3907 シリコンスタジオ

シリコンスタジオ(3907)|3DCG・開発支援

シリコンスタジオ 3907 東証S

Silicon Studio Corporation|リアルタイム3DCG、ゲーム開発技術、ミドルウェア、産業向け可視化ソリューションと、ゲーム・映像業界に特化した人材紹介・派遣を展開する。

※2026年7月22日時点の情報

事業内容

2026年7月22日の時価総額は約26.9億円。 同日の終値は904円で、発行済株式総数2,973,900株を基準に算出した。

シリコンスタジオは1999年11月設立。本社は東京都渋谷区恵比寿一丁目21番3号、代表取締役社長は梶谷眞一郎、資本金は466百万円、決算期は11月、上場市場は東京証券取引所スタンダード市場。ゲーム・映像業界で培ったリアルタイム3DCG、レンダリング、オンライン、ゲーム開発環境の技術を、自動車、製造、土木、建築、研究開発などへ展開している。

2026年11月期中間期は売上高1,909百万円、営業損失185百万円、経常損失185百万円、中間純損失220百万円。大型案件の終了、3DCG映像制作案件の遅延、人材事業におけるゲーム企業の採用意欲低下が影響した。通期会社予想は売上高4,231百万円、営業損失200百万円、経常損失198百万円、当期純損失228百万円へ修正されている。

開発推進・支援事業|リアルタイム3DCGと技術開発支援

セグメント業績推移: 売上高は2021年11月期の2,310百万円から2023年11月期の2,776百万円まで増加した後、2025年11月期は2,661百万円。セグメント利益は2022年11月期の425百万円をピークに推移し、2025年11月期は369百万円だった。

開発推進・支援事業は、リアルタイム3DCG技術、ゲーム開発技術、オンライン技術を基盤に、製品販売、受託開発、技術支援、共同研究、インフラサービスを提供する。

主な顧客はゲームパブリッシャー、ゲーム開発会社、映像制作会社、自動車会社、製造業、建築・土木関連企業、研究機関である。

エンターテインメント分野では、家庭用ゲーム機、スマートフォン、オンラインゲーム向けに、ゲームエンジンの機能拡張、描画処理、最適化、開発環境構築を支援する。

顧客が採用するUnityやUnreal Engineを前提に、独自表現、処理性能、プラットフォーム対応、制作効率を改善する技術支援も行う。

ゲームタイトルはハードウェア性能、描画品質、フレームレート、ロード時間、メモリー使用量など複数の制約を同時に満たす必要がある。

シリコンスタジオは、描画エンジンとコンテンツ制作の双方を理解する技術者を配置し、顧客の開発工程へ深く入る案件を扱う。

受託開発案件は規模が大きくなるほど売上への寄与が高まる一方、検収時期、仕様変更、要員不足、追加工数によって四半期損益が変動する。

2026年11月期中間期は、前期に寄与した大型案件の終了と、一部3DCG映像制作案件の売上計上遅延が減収要因となった。

遅延案件では追加工数が発生し、受注損失引当金75百万円を計上した。

技術者を遅延案件へ優先配置したことで、新規案件を十分に受注できなかったことも通期予想の下方修正要因となった。

大型案件の終了と新規案件の開始時期が重ならない場合、稼働率と売上高が同時に低下しやすい。

反対に、共通技術や自社製品を複数案件へ利用できれば、開発資産の再利用率が上がり、利益率を改善しやすい。

産業分野では、ゲームエンジンとリアルタイムCGを利用したデジタルツイン、シミュレーター、製品可視化、設計レビュー、教育訓練などを提供する。

自動車分野では、車両、道路、センサー、照明条件を仮想空間へ再現し、設計、評価、研究開発を支援する。

建築・土木分野では、完成前の空間をリアルタイム表示し、設計確認、施工検討、顧客説明に利用できる。

産業案件はゲーム市場とは異なる予算サイクルと顧客群を持つため、案件構成を分散する役割が期待される。

一方、顧客ごとの業務データ、設計情報、シミュレーション要件に合わせる必要があり、標準製品だけで完結しない案件も多い。

収益性を判断する際は、受託開発と製品ライセンスの構成、技術者稼働率、受注残、検収時期、受注損失引当金を確認する必要がある。

中長期では、エンターテインメント向けの高度な表現技術を産業分野へ横展開し、特定ゲーム案件への依存を低下させられるかが焦点となる。

人材事業|ゲーム・映像業界に特化した紹介・派遣

セグメント業績推移: 売上高は2021年11月期の1,668百万円から2023年11月期の1,777百万円まで増加した後、2025年11月期は1,641百万円。セグメント利益は2022年11月期の445百万円をピークに、2025年11月期は301百万円となった。

