アーキテクツ・スタジオ・ジャパン 6085 東証グロース
建築家ネットワークサービス会社 ─ 全国の建築家を登録・ネットワーク化、登録建築家約3,000人、建設会社をフランチャイズ化して住宅・商業施設を建築・リフォーム
2026年5月27日(本日)の値動きと材料
終値 423円(-100円・-19.12%)張り付きストップ安本日は寄り付きから売り気配で始まり、ストップ安水準423円に張り付く展開となった。
重要な注意事項:財務体質悪化・自己資本毀損
同社の2026年2月期連結業績では、自己資本比率が△54.2%まで低下しており、債務超過状態にあることを示唆しています。5期連続営業赤字、子会社売却・事業再構築による財務体質悪化、累積損失の拡大により、企業継続性に対する財務面の懸念が顕在化している段階です。投資判断にあたっては、最新の四半期決算短信・有価証券報告書を必ず確認し、財務状況のリスクを十分に認識する必要があります。
事業内容 ─ 施主と建築家・建設会社を仲介する独自プラットフォーム
株式会社アーキテクツ・スタジオ・ジャパン(ASJ:ARCHITECTS STUDIO JAPAN INC.)は、建築家ネットワークサービスを手掛ける東証グロース上場企業。決算期は2月末日(決算期変更により2026年2月期から2月決算に移行)。当社グループの手掛けるASJ建築家ネットワーク事業は、全国の建築家を登録・ネットワーク化するとともに、建設会社をフランチャイズ化して、登録建築家と加盟建設会社及びパートナー建設会社とを結びつけ、両者の協力のもとでプラットホームを構築し、顧客が望む住宅・商業施設等を供給する事業。登録建築家は約3,000人。当連結会計年度(2026年2月期)より、従来の単一セグメントから「住まい関連事業」「暮らし関連事業」「投資関連事業」の3つの報告セグメントに変更している。中期経営計画に沿った事業展開を進めているが、2026年2月期は売上高6.58億円(前期比-26.6%)、営業損失5.59億円、当期純損失6.00億円と業績悪化。子会社売却や事業再構築により財務体質が悪化し、自己資本比率は△54.2%まで低下した。今後は建築家ネットワークを活かした事業展開と環境関連事業の強化により業績回復を目指す方針が示されている。2027年2月期予想(暫定情報による)も赤字継続見通しと、業績再建の途上にある。
主要事業セグメント
住まい関連事業(主力・ASJ建築家ネットワーク事業)
全国の建築家を登録・ネットワーク化、建設会社をフランチャイズ化して、登録建築家と加盟建設会社・パートナー建設会社とを結びつけるプラットフォーム事業。顧客が望むオリジナル仕様の住宅・商業施設を建築・リフォーム。スタジオは登録建築家・加盟建設会社と住宅等建築希望顧客(ASJアカデミー会員)との相談・打合せスペースとして機能し、登録建築家との個別相談や各種セミナー等の開催にも利用される情報サロン。各スタジオは1エリア20万~30万世帯の営業エリア内で集客イベントを開催する。事業の質的向上と量的拡大(スタジオ加盟数の増加)を重要課題として位置付けている。
暮らし関連事業(新規・事業多様化戦略)
「住まい」から派生する「暮らし」に関連する事業を事業多様化戦略の下に展開する新規事業セグメント。取扱いジャンルは「衣+食+住+遊+健康」をテーマにしたものとし、中期経営計画における成長因子となる重点事業として展開。当社顧客及び潜在的顧客であるASJアカデミー会員を対象として事業を開始し、その後、一般顧客まで対象を拡げる計画。家具・インテリア関連商品の販売等が含まれる。
投資関連事業(新規・ALINプロジェクト等)
2026年2月期より新設された新規セグメント。「ALINプロジェクト」の売上、ESJ株式会社からの収益等を計上。事業多様化戦略の一環として、住まい・暮らし以外の収益源の構築を進めている。新規セグメントのため事業内容の詳細・規模については公開情報からの確認は限定的。
建築家ネットワーク ─ スタジオ・コンシェルジュデスク等
事業の構成要素として、登録建築家、加盟建設会社、スタジオ、コンシェルジュデスクから成る。設計監理業務・建設工事請負支援、建築家によるプラン提案、名作住宅の再利用「PROTO BANK STATION」等のサービスを提供。一般に独立してアトリエ(設計事務所)を構える建築家の活動範囲は周辺地域に限定される傾向にあるが、ASJ建築家ネットワーク事業では建築家の活動範囲を全国へと大きく広げることが可能となっている。
