6503 三菱電機
※「TradingViewをサブスク」ボタンはアフィリエイトリンクです。
最新決算アップデート|2027年3月期 第2四半期(中間期)
01|前回記事からの変化
| 項目 | 前回通期会社予想 | 今回通期会社予想 | 修正額 | 修正率 | 上期実績 | 新予想進捗率 | 下期必要額 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 6兆2,700億円 | 6兆5,500億円 | +2,800億円 | +4.5% | 3兆1,251億5千万円 | 47.7% | 3兆4,248億5千万円 |
| 調整後営業利益 | 6,200億円 | 7,100億円 | +900億円 | +14.5% | 3,447億8千万円 | 48.6% | 3,652億2千万円 |
| 税引前利益 | 6,700億円 | 6,950億円 | +250億円 | +3.7% | 4,035億5千万円 | 58.1% | 2,914億5千万円 |
| 親会社帰属利益 | 4,950億円 | 4,650億円 | −300億円 | -6.1% | 2,970億3千万円 | 63.9% | 1,679億8千万円 |
02|コンセンサス VS 実績
| 項目 | コンセンサス予想 | 今回の実績 | コンセンサス比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1兆5,515億1千万円 | 1兆6,284億円 | +5.0% |
| 税引前利益 | 1,812億円 | 2,486億円 | +37.2% |
| 親会社帰属利益 | 1,373億8千万円 | 1,888億円 | +37.4% |
| 項目 | コンセンサス予想 | 今回の実績 | コンセンサス比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 3兆296億円 | 3兆1,251億5千万円 | +3.2% |
| 営業利益 | 3,105億円 | 3,581億1千万円 | +15.3% |
| 税引前利益 | 3,465億円 | 4,035億5千万円 | +16.5% |
| 親会社帰属利益 | 2,557億7千万円 | 2,970億3千万円 | +16.1% |
03|今回の四半期に関連する出来事
- 2026年4〜9月減価償却方法の変更 定率法から定額法へ変更。営業利益と税引前利益をそれぞれ196億5千万円押し上げ。
- 2026年8月20日米国PCI Energy Solutionsの完全子会社化を発表 スマートエナジー領域を強化。
- 2026年10月16日自動車機器事業で鴻海グループと株式譲渡契約 三菱電機モビリティ株式50%を譲渡予定。2027年3月期に約1,000億円の減損損失を計上見込み。
- 2026年10月20日配電制御機器事業のABBとの合弁化を決定 新会社株式51%を譲渡予定。2028年3月期に約900億円の利益計上見込み。
- 2026年10月30日自己株式取得・消却を決議 取得枠は上限2,000億円・8,000万株。自己株式2,300万株の消却も決定。
事業内容と業績
インフラ
社会システム、エネルギーシステム、防衛・宇宙システムを担う事業領域。鉄道車両用電機品、交通制御、無線・有線通信、水環境システム、河川・道路等の監視制御設備、無停電電源装置などを提供する。電力分野では変圧器、開閉機器、発電機、系統監視・制御、蓄電池制御、再生可能エネルギー関連設備を扱う。防衛・宇宙分野はレーダー、誘導飛しょう体関連装置、人工衛星、衛星通信、地球観測と測位サービスを展開。社会インフラの運用・更新需要と安全保障関連需要が対象となる。
インダストリー・モビリティ
FAシステム事業と自動車機器事業から成る。FAでは工場向けのシーケンサ、インバーター、サーボ、産業用ロボット、加工機、製造設備の制御・監視など、ものづくりの自動化と省エネルギー化を支える製品・システムを提供する。自動車分野では電動化に対応するモーター、インバーターなどの車載機器・電装品を展開し、エネルギー効率向上とモビリティの安全性に関わる技術を提供する。需要先は電子・半導体、電池、工作機械、自動車関連などの設備投資・車両生産である。
ライフ
