヒートシンク、QDレーザがTDKとのXR光学エンジン協業、量子ドットレーザー、光通信、シリコンフォトニクスのテーマで注目された。シリコンスタジオは3DCGとNVIDIA Omniverseを活用したフィジカルAI、RSCはAIロボット遠隔警備、東京機械製作所はFA・自動化・省力化という産業DXの切り口を持つ。
テーマ別グルーピング
- 資本政策・株主還元:日本調理機、ソフトテックス、東京機械製作所。株式分割、記念配当・増配、資本コストと株価を意識した経営方針が材料軸。
- AI・データセンター・光半導体:テクニスコ、QDレーザ。高熱伝導ヒートシンク、量子ドットレーザー、光通信、シリコンフォトニクスが中心。
- フィジカルAI・警備ロボット・自動化:シリコンスタジオ、アール・エス・シー、東京機械製作所。3Dシミュレーション、AI遠隔警備、FA・省力化機器が主軸。
- 直近IPO・金融DX:LiNKX。金融機関の基幹システム刷新、クラウド移行、AIを活用した開発高度化がテーマ。
- 次世代モビリティ・スマートシティ:スマートバリュー。神戸のTOTTEIを候補とする空飛ぶクルマ用ポート整備の事業検討が材料。
ストップ高銘柄(9銘柄)
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2961
日本調理機
東証S
時価総額 約75億円
その他
6,620円(前日比+1,000円 +17.79%)
日本調理機は、学校給食、社員・学生食堂、病院・高齢者施設、セントラルキッチン向けの業務用厨房機器を開発・製造・販売する専門メーカー。
6月23日取引終了後に、2026年7月31日を基準日として普通株式1株を4株に分割すると発表した。効力発生日は8月1日で、発行済株式総数は分割前の約113万株から約454万株へ増加する予定。
会社側は株式分割の目的として、投資単位当たりの金額を引き下げ、株式の流動性を高めるとともに、投資家層の拡大を図る方針を示している。
分割前の株価水準では100株単位の投資金額が高く、個人投資家が参加しにくい状態だった。4分割後は投資単位が大幅に下がるため、売買参加者の裾野拡大が期待される。
株式分割に伴い、2026年9月期の期末配当予想は1株180円から45円へ修正された。分割前換算では180円であり、実質的な配当方針の変更ではない。
6月24日のストップ高に続き、25日も6,620円まで上昇した。株式分割による投資単位引き下げと流動性向上への期待が継続した。
同社の主力は大量調理設備で、学校給食センターや病院、福祉施設など公共性の高い需要先を持つ。更新需要、衛生管理、省人化、エネルギー効率改善が中長期の事業テーマとなる。
本日の材料軸は、4分割という明確な資本政策と、それに伴う投資家層拡大への期待。
出典
2962
テクニスコ
東証S
時価総額 約153億円
データセンター
半導体部材・部品
1,669円(前日比+300円 +21.91%)
テクニスコは、金属、ガラス、シリコンなどの精密加工を組み合わせ、半導体・光デバイス・医療機器向けの高機能部品を製造する加工技術企業。
同社の注目分野は、人工ダイヤモンドを銀などと複合化した高熱伝導材料や、レーザー・半導体デバイス向けのヒートシンク、精密接合部品。
生成AI向けGPUや高速光通信モジュールは高発熱化が進み、放熱性能が処理性能と耐久性を左右する。高熱伝導材料と微細加工技術を持つ同社は、AIデータセンターの熱対策テーマと接続する。
人工ダイヤモンドを活用した放熱部材は、銅や一般的な金属材料だけでは対応が難しい高熱密度領域での利用が想定される。産業用レーザー、通信デバイス、パワー半導体周辺でも応用余地がある。
2026年6月期第3四半期累計では増収となり、営業損失は前年同期から縮小した。主要顧客の需要回復と固定費負担の改善が進み、通期の営業黒字化計画が業績面の焦点となっている。
同社はクロスエッジ技術として、切る、削る、磨く、接合する技術を複合し、顧客仕様に合わせた少量・高付加価値部品を供給する。
AIデータセンター、光通信、産業用レーザー、半導体製造装置の各市場では、熱制御と精密加工の重要性が上昇している。
本日の物色テーマは、人工ダイヤモンド、高性能ヒートシンク、AIデータセンター排熱対策、半導体部材・部品。
3907
シリコンスタジオ
東証S
時価総額 約31億円
フィジカルAI
生成AI
1,059円(前日比+150円 +16.50%)
