ストップ高後の株価推移
| 経過期間 | 騰落率 | TOPIX超過 | 最大上昇 | 最大下落 |
|---|
5367 ニッカトー
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事業内容と業績
セラミックス事業
工業用の機能性・耐摩耗・耐熱セラミックスと、研究・分析向け理化学用陶磁器を製造・販売する事業です。主力のジルコニア製粉砕用ボールや粉砕機用部材は、電子部品向け原料の微粉砕・分散工程などで使用され、積層セラミックコンデンサ(MLCC)関連の生産工程とも関係します。そのほか、セラミックス発熱体、酸素センサ、燃料電池用部材、セラミックスフィルター、熱処理用のチューブ・保護管・絶縁管・ローラー、るつぼや焼成容器などを扱います。主要顧客は電子部品、化学、食品、医薬品などのメーカーで、製品の多くが顧客の製造工程で使われる道具・機械部品・消耗品です。
エンジニアリング事業
産業用の計測機器・制御システム、温度センサおよび加熱装置を扱う事業です。各種電気炉や熱処理装置、温度計測・制御機器、応力測定機器などを組み合わせ、研究開発や生産現場の加熱・温度管理・計測ニーズに対応します。製造工場を持つセラミックス事業とは異なり、仕入れた装置や計測機器の販売を中心とする事業形態です。用途には自動車・重機、鉄鋼、半導体・電子部品、大学や研究機関などがあり、顧客の設備投資や研究開発投資の動向が売上に影響します。電子部品向けだけでなく幅広い産業の温度制御・加熱プロセスを支える事業です。
直近5年業績サマリー
| 業績項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 2027年3月期 最新会社予想 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 99.79億円 | 107.33億円 前年比 +7.6% | 102.39億円 前年比 -4.6% | 100.77億円 前年比 -1.6% | 113.41億円 前年比 +12.5% | 120億円 前期比 +5.8% |
| 営業損益 | 9.72億円 | 11.02億円 前年比 +13.4% | 9.18億円 前年比 -16.7% | 6.38億円 前年比 -30.5% | 10.71億円 前年比 +67.9% | 12.2億円 前期比 +13.9% |
| 経常損益 | 10.28億円 | 11.77億円 前年比 +14.5% | 9.92億円 前年比 -15.7% | 7.2億円 前年比 -27.5% | 11.46億円 前年比 +59.2% | 12.9億円 前期比 +12.6% |
| 当期純利益 | 6.72億円 | 8.35億円 前年比 +24.3% | 7.02億円 前年比 -16.0% | 5.04億円 前年比 -28.3% | 7.76億円 前年比 +54.0% | 9億円 前期比 +16.0% |
| EPS | 56.29円 | 69.99円 前年比 +24.3% | 58.81円 前年比 -16.0% | 42.16円 前年比 -28.3% | 64.90円 前年比 +53.9% | 75.24円 前期比 +15.9% |
| 1株配当金 | 20.00円 | 23.00円 前年比 +15.0% | 24.00円 前年比 +4.3% | 21.00円 前年比 -12.5% | 21.00円 前年比 +0.0% | 27.00円 前期比 +28.6% |
| 純資産 | 117.86億円 | 123.94億円 前年比 +5.2% | 130.73億円 前年比 +5.5% | 131.13億円 前年比 +0.3% | 141.37億円 前年比 +7.8% | — |
| 営業CF | 16.4億円 | 9.39億円 前年比 -42.7% | 7.85億円 前年比 -16.4% | 16.77億円 前年比 +113.6% | 16.75億円 前年比 -0.1% | — |
| 投資CF | △5.61億円 | △2.67億円 前年比 +52.4% | △3.99億円 前年比 -49.3% | △9.26億円 前年比 -132.0% | △7.1億円 前年比 +23.3% | — |
| 財務CF | △3.97億円 | △5.21億円 前年比 -31.3% | △5.1億円 前年比 +2.1% | △4.93億円 前年比 +3.3% | △4.7億円 前年比 +4.8% | — |
| フリーCF | 10.78億円 | 6.72億円 前年比 -37.7% | 3.86億円 前年比 -42.5% | 7.51億円 前年比 +94.5% | 9.65億円 前年比 +28.5% | — |
フリーCF=営業CF+投資CF。金額は億円・千万円表示、EPS・1株配当金は円表示。2022年3月期の訂正資料は未払法人税等と未払消費税等の表示訂正であり、上記の損益・CF数値に変更はありません。
2027年3月期・最新中間決算の通期進捗
2026年4〜9月の中間実績 ÷ 2026年9月18日修正後の通期会社予想。進捗率は単純比率です。
1.会社予想と実績
各年の期首公表の通期会社予想と通期実績を比較。2027年3月期は9月18日修正後の最新会社予想で、通期実績は未確定です。2022年3月期の予想EPSは純利益予想・当時の株式数から算出。
売上高
営業利益
経常利益
当期純利益
EPS
2.達成・未達理由
