3849 日本テクノ・ラボ
※「TradingViewをサブスク」ボタンはアフィリエイトリンクです。
事業内容と業績
イメージング&プリンタコントローラ事業
産業用インクジェットプリンター、大判プロッター、印刷機などの動作を制御するソフトウェア・コントローラーを開発、販売、保守する事業。主力製品はMistral(ミストラル)とPSRシリーズで、画像データを印刷機が扱える形式へ変換するRIP技術、画像処理技術、各種印刷装置との接続技術を活用する。大手印刷機メーカー向けのOEM提供や、装置ごとの仕様調整、受託開発にも対応。大判印刷に加え、高速インクジェット印刷や可変情報印刷、食品包装用フィルム向け印刷装置などが対象で、製造装置メーカーの製品開発・量産動向が売上に関係する。
企業公式サイト:事業・製品情報ストレージソリューション事業
大容量データの保存・管理を行うストレージ関連ソフトウェアやアーカイブシステムを開発、販売、保守する事業。主要製品のMNEMOS NEXTは、SSD・HDDなどの高速ディスクとテープライブラリー、オブジェクトストレージなどを統合し、データの利用頻度や保管方針に応じて階層を自動的に切り替える長期保存アーカイブ用ファイルシステム。映像、研究・実験データ、医療・製薬分野など、大容量の情報を長く残す需要を対象とし、同社の映像監視ソフトFIREDIPPERとの接続も手掛ける。ソフトウェア供給のほか、システム構築と保守も行う。
企業公式サイト:事業・製品情報セキュリティ事業
情報セキュリティーと映像セキュリティーを中心に、自社開発ソフトウェアの販売、システム導入、保守を行う事業。情報セキュリティーではSPSEによる認証印刷・印刷履歴管理、PC GUARDによる端末利用・データの保護、COPY GUARDによる複製対策などを提供する。映像セキュリティーでは、様々なメーカーのIPカメラを統合管理するFIREDIPPERを展開し、録画、遠隔監視、センサー連携、映像解析を支援。公共インフラ、官公庁、企業施設、工場や医療施設などのセキュリティー運用に対応し、導入後の保守サービスも提供する。
企業公式サイト:事業・製品情報その他(旧ビジネスソリューション事業)
特定顧客の用途や機器に合わせたソフトウェアの受託開発、販売、保守などを行う領域。通信関連ソフトウェア、輸送機器向けの組み込みソフトウェア、医療機器向けソフトウェアなど、顧客ごとの仕様や利用環境に対応した開発を手掛ける。過年度は「ビジネスソリューション事業」として独立した報告セグメントだったが、2025年3月期の開示から重要性の低下に伴い「その他」に含まれる。したがってグラフは各年度の開示上の当該区分を連続表示しているが、2024年3月期以前と2025年3月期以降は区分の扱いが異なる。
企業公式サイト:事業・製品情報直近5年業績サマリー
| 業績項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 2027年3月期 第1四半期 | 2027年3月期 通期予想 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 626.989 |
762.581 +135.592 / +21.6% |
815.469 +52.888 / +6.9% |
637.500 -177.969 / -21.8% |
910.646 +273.146 / +42.8% |
182.330 |
950 |
| 営業損益 | 19.519 |
119.204 +99.685 / +510.7% |
122.383 +3.179 / +2.7% |
3.242 -119.141 / -97.4% |
141.477 +138.235 / +4263.9% |
31.201 |
180 |
| 経常損益 | 33.070 |
122.468 +89.398 / +270.3% |
125.391 +2.923 / +2.4% |
6.998 -118.393 / -94.4% |
151.126 +144.128 / +2059.6% |
31.508 |
180 |
| 当期純利益 | 22.067 |
86.579 +64.512 / +292.3% |
86.716 +0.137 / +0.2% |
5.988 -80.728 / -93.1% |
100.594 +94.606 / +1579.9% |
38.293 |
130 |
| EPS | 13.52円 |
53.06円 +39.54 / +292.5% |
53.21円 +0.15 / +0.3% |
3.70円 -49.51 / -93.0% |
62.43円 +58.73 / +1587.3% |
23.76円 |
80.68円 |
| 一株配当金 | 5.00円 |
15.00円 +10.00 / +200.0% |