人材事業は「シリコンスタジオエージェント」を通じ、ゲーム、映像、CG、Web関連企業へ人材紹介と登録型人材派遣を提供する。

取り扱う職種は、ゲームプログラマー、エンジニア、CGデザイナー、プランナー、ディレクター、プロデューサーなどである。

技術企業としてゲーム開発現場を理解していることが、求人内容の把握、候補者の技術評価、企業とのマッチングに利用される。

人材派遣では、稼働人数、稼働期間、派遣単価、スタッフへの給与と社会保険費用が売上高と利益を左右する。

人材紹介では採用成立時に収益を計上するため、求人数、候補者数、選考通過率、成約単価が業績変動要因となる。

派遣は一定期間の売上を積み上げやすく、人材紹介は一件当たりの利益率を高めやすいという違いがある。

2026年11月期中間期はゲーム企業の採用意欲が低下し、人材派遣と人材紹介の双方が前年同期を下回った。

中間期の派遣稼働者数は延べ1,102人、紹介成約数は122人となり、いずれも前年同期比で減少した。

ゲーム開発会社が新規タイトルの投資を抑制すると、求人件数、外部人材需要、採用決定数が同時に減少する可能性がある。

人材事業は開発推進・支援事業より利益率が高い年度が多く、全社利益を支える役割を持つ。

2022年11月期には売上高1,746百万円に対してセグメント利益445百万円を計上し、利益率は25.5%だった。

2024年11月期以降は売上高と利益率が低下しており、需要回復と紹介成約数の改善が必要となる。

今後はゲーム会社だけでなく、映像、アニメ、Vtuber、XR、産業向けCGなど周辺分野へ顧客を広げる方針が示されている。

ミドルクラス、ハイクラス人材の紹介を増やすことで、成約単価とサービスの専門性を高める余地がある。

一方、同業大手は登録人材数、営業拠点、研修、制作スタジオ、案件数で優位にあり、人材獲得競争は強い。

シリコンスタジオはCG技術、ゲーム開発、ミドルウェアに関する知識を活用し、技術者と求人企業の適合精度で差別化する必要がある。

確認すべき指標は、派遣稼働者数、人材紹介成約数、求人件数、派遣単価、紹介単価、セグメント利益率である。

製品・ソリューション|YEBIS・Enlighten・Mizuchi

製品ポートフォリオ: リアルタイムグローバルイルミネーションの「Enlighten」、ポストエフェクトの「YEBIS」、レンダリングエンジンの「Mizuchi」などを展開。受託開発だけでなく、ライセンスと技術支援を組み合わせる。