2022年3月期
売上高 107.3%営業利益 194.4%経常利益 197.7%当期純利益 203.6%会社期首計画を全項目で上回った。電子部品関連の需要拡大などを受け売上高が増加し、工場の稼働率上昇と利益率改善が営業利益の上振れにつながった。
2023年3月期
売上高 107.3%営業利益 157.5%経常利益 163.5%当期純利益 167.1%原材料・エネルギー高に対する販売価格見直しを進め、好調な受注に支えられてセラミックス工場の稼働率が上昇。エンジニアリングでも半導体・電子部品関連需要により増収増益となった。
2024年3月期
売上高 95.7%営業利益 81.3%経常利益 84.1%当期純利益 83.6%主力販売先の電子部品業界が低調で、セラミックスの売上減と稼働率低下が重なった。原材料費上昇も利益を圧迫し、エンジニアリングの堅調な伸びだけでは補えなかった。
2025年3月期
売上高 97.8%営業利益 67.1%経常利益 72.7%当期純利益 71.9%セラミックスの上半期の需要低迷が重く、下期の受注回復でも挽回できなかった。一部仕掛品の評価損1.13億円と原燃料コスト上昇により営業利益が大幅未達となった。
2026年3月期
売上高 111.8%営業利益 110.9%経常利益 113.6%当期純利益 109.9%電子部品業界の回復を受け、セラミックスの工場稼働率が上昇し売上原価率が3.6ポイント改善。自動車・重機向けの設備投資拡大とエンジニアリングの収益性改善も寄与した。
3.事業セグメントの自信度
各決算短信で確認できる事業環境・収益変化を基にした評価。事業への将来の確信度を保証するものではありません。
セラミックス事業
販売価格見直しと受注増を背景にセグメント利益が拡大。
主力顧客向け不振で売上減少、稼働率・採算が悪化。
需要回復が遅れ、評価損と原燃料費上昇の影響も継続。
売上高と利益が回復し、生産効率の改善を確認。
セグメント利益が前年同期比99.7%増、売上原価率が4.1ポイント改善。
エンジニアリング事業
売上高・利益とも増加。
セグメント利益68.4%増、計測機器の採算改善。
売上高と利益は小幅減少したが需要は底堅く推移。
売上高17.0%増、利益25.0%増。
売上高14.9%増、利益45.7%増。
4.最新予想信頼度
会社は2026年9月18日に通期予想を上方修正し、11月2日公表の中間決算ではその修正予想を据え置きました。中間時点の営業利益は通期予想の77.1%、当期純利益は79.7%です。ただし、これは通期予想に対する単純進捗率であり、残り期間の確定利益を意味しません。
会社予想に必要な下期業績
通期会社予想-中間実績を計算。必要下期営業利益は前年下期実績の約5.74億円を下回る約2.80億円です。
達成を支える確認済み要因
上期のセラミックス事業は電子部品市況の上昇で売上高28.9%増、利益99.7%増。稼働率上昇と売上原価率4.1ポイント改善を確認。エンジニアリング事業も自動車・重機関連の設備投資を受けて売上高14.9%増、利益45.7%増となりました。
達成を妨げ得る確認済みリスク
決算短信はエネルギー価格高止まりや原材料価格上昇、世界経済の不透明さを挙げています。電子部品需要と生産稼働率が下期も維持されるか、また販売価格と原価率の改善が持続するかは未確定です。
収益計上時期と比較上の注意点
上期の営業利益9.40億円は前年上期4.97億円を大きく上回りました。会社予想から逆算した下期の営業利益は約2.80億円であり、前年下期の約5.74億円より低い水準です。期末にかけて季節性がどう現れるかについて、今回の短信だけで確定的な評価はできません。
最終判断と予想PER
上期実績からは通期会社予想を達成するための残り利益額が前年下期を下回ることが確認できます。一方、需要・原材料価格などの変動要因があるため、達成を断定しません。
2026年11月2日終値 1,201円 ÷ 2027年3月期会社予想EPS 75.24円 ≒ 15.96倍。 会社予想が達成された場合の参考予想PERです。
ニッカトー
中期経営計画「CONNECT30」分析
2031年3月期の営業利益19.4億円を目指す6カ年計画。売上の拡大以上に、収益性の引き上げが中心テーマ。
分析要点:売上高の伸びは約15%でも、営業利益は約81%増を計画。 不採算品の見直し・生産効率の改善・高付加価値化が達成の焦点となる。
01|会社が掲げる業績目標
| 指標 | 2026年3月期 通期実績 | 2028年3月期 中間目標 | 2031年3月期 最終目標 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 113.41億円 | 110億円 | 130億円 |
| セラミックス事業 売上高 | 82.15億円 | 82億円 | 100億円 |
| エンジニアリング事業 売上高 | 31.25億円 | 28億円 | 30億円 |
| 営業利益 | 10.71億円 | 12.4億円 | 19.4億円 |
| 営業利益率 | 9.4% | 約11%(会社表記) | 15% |
| ROE | 5.7% | 7%以上 | 10%以上 |
中計の「2027年度」は2028年3月期、「2030年度」は2031年3月期。実績は2026年5月1日公表の2026年3月期決算短信、目標は2025年5月1日公表の「CONNECT30」。金額は原資料の百万円・千円表示から億円に換算し、小数点以下第2位まで表示。会社公表の営業利益率目標は概数。
