SUMCO 3436 東証P
事業内容
2026年7月31日の時価総額は約11,755億円。SUMCOは半導体用シリコンウェーハの専業大手であり、AI・データセンター向け先端ロジックとメモリーの需要、200mm以下ウェーハの在庫調整、為替、電力・原材料コスト、設備投資負担が株価変動の主な確認ポイントとなる。
会社の概要:SUMCOは1999年7月30日設立、本社は東京都港区芝浦、代表者は代表取締役社長の龍田次郎、決算期は12月、上場市場は東京証券取引所プライム市場。主要事業は半導体用シリコンウェーハの製造・販売で、2025年12月期の連結売上高は409,670百万円、連結従業員数は9,714名である。
直近決算の概要:2026年12月期第1四半期は売上高101,402百万円、営業損失5,273百万円、経常損失7,965百万円、親会社株主に帰属する四半期純損失8,469百万円。第2四半期累計会社予想は売上高213,400百万円、営業損失7,700百万円、経常損失14,400百万円、親会社株主に帰属する当期純損失15,400百万円で、先端300mmと200mm以下の需給差が業績の焦点となる。
高純度シリコン事業:単一セグメントの収益推移
同社の収益構造は、半導体デバイスメーカーの稼働率、顧客認定、長期供給契約、ウェーハ口径別の需給、円建てコストと外貨建て販売のバランスに強く影響される。
シリコンウェーハは半導体の基板であり、顧客が一度採用した材料を短期間で切り替えにくい。品質、平坦度、清浄度、結晶欠陥、金属汚染、ロット間均一性がデバイス歩留まりに直結するため、先端品では価格よりも品質と供給安定性が重視される。
2022年12月期は売上高441,083百万円、営業利益109,683百万円、営業利益率24.9%となり、直近5期のピークを形成した。300mmウェーハの需給がタイトで、価格、数量、稼働率が同時に利益を押し上げた局面である。
2023年12月期は売上高425,941百万円、営業利益73,080百万円、営業利益率17.2%となり、売上の減少以上に利益が落ち込んだ。半導体在庫調整の影響が始まり、高操業で吸収していた固定費の負担が見えやすくなった。
2024年12月期は売上高396,619百万円、営業利益36,924百万円、営業利益率9.3%まで低下した。投資キャッシュ・フローは247,876百万円の支出となり、300mmを中心とする能力増強投資がキャッシュ・フローに重く表れた。
2025年12月期は売上高が409,670百万円へ回復した一方、営業利益は1,342百万円にとどまった。売上の回復が利益回復に直結していないため、価格、製品ミックス、稼働率、減価償却費、エネルギー費の確認が必要となる。
2026年12月期第1四半期は営業損失となり、第2四半期累計会社予想も営業損失を見込む。短期では損益分岐点の高さが焦点であり、中期ではAI・データセンター向け先端品の回復が固定費吸収をどこまで進めるかが重要になる。
300mmポリッシュト・ウェーハ:先端ロジックとメモリーの中核製品
ポリッシュト・ウェーハは、単結晶インゴットをスライスし、表面を鏡面研磨した基礎製品である。SUMCOは平坦度と清浄度を重視したウェーハを提供し、電気特性を劣化させる重金属不純物を捕獲するゲッタリング能力を付加したウェーハも製造している。
300mmウェーハは、先端ロジック、DRAM、NAND、HPC、AIサーバー、データセンター関連の半導体に使われる。半導体メーカーは微細化と高集積化を進めるほど、ウェーハ側にも低欠陥、低パーティクル、高平坦度、面内均一性を求める。
SUMCOの成長戦略では、半導体用シリコンウェーハ市場について、短期的な変動はあるものの、中長期的にはデータ通信量の増加、生成AI技術、自動運転、DX、HEV・EVの普及に伴って拡大するとしている。
最先端ロジック半導体向けでは、公式サイト上で世界シェア50%以上のリーディングカンパニーとされている。AI・HPC向けの計算需要が続く場合、先端ロジック向け300mmの顧客認定と供給能力は、同社の中期的な利益回復シナリオの中心になる。
一方で、300mmでも顧客の在庫水準、前工程ファブの稼働率、メモリー市況、価格改定タイミングによって短期損益は大きく変動する。固定費の高い装置産業であるため、数量の減少は利益率を大きく押し下げる。