Enlightenは、光が物体や空間へ間接的に反射するグローバルイルミネーションをリアルタイムに表現するミドルウェアである。

ゲームやシミュレーターでは、時間帯、照明、物体配置の変化へ動的に対応しながら、自然な光環境を描画するために利用される。

YEBISは、ブルーム、グレア、被写界深度、レンズ表現など、カメラや人間の視覚に近い光学効果を描画するポストエフェクト製品である。

ゲーム、映像、車載表示、製品ビジュアライゼーションなどで、画面表現の品質を高める用途を持つ。

Mizuchiは、リアルタイムレンダリングを中核とするグラフィックスエンジンであり、高品質な3DCG表現と処理性能を提供する。

Popcorn FXはリアルタイムVFX、Wwiseはオーディオ制作と実装のワークフローを支援する製品として取り扱われている。

製品ライセンスは受託開発と異なり、同一技術を複数顧客や複数タイトルへ展開できる可能性を持つ。

導入社数、タイトル数、更新契約、追加プラットフォーム対応が積み上がれば、技術者の稼働時間に完全には比例しない収益を形成できる。

一方、ゲームエンジンの標準機能が高度化すると、外部ミドルウェアを導入する必要性が低下する可能性がある。

自社製品は、標準ゲームエンジンでは不足する表現品質、処理効率、専門機能、技術サポートで差別化する必要がある。

産業向けでは、製造物、設備、建築物、車両、都市空間を仮想空間へ再現するデジタルツインへ技術を応用する。

物理空間の条件を3D環境で再現できれば、機器制御、ロボット、センサー、画像認識などの学習・検証環境として利用できる。

シリコンスタジオは、リアルタイム3DとAIを組み合わせるフィジカルAI関連ソリューションへの取り組みを進めている。

現実環境では収集しにくい条件や危険な状況を仮想空間で再現し、学習データや検証シナリオを生成することが想定される。

産業DX案件では、単に3D映像を制作するだけでなく、設計データ、センサー、物理演算、業務システムとの接続が必要になる。

ゲーム開発で蓄積した高速描画、最適化、制作ワークフローを産業用途へ適用できることが競争力となる。

製品事業の評価では、製品別売上高、ライセンス契約数、保守収益、海外売上、産業顧客数、研究開発費を確認する必要がある。

自社製品の売上比率が高まれば収益の再現性を改善できる一方、研究開発投資と販売体制を継続する必要がある。

収益・財務構造|案件変動と下方修正後の回復力

全社業績推移: 売上高は直近5期で3,986百万円から4,303百万円の範囲で推移。営業損益は2021年11月期の96百万円の損失から2022年11月期に381百万円の利益へ転換した後、2025年11月期は147百万円だった。

2021年11月期は売上高3,986百万円、営業損失96百万円となった。

2022年11月期は売上高4,510百万円、営業利益381百万円へ改善し、直近5期で最も高い営業利益を計上した。

2023年11月期は売上高が4,554百万円へ増加した一方、営業利益は238百万円へ減少した。

2024年11月期は売上高4,414百万円、営業利益143百万円となり、利益率の低下が続いた。

2025年11月期は子会社の吸収合併後の非連結決算となり、売上高4,303百万円、営業利益147百万円、当期純利益206百万円を計上した。

2025年11月期の純利益には、本業の営業利益以外の要因も含まれるため、継続的な収益力は営業利益と営業キャッシュフローを併せて確認する必要がある。

同期の営業キャッシュフローは322百万円の収入、投資キャッシュフローは46百万円の支出、財務キャッシュフローは73百万円の収入だった。

現金及び現金同等物は2025年11月期末に1,585百万円、純資産は1,854百万円だった。

2026年11月期中間期末は総資産2,567百万円、純資産1,601百万円、自己資本比率62.4%となった。

中間期の営業キャッシュフローは249百万円の支出となり、前年同期の収入から悪化した。

棚卸資産の増加、案件進捗、売上計上時期が営業キャッシュフローへ影響した。

通期予想は営業損失200百万円であり、2025年11月期の営業利益から赤字へ転換する計画となる。

通期売上高予想は4,231百万円で、前期比1.7%減にとどまる一方、案件採算の悪化により利益面の影響が大きい。

売上高が大幅に減少しなくても、技術者稼働率、追加工数、受注損失、案件構成によって営業利益は大きく変動する。

開発推進・支援事業の回復には、遅延案件の完了、新規受注の確保、技術者配置の正常化が必要になる。

人材事業の回復には、ゲーム企業の採用需要、派遣稼働者数、紹介成約数の反転が必要となる。

財務面では自己資本比率が60%を超えている一方、赤字と営業キャッシュフローの支出が長期化すれば純資産と現金を減少させる。

株価評価では、単発の大型受注だけでなく、ミドルウェア、産業DX、人材派遣など継続性のある収益の比率が重要となる。

四半期ごとの確認項目は、セグメント売上高、セグメント利益、受注損失引当金、棚卸資産、営業キャッシュフロー、現金、自己資本比率である。

1.会社予想と実績

2022年11月期から2025年11月期は、期中修正がある年度では期末前の最終会社予想と通期実績を比較しています。2026年11月期は、2026年7月13日に下方修正された通期予想と第2四半期累計実績を掲載しています。

会社予想 実績(最新期は中間実績)

達成率=通期実績÷最終会社予想×100。2022年11月期は2022年10月7日の上方修正後、2024年11月期は2024年10月10日の下方修正後、2025年11月期は2025年7月10日の上方修正後の予想を使用しています。レンジ予想はありません。2022~2024年11月期は連結、2025年11月期以降は非連結です。