環境関連事業(業績回復策の一つ)
同社は2026年2月期決算において、今後の業績回復策として「建築家ネットワークを活かした事業展開」と並んで「環境関連事業の強化」を掲げている。具体的な事業内容・規模については公開情報からの確認は限定的だが、住宅・建築分野での環境配慮型サービス(省エネ住宅、リノベーション、ストック活用等)が想定される。
直近5年の業績サマリー
2026年2月期連結業績は売上高6.58億円(前期比-26.6%)、営業損失5.59億円(前期△0.96億円から赤字大幅拡大)、当期純損失6.00億円と業績が大幅に悪化。子会社売却や事業再構築の影響で財務体質が悪化し、自己資本比率は△54.2%まで低下、債務超過状態を示唆する水準となった。過去12四半期は業績が悪化傾向で、純利益率のマイナスが前年同期比で拡大し、有利子負債も増加傾向にあるなど、財務面の安定性が著しく低下している。直近5年は売上高3億~9億円程度の小規模で推移し、営業損益は5期連続赤字。2025年3月期に売上+51.5%・赤字縮小(営業損失△0.96億円)と回復基調を示したが、2026年2月期で再び赤字拡大となった。決算期変更(3月期→2月期)の影響もあり、業績の単純比較は困難。2027年2月期予想(暫定情報による)も赤字継続見通しと、業績再建の道筋が見えにくい状況。PBR-29.31倍は債務超過もしくは資本毀損を示唆する水準。
| 項目(連結・百万円) | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年2月期 | 2027年2月期 会社予想 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 737 | 553 △25.0% |
592 +7.1% |
897 +51.5% |
658 △26.6% |
695 |
| 営業損益 | △260 | △349 赤字拡大 |
△216 赤字縮小 |
△96 赤字縮小 |
△559 赤字拡大 |
△510 |
| 経常損益 | △318 | △352 赤字拡大 |
△236 赤字縮小 |
△92 赤字縮小 |
△550 赤字拡大 |
△495 |
| 当期純損益 | △348 | △427 赤字拡大 |
△361 赤字縮小 |
△79 赤字縮小 |
△600 赤字拡大 |
△615 |
| EPS(一株利益) | △166.50円 | △174.50円 | △147.05円 | △8.83円 | △53.18円 | △53.54円 |
| 決算発表時株価 (参考) |
21円 | 16円 | 17円 | 22円 | 570円 | ― |
| 実績PER | -0.13倍 | -0.09倍 | -0.12倍 | -2.55倍 | -10.72倍 | ― |
| 予想PER | ― | ― | ― | ― | ― | -10.65倍 |
| PBR | 0.09倍 | 0.24倍 | 0.83倍 | 2.29倍 | -29.31倍 | ― |
| PSR | 0.06倍 | 0.07倍 | 0.07倍 | 0.23倍 | 9.78倍 | ― |
| 自己資本比率 | ― | ― | ― | ― | △54.2% | ― |
本ページに掲載している業績数値は、各社が公表する決算短信を一次情報として作成しています。 数値は決算短信発表時点のものであり、将来的に修正される可能性があります。 業績予想は会社発表時点のものであり、実績と異なる場合があります。 PER・PBR・PSRは決算発表日の終値で算出した参考値です。 正確な情報は各社公式IRサイトを必ずご確認ください。 ※2026年2月期は決算期変更(3月期→2月期)に伴う変則決算です。 ※自己資本比率がマイナスとなっていることは、債務超過状態を示唆します。
業績のポイント
2026年2月期は売上高6.58億円(-26.6%)、営業損失5.59億円(前期△0.96億円から赤字大幅拡大)、当期純損失6.00億円(前期△0.79億円から赤字拡大)と業績悪化。自己資本比率△54.2%まで低下し、債務超過状態を示唆。子会社売却や事業再構築により財務体質が悪化したことが主因。過去12四半期は業績悪化傾向で、有利子負債は増加傾向。2025年3月期に売上+51.5%・赤字縮小と回復基調を示したが、2026年2月期で再び赤字拡大となった。2027年2月期会社予想も売上高6.95億円・営業損失5.10億円・当期純損失6.15億円と赤字継続見通し。PBR-29.31倍は債務超過もしくは資本毀損を示唆する水準。本日(2026年5月27日)の張り付きストップ安は、決算後の財務悪化懸念と短期需給の不安定さを背景とした売り圧力と考えられる。
