6504 富士電機
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最新決算アップデート|2027年3月期 中間決算(10月29日)
1. 最新決算の要点
売上高593,323百万円(前年同期比+9.2%)、営業利益59,815百万円(同+39.9%)。経常利益57,595百万円(+38.0%)、親会社株主帰属中間純利益42,116百万円(+58.2%)でした。
同日、通期会社予想を売上高1,350,000百万円・営業利益168,000百万円に上方修正。年間配当予想は中間110円、期末130円、合計240円です。
根拠:2027年3月期第2四半期(中間期)決算短信・1ページ(2026年10月29日)。
2. 主要数値と単純進捗率
| 項目/百万円 | 26/3中間期実績 | 27/3中間期実績 | 前年同期比 | 27/3通期予想 | 単純進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 543,160 | 593,323 | +9.2% | 1,350,000 | 43.95% |
| 営業利益 | 42,759 | 59,815 | +39.9% | 168,000 | 35.60% |
| 経常利益 | 41,733 | 57,595 | +38.0% | 166,500 | 34.59% |
| 親会社株主帰属純利益 | 26,614 | 42,116 | +58.2% | 117,000 | 36.00% |
| 中間EPS(円) | 180.62 | 287.64 | +59.25% | 799.98 | 35.96% |
単純進捗率=中間期累計実績÷最新通期会社予想×100。EPSの進捗は中間EPS÷通期予想EPSで算出した参考値。期中平均株式数の違いがあるため、純利益の進捗率とは一致しません。半期50%との単純比較だけで通期達成を判定できません。
3. 通期予想・配当の修正状況
| 項目/百万円 | 7/30旧予想 | 10/29最新予想 | 修正率 | 修正額 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,300,000 | 1,350,000 | +3.85% | +50,000 |
| 営業利益 | 156,500 | 168,000 | +7.35% | +11,500 |
| 経常利益 | 157,000 | 166,500 | +6.05% | +9,500 |
| 親会社株主帰属純利益 | 111,500 | 117,000 | +4.93% | +5,500 |
| EPS(円) | 763.74 | 799.98 | +4.75% | +36.24 |
中間配当110円(当中間期実績)、期末配当予想130円、年間配当予想240円。前期26/3月期の年間実績200円との比較では40円増。短信は配当予想の修正「有」と記載しています。2026年4月28日公表の中間配当予想107円からは3円増ですが、当時の年間配当予想は未定であり、年間予想の修正率は算定していません。
最新値:添付決算短信1ページ。4月28日予想:富士電機「2026年3月期配当予想の修正および2027年3月期配当予想に関するお知らせ」。
4. 前回記事からの業績変化
前回分析は2027年3月期第1四半期累計の売上高273,259百万円・営業利益25,019百万円を基準としていました。今回の中間期累計との差額で求めた第2四半期単独の実績は、売上高320,064百万円、営業利益34,796百万円、経常利益31,989百万円、親会社株主帰属純利益21,420百万円です(いずれも計算値)。
前回の通期予想売上高1,300,000百万円・営業利益156,500百万円・純利益111,500百万円に対し、今回はそれぞれ1,350,000百万円・168,000百万円・117,000百万円へ上方修正されました。
5. セグメント別の変化と原因
前回記事の第1四半期時点では、エネルギーとインダストリーは増収増益、半導体は営業減益、食品流通も営業減益と記載されています。
今回添付された中間決算短信は2ページの概要資料であり、エネルギー・インダストリー・半導体・食品流通・その他の中間期売上高、営業利益、前年同期比、増減理由は掲載されていません。したがって第2四半期の部門別の増減を推定せず、従来の第1四半期グラフをそのまま保存しています。
6. 企業が取り組んだ内容と確認できた成果
前回記事では、発電プラントの案件進捗、蓄電システム・変電設備、FAコンポーネント、ITソリューションの需要拡大を第1四半期の増益要因として記録しています。
