6966 三井ハイテック

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6966 三井ハイテック

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事業内容と業績

現在の報告セグメントは「金型・工作機械」「電子部品」「電機部品」の3区分です。旧「金型」「工作機械」は2023年1月期から「金型・工作機械」へ統合されています。

金型・工作機械

金型・工作機械 業績推移
2023年1月期から金型事業と工作機械事業を統合。2022年1月期は変更後区分へ組替。2027年1月期上期は6カ月実績、「予」は2026年9月9日公表の通期予想。
売上高利益損失
金型・工作機械事業は、モーターコアやリードフレームなどの量産に用いる高精度なプレス金型・精密部品と、精密研削加工を担う平面研削盤を製造・販売する事業です。金型では創業以来培った超精密加工技術を基盤に、設計から製作、量産立ち上げまでを支援。工作機械は自社の金型加工用として研究開発してきた技術を外販し、小型多機能NC研削盤から超精密大型平面研削盤まで展開しています。電子部品・電機部品の生産を技術面で支える基盤事業であると同時に、外部顧客向けにも製品・サービスを提供しています。

電子部品

電子部品 業績推移
2027年1月期上期は6カ月実績、「予」は2026年9月9日公表の通期予想。
売上高利益損失
電子部品事業は、半導体チップを支持・固定し、外部の電子機器との電気的接続を担う金属製のリードフレームを製造・販売する事業です。精密金型によるスタンピングと、腐食加工を用いるエッチングの両方式を備え、QFNなどのリードレスパッケージ、IC・LSI、パワー半導体向けまで幅広く対応します。自社開発の生産設備と高精度な金型技術を組み合わせ、開発段階の少量対応から量産まで支援。車載、民生、情報端末など多様な半導体用途に向け、国内外の拠点を活用したグローバルな供給体制を構築しています。

電機部品

電機部品 業績推移
2027年1月期上期は6カ月実績、「予」は2026年9月9日公表の通期予想。
売上高利益損失
電機部品事業は、モーターのローター(回転子)とステータ(固定子)の鉄心となるモーターコアを製造・販売する事業です。車載用を中心に、ハイブリッド車、電気自動車、プラグインハイブリッド車の駆動・発電用モーターに加え、家電や電動工具などにも供給しています。金型設計からスタンピングによる量産までを一貫して提供できることが特徴で、高精度・高品質な加工技術を生かしてモーターの高効率化や小型化に対応。日本、米州、中国、欧州などの生産拠点を活用し、顧客のグローバル展開と安定供給を支えています。

直近5年業績サマリー

業績項目2022年1月期2023年1月期2024年1月期2025年1月期2026年1月期2027年1月期 予想
売上高
139,429
174,615
+35,186 / +25.2%
195,881
+21,266 / +12.2%
214,890
+19,009 / +9.7%
218,329
+3,439 / +1.6%
272,000
+53,671 / +24.6%
営業損益
14,959
22,586
+7,627 / +51.0%
18,119
△4,467 / △19.8%
16,017
△2,102 / △11.6%
12,651
△3,366 / △21.0%
19,500
+6,849 / +54.1%
経常損益
15,672
22,669
+6,997 / +44.6%
21,733
△936 / △4.1%
16,943
△4,790 / △22.0%
13,815
△3,128 / △18.5%
20,000
+6,185 / +44.8%
当期純利益
11,778
17,581
+5,803 / +49.3%
15,545
△2,036 / △11.6%
12,219
△3,326 / △21.4%
3,151
△9,068 / △74.2%
14,500
+11,349 / +360.2%
EPS
64.45
96.2
+31.75 / +49.3%
85.06
△11.14 / △11.6%
66.86
△18.2 / △21.4%
17.25
△49.61 / △74.2%
79.34
+62.09 / +359.9%
一株配当金
12.8
13
+0.2 / +1.6%
14.4
+1.4 / +10.8%
17.6
+3.2 / +22.2%
18
+0.4 / +2.3%
19
+1 / +5.6%
純資産
61,383
80,607
+19,224 / +31.3%
96,993
+16,386 / +20.3%
110,327
+13,334 / +13.7%
113,614
+3,287 / +3.0%
営業CF
18,129
22,082
+3,953 / +21.8%
31,676
+9,594 / +43.4%
24,368
△7,308 / △23.1%
24,135
△233 / △1.0%
投資CF
△17,743
△19,593
△1,850 / △10.4%
△36,394
△16,801 / △85.8%
△26,512
+9,882 / +27.2%
△28,773
△2,261 / △8.5%
財務CF
12,469
△665
△13,134 / △105.3%
8,833
+9,498 / +1428.3%
11,073
+2,240 / +25.4%
7,117
△3,956 / △35.7%
フリーCF
386
2,489
+2,103 / +544.8%
△4,718
△7,207 / △289.6%
△2,144
+2,574 / +54.6%
△4,638
△2,494 / △116.3%