ビルシステム事業と空調・家電事業で構成する。ビルシステムはエレベーター、エスカレーター、ビル設備の監視制御、保守・リニューアルサービスなどを通じて建物の運営と利用者の移動を支える。空調・家電は家庭用・業務用空調機器、冷凍・冷蔵・換気関連製品、住宅向け電気製品等を展開する。国内外の住宅・オフィス・商業施設・工場などが顧客領域であり、省エネルギー、快適性、建物のライフサイクルに対応する設備やサービスを提供している。
デジタルイノベーション
ITインフラ・セキュリティソリューション、システム・サービスインテグレーション、デジタル技術による業務変革支援を中心とする。製造現場や社会インフラに蓄積された機器・システムのデータを活用し、運用・保守、システム連携、サイバーセキュリティの領域にサービスを展開する。三菱電機のデジタル基盤「Serendie」を使い、異なる事業領域のデータやノウハウを結び付けたソリューションの開発も進める。2025年4月には関連部門を再編し、デジタルイノベーション事業本部・同名会社を設けた。
セミコンダクター・デバイス
パワーデバイス事業と高周波・光デバイス事業を展開する。パワーデバイスではSiC・Siを用いたパワー半導体、IGBTモジュールなどを鉄道、電力、産業機器、車載電力制御用途に提供し、電力変換時の損失削減や機器の省電力化に取り組む。高周波・光デバイスでは化合物半導体技術を活用し、通信・センシング向けの電子・光デバイスを提供する。生成AIの普及に伴うデータセンター内の高速大容量通信向け光通信用部品や、産業機器向け大容量パワー半導体などが製品領域に含まれる。
その他
主要5つの報告セグメント以外に区分される事業・関係会社活動を含む開示上の「その他」セグメント。過年度資料では資材調達、物流等の関係会社について言及がある。報告上の内訳は年度によって異なり、特に組織再編、関係会社の持分法適用への変更、事業区分の見直しによって計上範囲が変化し得る。2027年3月期第1四半期には一部事業がこの区分からライフに移されている。個別の主力製品を一律に特定できる開示ではないため、全社事業の一部として区別している。
直近5年業績サマリー
| 業績項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 2027年3月期(会社予想) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 4,476,758 |
5,003,694 +526,936 / +11.8% |
5,257,914 +254,220 / +5.1% |
5,521,711 +263,797 / +5.0% |
5,894,747 +373,036 / +6.8% |
6,270,000 |
| 営業損益 | 252,051 |
262,352 +10,301 / +4.1% |
328,525 +66,173 / +25.2% |
391,850 +63,325 / +19.3% |
433,095 +41,245 / +10.5% |
— |
| 調整後営業利益 | — | — | — | — | — | 620,000 |
| 経常損益相当(税引前利益) | 279,693 |
292,179 +12,486 / +4.5% |
365,853 +73,674 / +25.2% |
437,265 +71,412 / +19.5% |
526,077 +88,812 / +20.3% |
670,000 |
| 親会社株主帰属純利益 | 203,482 |
213,908 +10,426 / +5.1% |
284,949 +71,041 / +33.2% |
324,084 +39,135 / +13.7% |
407,758 +83,674 / +25.8% |
495,000 |
| EPS(円) | 95.41 |
101.30 +5.89 / +6.2% |
135.74 +34.44 / +34.0% |
155.70 +19.96 / +14.7% |
198.31 +42.61 / +27.4% |
241.87 |
| 1株配当金(円) | 40.00 |
40.00 +0.00 / +0.0% |
50.00 +10.00 / +25.0% |
50.00 +0.00 / +0.0% |
55.00 +5.00 / +10.0% |
60.00 |
| 純資産(資本合計) | 3,097,397 |
3,363,224 +265,827 / +8.6% |
3,866,418 +503,194 / +15.0% |
