4588 オンコリスバイオファーマ

セクター業績推移

創薬事業

創薬事業|売上高・利益推移
単一セグメントのため全社売上高を創薬事業の売上高として表示。個別のセグメント利益開示がないため、利益は全社営業損益を代替表示。
売上高利益損失
オンコリスバイオファーマは「創薬事業」の単一セグメントで、ウイルスを軸にした創薬を展開する。主力の腫瘍溶解ウイルスOBP-301(テロメライシン®注)は、がん細胞で選択的に増殖して腫瘍を破壊する治療薬で、2026年6月に食道がんを対象として通常承認を取得。国内は富士フイルム富山化学との販売提携を通じた製薬会社型モデルへ移行し、海外では提携・ライセンスを推進する。加えて、神経難病向けLINE-1阻害剤OBP-601、次世代腫瘍溶解ウイルスOBP-702、感染症治療薬OBP-2011などを開発し、製品販売収入と契約金・マイルストーン・ロイヤリティを組み合わせたハイブリッド型収益モデルの確立を目指している。

直近5年業績サマリー

業績項目2021年12月期2022年12月期2023年12月期2024年12月期2025年12月期2026年12月期
中間期
売上高百万円
642.5
976.2
前年比 +51.9%
63.0
前年比 -93.5%
31.4
前年比 -50.2%
28.5
前年比 -9.0%
503.1
前年同期比 +1662.4%
営業損益百万円
-1,454.6
-1,204.5
前年比 +17.2%
-1,930.0
前年比 -60.2%
-1,681.4
前年比 +12.9%
-2,024.1
前年比 -20.4%
-767.6
前年同期比 +39.4%
経常損益百万円
-1,500.9
-1,163.0
前年比 +22.5%
-1,913.8
前年比 -64.6%
-1,663.9
前年比 +13.1%
-2,051.2
前年比 -23.3%
-760.6
前年同期比 +42.0%
当期純利益百万円
-1,615.4
-1,148.9
前年比 +28.9%
-1,938.5
前年比 -68.7%
-1,684.8
前年比 +13.1%
-2,058.0
前年比 -22.2%
-762.2
前年同期比 +42.0%
EPS
-95.50
-66.31
前年比 +30.6%
-108.92
前年比 -64.3%
-77.17
前年比 +29.1%
-80.00
前年比 -3.7%
-26.03
前年同期比 +50.7%
一株配当金
0.00
0.00
比較不能
0.00
比較不能
0.00
比較不能
0.00
比較不能
0.00
前年同期同額
純資産百万円
3,594.0
2,159.3
前年比 -39.9%
1,474.1
前年比 -31.7%
2,752.2
前年比 +86.7%
4,000.0
前年比 +45.3%
3,257.4
前期末比 -18.6%
営業CF百万円
-1,741.8
-1,717.1
前年比 +1.4%
-1,336.9
前年比 +22.1%
-2,020.1
前年比 -51.1%
-1,940.9
前年比 +3.9%
-1,017.3
前年同期比 +1.9%
投資CF百万円
-0.9
20.1
前年比 +2235.6%
-5.4
前年比 -126.8%
-4.7
前年比 +12.7%
-7.6
前年比 -61.2%
31.5
前年同期比 +725.5%
財務CF百万円
3,091.4
-113.8
前年比 -103.7%
1,142.5
前年比 +1103.7%
2,879.4
前年比 +152.0%
3,221.9
前年比 +11.9%
496.6
前年同期比 +1078.1%
フリーCF百万円
-1,742.8
-1,697.0
前年比 +2.6%
-1,342.3
前年比 +20.9%
-2,024.8
前年比 -50.8%
-1,948.4
前年比 +3.8%
-985.8
前年同期比 +5.4%

単位は各行記載。フリーCF=営業CF+投資CF。2026年中間期の損益・CFは前年同期比、純資産は2025年12月末比で表示。会社の2026年通期業績予想は非開示のため、予想値はHTMLに含めていません。

1.会社予想と実績

2021年12月期から2026年12月期中間期まで、会社は合理的な業績予想の算定が困難として数値予想を公表していません。そのため青の会社予想欄は「非開示」とし、赤で実績のみ表示しています。