2026年11月期の売上は単純進捗率、赤字項目は「通期予想損失に対して中間期までに計上した損失の割合」です。いずれも収益計上時期を調整しない単純計算であり、達成率ではありません。

2.達成・未達理由
2022年11月期最終予想を全5指標で超過
売上 102.5% 営業 119.1% 経常 114.2% 純利益 127.0% EPS 126.7%

ゲーム開発環境支援と産業向け可視化案件が伸び、大型ミドルウェア契約の一括計上も利益率を押し上げました。オンラインゲーム向けサーバー開発・運用も堅調でした。

人材事業では紹介件数の増加とミドル・ハイクラス層の単価上昇が寄与し、84百万円のソフトウエア評価損を吸収して純利益まで最終予想を上回りました。

2023年11月期減益計画ながら全5指標を達成
売上 101.3% 営業 104.4% 経常 115.0% 純利益 134.2% EPS 134.3%

エンターテインメント向け受託開発と産業向けゲームエンジン案件が売上を支え、人材派遣も回復しました。前期の大型ライセンス一括売上がなく、広告・営業投資も増えましたが、会社が織り込んだ減益幅より小さく着地しました。

配当収入などで経常利益が営業利益以上に上振れし、特別退職金18百万円を計上しても税負担が低位だったため、純利益とEPSの超過率が大きくなりました。

2024年11月期売上・本業利益は小幅未達、純利益は達成
売上 99.8% 営業 96.6% 経常 93.9% 純利益 102.4% EPS 103.9%

10月の下方修正後予想にはほぼ沿いましたが、大型ゲーム環境開発案件の終了と子会社再編に伴う一時的な売上減、人材紹介の急減が残り、売上・営業利益はわずかに届きませんでした。

持分法投資損失11百万円などで経常利益の未達幅が広がった一方、特別損失がなく、純利益とEPSは下方修正後予想を小幅に上回りました。

2025年11月期売上・本業利益は未達、純利益・EPSは達成
売上 92.1% 営業 79.5% 経常 80.0% 純利益 103.0% EPS 103.2%

産業系案件は堅調だったものの、大型ゲーム環境開発案件の終了を埋め切れず、人材事業もゲーム企業の採用抑制と派遣希望者減少の影響を受けました。売上不足に対して人件費などの固定的費用が重く、営業・経常利益は上方修正後予想を約2割下回りました。

受取和解金25百万円、抱合せ株式消滅差益26百万円、法人税等の戻りが本業利益の不足を補い、純利益とEPSは達成しました。

2026年11月期 第2四半期最新修正予想に対する単純進捗
売上 45.1% 営業損失 92.5% 経常損失 93.4% 純損失 96.5% EPS損失 96.3%

大型受託案件と従来顧客のオンラインサービスが終了し、3DCG映像制作案件では原価再見積り、納期遅延、追加工数が重なりました。中間期までに通期予想損失の大部分を計上し、期初の黒字予想から赤字予想へ下方修正されています。

同案件の売上は下期に一括計上される計画のため、売上進捗45.1%だけで未達とは判断できません。ただし、下期に許容される追加営業損失は15百万円にとどまり、追加コストへの余裕は小さい状況です。

3.事業セグメントの自信度

報告セグメントは「開発推進・支援事業」と「人材事業」です。各カードの原文コメントと実績推移から、会社の自信度を推理しています。

開発推進・支援事業

自信度推移:強気 → 強気 → 中立 → 中立 → 弱気
2022年11月期強気
ミドルウェアライセンス販売の売上高は、第3四半期連結会計期間において成約した大型ライセンス契約の売上を一括計上したことにより大幅増収となりました。

売上2,763百万円、利益425百万円。大型契約と受託開発の増加で急回復しました。

2023年11月期強気
主要顧客であるエンターテインメント業界からの引き合いが旺盛なことからエンジニア採用の強化や外注先の確保など開発リソースの拡充に注力しております。

売上2,776百万円。利益は反動減でしたが、受注環境への表現は明確に前向きでした。

2024年11月期中立
受託開発の売上高は、産業系の引き合いが好調で利益の底上げをしたものの、大型ゲーム環境開発プロジェクトの終了に加え、子会社の事業構造改革を通じた一時的な売上減が影響し、減収となりました。