単位:百万円(EPS・一株配当金は円)。EPS・一株配当金は2024年8月1日の1株→5株の株式分割を遡及調整。フリーCF=営業CF+投資CF。前年比は前年差÷前年実績の絶対値で算出し、最新予想で未公表の項目は「—」としています。

1.会社予想と実績

2022年1月期~2026年1月期は各期首に公表された通期会社予想と通期実績を比較しています。2027年1月期は2026年9月9日公表の最新修正予想で、通期実績は未発表です。EPSは2024年8月1日の1株→5株の株式分割を過年度に遡って調整しています。

売上高単位:百万円会社予想実績0125,000250,000375,000500,000110,000139,4292022/1達成率 126.8%182,000174,6152023/1達成率 95.9%205,000195,8812024/1達成率 95.6%237,000214,8902025/1達成率 90.7%230,000218,3292026/1達成率 94.9%272,0002027/1最新会社予想
売上高:各期の期首公表通期会社予想と通期実績を比較。2027年1月期は最新修正予想。
営業利益単位:百万円会社予想実績012,50025,00037,50050,0004,70014,9592022/1達成率 318.3%20,40022,5862023/1達成率 110.7%22,60018,1192024/1達成率 80.2%21,00016,0172025/1達成率 76.3%13,00012,6512026/1達成率 97.3%19,5002027/1最新会社予想
営業利益:各期の期首公表通期会社予想と通期実績を比較。2027年1月期は最新修正予想。
経常利益単位:百万円会社予想実績012,50025,00037,50050,0004,70015,6722022/1達成率 333.4%20,50022,6692023/1達成率 110.6%22,40021,7332024/1達成率 97.0%20,00016,9432025/1達成率 84.7%12,50013,8152026/1達成率 110.5%20,0002027/1最新会社予想
経常利益:各期の期首公表通期会社予想と通期実績を比較。2027年1月期は最新修正予想。
親会社株主帰属純利益単位:百万円会社予想実績05,00010,00015,00020,0003,30011,7782022/1達成率 356.9%15,00017,5812023/1達成率 117.2%16,60015,5452024/1達成率 93.6%14,00012,2192025/1達成率 87.3%9,0003,1512026/1達成率 35.0%14,5002027/1最新会社予想
親会社株主帰属純利益:各期の期首公表通期会社予想と通期実績を比較。2027年1月期は最新修正予想。
EPS単位:円会社予想実績05010015020018.0664.452022/1達成率 356.9%82.0796.22023/1達成率 117.2%90.8385.062024/1達成率 93.6%76.6166.862025/1達成率 87.3%49.2517.252026/1達成率 35.0%79.342027/1最新会社予想
EPS:各期の期首公表通期会社予想と通期実績を比較。2027年1月期は最新修正予想。
2.達成・未達理由
2022年1月期全5指標で大幅超過
売上高 126.8%営業利益 318.3%経常利益 333.4%純純利益 356.9%EPS 356.9%