4,076,366 +209,948 / +5.4% |
4,629,993 +553,627 / +13.6% |
— |
| 営業CF | 282,371 |
166,711 -115,660 / -41.0% |
415,479 +248,768 / +149.2% |
455,905 +40,426 / +9.7% |
575,993 +120,088 / +26.3% |
— |
| 投資CF | -114,867 |
-148,533 -33,666 / -29.3% |
-94,119 +54,414 / +36.6% |
-191,750 -97,631 / -103.7% |
-344,407 -152,657 / -79.6% |
— |
| 財務CF | -241,319 |
-119,568 +121,751 / +50.5% |
-240,118 -120,550 / -100.8% |
-265,333 -25,215 / -10.5% |
-304,817 -39,484 / -14.9% |
— |
| フリーCF | 167,504 |
18,178 -149,326 / -89.1% |
321,360 +303,182 / +1667.9% |
264,155 -57,205 / -17.8% |
231,586 -32,569 / -12.3% |
— |
金額単位:百万円(EPS・配当は円)。フリーCF=営業CF+投資CF。IFRSの「税引前利益」を経常利益相当として表示。2027年3月期の営業利益計画は未提示のため、会社公表の「調整後営業利益」を別行に掲載。2027年3月期予想は2026年7月31日発表、受注残高は5期を通じた連結残高の同一定義で確認できないため非掲載。
1.会社予想と実績
2022〜2026年3月期は期首の通期会社予想と実績を比較。2027年3月期は2026年7月31日公表の最新予想を掲載。
2.達成・未達理由
売上高は期首予想を上回った一方、営業利益・純利益は下回った。決算短信には家庭電器での素材価格・物流費上昇や、重電システムでの売上案件変動による減益が記載されている。
2022年3月期短信 p.13〜14
売上高は予想を上回り、営業利益・税引前利益・純利益は未達。FAのデジタル関連需要が一服し、自動車機器で素材・物流費上昇や固定資産減損損失が発生したことを会社が説明している。
2023年3月期短信 p.13〜14
売上高・税引前利益・純利益は会社予想を上回ったが、営業利益は小幅未達。会社はFA需要の減少、円安、価格転嫁、自動車機器の増加、防衛・宇宙の売上案件変動を説明している。
2024年3月期短信 p.13〜14
売上高・税引前利益・純利益は会社予想を上回った一方、営業利益は予想を下回った。会社は円安と価格改善、インフラ・ライフの増益、インダストリー・モビリティの減益を説明している。
2025年3月期短信 p.11
売上高、営業利益、税引前利益、純利益のいずれも期首予想を上回った。会社は円安、価格改善、防衛システムの大口案件、FAシステムのAI関連設備投資、全部門の営業増益を説明している。
2026年3月期短信(訂正版)p.12
3.事業セグメントの自信度
公表文書の事業見通しと実績を分けて評価。原文のない年度は実績だけを表示し、企業の意向を推測しません。
インフラ
比較対象の区分が異なる、または前年データがないため、方向判定はしません。
前年からのセグメント利益変化 -140億円。これは実績の方向を表し、経営者の自信度そのものではありません。
受注高は宇宙システム事業の大口案件の増加により前年度を上回り
原文抜粋:2023年3月期短信 p.13
前年からのセグメント利益変化 +36億円。これは実績の方向を表し、経営者の自信度そのものではありません。
前年からのセグメント利益変化 +583億円。これは実績の方向を表し、経営者の自信度そのものではありません。
前年からのセグメント利益変化 +653億円。これは実績の方向を表し、経営者の自信度そのものではありません。
インフラ部門での大幅な増益をはじめ、すべてのセグメントで増益となり
原文抜粋:2026年3月期短信 p.12
インダストリー・モビリティ
比較対象の区分が異なる、または前年データがないため、方向判定はしません。
前年からのセグメント利益変化 -5億円。これは実績の方向を表し、経営者の自信度そのものではありません。