売上2,767百万円、利益366百万円。産業系の強さとゲーム案件終了が相殺しました。

2025年11月期中立
当事業年度では、大型ゲーム環境開発プロジェクトが終了したものの、産業系案件が堅調に推移しております。

売上2,661百万円、利益369百万円。利益は維持しましたが、売上成長の柱は限定的でした。

2026年11月期 中間弱気
遅延に伴う想定以上の工数投入によりリソースが不足し新規案件受注機会の喪失を招きました。

中間売上1,119百万円、利益0百万円。案件遅延が既存採算と新規受注の双方を圧迫しました。

最新判断弱気

産業向け可視化需要とフィジカルAIは回復余地ですが、下期一括計上予定の3DCG案件はすでに遅延・損失化しています。案件完了と追加損失の抑制を確認するまで、自信度は低いと判断します。

人材事業

自信度推移:強気 → 中立 → 弱気 → 弱気 → 弱気
2022年11月期強気
ミドル・ハイクラス人材向けサービスが好調に推移し平均単価を押し上げました。

売上1,746百万円、利益445百万円。紹介件数と単価がともに伸びました。

2023年11月期中立
近年減少し続けていた人材派遣の稼働者数は今期は増加し復調の兆しを見せました。

売上1,777百万円、利益412百万円。稼働は改善しましたが、営業基盤への投資で減益でした。

2024年11月期弱気
人材紹介は、ゲーム業界全般における市況の急激な悪化に伴う採用意欲の減退により、減収減益となりました。

売上1,646百万円、利益289百万円。紹介成約数は31.3%減少しました。

2025年11月期弱気
人材事業においては、当社の強みとしているゲーム企業における採用意欲の減退、派遣希望者の減少により、市場は厳しい状況にありますが、既存顧客に加え、新規の顧客・業界を開拓することにより収益改善に注力しております。

売上1,641百万円、利益301百万円。利益は持ち直したものの、市場環境への警戒表現が続きました。

2026年11月期 中間弱気
人材事業においては、当社の強みであるゲーム企業の採用意欲の減退により、依然として人材紹介事業は厳しい状況にありますが、配信系エンターテインメント業界などへのアプローチや、クライアント企業・求職者双方に満足して頂けるようなサービス向上に取り組んでおります。

中間売上789百万円、利益138百万円。派遣労働者数と紹介成約数がともに前年割れでした。

最新判断弱気

対象業界の採用需要と求職者供給の双方が弱く、回復策は周辺業界への顧客拡大に依存しています。既存の高収益性は残るものの、数量回復の確認が必要です。

4.最新予想信頼度
判定:達成可能性は「やや低い」。下期一括計上案件の完了と追加損失の抑制が条件。

最新予想は中間決算と同時に、売上高4,231百万円、営業損失200百万円、経常損失198百万円、当期純損失228百万円へ下方修正されました。中間実績を反映した予想である点は信頼性を高めますが、利益面の余裕がほとんどなく、遅延中の案件に依存しています。

通期売上予想4,231百万円
中間売上1,909単純進捗45.1%
下期必要売上2,322前年下期比約11.1%増
中間営業損失△185百万円
下期損失余裕△15営業利益ベース

達成できると判断する理由

  • 最新予想は中間期の損失と案件進捗を確認した後の修正値で、期初予想より現状を反映しています。
  • 下期必要売上2,322百万円は前年下期比で約11.1%増です。遅延中の3DCG案件を予定どおり検収し、売上を一括計上できれば到達余地があります。
  • 最新予想は黒字回復を前提とせず、下期営業損益は15百万円の赤字まで許容する保守的な水準です。
  • 産業向け可視化案件の引き合いが続き、フィジカルAIシミュレーション基盤を新たな受注源として立ち上げています。
  • 人材事業は減収減益でも中間期に138百万円のセグメント利益を確保しており、全社損失の一定の下支えになります。

達成できないと判断する理由

  • 中間期だけで通期営業損失予想の92.5%、純損失予想の96.5%を計上しており、追加費用を吸収する余裕が極めて小さい状況です。
  • 下期売上の中核となる3DCG案件はすでに原価超過と遅延が発生しています。追加工数、再見積り、検収延期が起きれば売上・利益が同時に下振れします。
  • 大型受託案件の終了と大手オンライン顧客のサービス終了を新規案件で補えておらず、案件遅延によって営業機会も失っています。
  • 人材事業は派遣稼働者数が5.7%減、紹介成約数が13.5%減で、下期の急回復を裏付ける数量指標がまだありません。
  • 期初の営業利益122百万円予想から営業損失200百万円へ大幅修正しており、案件採算と進捗の予見性に課題が表れています。