自動車各社の減産調整があった一方、電動車向けモーターコアと各種半導体の需要が想定以上に好調でした。電機部品・電子部品の増収に加え、生産性向上と原価低減が利益を押し上げ、期首予想を大幅に上回りました。

2023年1月期売上未達、利益4指標は超過
売上高 95.9%営業利益 110.7%経常利益 110.6%純純利益 117.2%EPS 117.2%

半導体不足による自動車減産や情報端末向け半導体の需要減少で売上高は期首予想に届きませんでした。一方、車載半導体と電動車向け需要は堅調で、収益性改善や大幅な円安も寄与し、営業利益・経常利益・純利益・EPSは予想を上回りました。

2024年1月期全5指標で未達
売上高 95.6%営業利益 80.2%経常利益 97.0%純純利益 93.6%EPS 93.6%

半導体の在庫調整が長引き、電子部品の売上高と営業利益が大きく落ち込みました。電機部品は増収したものの先行投資費用が増加。為替差益が経常利益を下支えしましたが、期首予想には届きませんでした。

2025年1月期全5指標で未達
売上高 90.7%営業利益 76.3%経常利益 84.7%純純利益 87.3%EPS 87.3%

車載・民生向け半導体の最終需要回復が遅れ、電子部品では受注減と主要原材料の価格転嫁時期の影響が出ました。電機部品は需要堅調で増収となった一方、先行投資費用が増加し、全指標が期首予想を下回りました。

2026年1月期経常利益のみ超過
売上高 94.9%営業利益 97.3%経常利益 110.5%純純利益 35.0%EPS 35.0%

BEV市場の成長鈍化、主要鋼材価格低下の販売価格への反映、電機部品の先行投資費用が売上高・営業利益を圧迫しました。さらに欧州関連で減損損失39.51億円と欧州事業損失25.91億円を計上し純利益が大幅未達。一方、為替差益により経常利益は期首予想を上回りました。

2027年1月期最新会社予想・通期実績未発表
売上高 272,000営業利益 19,500経常利益 20,000純純利益 14,500EPS 79.34

2026年9月9日に通期予想を再度上方修正し、売上高2,720億円、営業利益195億円、経常利益200億円、親会社株主帰属純利益145億円、EPS79.34円を見込んでいます。上期の好調を反映した高いハードルであり、下期の利益減速を織り込んだ進捗確認が重要です。

3.事業セグメントの自信度

各年度の決算短信で変化した表現をセグメント別・年度別に原文のまま掲載し、実績と見通しの変化から会社の自信度を推理しています。2022年1月期の金型・工作機械は統合前の金型・工作機械双方の記述を踏まえています。

金型・工作機械

自信度推移:中立 → 強気 → 強気 → 弱気 → 中立 → 強気
2022年1月期中立
好調な車載用モーターコア金型の需要に対応しました。/徐々に平面研削盤市場の回復が見られる