売上高会社予想(非開示)実績非開示642.52021年12月期非開示976.22022年12月期非開示63.02023年12月期非開示31.42024年12月期非開示28.52025年12月期非開示503.12026年12月期中間期0単位:百万円。青は会社予想欄ですが、各期とも数値予想は非開示です。
売上高:会社予想は非開示のため達成率は算定できません。
営業利益会社予想(非開示)実績非開示-1,454.62021年12月期非開示-1,204.52022年12月期非開示-1,930.02023年12月期非開示-1,681.42024年12月期非開示-2,024.12025年12月期非開示-767.62026年12月期中間期0単位:百万円。青は会社予想欄ですが、各期とも数値予想は非開示です。
営業利益:会社予想は非開示のため達成率は算定できません。
経常利益会社予想(非開示)実績非開示-1,500.92021年12月期非開示-1,163.02022年12月期非開示-1,913.82023年12月期非開示-1,663.92024年12月期非開示-2,051.22025年12月期非開示-760.62026年12月期中間期0単位:百万円。青は会社予想欄ですが、各期とも数値予想は非開示です。
経常利益:会社予想は非開示のため達成率は算定できません。
当期純利益会社予想(非開示)実績非開示-1,615.42021年12月期非開示-1,148.92022年12月期非開示-1,938.52023年12月期非開示-1,684.82024年12月期非開示-2,058.02025年12月期非開示-762.22026年12月期中間期0単位:百万円。青は会社予想欄ですが、各期とも数値予想は非開示です。
当期純利益:会社予想は非開示のため達成率は算定できません。
EPS会社予想(非開示)実績非開示-95.502021年12月期非開示-66.312022年12月期非開示-108.922023年12月期非開示-77.172024年12月期非開示-80.002025年12月期非開示-26.032026年12月期中間期0単位:円。青は会社予想欄ですが、各期とも数値予想は非開示です。
EPS:会社予想は非開示のため達成率は算定できません。
2.達成・未達理由
2022年12月期会社予想:非開示

売上高976.2百万円、営業損失1,204.5百万円。売上は契約関連収入等で増加した一方、研究開発先行により赤字が継続。会社は未確定要素が多く合理的な数値予想が困難として通期予想を公表していません。

2023年12月期会社予想:非開示

売上高63.0百万円へ大幅減少し、営業損失1,930.0百万円。ライセンス関連収入の反動と研究開発費負担が大きく、固定的な売上基盤の小ささが表れました。

2024年12月期会社予想:非開示

売上高31.4百万円、営業損失1,681.4百万円。OBP-301承認申請準備と商用供給体制の構築が進んだ一方、収益は契約イベント依存で、数値予想は引き続き非開示でした。

2025年12月期会社予想:非開示

売上高28.5百万円、営業損失2,024.1百万円。OBP-301の承認申請を完了した一方、販売前で製品売上は未発生。研究開発・事業化準備費用が先行しました。

2026年12月期 中間期会社予想:非開示

売上高503.1百万円、営業損失767.6百万円まで改善。6月にOBP-301が通常承認を取得し、7月には販売提携先からマイルストーン等を受領。8月21日の発売予定により、下期から製品販売収入が加わる局面へ移行しています。

会社予想が数値で公表されていないため、達成率・超過率・未達率の計算はできません。

3.事業セグメントの自信度

報告セグメントは「創薬事業」の単一セグメントです。以下は決算短信の表現変化と開発・商用化の進捗から推理した自信度です。

創薬事業自信度推移:中立 → 中立 → 強気 → 非常に強気 → 非常に強気
2022年12月期中立
特に、がんのウイルス療法テロメライシン(OBP-301)を中心に研究・開発・ライセンス活動を推進させています。

開発継続は明確だが、依然ライセンス収入依存が大きく収益化時期は不透明。

2023年12月期中立
特に、がんのウイルス療法テロメライシン(OBP-301)を中心に研究・開発・ライセンス活動を推進させています。

主力集中方針は維持。ただし売上が大幅減少し、事業化までの不確実性が残る。

2024年12月期強気
2025年12月期の承認申請を予定しています。

承認申請の時期を明示し、富士フイルム富山化学との販売提携と供給体制構築まで進展。

2025年12月期非常に強気
2025年12月15日に厚生労働省へ製造販売承認申請を行いました。

予定を実行し、ライセンス型から製薬会社型を組み合わせる事業モデルへ具体的に移行。

2026年12月期 中間期非常に強気
2026年6月8日に食道がん治療再生医療等製品として製造販売承認を得ました。

通常承認を取得し、薬価決定・販売開始準備まで到達。開発段階から商用化段階へ移行。

4.最新予想信頼度
判定:通期数値予想が非開示のため「達成可能性」は判定不能。ただし、収益化の確度は過去5年間で最も高い局面です。

2026年中間期は売上高503.1百万円、営業損失767.6百万円。6月8日にOBP-301が食道がん治療再生医療等製品として通常承認を取得し、7月には販売提携先からマイルストーン収入等を受領。8月21日にテロメライシン®注の販売開始を予定しており、下期から製品販売収入が新たに加わる見通しです。一方、販売量、医療機関での採用速度、海外提携、OBP-601の開発・資本イベントなどで業績が大きく変動するため、会社は通期予想を引き続き開示していません。