収益計上・利益偏重を見る際の注意点

恒常的な上期・下期偏重が示されているわけではありませんが、大型案件の検収時期で業績が大きく動きます。2022年11月期は大型ライセンス売上を第3四半期に一括計上し、2026年11月期は3DCG映像制作案件の売上を下期に一括計上する計画です。

したがって、売上の単純進捗45.1%は下期計上予定を考慮していません。一方、損失進捗はすでに9割を超えており、下期売上が計画どおりでも追加原価が発生すると利益予想を下回る可能性があります。

最終判断

3DCG映像制作案件を下期中に検収し、追加の受注損失引当や工数超過を発生させず、産業系案件で前年下期を上回る売上を確保できれば、修正後予想への着地は可能です。ただし、利益予想に対する残余余力が小さく、案件の再遅延や追加費用が一つ発生するだけで未達となり得るため、現時点の信頼度は「やや低い」と判断します。

直近5年業績サマリー

単位:百万円、EPS・BPSは円、PER・PBRは倍。2021年11月期から2024年11月期は連結、2025年11月期は子会社吸収合併後の非連結。EPS・BPSは2026年11月期中間期時点の発行済株式総数2,973,900株で再計算。PER・PBRは提供された各期末最終取引日の終値を使用。2026年11月期は2026年7月公表の修正会社予想。
業績項目 2021/11
連結
2022/11
連結
2023/11
連結
2024/11
連結
2025/11
単体
2026/11
会社予想
売上高 3,986 4,510 +524 / +13.2% 4,554 +44 / +1.0% 4,414 -140 / -3.1% 4,303 -111 / -2.5% 4,231 -72 / -1.7%
営業損益 -96 381 +477 / 黒字転換 238 -143 / -37.5% 143 -95 / -40.0% 147 +4 / +2.8% -200 -347 / 赤字転換
経常損益 -71 394 +465 / 黒字転換 246 -148 / -37.5% 123 -123 / -49.7% 148 +25 / +20.3% -198 -346 / 赤字転換
当期純利益 -101 254 +355 / 黒字転換 200 -54 / -21.4% 87 -113 / -56.3% 206 +119 / +136.8% -228 -434 / 赤字転換
EPS -33.96円 85.41円 +119.37円 / 黒字転換 67.25円 -18.16円 / -21.3% 29.25円 -38.00円 / -56.5% 69.27円 +40.02円 / +136.8% -76.67円 -145.94円 / 赤字転換
PER 15.4倍 15.0倍 26.8倍 11.5倍
PBR 2.1倍 2.3倍 1.7倍 1.3倍 1.3倍
BPS 457.31円 572.31円 +115.00円 / +25.1% 591.14円 +18.83円 / +3.3% 584.42円 -6.72円 / -1.1% 623.42円 +39.00円 / +6.7%
純資産 1,360 1,702 +342 / +25.1% 1,758 +56 / +3.3% 1,738 -20 / -1.1% 1,854 +116 / +6.7%
営業CF 107 566 +459 / 収入増加 121 -445 / 収入減少 92 -29 / 収入減少 322 +230 / 収入増加
投資CF -125 -8 +117 / 支出縮小 -8 ±0 -82 -74 / 支出拡大 -46 +36 / 支出縮小
財務CF 120 93 -27 / 収入減少 -289 -382 / 支出転換 -276 +13 / 支出縮小 73 +349 / 収入転換
現金及び現金同等物 1,028 1,679 +651 / +63.3% 1,503 -176 / -10.5% 1,236 -267 / -17.8% 1,585 +349 / +28.2%

