ニッカトー 5367 東証スタンダード
工業用セラミックス中堅 ─ ファインセラミックス専業、高付加価値品に強み、加熱装置(エンジニアリング事業)
事業内容 ─ ファインセラミックス専業メーカー
ニッカトーは1942年(昭和17年)設立の工業用セラミックス中堅メーカー。代表取締役社長は大西宏司氏。本社は大阪府堺市。ファインセラミックス専業として、電子部品業界を中心とした客先基盤に高付加価値品を供給しています。同社の企業理念は「ニッカトーは、創造性に富んだ信頼される商品の提供を通じて科学技術と産業の発展に寄与し、企業の成長と発展を期し、親しまれる経営で社会に貢献する」。新たな価値を常に創造することで科学技術と産業の発展に貢献し、全てのステークホルダーとの対話を通じて、地域・社会との信頼関係を構築することで、「Reliable Company」を目指し企業の持続的な成長と価値向上に努めています。報告セグメントはセラミックス事業(主力)とエンジニアリング事業(加熱装置)の2セグメント。決算は単独決算(連結ではない)。比較銘柄は品川リフラ、オハラ、ノリタケ。
主要事業セグメント
セラミックス事業(主力)
ファインセラミックス(工業用セラミックス)の製造販売。電子部品業界を中心とした客先基盤を持ち、高付加価値品に強み。2026年3月期はセラミックス事業の業績が好調で、売上高+10.9%増、セグメント利益+86.0%増と大きく貢献。電子部品関連市場での需要が業績を牽引している。MLCC関連株一斉急騰の地合いで、ファインセラミックス専業として連れ高物色対象となった。
エンジニアリング事業(加熱装置)
セラミックス事業で培った技術を応用した加熱装置事業。工業用炉・加熱装置の設計・製造・販売を展開。セラミックス事業の主力に加え、加熱装置事業も同社の重要な収益基盤の一つとなっている。
主要客先:電子部品業界中心
当社の主要客先は電子部品業界を中心とした堅調な受注環境にある。2022年3月期決算では「当社の主要客先である電子部品業界を中心に堅調な受注環境にあり、前年同期比増収増益となりました」と総括されている。電子部品メーカー向けセラミックス供給で安定的な収益基盤を確保している。
ESG/SDGsへの取り組み
2022年4月に「サステナビリティ委員会」を設置。常務取締役を委員長とし各部門長または選出された委員で構成。当社の持続的成長のための方針や目標およびその推進計画の策定・更新を行い、定期的に取締役会に報告や提言を行う。環境問題や社会課題の解決による持続可能な社会の実現及び社会貢献活動が今後の企業価値向上に重要な影響を与えるものと認識。
財務健全性の高さ
自己資本比率76.6%(2025年3月期末)の高水準を維持。有利子負債倍率0.05倍(2025年3月期末)、0.04倍(2025年12月期末)と極めて低い負債水準。財務面の余裕を活かして戦略投資の拡大を推進している。
直近5年の業績サマリー
2026年3月期は売上高101億3,000万円超、経常利益11億4,600万円(前期比+59.2%増)と大幅増益で着地。会社予想経常利益10億900万円を13.6%上回る上振れ決算となりました。営業利益は+51.6%増、当期純利益は+40.1%増の見込み。セラミックス事業の業績好調(売上高+10.9%・セグメント利益+86.0%)が主要因。2027年3月期会社予想は売上高110億円、営業利益11億円、経常利益11億5,000万円、当期純利益8億円。地政学リスクや資源・エネルギー価格の変動など、経営環境の不透明さは継続する前提です。
| 項目(単独・百万円) | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 2027年3月期 会社予想 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 9,979 | 10,733 +7.6% |
10,239 △4.6% |
10,077 △1.6% |
10,140超 +0.6% |
11,000 |
| 営業利益 | 972 | 1,102 +13.4% |
918 △16.7% |
637 △30.6% |
966 +51.6% |
1,100 |
| 経常利益 | 1,028 | 1,177 +14.5% |
992 △15.7% |
720 △27.4% |
1,146 +59.2% |
1,150 |