2026年10月29日の今回添付短信から確実に確認できる成果は、全社の中間期増収増益と通期会社予想の上方修正です。個別施策と中間期業績との因果関係、受注高・受注残高、個別事業の改善額はこの短信では確認できません。
7. 前回分析の答え合わせ
一部確認「エネルギーとインダストリーが連結業績を支える」:前回Q1の部門別増益は確認済み。今回H1全社営業利益は前年同期比+39.9%ですが、H1セグメント数値が非掲載のため、当中間期の貢献額は判定不可です。
未確認「半導体の回復が通期達成の確認点」:今回H1の半導体利益や電装需要は掲載されず、回復の有無を検証できません。
判定保留「下期案件の進捗と採算が重要」:H1営業利益の単純進捗率は35.60%で、通期予想達成に必要な下期営業利益は108,185百万円。下期の実績は未発表です。
一部確認「条件付きで中立~やや強気」:全社中間期増益と通期上方修正は前向きな確認材料。ただし、旧予想・新予想とも通期実績ではなく、達成したと断定できません。
8. 最新短信反映後の予想信頼度
- 中間期は売上+9.2%、営業利益+39.9%の増収増益。
- 10月29日付の会社予想は、7月30日公表予想から売上+3.85%、営業利益+7.35%の上方修正。
- 26/3月期の下期営業利益(136,620−42,759=93,861百万円)は同上期42,759百万円を上回っており、前年は下期の利益計上が多かった(計算値)。
- 27/3月期下期に必要な営業利益108,185百万円、売上高756,677百万円は今後の予想達成に必要な金額であり、実績ではありません。
- 当中間期のセグメント別利益、受注状況、原材料コスト、キャッシュ・フローは添付短信に記載がなく、上方修正のドライバーを部門別に確認できません。
- 下期営業利益の必要額は前年下期実績93,861百万円を約15.3%上回ります(計算値)。
2026年10月28日終値13,645円 ÷ 最新会社予想EPS799.98円 = 約17.06倍。株価は決算発表前営業日の終値で算出。以前の予想EPS763.74円・10月27日株価で計算された旧PER約17.66倍は、最新PERとして使用していません。
株価参考:株探・6504株価時系列(2026年10月28日終値)。最新EPSは添付決算短信1ページ。
9. 今後の確認ポイント
- 上期増益の内訳:エネルギー・インダストリーの実際の中間期寄与、半導体と食品流通の増減。
- 会社計画達成に必要な下期売上756,677百万円・営業利益108,185百万円の進捗。
- 原材料価格、電装向け需要、発電・蓄電・IT関連案件の採算と検収時期。
- 中間期CF・設備投資・受注残高(添付2ページ資料では非掲載)。
- 2027年3月期の年間配当予想240円と通期純利益117,000百万円の整合性。
一次資料:富士電機公式IR。当更新の最新数値はユーザー提供「2027年3月期 第2四半期(中間期)決算短信」(2026年10月29日・2ページ)に準拠。旧会社予想・Q1実績は当ページの前回分析から採録。未掲載のセグメント詳細・CFは補完していません。
事業内容と業績
2024年3月期以降は4報告セグメントに再編。2022年3月期は旧「パワエレ エネルギー」「パワエレ インダストリー」「発電プラント」など5報告セグメントで、現行4区分との同一基準5年比較ができないため、セクター別グラフには含めていません。2023~2026年の数値も各期の最新組替開示値を用い、2025・2026・2027年の組替差に注意が必要です。「その他」は報告セグメント外の区分。グラフの売上高はセグメント間取引を含む数値です。 ※2027年3月期のセグメント別グラフは第1四半期までの実績を保持しています。今回添付の中間決算短信は2ページのサマリーのみで、当中間期のセグメント別数値は掲載されていません。中間期のグラフを推定補完していません。
エネルギー
発電所から需要家までの電力インフラを対象に、地熱・水力・太陽光・風力発電設備、燃料電池、原子力関連設備などを扱う。発電プラントの設計・建設・改修に加えて、変圧器・開閉装置などの受変電設備、蓄電システム、産業用電源、無停電電源装置(UPS)、配電盤を提供する。データセンターや半導体工場、電力会社、素材プラント向けに、電力の安定供給とエネルギー利用の最適化を支援する。設備工事、監視・制御、運用・保守を一括して提供し、系統安定化や再生可能エネルギーの導入にも対応する。
インダストリー