経営方針・中期経営計画
同社は中期経営計画に沿った事業展開を進めており、当連結会計年度中間期(2026年2月期)より中期経営計画に沿った事業セグメント体制(3セグメント)に変更している。具体的な数値目標を伴う中期経営計画の詳細は公開情報上明確には確認できなかったが、3つの事業セグメント(住まい・暮らし・投資関連)による事業多様化と既存事業の質的向上・量的拡大を基本方針としている。2026年2月期決算では、今後の業績回復策として「建築家ネットワークを活かした事業展開」と「環境関連事業の強化」が示されている。ただし、自己資本比率△54.2%という財務状況のもと、計画通りの業績回復を実現できるかは大きな課題。
中期経営計画の基本方針
- 既存事業を「住まい」関連事業に昇華させ、建築家ネットワーク事業の質的向上と量的拡大を目指す
- 事業多様化戦略の下、「暮らし」関連事業を新規展開
- 「投資関連事業」セグメントの新設による事業ポートフォリオ多様化
- 2026年2月期決算では今後の業績回復策として「建築家ネットワークを活かした事業展開」と「環境関連事業の強化」を提示
事業別重点戦略
- 1-1 ネットワーク事業:スタジオ加盟数の増加を重要課題として取り組み
- 1-2 プロデュース事業:新規サテライト開設とプロデュース案件数の増加を目指す
- 1-3 リノベーション事業:中長期的に市場拡大が予想される市場への本格参入
- 2 暮らし関連事業:「衣+食+住+遊+健康」テーマで成長因子として展開
- 3 環境関連事業:今後の事業強化領域
2027年2月期業績予想(赤字継続見通し)
- 売上高:6.95億円(前期6.58億円から+5.5%)
- 営業損失:△5.10億円(前期△5.59億円から赤字幅は若干縮小)
- 経常損失:△4.95億円
- 当期純損失:△6.15億円(前期△6.00億円から赤字幅やや拡大)
- EPS:△53.54円
強みと注目点
① 全国の建築家を組織化した独自ネットワーク
全国の登録建築家約3,000人をネットワーク化した独自プラットフォーム。一般に独立してアトリエを構える建築家の活動範囲は周辺地域に限定される傾向にあるが、同社のネットワーク事業では建築家の活動範囲を全国へと大きく広げることが可能。設計事務所と建設会社・施主を結びつける独自の仲介モデルが事業の強み。
② フランチャイズ化された加盟建設会社網
建設会社をフランチャイズ化し、ASJスタジオ運営契約に規定された営業エリア(原則1エリア20万~30万世帯)にスタジオを開設する独自モデル。加盟建設会社はスタジオ運営と集客イベント開催を通じて顧客との接点を確保。建築家・建設会社・施主の三者を結ぶ独自のビジネスモデルが新規参入者に対する一定の参入障壁を形成。
③ 事業多様化戦略の進展(3セグメント体制)
2026年2月期より「住まい関連事業」「暮らし関連事業」「投資関連事業」の3つの報告セグメントに変更。事業多様化戦略により、従来の単一セグメント依存から脱却を進めている。「衣+食+住+遊+健康」をテーマとした「暮らし」関連事業の新規展開、「ALINプロジェクト」等の投資関連事業立ち上げにより、収益源の多角化を進める。
④ リノベーション・環境関連市場への参入機会
リノベーション事業は中長期的に市場拡大が予想される領域への本格的な参入を目指している。日本の住宅ストック活用ニーズの高まりを背景に、新築だけでなくリフォーム・リノベーションへのシフトという長期トレンドを取り込むポジショニング。2026年2月期決算では「環境関連事業の強化」も今後の業績回復策として掲げられており、同社の建築家ネットワークの強みを活用できる潜在性がある。
⑤ 注文住宅のオリジナル仕様という差別化
大手ハウスメーカーの規格型住宅・建売住宅と差別化された「顧客オリジナル仕様の住宅」を提供できる事業モデル。建築家による独自プラン提案、名作住宅の再利用「PROTO BANK STATION」等、デザイン性・独自性を求める顧客層への訴求力を持つ。住宅着工件数減少局面でも、高付加価値領域でのニッチポジションを確保できる可能性。
弱み・リスク要因