中期経営計画

正式な中期数値計画は確認できず、修正通期予想と成長戦略を代替指標とする

2026年7月22日時点で、対象期間を定めた売上高、営業利益、製品売上、産業顧客数などの数値目標を一体で示す専用の中期経営計画は確認できない。

代替となる直近の数値目標は、2026年7月に修正された2026年11月期会社予想である。

期初予想は売上高4,571百万円、営業利益122百万円だったが、中間決算時点で売上高4,231百万円、営業損失200百万円へ修正された。

2026年11月期 売上高予想 4,231百万円
2026年11月期 営業損益予想 -200百万円
2026年11月期 経常損益予想 -198百万円
2026年11月期 当期純損益予想 -228百万円
数値目標

修正後の通期予想は、売上高が前期比1.7%減、営業損益、経常損益、当期純損益はいずれも赤字転換を見込む。

2026年11月期の期末配当予想は、従来の1株当たり10円から0円へ修正された。

開発推進・支援事業では、遅延している3DCG映像制作案件の完了、新規案件の確保、追加損失の抑制が短期的な数値目標となる。

人材事業では、派遣稼働者数、紹介成約数、ゲーム会社の採用需要を回復させる必要がある。

基本方針

第一の方針は、ゲーム・映像業界で蓄積したリアルタイム3DCG技術を、自動車、製造、土木、建築、宇宙、防衛、医療などへ展開することである。

エンターテインメント業界と産業界の双方へ技術を提供し、特定市場や特定大型案件への依存を低下させる。

第二の方針は、顧客ニーズを起点とする製品開発と、自社技術を利用したライセンス収益の拡大である。

YEBIS、Enlighten、Mizuchiなどの既存製品に加え、リアルタイム3D制作を効率化する製品とソリューションを展開する。

第三の方針は、物理空間と仮想空間を接続するデジタルツイン、シミュレーション、フィジカルAI関連領域の開拓である。

現実環境では取得が困難な学習データや検証条件を3D空間で生成し、AI、ロボット、センサー、機器制御の研究開発を支援する。

第四の方針は、ゲーム・映像分野の人材事業を、アニメ、Vtuber、産業CGなど周辺業界へ拡張することである。

ミドルクラス、ハイクラス人材の紹介を強化し、紹介単価と専門性を高める方針が示されている。

事業戦略

開発推進・支援事業では、受託案件の工程管理、原価管理、技術者配置を改善し、受注損失の発生を抑える必要がある。

大型案件の終了前に後続案件を確保し、技術者の空き期間と稼働率低下を防ぐことが重要となる。

顧客別に開発した機能を共通技術や製品へ反映し、複数案件で再利用できれば利益率を改善しやすい。

製品事業では、ゲームエンジンの標準機能との差別化、最新ハードウェア対応、海外販売、技術サポートを継続する。

産業向けでは、可視化だけでなく、設計、検証、シミュレーション、AI学習、デジタルツインまで案件範囲を広げる。

人材事業では、登録人材数、求人件数、派遣稼働者数、紹介成約率を改善し、固定費に対する売上規模を回復させる。

財務面では、自己資本比率を維持しながら、営業キャッシュフローの改善と現金残高の確保を優先する必要がある。

中長期の評価軸は、製品ライセンス売上、産業向け売上、案件採算、技術者稼働率、人材紹介成約数、営業キャッシュフローである。

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競合他社

① クリーク・アンド・リバー社(4763)

2026年7月22日 株価 1,497円
時価総額 約344.4億円
上場市場 東証プライム

クリーク・アンド・リバー社は、映像、ゲーム、Web、広告、出版、医療、建築、AI、DXなどの専門人材を軸に、派遣、紹介、制作、受託開発、プロデュースを展開する。

シリコンスタジオとは、ゲーム・映像業界向け人材紹介・派遣、ゲーム開発、2DCG・3DCG制作、XR、デジタルコンテンツ制作で競合する。

ゲーム分野では、プロデューサー、ディレクター、プログラマー、プランナー、CGデザイナーなどを派遣・紹介する。

人材の提供だけでなく、制作スタジオ、チーム単位の業務受託、人材育成を組み合わせる点が特徴である。

C&R Creative Studiosでは、ゲーム開発、2D・3DCG制作、遊技機、映像、プロモーションなどを扱う。

シリコンスタジオの人材事業と開発推進・支援事業の両方に事業領域が重なる。

2027年2月期第1四半期は売上高17,034百万円、営業利益2,204百万円、経常利益2,192百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益1,486百万円