10.00円 -5.00 / -33.3% |
10.00円 +0.00 / +0.0% |
10.00円 +0.00 / +0.0% |
— |
— |
| 純資産 | 1,059.733 |
1,136.873 +77.140 / +7.3% |
1,197.287 +60.414 / +5.3% |
1,177.712 -19.575 / -1.6% |
1,268.822 +91.110 / +7.7% |
1,274.864 |
— |
| 営業CF | -49.267 |
86.222 +135.489 / +275.0% |
123.769 +37.547 / +43.5% |
-25.462 -149.231 / -120.6% |
46.393 +71.855 / +282.2% |
— |
— |
| 投資CF | 14.090 |
-9.197 -23.287 / -165.3% |
-170.151 -160.954 / -1750.1% |
-106.865 +63.286 / +37.2% |
-110.715 -3.850 / -3.6% |
— |
— |
| 財務CF | -16.201 |
-9.461 +6.740 / +41.6% |
-29.440 -19.979 / -211.2% |
-25.613 +3.827 / +13.0% |
-16.093 +9.520 / +37.2% |
— |
— |
| フリーCF | -35.177 |
77.025 +112.202 / +319.0% |
-46.382 -123.407 / -160.2% |
-132.327 -85.945 / -185.3% |
-64.322 +68.005 / +51.4% |
— |
— |
| 受注残高 | 303.952 |
371.285 +67.333 / +22.2% |
136.964 -234.321 / -63.1% |
99.894 -37.070 / -27.1% |
449.416 +349.522 / +349.9% |
437.856 |
— |
単位:EPS・配当は円、その他は百万円。フリーCF=営業CF+投資CF。2027年3月期第1四半期は3か月実績(通期と単純比較不可)、四半期CF・配当予想など未公表の項目は「—」。受注残高は期末・四半期末時点。2022〜2024年の旧ビジネスソリューション事業は2025年から「その他」へ変更。
1.会社予想と実績
売上高
営業損益
経常損益
当期純利益
EPS
2023〜2026年3月期の予想は前年度決算短信に記載された翌期当初予想との比較。最新年度は2027年3月期第1四半期(3か月分)の単純進捗率で、実際の達成可否を示すものではありません。
2.達成・未達理由
年度別の主な要因
売上高は当初予想900百万円に届かず、営業利益も未達。セキュリティ事業は増収増益だったが、ストレージソリューション事業の損失や販管費を含む全社費用の影響が残った。
セキュリティ事業は増収増益、ストレージ事業は黒字化した一方、プリンタコントローラ事業は減収減益。研究開発費・人員採用・業務環境整備に伴う販管費増も会社が説明している。
セキュリティ事業の売上高が609.680→425.172百万円に減少し、同セグメント利益も234.723→61.766百万円に縮小。ストレージ事業も赤字化したため全社の営業利益は3.242百万円まで減少。
セキュリティ事業の売上高が425.172→613.929百万円、利益が61.766→186.331百万円へ回復。プリンタコントローラ事業も増収増益となり、営業利益は当初予想120百万円を超過。
3.事業セグメントの自信度
イメージング&プリンタコントローラ事業
プリンタコントローラ関連製品(関連ハードウェアならびにソフトウェアライセンス)の開発・販売
売上206.8百万円、セグメント利益75.4百万円。利益は計上したが伸びは限定的。
売上高は248,357千円
売上248.4百万円、セグメント利益99.7百万円。黒字・増益を評価。
イメージング&プリンタコントローラ事業は減収減益
売上148.1百万円、セグメント利益30.9百万円。利益は計上したが伸びは限定的。
売上高は190,799千円(前年同期比28.9%増)
売上190.8百万円、セグメント利益85.7百万円。黒字・増益を評価。
売上高は243,342千円(前年同期比27.5%増)
売上243.3百万円、セグメント利益110.1百万円。黒字・増益を評価。
売上高は38,901千円(前年同四半期比307.7%増)
最新四半期の売上38.9百万円、利益17.1百万円。評価は業績の方向性に基づく定性的なもの。
ストレージソリューション事業
ディスクパブリッシャー装置等データアーカイブシステムの販売
売上12.9百万円、セグメント損失14.7百万円。損失計上で慎重。