工場・プラント・社会インフラの自動化、省エネルギー、設備の安定稼働を支援する。FAコンポーネントには低圧インバータ、モータ、サーボ、計測機器、スマートメータ、コントローラがあり、オートメーション分野では駆動・計測制御システムや産業向け設備を展開する。鉄道車両用電機品、船舶関連機器、放射線機器などの社会ソリューション、電磁開閉器や遮断器などの器具、公共・文教・民需向けのITソリューションも提供。製品、システム、エンジニアリング、保守を組み合わせ、製造現場の省人化・可視化・予防保全に貢献する。
半導体
電力の変換・制御に用いられるパワー半導体を開発・製造・販売する。産業分野ではインバータ、工作機械、ロボット、エアコン、太陽光・風力発電設備など向けに、IGBTモジュール、SiCモジュール、電源制御用IC、パワーディスクリートを提供。電装分野では電気自動車やハイブリッド車のモータ駆動、エンジン・ブレーキ制御などに対応する車載用IGBT・SiCモジュールやセンサを展開する。低損失チップと放熱性・信頼性の高いパッケージ技術を基盤に、顧客機器の省電力化、小型・軽量化と高効率化に寄与する。
食品流通
冷熱技術、メカトロニクス、IoTを組み合わせ、飲料・食品・物品の自動販売機と店舗向けの機器・システムを提供する。自販機分野では飲料メーカー、自販機オペレーターなどに省エネ性や運用効率を高める機器を供給。店舗流通分野ではコンビニエンスストアやスーパーマーケット向けに、冷凍・冷蔵ショーケース、店舗設備機器、自動釣銭機などの金銭機器、カウンター機材を展開する。冷却時の気流制御、堅牢な機構、店舗オペレーションの省人化技術を強みとし、食品の安全・安心と電力消費の抑制、店舗業務の効率化に貢献する。
その他 (報告外区分)
報告セグメントである四つの主要事業以外の事業を含む区分。決算短信では金融サービス、不動産業、保険代理業、旅行業、印刷・情報サービスなどが挙げられている。これらはエネルギー、インダストリー、半導体、食品流通に配分されないグループ内の事業活動に該当する。なお「その他」は独立した報告セグメントではなく、主要四事業と同じ事業本部の意味ではない。
直近5年業績サマリー
| 業績項目 | 22/3月期 | 23/3月期 | 24/3月期 | 25/3月期 | 26/3月期 | 27/3月期予想 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 910,226 | 1,009,447 +99,221 / +10.9% | 1,103,214 +93,767 / +9.3% | 1,123,407 +20,193 / +1.8% | 1,227,595 +104,188 / +9.3% | 1,350,000 |
| 営業損益 | 74,835 | 88,882 +14,047 / +18.8% | 106,066 +17,184 / +19.3% | 117,646 +11,580 / +10.9% | 136,620 +18,974 / +16.1% | 168,000 |
| 経常損益 | 79,297 | 87,811 +8,514 / +10.7% | 107,822 +20,011 / +22.8% | 118,759 +10,937 / +10.1% | 139,310 +20,551 / +17.3% | 166,500 |
| 当期純利益 | 58,660 | 61,348 +2,688 / +4.6% | 75,353 +14,005 / +22.8% | 92,239 +16,886 / +22.4% | 98,030 +5,791 / +6.3% | 117,000 |
| EPS | 410.68円 | 429.50円 +18.82 / +4.6% | 527.57円 +98.07 / +22.8% | 642.69円 +115.12 / +21.8% | 665.18円 +22.49 / +3.5% | 799.98円 |
| 1株配当金 | 100円 | 115円 +15 / +15.0% | 135円 +20 / +17.4% | 160円 +25 / +18.5% | 200円 +40 / +25.0% | 240円 |
| 純資産 | 523,729 | 572,068 +48,339 / +9.2% | 661,472 +89,404 / +15.6% | 730,658 +69,186 / +10.5% | 842,936 +112,278 / +15.4% | — |
| 営業CF | 76,809 | 116,163 +39,354 / +51.2% | 84,858 -31,305 / -26.9% | 144,920 +60,062 / +70.8% | 123,562 -21,358 / -14.7% | — |