2026年中間期 売上高503.1百万円
2026年中間期 営業損益△767.6百万円
テロメライシン薬価案約310.2万円/1瓶
販売開始予定8月21日2026年

数値会社予想がないため、単純進捗率は掲載していません。収益はマイルストーン・製品販売・ライセンスイベントの発生時期に左右され、四半期ごとの比較には大きな振れが生じ得ます。

4588 / 東証グロース

オンコリスバイオファーマ
最新事業計画・中期成長戦略分析

最新確認日:2026年8月13日 | 基準計画:2026年3月19日 | 最新進捗:2026年12月期 中間決算・テロメライシン薬価収載

計画資料の位置付け: オンコリスバイオファーマは、一般的な3~5年間の「中期経営計画」という名称の独立資料ではなく、 「事業計画及び成長可能性に関する事項」で中長期の事業方針を開示しています。 最新版は2026年3月19日公表資料です。 同資料では次回の同資料開示を2027年3月と予定しています。

① 企業が掲げる目標業績数字

会社が示した明確な長期収益目標 2030年までに黒字化

テロメライシンの販売予測を精査しながら、2030年までの黒字化を目指す方針。

重要: 2026年8月時点で、会社は「2030年の売上高○億円」「営業利益○億円」といった 数値目標を公表していません。また、2026年12月期の通期業績予想も非開示です。 したがって、開示されていない売上・利益目標を推定値で補完していません。

会社開示済みの収益化指標・前提

2026年12月期 通期予想
非開示
製品販売予測等を富士フイルム富山化学と精査中
業績予想の開示方針
2027年12月期~
会社は2027年12月期から業績見通しを開示する方針
テロメライシン薬価
310.2489万円 / 瓶
1患者3回投与:930.7467万円
保険適用
2026.8.13
達成済み
国内販売開始
2026.8.21
販売開始予定
対象市場の参考値
1,500例以上 / 年
放射線単独療法を受ける食道がん患者。販売目標ではない

2026年12月期 上期実績 ― 黒字化への現在地

売上高
5.03億円
前年同期 0.28億円 → 大幅増
営業損益
▲7.67億円
前年同期比 5.00億円改善
経常損益
▲7.60億円
前年同期比 5.51億円改善
中間純損益
▲7.62億円
前年同期比 5.51億円改善
研究開発費
7.66億円
前年同期 10.17億円から減少
現金及び預金
31.86億円
2026年6月末
上期売上増加の主因: テロメライシン(OBP-301)の製造販売承認に伴うマイルストーン収入。 一方、本格的な「製品販売売上高」は2026年8月21日の販売開始後から計上される見通しです。

② 目標達成へのロードマップ・達成計画

黒字化への中心戦略は、これまでの「ライセンス収入中心」の創薬ベンチャーモデルから、 テロメライシンの継続的な製品販売収入+ライセンス・マイルストーン収入 を組み合わせるハイブリッド型ビジネスモデルへの転換です。

STEP 1|テロメライシンを国内で上市し、製品販売収入を立ち上げる

食道がん向けテロメライシンは2026年6月8日に製造販売承認を取得。 8月13日に保険適用、8月21日に富士フイルム富山化学を通じて販売開始予定です。 これにより、オンコリスは2026年12月期から製品販売売上高を計上する見通しです。

承認:達成 薬価・保険:達成 8/21販売開始

STEP 2|供給能力を整え、販売施設を拡大する

商用製品の供給体制を構築し、製品有効期間を2026年中に18か月から24か月へ延長する計画。 販売促進対象も発売初期の約80施設から300施設以上への拡大を目指します。 安定供給と医療機関への浸透が製品売上成長の前提になります。

18か月安定性:達成 24か月化:2026年計画 300施設以上へ

STEP 3|食道がんから他の消化器がんへ適応を拡大

OBP-301を食道がんだけの製品にとどめず、胃がん、肝臓がん、 下部直腸・肛門がんなどへ展開。 2026年6月には効能拡大試験の開始という当年マイルストーンを達成しています。 対象疾患の拡張によって製品価値と将来売上の最大化を狙います。

適応拡大試験:開始済み 複数がん種へ展開

STEP 4|OBP-301を海外展開し、新たな契約収入を獲得

日本で取得した承認データを海外でも可能な限り活用。 アジアでは台湾・韓国・東南アジア、欧州では英国を含む地域で提携・承認取得を検討し、 新規の海外販売提携契約を収益化ルートに加える計画です。