シリコンスタジオは、リアルタイム3DCG技術を核に、ゲーム・エンターテインメント向け開発支援、産業向け可視化・シミュレーション、人材紹介・派遣を展開する。
近年はゲーム領域で培った描画技術を、自動車、製造業、建設、ロボティクス、デジタルツインへ展開している。
同社はフィジカルAI事業を本格始動し、3DCG技術とNVIDIA Omniverseなどを活用して、製造業・自動車・ロボティクス向けのシミュレーション基盤構築を進めている。
フィジカルAIでは、現実空間の形状や物理現象を仮想空間に再現し、ロボットや自動運転システムの学習・検証に利用する。高品質なCG生成、物理演算、デジタルツイン構築は同社の既存技術と親和性が高い。
6月5日には、電通総研のドライビングシミュレーター向け3Dコンテンツ開発支援を公表した。自動車開発における仮想検証やシミュレーション需要を取り込む事例となる。
ゲームエンジンを活用した産業DXでは、設計レビュー、機械学習用教師データ生成、都市空間の可視化、建設現場のデジタルツインなど用途が広がっている。
人材事業ではゲーム・映像業界に特化した紹介・派遣サービスを持ち、技術事業とは異なる収益基盤を形成する。
本日のテーマは、フィジカルAI、リアルタイム3DCG、デジタルツイン、ロボットシミュレーション、生成AI周辺。
4664
アール・エス・シー
東証S
時価総額 約33億円
ロボット
サイバーセキュリティ
1,060円(前日比+150円 +16.48%)
アール・エス・シーは、警備、設備管理、清掃、受付、人材派遣を組み合わせた総合ビルメンテナンスサービスを展開する。
サンシャインシティを主要顧客とし、大型複合施設の安全・安心・快適な運営を支える常駐型サービスに強みを持つ。
警備業界では人手不足への対応が重要課題となっており、同社は警備ロボットや遠隔監視を活用した省人化・高度化を進めている。
セコムのセキュリティロボット「cocobo」を大型複合施設へ導入し、巡回警備の負担軽減と異常の早期検知を目指す取り組みを進めてきた。
2025年11月にはソフトバンクロボティクスとの資本業務提携を公表し、合弁会社を通じたAIロボット遠隔警備サービスの展開を掲げている。
施設警備にAIカメラ、ロボット、遠隔監視を組み合わせることで、従来の人的警備を補完し、複数施設を効率的に運営するモデルが成長テーマとなる。
5月には自己株式取得を実施し、資本効率と株主還元を意識した施策も進めた。
本日のテーマは、AI遠隔警備、警備ロボット、施設DX、総合ビルメンテナンス。
550A
ソフトテックス
東証S
時価総額 約22億円
その他
2,368円(前日比+400円 +20.33%)
ソフトテックスは、ソフトウェア開発、システム運用・保守、レガシーマイグレーション、医療IT、防災関連システムを展開する独立系IT企業。
6月24日に、2027年3月期の配当予想を修正し、新規上場記念配当を実施すると発表した。
年間配当予想は従来の70円から75円へ引き上げられた。内訳は中間配当40円、期末配当35円で、期末配当に上場記念配当5円を含む。
前日終値1,968円を基準にした年間75円の予想配当利回りは約3.8%となる。上場後早期に株主還元方針を明確化した点が評価材料となった。
同社は2026年4月9日に東京証券取引所スタンダード市場と名古屋証券取引所メイン市場へ上場した。
主力のシステム開発に加え、古い基幹システムを新しい環境へ移行するモダナイゼーション、クラウド化、IT資産の可視化に実績を持つ。
医療ITでは日医標準レセプトソフト「ORCA」の導入・サポート、防災分野では国や自治体向けシステムの構築・運用を手掛ける。
本日の材料軸は、上場記念配当5円を含む年間75円への増配と、上場企業としての株主還元強化。
584A
LiNKX
東証G
時価総額 約141億円
人工知能
その他
2,075円(前日比+400円 +23.88%)
LiNKXは、金融分野を中心に基幹システムのモダナイゼーションを支援するエンジニアリング企業。
2026年6月23日に東京証券取引所グロース市場へ新規上場した。公開価格は790円、初値は1,075円。
上場3日目の6月25日は2,075円でストップ高となり、公開価格に対して約2.63倍、初値に対して約1.93倍の水準へ上昇した。
事業の中核は、銀行などで長期間利用されてきた基幹システムを、クラウドネイティブな構成や新しいアーキテクチャへ移行する支援。
金融システムは高い信頼性、可用性、セキュリティが要求される。同社は世界標準の技術に精通したエンジニアリング力を強みとし、勘定系、APIゲートウェイ、データ基盤などの開発支援を行う。