売上高は11,595千円
売上11.6百万円、セグメント損失34.2百万円。損失計上で慎重。
ストレージソリューション事業は増収かつ利益を計上
売上57.4百万円、セグメント利益3.8百万円。黒字・増益を評価。
セグメント損失は19,541千円
売上21.3百万円、セグメント損失19.5百万円。損失計上で慎重。
セグメント損失は23,108千円
売上8.7百万円、セグメント損失23.1百万円。損失計上で慎重。
セグメント損失は6,595千円
最新四半期の売上2.7百万円、損失6.6百万円。評価は業績の方向性に基づく定性的なもの。
セキュリティ事業
セキュアプリントシステムの開発・販売、映像監視システムの開発・販売
売上395.5百万円、セグメント利益75.0百万円。利益は計上したが伸びは限定的。
売上高は499,613千円
売上499.6百万円、セグメント利益177.8百万円。黒字・増益を評価。
セキュリティ事業は増収増益
売上609.7百万円、セグメント利益234.7百万円。黒字・増益を評価。
売上高は425,172千円(前年同期比30.3%減)
売上425.2百万円、セグメント利益61.8百万円。利益は計上したが伸びは限定的。
セグメント利益は186,331千円(前年同期比201.7%増)
売上613.9百万円、セグメント利益186.3百万円。黒字・増益を評価。
セグメント利益は57,026千円
最新四半期の売上139.7百万円、利益57.0百万円。評価は業績の方向性に基づく定性的なもの。
その他(旧ビジネスソリューション事業)
顧客のニーズに応じた特殊なソフトウェアの受託開発
売上11.8百万円、セグメント利益5.5百万円。利益は計上したが伸びは限定的。
売上高は3,014千円
売上3.0百万円、セグメント利益0.4百万円。利益は計上したが伸びは限定的。
売上高は315千円
売上0.3百万円、セグメント利益0.1百万円。利益は計上したが伸びは限定的。
その他の事業は主に受託開発等であります。
売上0.3百万円、セグメント利益0.1百万円。利益は計上したが伸びは限定的。
売上高は44,676千円
売上44.7百万円、セグメント利益1.8百万円。黒字・増益を評価。
その他の事業は主に受託開発等であります。
最新四半期の売上1.0百万円、利益0.2百万円。評価は業績の方向性に基づく定性的なもの。
4.最新予想信頼度
売上高950百万円、営業利益180百万円、経常利益180百万円、当期純利益130百万円。第1四半期は前年同期の営業赤字から黒字転換。ただし、第1四半期の伸びだけで通期の予想達成を確定できない。
達成を支える材料
2027年3月期Q1は売上高182.330百万円(前年同期比108.8%増)、営業利益31.201百万円(前年同期△60.129百万円)。セキュリティ事業のQ1売上高139.722百万円、利益57.026百万円、プリンタコントローラ事業も売上高38.901百万円、利益17.122百万円で黒字を確保した。2026年3月期末に翌期売上見込みとした受注残高352.084百万円もある。
達成を阻む材料
2027年3月期Q1の営業利益進捗は17.3%にとどまり、残り9か月で約148.799百万円が必要。2027年3月期Q1の受注高170.771百万円は前年同期比56.2%減、プリンタコントローラ事業の受注残高も前年同期比84.0%減。ストレージ事業は引き続き赤字であり、受注から売上計上までの期間が不確実。
収益計上時期を見る際の注意点
添付決算短信では収益の四半期偏重を定量的に示す情報は確認できない。最新Q1だけを4倍して通期を推定することは避ける。2027年3月期Q1末の受注残高437.856百万円のうち339.459百万円は当事業年度の売上見込みとされており、今後の実際の進捗確認が必要。
最終判断・会社予想達成時PER
2027年3月期予想EPS80.68円を達成した場合、750円 ÷ 80.68円 = PER 約9.30倍(株価:2026年10月13日10:47時点に確認された取引値であり、当日終値とは限らない)。株価出典:Yahoo!ファイナンス・3849.S。利益予想達成には第2〜4四半期のセキュリティ案件納品・売上計上が鍵となる。なお、この信頼度は確率を示す統計モデルの出力ではない。
売上高は前期比42.8%増、営業利益も大きく回復したものの、2022年に公表した最終年度目標には届かなかった。2027年3月期の会社予想も、旧中計の2026年3月期売上高・営業利益目標を下回る。なお、確認した札証開示一覧では、2026年10月13日時点で「Next Stage 2026」後継の数値目標を伴う新中計は確認できなかった。
| 2026年3月期 | 中計目標 | 実績 | 達成率 | 計画差 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,350百万円 | 910.646百万円 | 67.5% | −439.354百万円 |