エピタキシャル、アニール、SOI、埋込層付ウェーハ:高付加価値領域
エピタキシャル・ウェーハは、ポリッシュト・ウェーハの表面に単結晶シリコン層を気相成長させ、品質を高める製品である。デバイスメーカーは用途ごとに膜厚、抵抗率、欠陥密度、表面清浄度を指定するため、製造ノウハウと顧客別対応力が競争力になる。
アニール・ウェーハは、高温熱処理でウェーハ表層を改質し、結晶完全性を高める製品である。先端デバイスでは、表面近傍の微細欠陥が歩留まりを左右するため、熱処理技術と評価技術の蓄積が重要となる。
SOIウェーハは、2枚のポリッシュト・ウェーハの間に酸化膜層を挟んで貼り合わせた構造で、高集積化、低消費電力化、高速化、高信頼性の実現に使われる。RF、センサー、パワー、特殊ロジックなど用途が広がる領域である。
埋込層付エピタキシャル・ウェーハは、顧客設計に合わせて露光、イオン注入、熱拡散技術を使い、あらかじめウェーハ表面にIC用の埋め込み層を形成する。標準品ではなく、設計段階から顧客とのすり合わせが必要な製品であり、顧客粘着性が高い。
高付加価値ウェーハは、単純な数量拡大だけでなく、顧客認定、品質保証、工程管理、歩留まり改善への貢献で差別化される。SUMCOが強調する開発パートナーとしてのファーストコール獲得は、この領域の収益性を維持するうえで重要である。
再生ウェーハ、200mm以下、車載・産業用:市況調整と構造改革の対象
再生ウェーハは、顧客が使用したウェーハのデバイス層を除去し、再加工して再利用可能にする製品である。量産ラインのモニター用、評価用、コスト低減用途で使われる。
200mm以下ウェーハは、アナログ、パワー、車載、産業機器、ディスクリート、センサーなど幅広い用途に使われる。先端ロジック向け300mmとは異なり、最終需要の裾野が広く、在庫循環や顧客別稼働率の差が出やすい。
2026年12月期第1四半期の開示では、300mmのAI・データセンター向け先端ロジックやメモリー需要が底堅い一方、200mm以下では市況に見合った生産体制の構築が課題となっている。
この領域は価格競争や稼働率低下の影響を受けやすい。高操業時には安定収益を支えるが、需給が緩む局面では固定費吸収が弱まり、全社利益率の押し下げ要因となる。
中期的には、HEV・EV、パワー半導体、アナログ、産業機器の需要回復が下支えとなる可能性がある。ただし、SUMCOの開示では足元の見通しに慎重さが残るため、200mm以下の稼働率、価格、在庫調整の終了時期を四半期ごとに確認する必要がある。
1.会社予想と実績
SUMCOは期首に通期予想を開示せず、翌四半期累計の予想を順次公表します。2021~2025年12月期は、第3四半期決算で初めて開示された通期会社予想と通期実績を比較しています。
| 指標 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 | ||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 予想 | 実績 | 達成率 | 予想 | 実績 | 達成率 | 予想 | 実績 | 達成率 | 予想 | 実績 | 達成率 | 予想 | 実績 | 達成率 | |
| 売上高 (百万円) | 332,900 | 335,674 | 100.8% | 439,100 | 441,083 | 100.5% | 421,800 | 425,941 | 101.0% | 393,600 | 396,619 | 100.8% | 404,400 | 409,670 | 101.3% |
| 営業利益 (百万円) | 50,500 | 51,543 | 102.1% | 108,400 | 109,683 | 101.2% | 68,300 | 73,080 | 107.0% | 34,900 | 36,924 | 105.8% | △4,200 | 1,342 | 232.0% |
| 経常利益 (百万円) | 47,600 | 51,107 | 107.4% | 110,400 | 111,339 | 100.9% | 68,900 | 72,627 | 105.4% | 33,000 | 37,457 | 113.5% | △10,900 | △3,886 | 164.3% |