前年からのセグメント利益変化 +229億円。これは実績の方向を表し、経営者の自信度そのものではありません。
FA システム事業は、受注高・売上高ともに前年度を下回りました。
原文抜粋:2024年3月期短信 p.13
前年からのセグメント利益変化 -362億円。これは実績の方向を表し、経営者の自信度そのものではありません。
前年からのセグメント利益変化 +485億円。これは実績の方向を表し、経営者の自信度そのものではありません。
FAシステム事業はスマートフォン、AI関連の設備投資や工作機械関連需要により増加しましたが
原文抜粋:2026年3月期短信 p.12
ライフ
比較対象の区分が異なる、または前年データがないため、方向判定はしません。
前年からのセグメント利益変化 +86億円。これは実績の方向を表し、経営者の自信度そのものではありません。
前年からのセグメント利益変化 +144億円。これは実績の方向を表し、経営者の自信度そのものではありません。
前年からのセグメント利益変化 +416億円。これは実績の方向を表し、経営者の自信度そのものではありません。
空調・家電事業は北米・アジア(除く中国)・国内向け空調機器で増加しました。
原文抜粋:2025年3月期短信 p.11
前年からのセグメント利益変化 +133億円。これは実績の方向を表し、経営者の自信度そのものではありません。
空調・家電事業は円安の影響や価格改善の効果に加え
原文抜粋:2026年3月期短信 p.12
デジタルイノベーション
現行区分の開示比較値がありません。
比較対象の区分が異なる、または前年データがないため、方向判定はしません。
前年からのセグメント利益変化 -10億円。これは実績の方向を表し、経営者の自信度そのものではありません。
前年からのセグメント利益変化 +32億円。これは実績の方向を表し、経営者の自信度そのものではありません。
ITインフラサービス事業、システムインテグレーション事業が増加し
原文抜粋:2025年3月期短信 p.11
前年からのセグメント利益変化 +11億円。これは実績の方向を表し、経営者の自信度そのものではありません。
ITインフラ・セキュリティ事業、製造DXソリューション事業などにより増加しました。
原文抜粋:2026年3月期短信 p.12
セミコンダクター・デバイス
現行区分の開示比較値がありません。
比較対象の区分が異なる、または前年データがないため、方向判定はしません。
前年からのセグメント利益変化 +6億円。これは実績の方向を表し、経営者の自信度そのものではありません。
電鉄・電力向けのパワー半導体の需要が堅調に推移し
原文抜粋:2024年3月期短信 p.14
前年からのセグメント利益変化 +108億円。これは実績の方向を表し、経営者の自信度そのものではありません。
電鉄・電力向けパワー半導体、通信用光デバイスの増加
原文抜粋:2025年3月期短信 p.11
前年からのセグメント利益変化 +69億円。これは実績の方向を表し、経営者の自信度そのものではありません。
その他
比較対象の区分が異なる、または前年データがないため、方向判定はしません。
前年からのセグメント利益変化 +67億円。これは実績の方向を表し、経営者の自信度そのものではありません。
売上高は、資材調達・物流の関係会社の増加などにより
原文抜粋:2023年3月期短信 p.14
前年からのセグメント利益変化 -35億円。これは実績の方向を表し、経営者の自信度そのものではありません。
前年からのセグメント利益変化 +216億円。これは実績の方向を表し、経営者の自信度そのものではありません。
前年からのセグメント利益変化 +16億円。これは実績の方向を表し、経営者の自信度そのものではありません。
※原文引用は当該年度の会社決算短信に確認できた表現のみ。利益増減は実績に基づく観測であり、会社の経営見通しを代弁しません。
4.最新予想信頼度
会社は通期売上高6兆2,700億円、調整後営業利益6,200億円、親会社帰属純利益4,950億円を予想。前年同期に対する第1四半期の売上高は14.0%増、調整後営業利益は53.8%増、純利益は20.8%増。
進捗率=第1四半期実績÷通期会社予想の単純比率。四半期ごとの季節性や売上計上時期は考慮していません。前年同期比較も前期セグメント区分の組替値を利用。
達成できると判断する理由
- 第1四半期売上高は前年同期比14.0%増、調整後営業利益は53.8%増。年初の連結業績予想も第1四半期発表時に上方修正された。