| 投資CF | -22,350 | -49,498 -27,148 / -121.5% | -62,418 -12,920 / -26.1% | -63,384 -966 / -1.5% | -72,608 -9,224 / -14.6% | — |
| 財務CF | -42,894 | -77,193 -34,299 / -80.0% | -45,867 +31,326 / +40.6% | -86,246 -40,379 / -88.0% | -48,174 +38,072 / +44.1% | — |
| フリーCF | 54,459 | 66,665 +12,206 / +22.4% | 22,440 -44,225 / -66.3% | 81,536 +59,096 / +263.4% | 50,954 -30,582 / -37.5% | — |
連結・売上高からフリーCFまで金額単位は百万円(EPS・配当は円)。過去5年実績は元記事の確定値を保持。フリーCF=営業CF+投資CF。27/3月期列のみ2026年10月29日公表の最新通期会社予想に更新。営業・投資・財務CFの中間期データ、受注残高および27/3月期の純資産予想は添付2ページの短信では確認できません。
1.会社予想と実績(27/3月期は7/30時点の旧予想)
2022~2026年は期首公表の通期会社予想と通期実績を比較。2027年3月期の右端グラフは、当時の記録として7月30日公表の旧予想値を残しています(最新予想は上記「最新決算アップデート」と直近5年サマリーを参照)。グラフの縮尺と既存数値は変更していません。
売上高
営業利益
経常利益
親会社株主帰属純利益
EPS
2.達成・未達理由
2022年3月期
工場・データセンター関連の需要拡大、パワー半導体の高操業、食品流通の販売回復などが初期計画超過に寄与。投資有価証券売却益も純利益の上振れ要因。
2023年3月期
半導体のxEV・産業向け販売増と設備向け需要が初期予想を上回った。費用面では部材調達難・素材高の影響があり、経常利益の上振れ幅は限定的。
2024年3月期
エネルギーマネジメントの大口案件、オートメーション・社会設備の需要増、電動車向け半導体、食品流通の増益が牽引。
2025年3月期
発電・電力インフラの需要増、半導体の売上と価格改定、食品流通の新紙幣対応特需が寄与。業績は初期予想をおおむね上回った。
2026年3月期
蓄電システム・変電設備・データセンター向け案件とIT大型案件が増収増益に寄与。半導体は電装需要の弱さや価格競争で減益だったが、連結では上回った。
3.事業セグメントの自信度
会社コメント原文(短い抜粋)と各期間の実際の業績を照合した評価。旧区分との相違がある期間は明記しています。
エネルギー
器具分野及び施設・電源システム分野の需要拡大を主因に、売上高、営業損益ともに前期を上回りました。
旧「パワエレ エネルギー」区分。施設・電源システムと器具の増勢がある一方、旧区分のため現行4区分との直比較は不可。
施設・電源システム分野及び器具分野の需要拡大を主因に、売上高、営業損益ともに前期を上回りました。
旧「パワエレ エネルギー」で需要増。旧区分のため現行区分との直比較は不可。
発電プラント分野及び器具分野の需要減少等があったものの、エネルギーマネジメント分野における大口案件の増加及び施設・電源システム分野の需要拡大により、売上高、営業損益ともに前期を上回りました。
発電プラントの課題をエネルギーマネジメントと施設電源の需要で補完。
エネルギーマネジメント分野、施設・電源分野におけるプラント、システムの需要増加により、売上高、営業損益ともに前期を上回りました。
需要増とコスト増が混在。
エネルギーマネジメント分野、施設・電源システム分野における需要増加等を主因として、売上高、営業損益ともに前期を上回りました。
蓄電池・変電設備・データセンター向けの需要を複数分野で確認。
発電プラント分野における工事進行案件の進捗増及び案件差や、エネルギーマネジメント分野における需要増等を主因として、売上高、営業損益ともに前年同期を上回りました。
工事進捗と蓄電案件がQ1の売上高・利益を押し上げた。
インダストリー
オートメーション分野を中心に需要拡大があったものの、ITソリューション分野の大口案件影響等により、売上高は前期を下回りました。
旧「パワエレ インダストリー」。製造業の需要増とIT大型案件の反動が併存。
オートメーション分野やITソリューション分野の需要増加により、売上高は前期を上回りました。
需要増だが部材調達難と素材高騰が制約。
オートメーション分野、社会ソリューション分野及び設備工事分野の需要増加等により、売上高、営業損益ともに前期を上回りました。
オートメーション・社会・工事の複数分野で増勢。