新規販売提携 アジア・欧州展開

STEP 5|OBP-601の開発進展からマイルストーン収入を獲得

導出先Transposon Therapeuticsが、進行性核上性麻痺(PSP)、 ALS、アルツハイマー病などで開発を進めます。 臨床試験開始など契約上のイベントが達成されれば、 オンコリス側のマイルストーン収入につながるモデルです。

PSP pivotal試験 ALS Phase2/3 Alzheimer’s Phase2

STEP 6|次世代腫瘍溶解ウイルス OBP-702を臨床段階へ

岡山大学によるすい臓がんを対象とした初の臨床試験を準備。 医師主導臨床試験を継続するための製造も進め、 テロメライシンに続く次世代パイプラインとして企業価値の拡大を図ります。

Phase1準備 次世代パイプライン

STEP 7|2030年までの黒字化

テロメライシンの製品販売収入を基盤に、 適応拡大・海外展開・ライセンス収入・開発マイルストーンを積み上げることで 研究開発投資を吸収できる収益構造へ転換し、2030年までの黒字化を目指します。

最終目標:黒字化

2026年主要マイルストーン進捗

製造販売承認 ✓ 6月達成
18か月安定性 ✓ 2月達成
効能拡大試験 ✓ 6月開始
薬価・保険適用 ✓ 8月13日

③ 計画達成上の主なリスク

最新の「事業計画及び成長可能性に関する事項」で会社が開示しているリスクのうち、 中長期計画への影響が大きい項目を整理しています。

リスク
発生可能性
影響度
主な対応方針
研究開発の遅延・中止
安全性・有効性の問題などにより開発が遅延または停止
科学評価ネットワーク、非臨床段階での検証、 PMDA・FDA等との情報交換により早期に問題を把握
感染症・医療体制による開発遅延
パンデミック等により医療現場が逼迫
中~高
治験担当医との情報交換、施設ネットワーク構築、 外部委託先や製造工程の見直し
ライセンス・販売提携先依存
提携先の戦略変更や契約解消が収益へ影響
中~高
契約先を慎重に選定し、 ステアリング・コミッティーなどを通じて提携先の計画を把握
知的財産権
第三者特許との抵触や知財紛争
中~高
知財専門担当者を配置し、 弁護士・弁理士と連携して権利関係を管理
薬価・保険償還
上市後の薬価が製品販売収入や将来収益へ影響
中~高
提携先との情報共有、薬価交渉支援、複数パイプラインの育成。 テロメライシンの初回薬価については2026年8月に決定済み
競合・技術革新
競争激化によりパイプラインの差別化が低下
中~高
最新技術の情報収集、新規パイプラインの拡充、 開発速度向上とFirst-in-Class獲得を目指す

分析|計画達成を見るポイント

1.最大の転換点は「承認」から「販売」へ

2026年6月の承認、8月の薬価・保険適用まで到達したことで、 OBP-301は研究開発資産から実際に製品売上を生む段階へ移ります。 今後は販売数量が最重要確認項目になります。

2.薬価リスクの一部は既に解消

計画策定時には薬価そのものが2026年業績の大きな不確定要因でしたが、 310万2489円/瓶で決定しました。 一方、販売数量と浸透速度は依然として不確実です。

3.黒字化目標はあるが、数値ロードマップは未開示

2030年までの黒字化という期限は示されていますが、 2027~2030年の売上・利益の段階目標はまだありません。 2027年12月期から会社が開示するとする業績見通しが重要になります。

4.上期赤字は縮小したが、まだ利益化前

2026年上期の営業損失は7.67億円で前年同期から5億円改善しましたが、 依然として赤字です。販売開始後の製品粗利が研究開発費を どの程度吸収できるかが黒字化への焦点です。

5.OBP-301一本だけでなく複線化が必要

国内食道がん販売に加えて、適応拡大、海外契約、 OBP-601のマイルストーン、OBP-702の臨床入りを並行させることで、 収益源を複線化する戦略です。

6.今後確認すべきKPI

テロメライシン販売数量、導入施設数、24か月安定性試験、 海外販売提携、OBP-601の臨床イベント、 そして2027年12月期の会社業績予想が重要なチェック項目です。

参照した主な資料
  1. 事業計画及び成長可能性に関する事項(2026年3月19日)
  2. 2026年12月期 中間決算説明資料(2026年8月10日)
  3. テロメライシン注の薬価基準収載並びに保険適用に関するお知らせ(2026年8月12日)
  4. オンコリスバイオファーマ IR情報
  5. オンコリスバイオファーマ 経営戦略・事業内容

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