| 親会社株主帰属純利益 (百万円) | 35,900 | 41,120 | 114.5% | 67,700 | 70,205 | 103.7% | 61,400 | 63,884 | 104.0% | 20,200 | 19,877 | 98.4% | △16,900 | △11,751 | 130.5% |
| EPS (円) | 118.61 | 135.86 | 114.5% | 193.34 | 200.49 | 103.7% | 175.60 | 182.59 | 104.0% | 57.93 | 56.84 | 98.1% | △48.33 | △33.60 | 130.5% |
2.達成・未達理由
300mm・小口径とも需要が供給を上回る状態が継続。先端品の高いプレゼンス、生産性向上、コスト低減が寄与し、特に純利益とEPSが会社予想を大きく上回りました。
第3四半期までは供給能力を上回る需要と高稼働が続き、価格・製品構成・生産性改善が利益を支えました。第4四半期に需給は均衡へ向かったものの、通期予想を小幅に超過しました。
顧客の生産調整でウェーハ需要は減少しましたが、先端品シェア維持とコスト競争力強化により第3四半期時点の予想を上回りました。純利益には負ののれん発生益も寄与しました。
AI用先端品の需要増と緩やかな数量回復で営業段階までは予想を上回りました。一方、200mm以下の構造改革に伴う特別損失などが最終利益を圧迫し、純利益とEPSは約2%の未達でした。
順調な生産活動とコスト改善により営業利益は赤字予想から黒字へ転換。想定より円安で推移した為替も加わり、経常損失・純損失は会社予想より大幅に縮小しました。
3.事業セグメントの自信度
報告セグメントは「高純度シリコン事業」の単一セグメントです。会社が継続的に説明する製品区分である300mmと200mm以下に分け、自信度の変化を整理しています。
300mmシリコンウェーハ
300mm半導体用シリコンウェーハ市場は、スマートフォンの5G化やテレワークの浸透等により通信量が増大した結果、データセンター向けの投資が活発化し、更に、EVの深耕、自動運転の普及、及び民生・産業向け需要の回復等により、需要に供給が追い付かない状況が継続しました。
全面的な需給逼迫を明示。増産投資も決定し、最も強い自信。
第3四半期まではロジック・メモリー向けともに供給能力を上回る需要が継続しました。しかしながら、第4四半期に入り、パソコン・スマホの需要が軟化したことで、全体の需給はバランスし始めました。
年央まで強気だったが、期末に需給の転換を認識。
300mmシリコンウェーハ需要は、顧客の生産調整の影響で年間を通じて減少しました。
年間を通じた数量減少を明言し、自信度は底。
300mmシリコンウェーハは、AI用半導体の生産量増加に伴い、ロジック・メモリ共に先端品向けで需要が増加しましたが、先端品以外の回復は鈍く、全体として緩やかな回復にとどまりました。
先端品は強いが、全体回復は緩やか。
300mmシリコンウェーハは、AI用半導体の増産に伴い、先端品は強い需要が持続しましたが、先端品以外は顧客の在庫調整の影響を受け緩やかな回復にとどまりました。
AI先端品への自信と非先端品への慎重姿勢が併存。
300mmシリコンウェーハは、AI・データセンター用の先端ロジックとメモリー向けの需要は好調に推移しましたが、ロジックの非先端品は顧客のウェーハ在庫適正化の動きが継続しました。
先端ロジック・メモリーは強気。全体では在庫調整が残る。
AI・データセンター向けの先端ロジック、DRAM、NANDには成長期待があります。一方、非先端ロジックの在庫適正化が全体回復を抑えています。
200mm以下シリコンウェーハ
200mm 以下の小口径ウェーハ市場につきましても、車載・民生・産業向け需要が急回復し、需要に供給が追い付かない状況が続きました。
広い用途で供給不足となり強気。
200mmウェーハ市場につきましては、車載・産業向けで堅調な需要が継続しましたが、150mm以下の小口径ウェーハにつきましては、年度後半から民生向けを中心に調整局面に入りました。