金型需要は強かった一方、工作機械は営業損失が続き、統合前2事業の温度差を考慮。

2023年1月期強気
電機部品事業、電子部品事業の堅調な需要に対応しました。

統合後の基盤事業として増収増益。

2024年1月期強気
電機部品事業の堅調な需要に対応しました。

モーターコア関連を軸に堅調さを維持。

2025年1月期弱気
金型の受注減少に伴い

受注減で売上・利益が大きく落ち込み。

2026年1月期中立
金型の受注増加に伴い

受注は回復したが利益はなお低水準。

2027年1月期 上期強気
モーターコア向け金型の受注増加に伴い

上期は増収・大幅増益となり、需要回復が明確。

最新判断強気

2027年1月期上期はモーターコア向け金型の受注増により売上・利益とも改善。最新通期予想も売上高135億円へ上方修正され、基盤事業の回復色が強まっています。

電子部品

自信度推移:強気 → 中立 → 弱気 → 弱気 → 中立 → 強気
2022年1月期強気
各種半導体の好調な需要に対応しました。

半導体需要拡大を受け大幅増収増益。

2023年1月期中立
情報端末向け半導体の需要減少による在庫調整があったものの、堅調な車載向け半導体の需要に対応しました。

用途別に濃淡がありつつ、車載と収益改善が下支え。

2024年1月期弱気
各種半導体の在庫調整等により、厳しい状況が継続しました。

在庫調整で売上・利益とも大幅減。

2025年1月期弱気
車載向け及び民生向け等の半導体の最終需要は未だ回復が遅れています。

需要回復の遅れと原材料価格転嫁の時期ずれが重荷。

2026年1月期中立
レガシー半導体は緩やかな回復にとどまりました。

回復は限定的だが、価格転嫁等で利益は改善。

2027年1月期 上期強気
車載・民生向け製品の需要増加及び為替円安により

需要増と価格転嫁・円安が重なり、上期利益は大きく改善。

最新判断強気

車載・民生向け需要の増加、価格転嫁、円安が寄与し、上期は大幅増益。最新通期予想も売上高850億円・営業利益80億円へ上方修正されています。

電機部品

自信度推移:強気 → 強気 → 強気 → 強気 → 中立 → 強気
2022年1月期強気
拡大する電動車向け駆動・発電用モーターコアの需要に対応しました。

電動車需要の拡大を取り込み大幅増収増益。

2023年1月期強気
電動車向け駆動・発電用モーターコアの堅調な需要に対応しました。

需要は堅調で売上が拡大。先行投資をこなしながら利益も維持。

2024年1月期強気
電動車向け駆動・発電用モーターコアの堅調な需要に対応しました。

大幅増収で先行投資負担を吸収。

2025年1月期強気
電動車向け駆動・発電用モーターコアの堅調な需要に対応した

売上拡大が続き、先行投資負担下でも増益。

2026年1月期中立
BEV市場の拡大スピードに鈍化が見られましたが、HEV・PHEVの需要は堅調に推移しました。

HEV需要は強い一方、BEV鈍化と先行投資で収益性が低下。

2027年1月期 上期強気
電動車向け駆動・発電用モーターコアの堅調な需要に対応したことにより

HEV中心の需要増と生産拠点活用、一時的利益で増収増益。

最新判断強気

HEV向けを中心に需要が堅調で、グローバル生産拠点を活かした顧客対応も拡大。通期予想は売上高1,820億円・営業利益135億円へ上方修正されています。

4.最新予想信頼度
達成可能性は高め。ただし利益は下期減速を織り込んで確認

2027年1月期上期は売上高130,672百万円、営業利益11,818百万円、経常利益13,319百万円、親会社株主帰属中間純利益9,943百万円、EPS54.41円。会社は好調な事業環境を受けて通期予想を再度上方修正しています。

売上高48.0%単純進捗率
営業利益60.6%単純進捗率
経常利益66.6%単純進捗率
純純利益68.6%単純進捗率
EPS68.6%単純進捗率

達成できると判断する理由

  • 上期時点で営業利益の単純進捗率は60.6%、経常利益66.6%、純利益68.6%と、再上方修正後の通期計画に対して利益面の余裕があります。
  • 電機部品はHEV向けを中心とした需要増、電子部品は車載・民生向け需要増と価格転嫁の進展が確認され、主力2事業がともに増収増益です。
  • 会社は2026年6月の修正に続き9月にも売上高・利益予想を引き上げており、直近の受注・需要・為替を織り込んだ計画になっています。

達成できないと判断する理由

  • 電機部品の上期利益には一時的な利益計上が含まれ、会社自身が下期にその反動減を見込んでいます。
  • 先行投資費用に加え、中東情勢に伴う資材・エネルギー価格上昇が下期利益を圧迫するリスクがあります。
  • 通期予想は上期好調を受けて再度引き上げられたため、需要失速、為替の反転、量産立ち上げ遅延が発生した場合は達成余地が縮小します。

収益計上時期を見る際の注意点

上期利益には電機部品の一時的な利益計上が含まれ、会社は下期にその反動減と先行投資費用の増加を見込んでいます。したがって上記の進捗率は単純な「上期実績÷通期予想」であり、50%超をそのまま通期達成の確約とみなすべきではありません。