有価証券報告書・決算短信および公開情報から判明している同社の事業上の課題・リスクは以下のとおりです。
① 自己資本比率△54.2%・債務超過状態の懸念
2026年2月期連結業績において、自己資本比率は△54.2%まで低下しており、債務超過状態を示唆している。子会社売却や事業再構築により財務体質が著しく悪化し、有利子負債は増加傾向。企業継続性に対する財務面の懸念が顕在化している段階で、上場維持基準・財務制限条項への抵触リスクも含めた継続的なモニタリングが必要な状況。投資判断にあたっては、財務状況のリスクを十分に認識する必要がある。
② 5期連続営業赤字・業績悪化傾向
2022年3月期から2026年2月期まで5期連続で営業赤字を計上(△260→△349→△216→△96→△559百万円)。過去12四半期は業績悪化傾向で、純利益率のマイナスが前年同期比で拡大している。2025年3月期に売上+51.5%・赤字縮小と回復基調を示したものの、2026年2月期で再び大幅赤字拡大となり、事業構造の根本的な転換が求められる局面。
③ 2027年2月期も赤字継続見通し
2027年2月期会社予想は売上高6.95億円・営業損失5.10億円・経常損失4.95億円・当期純損失6.15億円と赤字継続見通し。営業損失は前期△5.59億円から微減にとどまり、当期純損失はむしろ△6.15億円と若干拡大予想。事業多様化戦略の収益化までには時間を要する見通しで、業績再建の道筋が見えにくい状況。財務悪化局面での赤字継続は資本毀損を一段と進める要因となる。
④ 過去の工事完成保証損失・引当金繰入の計上
過去のIR適時開示資料には「工事完成保証損失引当金繰入額及び貸倒引当金繰入額の計上」「通期業績予想の修正」等の不利な開示が複数回出ている。工事完成保証関連の引当金計上は、住まい関連事業の継続的な収益リスクを示唆。建設業界特有の長期工期・顧客信用リスクが業績の不安定要因となっている。
⑤ 第三者割当による新株式・新株予約権発行による希薄化
過去のIR開示には「第三者割当による新株式、第4回新株予約権の発行に係る払込完了に関するお知らせ」等の資本性資金調達の事例が複数回ある。継続的な赤字状態と債務超過状態の下、財務基盤強化のための追加的な資本性調達による既存株主の持分希薄化リスクが継続している。資本注入が不可避な財務状況にある一方、希薄化との両立は経営上の難問。
⑥ 住宅着工件数減少・建設費高騰の業界環境
日本の住宅着工件数は人口減少・少子高齢化を背景に長期的な縮小トレンド。建設費高騰は単価上昇要因となる一方、顧客の購買意欲を抑制する要因にもなる。同社の主力業態である建築家ネットワーク事業は、高単価のオリジナル住宅を取り扱うため、建設費高騰の影響をより強く受ける構造。業界環境の悪化が継続的な収益圧迫要因。
⑦ 高ボラティリティ・短期需給の不安定さ
同社株は近時、ストップ高とストップ安を繰り返す高ボラティリティ局面にあり、短期需給による株価変動が極めて大きい。10分割前は2,800円台で取引されていたが、その後急騰急落を繰り返しており、信用取引による追証リスクも顕在化している(掲示板情報による)。本日(2026年5月27日)の張り付きストップ安は、業績悪化と財務悪化を背景とした売り圧力に加え、短期需給の不安定さが拡張された動き。東証グロース上場の中小規模銘柄として、需給要因による株価変動を受けやすい構造リスクが集中している。
- 株式会社アーキテクツ・スタジオ・ジャパン コーポレートサイト
- 株式会社アーキテクツ・スタジオ・ジャパン IRライブラリ
- 株式会社アーキテクツ・スタジオ・ジャパン 決算短信
- 株式会社アーキテクツ・スタジオ・ジャパン「2026年2月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」
- 株式会社アーキテクツ・スタジオ・ジャパン「中期経営計画」
- 株式会社アーキテクツ・スタジオ・ジャパン「有価証券報告書」
本ページは投資情報の提供を目的としており、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。最終的な投資判断はご自身の責任において行ってください。本銘柄は債務超過状態にあることが示唆されており、財務リスクが極めて高い水準にあります。投資判断には特に慎重な検討を要します。

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