オートメーション分野における低圧インバータの需要減や、設備工事分野における大口案件影響により、売上高は前期を下回りました
売上減少を利益改善で補う動き。
ITソリューション分野の大口案件の増加等を主因として、売上高、営業損益ともに前期を上回りました。
IT大型案件とFA・産業設備の広がり。
FAコンポーネント分野、オートメーション分野及び器具分野の需要増や、ITソリューション分野の大口案件の増加等により、売上高、営業損益ともに前年同期を上回りました。
FA・器具・ITが同時に改善。
半導体
電気自動車(xEV)向け及び産業分野向けのパワー半導体の需要拡大に対応した生産能力増強の前倒し
xEVと産業用パワー半導体の需要増。
電動車(xEV)向け及び産業分野向けのパワー半導体の需要拡大及び為替影響により、売上高は前期を上回りました。
需要拡大で高操業を確保。
パワー半導体の生産能力増強に係る費用の増加、原材料価格の高騰があったものの、売上高の増加により、前期を上回りました。
xEV向け成長も生産費用・原材料高騰が重荷。
売上高の増加や販売価格の改定により、前期を上回りました。
価格改定と売上増で費用増を吸収。
原材料価格の高騰に加え、産業分野における中国市場を中心とした価格競争の影響や、電装分野における需要減少及び前期の価格改定の影響等により、前期を下回りました。
電動車需要減と価格競争による利益悪化。
営業損益は、原材料価格の高騰影響や電装分野における需要減等により、前年同期を下回りました。
産業用増加に対しEV向け減少・原材料高が継続。
食品流通
自販機分野は、国内外の需要が拡大し、売上高は前期を上回りました。
自販機・店舗設備の需要拡大。
自販機分野は、中国の子会社における貸倒引当金計上等による損益悪化影響があったものの、国内の需要拡大
需要増と一部貸倒引当の負担。
自販機分野は、国内の需要拡大に加え、原価低減の推進等により、売上高、営業損益ともに前期を上回りました。
自販機と店舗流通の双方で需要増。
店舗流通分野は、新紙幣発行に伴う自動釣銭機の改刷対応特需を主因として、売上高、営業損益ともに前期を上回りました。
新紙幣特需の寄与が大きく持続性に留意。
自販機分野は、国内自販機の需要減少により、売上高、営業損益ともに前期を下回りました。
自販機減・改刷特需反動が顕在化。
店舗流通分野は、コンビニエンスストア向けカウンター機材の需要増により、売上高、営業損益ともに前年同期を上回りました。
国内自販機減の一方、コンビニ向け機材は増加。
「その他」は非報告セグメント区分であり、独立した事業戦略コメントを同水準で確認できないため自信度判定は付けていません。
4.最新予想信頼度(2026年10月29日更新)
最新判断:条件付きで中立~やや強気
2027年3月期中間期の連結売上高593,323百万円・営業利益59,815百万円。前年同期比で増収増益となり、通期会社予想は売上高1,350,000百万円・営業利益168,000百万円へ上方修正されました。
最新会社予想に対する中間期の単純進捗率は売上高43.95%、営業利益35.60%、経常利益34.59%、純利益36.00%。下期営業利益108,185百万円が必要です。前年同期の下期営業利益93,861百万円に対し約15.3%上回る必要があり、達成は未確定です。
最新予想PER:約17.06倍(2026年10月28日終値13,645円 ÷ 最新会社予想EPS799.98円)。部門別のH1実績・キャッシュフロー・個別案件の採算は添付短信では未確認であり、当該項目が最終的な検証課題です。
※上記は最新中間決算を用いた判断。下に旧Q1時点の分析をアーカイブ保存し、当時の分析と混同しないよう区別しています。
旧分析アーカイブ:2027年3月期 Q1(2026年7月30日時点)
2026年7月30日に会社は通期業績予想を上方修正し、8月7日のレビュー完了版でも同数値を維持。足元のエネルギーとインダストリーは堅調ですが、半導体は前年同期比で減益となり、下期の着地には不確実性が残ります。
2027年3月期第1四半期の売上高273,259百万円、営業利益25,019百万円、経常利益25,606百万円、親会社株主帰属純利益20,696百万円、EPS141.09円。上記はQ1実績÷通期会社予想の単純進捗率であり、業績の季節性や案件進捗を調整していません。
達成できると判断する理由
- 発電プラントの工事進捗、蓄電システム・変電機器、FA・IT案件の需要がQ1の増収増益を牽引。
- エネルギーQ1営業利益は12,114百万円、インダストリーは8,528百万円で、それぞれ前年同期の8,448百万円、2,897百万円を上回る。