200mmは堅調だが、小口径で調整入り。
200mm以下につきましても、電気自動車(EV)分野が堅調でしたが、民生・産業向けが落ち込んだことで、需要の減少が続きました。
EV以外の落ち込みが広がり弱気。
200mm以下につきましては、年間を通じて低調な出荷が継続しました。
低迷が定着し、宮崎工場の生産終了を決定。
200mm以下につきましては、年間を通じて低調な出荷が継続しました。
回復が見られず、生産体制再編を継続。
200mm以下につきましては、最終製品需要の停滞が続いており、低調な出荷となりました。
一部持ち直しの兆しはあるが、全体判断は弱気。
最終需要の停滞が長期化しています。生産体制の再編と効率化が進むものの、数量回復より収益改善策への言及が中心です。
4.最新予想信頼度
第1四半期は売上高・各利益・EPSのすべてで会社予想を上回りました。最新の上期予想は、第2四半期に売上増と損失縮小を見込む内容です。
Q1予想達成率は赤字予想に補正式を使用。第1四半期の売上高は、最新上期予想に対して単純進捗率47.5%です。
達成できると判断する理由
- 第1四半期は売上高101,402百万円、営業損失5,273百万円となり、期初予想の売上高100,000百万円、営業損失6,000百万円を上回りました。
- 第2四半期単独で必要な営業損失は2,427百万円。第1四半期から2,846百万円の改善で上期予想に到達します。
- AI・データセンター向けの先端ロジックとDRAMが好調で、サーバーSSD拡大に伴うNAND需要も増える見通しです。
- 第2四半期は円安前提も利益を下支えしやすく、製造設備高度化とコスト改善の効果が見込まれます。
達成できないと判断する理由
- 第2四半期単独の売上高は111,998百万円が必要で、第1四半期比10.4%増を求められます。
- 非先端ロジックでは顧客の在庫適正化が続き、AI以外の民生・産業・自動車用途は伸び悩んでいます。
- 200mm以下は低調な需要環境が続き、生産体制再編の効果が需要減をどこまで吸収するか不透明です。
- 先端300mm増強投資に伴う高い減価償却負担が、数量回復局面でも利益改善を遅らせる可能性があります。
収益計上時期を見る際の注意点
会社は明確な期末偏重を説明しておらず、収益は出荷量、稼働率、製品構成、契約価格、為替、減価償却費に左右されます。最新予想は第1四半期実績を含む上期累計予想であり、売上高47.5%は季節性を調整しない単純進捗率です。
最終判断
上期予想は条件付きで達成可能性がやや高いと判断します。第1四半期が会社予想を上回り、先端300mmの需要も強いためです。ただし、第2四半期に売上高を前四半期比10%以上増やし、営業損失を半分以下へ縮小する必要があります。AI先端品の好調が続き、非先端品の在庫調整と200mm以下の低迷が悪化しないことが条件です。通期予想は未開示のため、通期達成可否は現時点で判定できません。
直近5年業績サマリー
| 業績項目 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 | 2026年12月期 2Q予想 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 335,674 | 441,083 +105,409 / +31.4% | 425,941 -15,142 / -3.4% | 396,619 -29,322 / -6.9% | 409,670 +13,051 / +3.3% | 213,400 2Q累計会社予想 |
| 営業損益 | 51,543 | 109,683 +58,140 / +112.8% | 73,080 -36,603 / -33.4% | 36,924 -36,156 / -49.5% | 1,342 -35,582 / -96.4% | -7,700 2Q累計会社予想 |
| 経常損益 | 51,107 | 111,339 +60,232 / +117.9% | 72,627 -38,712 / -34.8% | 37,457 -35,170 / -48.4% | -3,886 -41,343 / -110.4% | -14,400 2Q累計会社予想 |