| 当期純利益 | 672 | 835 +24.3% |
702 △15.9% |
504 △28.2% |
706 +40.1% |
800 |
| EPS(一株利益) | 56.3円 | 70.0円 | 58.8円 | 42.2円 | 59.1円 | ― |
| 配当(年間) | 20円 | 23円 | 24円 | 21円 | 21円 | ― |
| 自己資本比率 | ― | 73.4% | 76.0% | 76.6% | 75.0%以上 | ― |
| 有利子負債倍率 | ― | 0.09倍 | 0.07倍 | 0.05倍 | 0.04倍 | ― |
本ページに掲載している業績数値は、各社が公表する決算短信を一次情報として作成しています。 決算は単独決算(連結ではない)。 2026年3月期の数値は2026年5月1日発表の業績予想値と実績値の差異に関するお知らせおよび決算短信に基づきます。 数値は決算短信発表時点のものであり、将来的に修正される可能性があります。 業績予想は会社発表時点のものであり、実績と異なる場合があります。 正確な情報は各社公式IRサイトを必ずご確認ください。
業績のポイント
2026年3月期は経常利益+59.2%増の11億4,600万円と大幅増益で着地し、会社予想10億900万円を13.6%上回る上振れ決算となった。営業利益は+51.6%増、当期純利益は+40.1%増の見込み。前期比でV字回復を達成。セラミックス事業の業績好調(売上高+10.9%・セグメント利益+86.0%)が主要因で、電子部品業界向け需要の堅調が業績を牽引。2027年3月期会社予想は売上高110億円・経常利益11億5,000万円・当期純利益8億円と、収益拡大基調を継続。中期経営計画「CONNECT30」(2026年3月期~2031年3月期の6カ年)の初年度として好スタート。自己資本比率75%超・有利子負債倍率0.04倍の極めて強固な財務基盤が同社の特徴。MLCC関連株一斉急騰の地合いで、ファインセラミックス専業として連れ高物色対象となった。
中期経営計画「CONNECT30」(2026年3月期~2031年3月期の6カ年)
同社は2025年5月1日、2025年度(2026年3月期)から2030年度(2031年3月期)までの6カ年を対象期間とする中期経営計画「CONNECT30」を策定。3つの重点戦略「稼ぎ続ける力(製品戦略の見直し)」「新たな投資(戦略投資の拡大)」「持続的な成長(サステナブル経営の加速)」を掲げ、2031年3月期の数値目標達成を目指しています。
計画期間
- 2026年3月期から2031年3月期までの6年間
- 策定発表日:2025年5月1日
3つの重点戦略
- ① 稼ぎ続ける力=製品戦略の見直し
- ② 新たな投資=戦略投資の拡大
- ③ 持続的な成長=サステナブル経営の加速
数値目標(主たる2031年3月期の数値目標)
同社IR資料「中期経営計画『CONNECT30』の策定について」にて2031年3月期の数値目標が開示されている。詳細は公式IRサイトの開示資料をご確認ください。
サステナビリティ経営の強化
- 2022年4月に「サステナビリティ委員会」設置
- 常務取締役を委員長とし各部門長または選出された委員で構成
- 当社の持続的成長のための方針や目標およびその推進計画の策定・更新を行い、定期的に取締役会に報告や提言
- ESG/SDGsへの取り組み強化を経営の重要課題と位置付け
株主還元
- 2026年3月期年間配当:21円(前期同額)
- 2024年3月期は年間配当24円(過去最高)
強みと注目点
① ファインセラミックス専業の確立されたポジション
1942年設立の工業用セラミックス中堅メーカーで、ファインセラミックス専業として確立されたポジション。電子部品業界を中心とした客先基盤を持ち、高付加価値品に強み。長年蓄積した技術力・品質管理力が競争優位の源泉となっている。比較銘柄である品川リフラ、オハラ、ノリタケと並ぶセラミックス業界の中堅プレーヤー。
② 自己資本比率75%超の極めて強固な財務基盤
自己資本比率76.6%(2025年3月期末)、有利子負債倍率0.05倍(2025年3月期末、2025年12月期末は0.04倍)と極めて高い財務健全性。借入金等への依存度が極めて低く、内部留保による戦略投資・株主還元の余地が大きい。財務面の余裕が中期経営計画「CONNECT30」での戦略投資拡大を支えている。
③ 2026年3月期V字回復・上振れ着地