- 通期会社予想は営業利益156,500百万円(前期比14.6%増)。過去には年度後半に利益が積み上がる傾向があり、Q1の単純進捗率だけで否定できない。
達成できないと判断する理由
- 半導体Q1営業利益は3,065百万円で前年同期4,892百万円を下回る。電動車向け需要減と原材料高の影響が続く。
- 発電プラント・ITの大型案件は工事進捗や採算が時期により変動し、下期への利益偏重が達成の前提となる。
- 為替、市況、電動車需要、案件の採算悪化により増益計画に未達となる可能性がある。
収益計上時期と進捗率の注意点
前年2026年3月期の第1四半期営業利益18,091百万円は、通期136,620百万円に対して13.2%。2027年3月期Q1の営業利益単純進捗率は16.0%で、前年同時点の実績ベース進捗率を上回っています。ただし、工事案件やIT案件の検収時期、下期偏重の影響を受けるため四半期単純進捗から通期を外挿することはできません。
最終判断・予想PER
2027年3月期の会社予想は売上高1,300,000百万円、営業利益156,500百万円、経常利益157,000百万円、親会社株主帰属純利益111,500百万円、予想EPS763.74円。2026年10月27日終値13,490円÷予想EPS763.74円=予想が達成された場合のPER約17.66倍。 セグメント別にはエネルギー・インダストリーの伸長が支えですが、半導体の回復と後半期の案件採算を確認する必要があります。
MID-TERM MANAGEMENT PLAN / RESEARCH REPORT
富士電機 6504
中期経営計画分析
中期経営計画「熱く、高く、そして優しく2026」|対象:2024〜2026年度(最終年度:2027年3月期)|情報基準日:2026年10月28日
結論:会社の通期予想が中期目標を上回る
富士電機が掲げる2026年度(2027年3月期)の中期目標は売上高1兆2,500億円、営業利益1,400億円、親会社株主に帰属する当期純利益900億円。2026年7月30日に修正した同年度の会社予想は、それぞれ1兆3,000億円、1,565億円、1,115億円で、3指標すべて中期目標を上回る。ただし、2027年3月期の会社予想は確定実績ではなく、半導体分野の需要減と原材料高の影響に注意が必要である。
中期経営計画の最終年度目標
| 連結指標 | 2023年度 計画策定時実績 | 2025年度 2026年3月期実績 | 2026年度 中期目標 | 2026年度 7/30時点会社予想 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 11,032億円 | 12,276億円 | 12,500億円 | 13,000億円 |
| 営業利益 | 1,061億円 | 1,366億円 | 1,400億円 | 1,565億円 |
| 営業利益率 | 9.6% | 11.1% | 11.2% | 約12.0% |
| 親会社株主帰属当期純利益 | 754億円 | 980億円 | 900億円 | 1,115億円 |
| 純利益率 | 6.8% | 8.0% | 7.2% | 約8.6% |
| ROE | 13.5% | 13.1% | 12%以上 | —(通期予想なし) |
| ROIC | 11.5% | — | 10%以上 | —(通期予想なし) |
| 自己資本比率 | 47.4% | 56.9% | 50%程度 | —(通期予想なし) |
| ネットD/Eレシオ | 0.2倍 | — | 0.2倍程度 | —(通期予想なし) |
| 配当性向 | 25.6% | 30.1% | 30%目安 | —(通期予想なし) |
単位は億円。2025年度実績は表示上四捨五入。営業利益率・純利益率の会社予想は各予想額から算出した概算。ROIC等の未確認の予想値は補完せず「—」で表示する。計画値は当初の中期目標であり、2026年度の直近会社予想とは別の数値。
直近四半期の進捗(2027年3月期1Q)
1Qの通期会社予想に対する進捗は売上高約21.0%、営業利益約16.0%。前年も利益の下期偏重があり、進捗率のみで通期達成可否を判断できない。四半期純利益には政策保有株式の売却益による特別利益が含まれる。
| セグメント | 1Q 売上高 | 1Q 営業利益 | 前年1Q 営業利益 | 読み解き |
|---|---|---|---|---|
| エネルギー | 825億円 | 121億円 | 84億円 | 電力・蓄電・変電関連需要が増加 |
| インダストリー | 1,039億円 | 85億円 | 29億円 | FA・オートメーション等が好調 |
| 半導体 | 544億円 | 31億円 | 49億円 | 電動車向け需要減、原材料高 |