| 当期純利益 | 41,120 | 70,205 +29,085 / +70.7% | 63,884 -6,321 / -9.0% | 19,877 -44,007 / -68.9% | -11,751 -31,628 / -159.1% | -15,400 2Q累計会社予想 |
| EPS | 117.58円 | 200.75円 +83.17円 / +70.7% | 182.68円 -18.07円 / -9.0% | 56.84円 -125.84円 / -68.9% | -33.60円 -90.44円 / -159.1% | -44.04円 2Q累計会社予想 |
| PER | 20.0倍 | 8.8倍 | 11.6倍 | 20.8倍 | – | – |
| PBR | 1.73倍 | 1.15倍 | 1.29倍 | 0.70倍 | 0.87倍 | – |
| BPS | 1,361.54円 | 1,525.68円 +164.15円 / +12.1% | 1,636.07円 +110.39円 / +7.2% | 1,693.14円 +57.07円 / +3.5% | 1,653.87円 -39.28円 / -2.3% | – |
| 純資産 | 522,842 | 591,484 +68,642 / +13.1% | 635,527 +44,043 / +7.4% | 657,236 +21,709 / +3.4% | 647,785 -9,451 / -1.4% | – |
| 営業CF | 104,708 | 179,462 +74,754 / +71.4% | 96,342 -83,120 / -46.3% | 69,627 -26,715 / -27.7% | 100,040 +30,413 / +43.7% | – |
| 投資CF | -67,337 | -126,351 -59,014 / -87.6% | -247,677 -121,326 / -96.0% | -247,876 -199 / -0.1% | -111,447 +136,429 / +55.0% | – |
| 財務CF | 99,099 | -23,153 -122,252 / -123.4% | 43,456 +66,609 / +287.7% | 112,294 +68,838 / +158.4% | -8,729 -121,023 / -107.8% | – |
| 現金及び現金同等物 | 224,673 | 259,305 +34,632 / +15.4% | 156,353 -102,952 / -39.7% | 95,671 -60,682 / -38.8% | 75,296 -20,375 / -21.3% | – |
単位:百万円。EPS・BPSは円、PER・PBRは倍。EPS、BPS、PER、PBRは2026年12月期第1四半期末の自己株式控除後株式数349,713,221株で再計算。PER・PBR計算に使う期末株価はユーザー提供値を採用。2026年12月期予想列は第2四半期累計会社予想。
中期経営計画
独立した中期経営計画資料は確認対象資料内で未確認。公式成長戦略と会社予想を中心に評価
対象資料では、期間と数値目標を明示した独立の中期経営計画資料は確認できない。代替して、公式サイトの成長戦略、2026年12月期第1四半期決算短信、会社予想を確認対象とする。
基本方針は、SUMCOビジョンに基づき、技術で世界一、景気下降局面でも安定して収益をあげる会社、利益マインドの高い組織、海外市場に強い会社を目指すこと。先端品の高シェア維持、AIを活用した生産性向上、コスト競争力強化、需要変化に応じた経営資源の最適化が中心である。
事業戦略では、主力の300mmウェーハについて、AIの急激な伸長に関連する需要に対応するための技術開発と高度化投資に注力する。最先端ロジック向けでは高い市場地位を保ち、最先端メモリー向け300mmシリコンウェーハ、パワー・アナログ半導体向けの結晶開発も重視する。