最終判断

最新の通期会社予想は達成可能性が高めと判断します。上期の主力事業の伸びと再上方修正後でも高い利益進捗が支えです。一方、下期は一時利益の反動と先行投資・コスト上昇を会社が明示しているため、営業利益19,500百万円の達成には、電機部品・電子部品の堅調な需要継続と価格転嫁、想定為替環境の大幅悪化がないことが条件になります。

TSE 6966 / MITSUI HIGH-TEC

三井ハイテック|中期経営計画分析

対象計画:2026年1月期~2028年1月期 / 2026年3月11日の財務目標修正を反映

計画公表:2025年3月11日 財務目標修正:2026年3月11日 最新業績確認:2026年9月9日資料
三井ハイテックの中計は、 「電動車市場のグローバル成長を捉える先行投資」「収益性・資本効率性の強化」を両立させる計画である。 ただし電動車市場の成長鈍化とレガシー半導体市場の回復遅れを受け、 2026年3月に2028年1月期の財務目標を大幅に下方修正した。

① 会社が掲げる目標業績数字

2028年1月期 売上高
2,630億円
当初3,100億円 → 修正
2028年1月期 営業利益
150億円
当初235億円 → 修正
営業利益率
5.7%
当初7.6%
ROE
8.0%以上
当初12.0%以上
ROIC
5.0%以上
当初7.0%以上
3カ年設備投資
960億円
当初1,100億円から抑制
指標 当初目標 修正後目標 修正幅
売上高 3,100億円 2,630億円 ▲470億円
営業利益 235億円 150億円 ▲85億円
営業利益率 7.6% 5.7% ▲1.9pt
ROE 12.0%以上 8.0%以上 ▲4.0pt以上
ROIC 7.0%以上 5.0%以上 ▲2.0pt以上
経常利益 230億円 140億円 ▲90億円
当期純利益 160億円 100億円 ▲60億円
EBITDA 445億円 340億円 ▲105億円
EBITDAマージン 14.4% 12.9% ▲1.4pt
設備投資額(3カ年) 1,100億円 960億円 ▲140億円

事業別・2028年1月期修正目標

事業 売上高 営業利益 営業利益率 3カ年設備投資
電機部品
モーターコア
1,900億円 100億円 5.3% 780億円
電子部品
リードフレーム
700億円 70億円 10.0% 125億円
金型・工作機械 120億円 10億円 8.3% 15億円

※事業別数値の単純合計と連結数値は、消去・全社調整等により一致しない。

② 目標達成へのロードマップ・達成計画

基本戦略
電子部品で安定的なキャッシュを創出し、成長事業の電機部品へ資本を還流。 金型・工作機械の超精密加工技術を両事業の競争力向上に活用し、 グループ全体の成長と資本効率改善につなげる構造を目指す。
電機部品
全電動車タイプへの対応+欧米を中心とした成長投資。 HEV・BEV・PHEV・MHEV・FCEVに対応し、カシメ工法と接着工法の双方で量産。 材料調達先の選択肢拡大や一部工程の設備共用化によりコスト競争力も強化する。 一方、市場・顧客計画の変化を受け、3カ年設備投資は920億円から780億円へ抑制した。
電子部品
技術開発力を軸にレガシー半導体市場で安定キャッシュを確保。 開発からサンプル試作までの迅速化、製品セグメント別の開発支援、 グローバル顧客接点と技術提案営業の強化を進める。 需要変動に合わせて生産計画と設備投資判断を柔軟化する。
金型・工作機械
金型技術をグループの競争力源泉として高度化。 モーターコア・リードフレーム顧客との接点から潜在ニーズを先取りし、 新技術の確立と技術提案営業の強化によって成長事業を支える。
投資管理
「投資量」だけでなく「投資効率」の管理へ。 ハードルレートを使った案件別投資判断、過去投資案件を踏まえたリスク管理、 投資後のモニタリングを強化し、ROIC・ROEの改善につなげる。
MOTOR CORE