2026年3月期は経常利益+59.2%増・営業利益+51.6%増・当期純利益+40.1%増と前期比V字回復を達成。会社予想経常利益10億900万円を13.6%上振れて11億4,600万円で着地。セラミックス事業の売上高+10.9%・セグメント利益+86.0%増が主要因で、電子部品業界向け需要の堅調が業績を牽引した。
④ 中期経営計画「CONNECT30」による成長戦略
2025年5月策定の中期経営計画「CONNECT30」(2026年3月期~2031年3月期の6カ年)で、3つの重点戦略「稼ぎ続ける力(製品戦略の見直し)」「新たな投資(戦略投資の拡大)」「持続的な成長(サステナブル経営の加速)」を展開。2031年3月期の数値目標達成に向けた中長期成長戦略を明確化している。
⑤ ESG/SDGs取り組み強化(サステナビリティ委員会設置)
2022年4月に「サステナビリティ委員会」を設置し、常務取締役を委員長とする推進体制を構築。当社の持続的成長のための方針や目標およびその推進計画の策定・更新を行い、定期的に取締役会に報告や提言を行う体制。ESG投資の流入が見込まれる中、ESG経営強化が企業価値向上の重要要素となっている。
弱み・リスク要因
有価証券報告書、決算短信および中期経営計画資料から判明している同社の事業上の課題・リスクは以下のとおりです。
① 単独決算で事業規模限定
連結決算ではなく単独決算(非連結)で、売上高約100億円規模・時価総額約91億円の中小型株。グループ会社や海外子会社による事業拡大基盤が限定的で、事業規模の拡大ペースに制約がある。事業環境の急変等に対するバッファーが小型化学・電子部品メーカー一般と同様に限定的。
② 過去業績のボラティリティ
過去5期の営業利益は972百万円→1,102百万円→918百万円→637百万円→966百万円と大きく変動。2025年3月期は経常利益△27.4%減、第4四半期(25.01-03期)は前年同期比営業益△79%・経常益△74.5%・売上営業利益率9.8%→2.2%と急悪化した経緯がある。市況・顧客の在庫調整・原材料価格変動による業績変動リスクが構造的に存在。
③ 原材料価格高騰・エネルギー関連価格上昇リスク
同社が決算短信で言及しているとおり、原材料価格の高騰やエネルギー関連の価格上昇による製造コスト圧迫リスクが継続。2022年2月以降のウクライナ情勢などによる地政学リスクが資源・エネルギー価格に影響を与えており、業績への波及リスクが残存している。
④ 地政学リスク・ウクライナ情勢
2022年2月以降のウクライナ情勢を含む地政学リスクが、原材料・エネルギー価格変動を通じて業績に影響。中東情勢などの地政学リスクも引き続き経営環境の不透明要因として認識されている。2027年3月期会社予想でも「地政学リスクや資源・エネルギー価格の変動など、経営環境の不透明さは継続する前提」と明示されている。
⑤ 電子部品業界依存リスク
主要客先が電子部品業界中心であり、特定業界への依存度が比較的高い構造。電子部品業界の在庫調整局面では受注に直接影響が出る。2024年3月期・2025年3月期の減益局面では、電子部品業界の需要動向が業績ボラティリティの主因となった可能性。
⑥ 2027年3月期は売上減収予想
2027年3月期会社予想(売上高110億円)に対し、2026年3月期実績見込み(売上高101億円超)から+8.5%増の計画。一方、みんかぶ等の市場情報では「通期の売上高は前期比で減収予想」との情報もあり、市場と会社予想の認識に乖離がある可能性。今後の業績修正動向に注意が必要。
- 株式会社ニッカトー「中期経営計画『CONNECT30』の策定について」(2025年5月1日開示)
- 株式会社ニッカトー「2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(非連結)」(2026年5月1日開示)
- 株式会社ニッカトー「2025年3月期 決算短信〔日本基準〕(非連結)」(2025年5月1日開示)
- 株式会社ニッカトー「業績予想値と実績値との差異に関するお知らせ」(2026年5月1日開示)
- 株式会社ニッカトー「2025年3月期 有価証券報告書」
- 株式会社ニッカトー 公式IRサイト
本ページは投資情報の提供を目的としており、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。最終的な投資判断はご自身の責任において行ってください。

コメント