| 営業利益 | 350百万円 | 141.477百万円 | 40.4% | −208.523百万円 |
| 経常利益 | 350百万円 | 151.126百万円 | 43.2% | −198.874百万円 |
| 当期純利益 | 200百万円 | 100.594百万円 | 50.3% | −99.406百万円 |
| ROE | 11.3% | 8.2% | — | −3.1pt |
| 年間配当 | 20円 | 10円 | 50.0% | −10円 |
達成率=実績÷会社中計目標。決算短信の正確な千円単位実績から算出。マイナスは計画未達を示す。
| 会社公表の目標 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 900 | 1,050 | 1,150 | 1,350 |
| 営業利益 | 200 | 250 | 300 | 350 |
| 経常利益 | 200 | 250 | 300 | 350 |
| 当期純利益 | 120 | 140 | 170 | 200 |
| ROE | 9.5% | 10.0% | 10.8% | 11.3% |
| 年間配当 | 20円 | 20円 | 20円 | 20円 |
金額の単位は百万円。公表日:2022年9月20日。これは当時の当初計画値であり、現在の会社予想ではない。
経営方針の軸は「外部環境を活かした積極経営」「高度技術による付加価値」「少数精鋭」の3点。数値目標に対する製品別の売上高寄与額や年次の受注KPIは原中計では示されていない。
| 事業区分 | 2026年3月期売上高 | セグメント損益 | 前年同期比較 |
|---|---|---|---|
| セキュリティ | 613.929百万円 | +186.331百万円 | 売上+44.4% |
| イメージング&プリンタ | 243.342百万円 | +110.067百万円 | 売上+27.5% |
| ストレージ | 8.698百万円 | −23.108百万円 | 売上−59.1% |
| その他 | 44.676百万円 | +1.847百万円 | 売上増加 |
実績で確認できる主役はセキュリティ事業。売上高は全社の約67%を占める。プリンタコントローラ事業も増収増益となった一方、ストレージは赤字が継続。旧計画の成長施策がすべて均等に成果を上げたわけではない。
研究開発費は93.457百万円(前期比8.5%減)。営業キャッシュフローは+46.393百万円で、利益回復と比較すると現金化の進み方には注意が必要。決算短信は売上債権の増加198.009百万円を明記している。
| 指標 | 2026年3月期実績 | 2027年3月期予想 | 旧中計の2026年目標 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 910.646 | 950 | 1,350 |
| 営業利益 | 141.477 | 180 | 350 |
| 経常利益 | 151.126 | 180 | 350 |
| 当期純利益 | 100.594 | 130 | 200 |
単位:百万円。2027年3月期予想は2026年8月14日の第1四半期決算短信で据え置き。旧中計目標は比較用であり、2027年の目標ではない。
2027年3月期第1四半期は売上高182.330百万円(前年同期比108.8%増)、営業利益31.201百万円(前年同期は赤字)と黒字化。ただし、通期予想は旧中計の最終年度目標に引き続き届かない水準にある。
- 知名度と販路:会社自身が、技術・製品に比べ知名度が低いことを経営課題として記載。独自技術を収益につなげる販売力が重要。
- 製品採用・量産の遅延:2023年5月の決算補足資料は半導体不足に伴うサプライチェーン混乱でMistralの出荷時期が半年~1年後ろ倒しになったと説明。製品の量産タイミングが業績に影響した事例がある。
- 事業間の収益格差:2026年3月期はセキュリティが大幅な利益を上げた一方でストレージ事業は23.108百万円の赤字。全分野の成長を同列に評価できない。
- 収益の現金化:2026年3月期は売上債権増加が営業キャッシュフローの抑制要因。利益の伸びとキャッシュ創出を継続比較する必要がある。
本中期経営計画は2026年3月期で終了し、最終年度の業績はすでに確定している。したがって、未達となった旧中計の利益目標を将来達成するという仮定による「現在の割安率」は算出しない。現時点の企業価値評価には、2027年3月期の会社予想や新たな事業計画を別途使う必要がある。
業績目標・会社予想は公表時点の数値。達成率、構成比、計画との比較は本記事の計算。将来の業績や株価を保証するものではありません。

コメント