数値面では、2026年12月期第2四半期累計会社予想として、売上高213,400百万円、営業損失7,700百万円、経常損失14,400百万円、親会社株主に帰属する当期純損失15,400百万円を開示している。短期では損失幅と稼働率、中期では300mm先端品の需要回復と200mm以下の適正生産体制が焦点となる。
IR情報へ競合他社
時価総額は約12.23兆円、株価は2026年7月31日時点で5,800円前後。塩化ビニル樹脂、シリコーン、電子材料、機能材料などを持つ総合化学企業であり、SUMCOと直接競合する領域は電子材料事業の半導体シリコンウェーハである。
製品面では、ラップドウエハー、ポリッシュドウエハー、拡散ウエハー、エピタキシャルウエハー、SOIウエハー、アニールウエハーを展開する。300mm先端ロジック、300mmメモリー、200mmアナログ・車載、SOI、高品質エピタキシャルの各領域でSUMCOと競合する。
2027年3月期第1四半期は、連結売上高6,624億円、営業利益1,738億円、経常利益1,921億円、親会社株主に帰属する四半期純利益1,308億円。電子材料事業は売上高2,792億円、営業利益1,019億円で、全社利益への貢献度が高い。
競争上の焦点は、先端品の顧客認定、長期供給契約、品質保証、材料横断の提案力である。信越化学工業は総合化学企業として複数の前工程材料を持つ一方、SUMCOはシリコンウェーハ専業として結晶育成、加工、表面処理に経営資源を集中している。
時価総額は約2.45兆円、株価は直近確認値で1,480台湾ドル。台湾上場のシリコンウェーハ大手であり、300mm、200mm、SOI、エピタキシャルなどの製品でSUMCOと競合する。
同社は米国、欧州、アジアに研究開発・製造拠点を持ち、主要半導体顧客へのグローバル供給体制を構築している。米国では300mmウェーハ施設やSOI関連の取り組みを進め、顧客の地域分散とサプライチェーン強靭化需要に対応する。
2026年第1四半期は、連結売上高139.8億台湾ドル、粗利益29.1億台湾ドル、営業利益14.8億台湾ドル、純利益19.0億台湾ドル、EPS3.97台湾ドル。売上高は前年同期比で減少したが、AI・HPC需要の回復、12インチ稼働の底堅さ、8インチ需要改善が開示されている。
SUMCOとの競争では、300mm先端品、8インチ・6インチ、SOI、車載・アナログ・パワー半導体向けが重なる。地政学的な供給分散、米国現地生産、顧客認定の進展は、GlobalWafersの競争力を左右する。
時価総額は約0.46兆円、株価は2026年7月31日時点で79.25ユーロ前後。ドイツのシリコンウェーハメーカーであり、アジア、欧州、米国に拠点を持つ。
Siltronicは300mm、200mm、特殊ウェーハでSUMCOと競合する。ロジック、メモリー、アナログ、パワー、車載・産業用向けの基板需要を取り込み、顧客認定と長期供給の獲得を競う。
2026年第1四半期は売上高306.5百万ユーロ、EBITDA65.1百万ユーロ、EBITDAマージン21.2%、EBITは52.4百万ユーロの損失、純損失は66.8百万ユーロ。2026年見通しでは、売上高の前年割れとEBITDAマージン20から24%が示されている。
同社との比較では、欧州顧客との関係、シンガポールなどの生産拠点、300mm新設備の立ち上がり、減価償却費負担が重要となる。SUMCOも大型投資後の固定費吸収が課題であり、両社とも市況回復局面での稼働率改善が利益回復の条件となる。
出典
- 株式会社SUMCO 会社概要
- 株式会社SUMCO シリコンウェーハ製品一覧
- 株式会社SUMCO 成長戦略
- 株式会社SUMCO IRライブラリ
- 信越化学工業 シリコンウエハー
- GlobalWafers Reports Q1 2026 Results
- Siltronic Reports and presentations
- 日本取引所グループ 2023年12月 月間相場表
本記事は公開情報および会社開示資料に基づく情報提供を目的としたものであり、特定の有価証券の売買を推奨するものではありません。掲載情報の正確性・完全性を保証するものではなく、投資判断は自己責任で行ってください。

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