- インダストリー・モビリティの第1四半期調整後営業利益は249億円→571億円、ライフは460億円→608億円、半導体・デバイスは89億円→162億円(各百万円未満切捨て値から換算)。
- 2026年3月期は営業CFが5,759億円、親会社帰属純利益は4,077億円。収益と現金創出の実績がある。
達成できないと判断する理由
- 第1四半期の売上高の単純進捗率は23.9%、調整後営業利益は23.3%。残る3四半期の売上と利益の積み上げが必要。
- デジタルイノベーションの調整後営業利益は第1四半期12億円→8億円で減少。部門ごとの採算差がある。
- 資源価格・通商政策・地政学的リスクや為替変動は会社が2026年3月期短信で挙げた不確実性。調整後営業利益と営業利益の定義差にも留意。
収益計上時期を見る際の注意点
防衛・宇宙などには大口案件があり、四半期ごとの計上時期は均等とは限りません。添付資料では「売上が特定の四半期に偏重する」との定量的な説明を確認できなかったため、単純進捗率の年率換算は行っていません。次回の四半期開示で受注高と受注案件の計上を確認する必要があります。
最終判断
第1四半期は通期予想に対して増収・増益の発進だが、残り3四半期の実績が未開示のため、達成可否は断定できません。2026年10月28日終値4,811円 ÷ 2027年3月期会社予想EPS241.87円 = 予想達成時PER約19.89倍。株価は前日終値に固定した計算値であり、翌営業日以降の値動きは含みません。
資料・一次情報
本分析の財務数値は三菱電機が公表した2022〜2026年3月期の連結決算短信(2026年3月期は2026年6月11日訂正版)と2027年3月期第1四半期決算短信(2026年7月31日)を使用。2022年3月期の期首予想は同社2021年3月期決算資料で補足。
- 三菱電機 公式企業情報
- 三菱電機 2021年3月期決算短信(2022年3月期期首予想を含む)
- 三菱電機 2022年3月期決算短信
- 三菱電機 2026年5月29日新中期経営戦略
- 三菱電機 公式製品・ソリューション
- インフラ 公式事業内容
- インダストリー・モビリティ 公式事業内容
- ライフ 公式事業内容
- デジタルイノベーション 公式事業内容
- セミコンダクター・デバイス 公式事業内容
株価の参照値:2026年10月28日東証終値4,811円。株価データの提供元は資料・一次情報欄の掲載対象外のため掲載していません。
Medium-Term Corporate Strategy / 2026—2030
6503三菱電機|新中期経営戦略
構造改革の次は、事業モデル変革。2030年度は「売上規模」だけでなく「高収益化・資本効率」を重視する計画。
2026年5月29日公表の「新中期経営戦略」に基づき、数値目標、実行施策、リスクを整理。
01|2030年度・全社財務目標
| 主要項目 | 2025年度 実績 | 2026年度 会社見通し | 2030年度 目標 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 5兆8,947億円 | 6兆2,000億円 | CAGR 3〜5% |
| 調整後営業利益 | 5,012億円 | 5,900億円 | 金額目標の記載なし |
| 調整後営業利益率 | 8.5% | 9.5% | 12%以上 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 4,077億円 | 4,750億円 | 目標の記載なし |
| ROE | 9.7% | 見通しの記載なし | 12% |
比較時の重要事項:2030年度目標は自動車機器事業を除く前提。2025年度実績・2026年度会社見通しの連結数値から単純に成長率を掛けて2030年度の連結売上高や利益額を算定することはできない。調整後営業利益は、営業利益から事業・資産売却損益や減損損失等の「その他の損益」を控除した指標。
出典:新中期経営戦略 p.6、p.25
02|目標達成の中核:3つの注力領域
スマートエナジー
電化・省エネ需要に対応。データセンター向け電源システム、空調冷熱、エネルギーマネジメント、パワー半導体を強化。
オートメーション
FA制御機器・産業メカトロニクス、FAデジタルソリューション、ビルソリューション、OTセキュリティを強化。