02|目標達成時の業績上昇余地
比較基準は2026年3月期の確定通期実績(2026年5月1日開示)。目標は2031年3月期(2025年5月1日公表の中計)。双方とも日本基準・非連結で比較している。
| 指標 | 直近通期実績 | 2031年3月期目標 | 増減額 | 増減率 | 年平均成長率 (5年CAGR) |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 113.41億円 | 130億円 | +16.59億円 | +14.6% | +2.8% |
| 営業利益 | 10.71億円 | 19.4億円 | +8.69億円 | +81.1% | +12.6% |
| セラミックス事業 売上高 | 82.15億円 | 100億円 | +17.85億円 | +21.7% | +4.0% |
| エンジニアリング事業 売上高 | 31.25億円 | 30億円 | −1.25億円 | −4.0% | −0.8% |
| 営業利益率 | 9.4% | 15% | +5.6pt | — | — |
| ROE | 5.7% | 10%以上 | +4.3pt以上 | — | — |
増減額・増減率・CAGRは原資料の数値から算出。CAGR=(目標÷実績)^(1/5)−1。利益率・ROEはパーセントポイント差で表記。計画に2031年3月期の経常利益・純利益・EPSの明示目標はないため比較対象外。上記は会社目標の達成を条件とする試算であり、業績・株価の実現予想や保証ではない。
重要な比較:2028年3月期の中間目標は、売上高110億円・営業利益12.4億円。売上高はすでに2026年3月期実績113.41億円を下回る計画水準となっている。現在の事業規模を踏まえると、売上の絶対額よりも利益率の改善とその持続性が重要となる。
03|2030年度までのロードマップ
2028年3月期まで
売上高110億円・営業利益12.4億円・ROE7%以上を目標。原価低減、在庫圧縮、不採算製品・商品の見直しを進めるとともに、戦略的営業体制と環境対応を整える。
2031年3月期まで
売上高130億円・営業利益19.4億円・ROE10%以上へ。新技術・新製品の価値創出、業界企業との協働や資本提携・アライアンスの検討による成長を目指す。
戦略① 稼ぎ続ける力
製品戦略の見直し。不採算品の整理、生産効率向上、在庫圧縮、営業体制の強化、新技術による製品価値の創出。
戦略② 新たな投資
戦略投資の拡大。環境投資(3R:リデュース・リユース・リサイクル)や業界企業との協働・連携、資本提携などを検討。
戦略③ 持続的な成長
人的資本への投資、職人技術の承継、職場環境の改善、ガバナンス・環境対応の強化。
資本効率・市場評価
会社はROE改善に加え、適時開示・対話の強化と株主還元に取り組み、PER13~15倍を目指す方針を公表。これは会社の評価目標であり現在の市場PERではない。
04|最新決算を踏まえた進捗確認
2026年11月2日公表の2027年3月期中間決算(2026年4~9月)は増収増益。中間期実績と通期会社予想は区別して確認する。
中間期実績(2026年4~9月)
電子部品市況の改善に伴うセラミックス事業の増収、工場稼働率の向上が収益改善に寄与。エンジニアリング事業も自動車・重機関連設備投資が堅調。
2027年3月期 通期会社予想
通期業績予想は2026年9月18日の修正内容を2026年11月2日の短信でも据え置き。
中計の中間目標との関係:2027年3月期の売上高予想120億円は、翌2028年3月期の中間目標110億円を10億円上回る。一方、営業利益予想12.2億円は同中間目標12.4億円に0.2億円届かない水準。会社の正式な中計数値を置き換えるものではない。
05|会社資料から確認できる達成上の課題・リスク
- 競争環境:会社は安価な中国製製品の台頭と品質向上を、従来型の強みを脅かす課題として明記。
- 製品構成:ロングセラー品への依存、製品点数増加による不採算化・生産効率低下を課題として認識。
- 外部環境:2026年11月2日の中間決算短信では、エネルギー価格の高止まりや輸出規制に伴う原材料価格の高騰などを先行き不透明要因として記載。
06|分析総括
2026年3月期には中計策定時の初年度想定(売上高101.4億円、営業利益9.66億円)を上回る売上高113.41億円・営業利益10.71億円を確保。さらに2027年3月期中間決算でも営業利益率が約14.1%に改善している。
ただし、半期の利益率を通期や2031年の達成確度にそのまま置き換えることはできない。計画最終年度の営業利益率15%を継続的に実現できるかが、今後の確認ポイントとなる。
- ニッカトー「中期経営計画 CONNECT30」(2025年5月1日公表、特にp.8~10)。
- ニッカトー「2026年3月期 決算短信」(2026年5月1日公表、通期実績・セグメント情報)。
- ニッカトー「2027年3月期 第2四半期(中間期)決算短信」(2026年11月2日公表、最新実績・通期予想・環境認識)。
※中計の目標数値達成を条件とした比較であり、業績・株価の実現予想や保証ではありません。2031年3月期EPS目標を確認できないため株価の割安度試算は掲載していません。

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