成長エンジン

市場成長を取り込む主力事業。先行投資負担を吸収しながら量産数量を増やし、 海外拠点の稼働率・採算性を高めることが利益成長の中心となる。

LEAD FRAME

キャッシュ創出

半導体市況の変動に耐えられる収益構造を構築。 車載・民生・情報端末向けを広く取り込み、技術提案と価格適正化で利益率を確保する。

CAPITAL EFFICIENCY

経営効率の改善

設備投資を市場成長に合わせて選別し、キャッシュ創出力と資本効率を両立。 株主還元ではDOE3%以上を目安とする基本方針も掲げている。

足元の進捗から見た中計のポイント

2027年1月期の業績予想は、中計最終年度の修正目標を上回る水準

2026年9月9日時点の2027年1月期通期予想は、 売上高2,720億円・営業利益195億円・営業利益率7.2%。 数字だけを比較すれば、2028年1月期の修正目標である 売上高2,630億円・営業利益150億円・営業利益率5.7%を 1年前に上回る予想となっている。

ただし「目標を前倒し達成した」と単純評価するのは早い。 会社は2027年1月期の利益に、グローバル生産拠点を活用した顧客対応などによる 一時的な利益が含まれるとしており、その継続性には不確実性があると説明。 2028年1月期は一時利益の反動減も想定している。 したがって、中計達成の核心は売上・利益の一時的な上振れよりも、 モーターコアの量産拡大後に収益性を持続できるか、ROICを改善できるかにある。

③ 目標達成リスク

電動車市場の成長鈍化
会社は2026年3月、電動車市場の成長が中計策定時の予想から約1年後ろ倒しになったと分析。 特に欧州・北米のBEV需要減速が顕著で、顧客の販売計画見直しもあり、 三井ハイテック自身の販売は約2年後ろ倒しとなる見通しを示している。
レガシー半導体市場の回復遅れ
リードフレームの主要市場であるレガシー半導体の回復が当初予想より遅延。 特に車載分野ではBEV伸長鈍化に伴い、日米欧系IDMの需要回復も鈍化している。
先行投資コストと稼働率リスク
海外拠点や新規製品では量産開始前から減価償却費、労務費、立上げ費用などが先行する。 販売数量が想定通り増えなければ固定費負担が残り、モーターコア事業の利益率改善が遅れる可能性がある。
2027年1月期の一時利益の反動
最新の会社資料では、当期に計上しているグローバル生産拠点を活用した顧客対応の継続性に 不確実性があるとしている。2028年1月期には一時的な利益の反動減を受ける見込み。
競争激化
モーターコア市場の拡大に合わせて競合他社も生産能力を増強しており、 品質・効率・価格・安定供給を巡る競争激化を会社自身が想定している。
資材・エネルギーコスト
2026年9月の会社資料では、中東情勢の影響による資材・エネルギー価格上昇を 下期の減益要因の一つとして挙げている。

分析まとめ

POSITIVE

業績は想定以上に改善

2027年1月期予想は修正後の中計最終年度目標を売上・営業利益とも上回る。 HEV向けモーターコア、電子部品とも足元の需要は堅調。

KEY ISSUE

利益の「持続性」が焦点

足元の営業利益には一時要因も含まれるため、 2028年1月期以降も高い稼働率と採算性を維持できるかが重要となる。

CHECK POINT

ROICと投資回収を監視

中計の本質は大規模設備投資からの回収局面への移行。 モーターコア海外拠点の稼働率、営業利益率、ROICの改善が重要な確認指標となる。

一次資料:株式会社三井ハイテック「新中期経営計画 2026年1月期-2028年1月期」 (2025年3月11日)、「中期経営計画の財務目標修正に関するお知らせ」 (2026年3月11日)、「2027年1月期 第2四半期(中間期)決算補足説明資料」 (2026年9月9日)。
※本ページは企業開示資料を基にした整理・分析であり、投資判断を推奨するものではありません。

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