ディフェンス&スペース
防空・ミサイル防衛、宇宙システム、国際共同開発、衛星データサービスや無人機関連の新分野へ展開。
3領域のなかで、ソリューション事業とグローバル競争力を持つコンポーネント事業を「強化事業」として選別。成長投資を集中する方針。
出典:新中期経営戦略 p.9〜10、p.18
03|収益構造の変革:強化事業を4.5兆円へ
2025年度実績 → 2030年度目標。年平均成長率の会社目標は約9%。
2025年度実績 → 2030年度目標。高付加価値事業の拡大を重視。
| 強化事業の内訳 | 2025年度売上高 | 2030年度売上高 | 2025年度利益率 | 2030年度利益率 |
|---|---|---|---|---|
| ソリューション | 0.4兆円 | 1.0兆円 | 7% | 15% |
| コンポーネント・保守/サービス | 2.6兆円 | 3.5兆円 | 12% | 15% |
実行ロードマップ
- 顧客接点を維持:機器と保守サービスの提供を通じ、現場データを継続取得する。
- 現場知見とAIを融合:Serendie、Physical AI、OTセキュリティ、保守DXを用い、設備単体ではなく顧客の課題を解くソリューションを創出する。
- 横展開で収益化:統合ソリューションを小さなサービスに分解して再利用可能にし、複数の顧客・業界へ展開する。
- 象徴的な実行テーマ:エネルギー効率を示すPUE 1.1のデータセンター、AI・ロボティクスを活用した無人化工場の実現を目指す。
出典:新中期経営戦略 p.10〜17
04|主要事業・2030年度目標
| 事業・セグメント | 売上高 | 調整後営業利益率 | ROIC |
|---|---|---|---|
| インフラ | 2.1兆円 | 13% | 9% |
| └ 防衛・宇宙システム | 0.8兆円 | 12% | 8% |
| ライフ | 2.8兆円 | 12% | 11% |
| FAシステム | 0.9兆円 | 16%以上 | 14%以上 |
| デジタルイノベーション | 0.4兆円 | 17% | 18% |
| セミコンダクター・デバイス | 0.4兆円 | 20% | 12% |
防衛・宇宙システムはインフラの内数。FAシステムはインダストリー・モビリティ内の事業。セグメント売上高には内部売上高を含むため、各行の単純合計は連結売上高と一致しない。自動車機器事業について2030年度目標の記載はない。
出典:新中期経営戦略 p.26
05|財務・資本政策と人財投資
成長投資2.0兆円、追加投資枠1.0兆円、株主還元1.6兆円。営業CF・事業売却等で3.4兆円を創出する計画と合わせて、レバレッジ活用を想定。
2026〜2030年度。調整後DOE 3%を基準とする安定配当と、機動的な自己株式取得を掲げる。
強化事業へ投資集中
ポートフォリオ見直しを継続。魅力的なM&A・出資案件では、DEレシオ0.3倍を目安に資金調達も活用。
人的資本投資 1.5倍
2030年度にDX・AX人財2万人、グローバル経営幹部の後継候補準備率200%を目指す。
グループ横断の組織変革
人財獲得、実践型教育、経営リーダー育成、グローバル登用と共創文化の醸成を進める。
出典:新中期経営戦略 p.20、p.22
06|会社が明示する主な達成リスク
- 世界景気、規制・税制、地政学的リスク・紛争
- 為替相場・株式相場・資金調達環境の変化
- 製品需給・部材調達環境の変動
- 技術革新、研究開発・製品市場投入の時期
- 製品・サービスの品質問題、特許・訴訟等
- 事業構造改革、情報セキュリティ、大規模災害
上記は会社資料の将来予想に関する注意書きから、事業計画への影響が考えられる主要項目を抜粋・要約したもの。会社は実績が見通しから大きく異なる可能性を明記している。
出典:新中期経営戦略 p.28
07|進捗を検証する際の数値チェックポイント
- 利益率:調整後営業利益率が2026年度会社見通し9.5%から2030年度12%以上へ改善しているか。
- 収益モデル:ソリューション売上高が2025年度0.4兆円から2030年度1.0兆円へ拡大し、同利益率15%へ近づいているか。
- 成長エンジン:防衛・宇宙システム売上高0.8兆円、FAシステムの利益率16%以上、半導体・デバイスの利益率20%という個別目標への進捗。
- 資本効率:ROE12%、各事業のROIC目標、設備投資・M&Aと株主還元の実行状況。

コメント