売上高は前年同期比23.1%増、営業利益は51.7%増となった。

2027年2月期会社予想は売上高66,000百万円、営業利益5,450百万円

人材数、顧客基盤、営業網、制作スタジオ、対象業界の広さでは、クリーク・アンド・リバー社が規模で優位にある。

シリコンスタジオは、リアルタイム3DCG、ミドルウェア、レンダリング技術を理解する専門人材と技術支援で差別化する必要がある。

② デジタルハーツホールディングス(3676)

2026年7月22日 株価 733円
時価総額 約175.1億円
上場市場 東証プライム

デジタルハーツホールディングスは、ゲーム向けデバッグ、ローカライズ、カスタマーサポートと、企業向けQA・セキュリティを展開する。

シリコンスタジオとは、ゲーム会社やパブリッシャーの開発周辺支援、品質管理、運用、人材リソース、海外展開支援で競合する。

デジタルハーツは、コンシューマ、モバイル、オンライン、アーケードなどのゲームを対象に、テスト設計、動作確認、不具合報告を行う。

ローカライズ、言語品質保証、カスタマーサポートまで提供し、開発終了前から発売後の運用工程を支援する。

シリコンスタジオは開発技術、CG、ミドルウェア、人材紹介を中心とし、デジタルハーツはデバッグと品質保証に強みを持つ。

両社は、ゲーム会社が開発工程を外部へ委託する際の予算、外部人材、技術支援で競合する。

2026年3月期は売上高38,928百万円、営業利益2,626百万円、経常利益2,582百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,181百万円

売上高は前期比2.1%減となった一方、営業利益は8.1%増、経常利益は13.4%増だった。

営業キャッシュフローは3,224百万円の収入となり、国内ゲームデバッグと収益性改善が利益を支えた。

2027年3月期会社予想は売上高41,080百万円、営業利益2,730百万円、経常利益2,730百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,850百万円

人的リソースの規模、デバッグ拠点、海外対応、品質保証の実績では、デジタルハーツホールディングスが優位にある。

シリコンスタジオは、品質確認より上流の描画技術、開発環境、ゲームエンジン最適化で専門性を発揮する必要がある。

③ CRI・ミドルウェア(3698)

2026年7月22日 株価 1,170円
時価総額 約65.3億円
上場市場 東証スタンダード

CRI・ミドルウェアは、音声、映像、コミュニケーション関連のミドルウェアをゲーム、モビリティ、Web、組込み機器などへ提供する。

ゲーム領域では「CRIWARE」を中心に、サウンド、ムービー、リップシンク、楽曲解析、触覚、ボイスチャットなどの開発支援製品を展開する。

代表製品は統合型サウンドミドルウェア「CRI ADX」、映像ミドルウェア「CRI Sofdec」、リップシンクミドルウェア「CRI LipSync」である。

シリコンスタジオとは、ゲーム開発向けミドルウェア、Unity・Unreal Engine対応、開発効率化、映像・音声表現の高度化で競合する。

CRI・ミドルウェアは音声、映像再生、圧縮、リップシンクに強く、シリコンスタジオはレンダリング、光学効果、グローバルイルミネーション、リアルタイム3DCGに強みを持つ。

ゲーム開発会社が外部SDKやミドルウェアを採用する際、導入費用、動作性能、対応機種、技術サポート、開発期間短縮効果が比較対象となる。

2026年9月期中間期は売上高1,849百万円、営業利益301百万円

売上高は前年同期比0.4%減、営業利益は22.3%減となった。

ゲーム事業の海外展開投資と、エンタープライズ事業における特需の反動、研究開発への移行が減益要因となった。

CRIWAREはゲーム開発現場での採用実績と、音声・映像技術を複数業界へ横展開する製品構成を持つ。

シリコンスタジオにとっては、ミドルウェア製品のライセンス予算と技術サポートを争う最も直接的な競合となる。

シリコンスタジオは、リアルタイムレンダリングと産業向けデジタルツインを組み合わせ、製品単体ではなく開発支援全体で差別化する必要がある。

出典

本ページは公開情報を基に作成した企業分析であり、特定の有価証券の売買を推奨または勧誘するものではありません。業績予想、株価、時価総額、投資指標、案件の進捗、検収時期、製品内容、人材需要などは変動する可能性があります。投資判断は最新の決算短信、有価証券報告書、適時開示及び取引所発表を確認したうえで、自身の責任で行ってください。

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