| 食品流通 | 261億円 | 27億円 | 31億円 | 国内自販機需要が減少 |
| その他 | 150億円 | 9億円 | 8億円 | 小幅増益 |
セグメントの数値は億円丸め。全社合計には調整額が含まれる。2027年3月期から一部の事業区分が変更されたため、過年度比較は会社による組み替え後数値に基づく。
目標達成に向けた事業戦略
エネルギー領域の拡大
再生可能エネルギー設備と蓄電システム、エネルギーマネジメントシステム(EMS)の組み合わせ提案を強化。データセンター・半導体工場の電力需要増を受変電機器、無停電電源装置、プラント・システム事業の受注拡大につなげる。
SiCパワー半導体への投資
電動車・産業・再エネ向けパワー半導体の開発と供給力を強化。シリコン・カーバイド(SiC)製品の本格量産を目指して設備投資を継続する一方、足元の電動車向け需要減と設備投資負担を注視する。
産業DXとモビリティ電化
DXソリューション、スマートファクトリー、低圧インバータ、駆動制御・産業向け電源機器などグローバル商材を展開。船舶・港湾の電化や車載パワエレの新製品投入に取り組む。
海外展開の強化
地産地消を基本とし、アジア・インドの電力・産業インフラ需要、米州の地熱発電事業などで受注拡大を目指す。地域に適した新製品と現地供給力の向上を推進。
デジタル・AIによる生産性改善
生産技術の高度化、製造工程のデジタル化、品質管理・原価低減を推進。2026年度の生産性を2023年度比20%改善することを中期計画の重点指標に掲げる。
ROIC管理と財務規律
事業別の投下資本利益率と純利益を重視し、創出キャッシュを成長投資へ重点配分。ROE12%以上、ROIC10%以上、自己資本比率50%程度などを財務指標とする。
3年間の投資計画とロードマップ
投資額は当初の3カ年計画値であり、すでに支出済みの累計実績ではない。研究開発費の内訳は中期計画独自のテーマ分類で、決算短信の区分と必ずしも一致しない。
計画達成を阻む主要リスク
パワー半導体需要の変動
電動車向けの需要減速や在庫調整でパワー半導体の設備稼働・利益率が低下する恐れ。2027年3月期1Qの半導体営業利益は前年同期49億円から31億円に減少している。
設備投資・技術開発の回収
SiCなどの半導体領域は多額の設備投資・研究開発資金が必要。市場立ち上がりの遅れ、製品・生産技術の競争環境の変化は投資回収に影響しうる。
原材料価格・調達制約
銅・銀などの価格高騰、エネルギー価格、サプライチェーン分断や物流の混乱が原価や納期に影響する恐れ。
地政学・為替・経済環境
地域間の政治経済・通商政策の変化や為替変動により、海外需要・設備投資・採算が変化する可能性。会社予想の為替前提は米ドル150円、ユーロ175円、人民元21.9円。
リスクは富士電機が2026年6月19日時点で公表する「主要なリスク」及び2026年7月30日決算サマリーに基づき要約。
株価・PER一定の参考試算
| 2027年3月期の利益シナリオ | 親会社株主純利益 | 仮定EPS | 実績PER一定の株価 | 現値比 |
|---|---|---|---|---|
| 中期経営計画の目標のみ達成 | 900億円 | 約611円 | 約12,385円 | 約−8.2% |
| 2026年7月30日時点の会社予想達成 | 1,115億円 | 約757円 | 約15,344円 | 約+13.7% |
2025年度の実績純利益980.3億円・EPS665.18円を基準に、将来の発行済み株式数が変わらず、利益の増減率がEPSにそのまま反映され、現在の実績PER20.28倍が維持されると仮定した計算。中期計画の純利益900億円は前期実績980.3億円を下回るため、「中期目標を達成するだけ」で株価が割安と判断できる状態ではない。一方、会社予想1,115億円の達成と同一PERの維持を同時に仮定すると約+13.7%の理論的な株価差が計算される。
試算の制約:株価の適正水準や実現リターンの予測ではない。自己株式取得、EPSの分母変化、政策保有株式売却などの一時益、株式市場の評価倍率の変動は算入しない。計画目標・業績予想・株価は異なる性格の数値であり、将来の利益とPERは保証されない。
今後の確認事項
次回の2026年10月29日予定の中間決算で、エネルギーとインダストリーの受注・採算、半導体事業の回復状況、2026年7月30日の通期予想1,565億円への進捗および予想修正の有無を確認する。2027年度開始の次期中期計画については、現時点で具体的な新目標値を確認できないため本稿の数値に含めない。

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