AIは品質検証や開発工程の効率化にも活用され、金融DX、クラウド移行、レガシー刷新と組み合わせた成長領域となる。
2026年6月期は増収増益を見込んでおり、上場による採用力向上とハイエンドエンジニアの増員が事業拡大の鍵となる。
本日のテーマは、直近IPO、金融DX、基幹システム刷新、クラウドネイティブ、AI活用。
6335
東京機械製作所
東証S
時価総額 約55億円
ロボット
その他
631円(前日比+100円 +18.83%)
東京機械製作所は、新聞用輪転機を祖業とし、印刷機械、保守サービス、FA、自動化・省力化機器、加工組立事業を展開する機械メーカー。
6月25日に「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について」を公表した。
会社側は同日の取締役会で、資本コストと株価に関する現状を分析・評価し、改善に向けた方針と取り組みを決議した。
資本効率、収益性、企業価値向上を意識した経営方針の明確化は、PBR改善や株主還元を重視する市場環境で注目されやすい開示となる。
5月には発行済株式数の2.47%に当たる20万株、取得総額1億円を上限とする自己株式取得を決議し、6月4日に取得終了を公表した。
事業面では、新聞用輪転機で培った搬送・制御・大型機械技術を、FA、自動搬送、省力化システムへ展開している。
人手不足が進む製造・物流現場では、自動化設備、搬送装置、ロボット周辺システムへの需要が中長期の成長テーマとなる。
本日の材料軸は、資本コストと株価を意識した経営方針の公表。事業テーマはFA、自動化・省力化、産業機械。
6613
QDレーザ
東証G
時価総額 約1,367億円
半導体
データセンター
3,255円(前日比+503円 +18.28%)
QDレーザは、量子ドットレーザー、DFBレーザー、小型可視レーザー、高出力レーザーなどの半導体レーザーデバイスと、網膜投影技術を展開する。
6月1日にTDKと、網膜投影技術を利用したXRグラス向け光学エンジンの事業協力契約を締結した。
両社はQDレーザのレーザー・網膜投影技術と、TDKの電子部品・光学技術、量産力を組み合わせ、XRグラス向け光学エンジンの事業化を進める。
網膜投影は、映像を網膜へ直接投影することで、視力やピント調整の影響を受けにくい表示を目指す技術。視覚支援、ウェアラブル、XRの用途拡大が期待される。
レーザーデバイス事業では、データセンター向け光通信、シリコンフォトニクス、センシング、レーザー加工など複数の成長市場に接続する。
量子ドットレーザーは温度特性や高速動作に強みがあり、光電融合や高速光通信の高度化における重要部品として注目される。
会社はTDKとの協力契約に伴い、2027年3月期業績予想を上方修正しており、契約の事業インパクトが数値面でも示された。
本日のテーマは、TDK協業、XRグラス、網膜投影、量子ドットレーザー、光通信、データセンター。
9417
スマートバリュー
東証S
時価総額 約42億円
ドローン
その他
392円(前日比+80円 +25.64%)
スマートバリューは、自治体向けクラウド、モビリティIoT、スマートベニュー、アリーナ運営などを展開する。
6月25日に、連結子会社One Bright KOBEがオリックスと「空飛ぶクルマ」の離着陸場となるポート整備に向けた事業検討を開始したと発表した。
事業はオリックスが申請者、One Bright KOBEが協力事業者として参画し、兵庫県の令和8年度「空飛ぶクルマ事業化準備事業」の離着陸場整備事業に採択された。
検討対象は、神戸ウォーターフロント再開発の中核エリア「TOTTEI」におけるポート整備。TOTTEIには同社グループが運営に関与するGLION ARENA KOBEが位置する。
空飛ぶクルマの社会実装には、機体開発だけでなく、安全な離着陸場、運航管理、周辺交通との接続、施設運営の仕組みが必要となる。
同社は自治体クラウド、モビリティサービス、スマートシティ、アリーナ運営の知見を持ち、ポートを都市サービスと組み合わせる事業構想と親和性が高い。
発表段階は事業検討の開始であり、投資額、開業時期、収益規模は今後の具体化を待つ段階。
本日の材料軸は、オリックスとの協業、兵庫県事業への採択、空飛ぶクルマ用ポート、スマートシティ・スマートベニュー。
主な出典
免責事項
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