カーブスホールディングス 7085 東証P
CURVES HOLDINGS Co., Ltd.|女性専用・予約不要・1回30分の健康フィットネス「カーブス」をFC中心に展開。会員向け物販、メンズ・カーブス、からだ動き回復センター、オンライン、海外FCを成長領域とする。
※2026年7月17日時点の情報
事業内容
2026年7月17日の時価総額は約882億円。終値は940円、発行済株式総数は93,857,493株。
カーブスホールディングスは2008年10月設立、本社は東京都港区芝浦三丁目9番1号、代表者は代表取締役社長兼グループCEOの増本岳氏。決算期は8月、東京証券取引所プライム市場に上場する。日本FC本部、グループ直営店、世界FC本部、欧州FC本部を子会社に持ち、カーブス事業を単一の報告セグメントとしている。
2026年8月期第3四半期累計は売上高31,570百万円、営業利益6,150百万円、経常利益6,006百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益3,819百万円。通期予想は売上高42,300百万円、営業利益7,700百万円、経常利益7,570百万円、親会社株主に帰属する当期純利益4,850百万円で、売上高・各利益とも増加を計画する。
カーブスホールディングスは2008年10月設立、本社は東京都港区芝浦三丁目9番1号、代表者は代表取締役社長兼グループCEOの増本岳氏。決算期は8月、東京証券取引所プライム市場に上場する。日本FC本部、グループ直営店、世界FC本部、欧州FC本部を子会社に持ち、カーブス事業を単一の報告セグメントとしている。
2026年8月期第3四半期累計は売上高31,570百万円、営業利益6,150百万円、経常利益6,006百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益3,819百万円。通期予想は売上高42,300百万円、営業利益7,700百万円、経常利益7,570百万円、親会社株主に帰属する当期純利益4,850百万円で、売上高・各利益とも増加を計画する。
女性だけの30分健康フィットネス「カーブス」
カーブス事業は単一の報告セグメント。連結売上高は2021年8月期の24,681百万円から2025年8月期の37,566百万円へ52.2%増加し、営業利益は1,622百万円から6,342百万円へ約3.9倍に拡大した。営業利益率は6.6%から16.9%へ上昇している。
カーブス事業 業績推移(単位:百万円)
黄色は連結売上高、赤は営業利益。カーブス事業は単一セグメントのため、連結業績を使用。利益率は営業利益を売上高で除して算出。
主な対象は運動習慣のない女性や中高年層である。一般的な大型スポーツクラブの豊富な設備ではなく、短時間、生活圏内、女性専用、コーチの声掛けによって、運動開始と継続の心理的障壁を下げている。
予約が不要で、着替えや長時間の滞在を前提としない。買い物や家事の前後に通える利便性を持ち、駅前だけでなく住宅地や商業施設など日常生活に近い立地で店舗網を形成する。
コーチはマシンの使用方法だけでなく、運動目標の確認、成果のフィードバック、来店の動機付けを行う。設備を利用者へ開放するだけの無人型ジムとは異なり、人的な継続支援をサービスの中心に置く。
店舗内のコミュニティも継続率を支える。会員同士やコーチとの関係が形成されることで、運動を単独の作業ではなく、定期的な生活習慣へ変える仕組みとなる。
2026年8月期第3四半期時点で、女性向けカーブスの会員数は約89万人、店舗数は2,005店。国内フィットネス業界で大規模な会員・店舗基盤を持つ。
2025年8月期の国内女性向けカーブスのチェーン売上高は856.0億円。会費・入会金売上は626.4億円、会員向け物販売上は229.5億円となり、会費と商品購入の双方が加盟店経営を支えている。
研究機関や大学との共同研究を通じ、筋力、体力、認知機能、生活習慣などの領域で運動効果の検証を進めている。運動初心者や高齢者へ安全性と有効性を説明するうえで、科学的根拠はブランドの信頼性を支える。
フランチャイズ本部・グループ直営店運営
国内女性向けカーブス2,005店の大半はフランチャイズ店舗。本部はロイヤルティ、加盟関連収入、店舗向け機器・商品の販売を得る。小型店舗と標準運営を組み合わせ、直営中心の大型スポーツクラブより資本負担を抑えて全国展開できる。
日本のフランチャイズ本部はカーブスジャパンが担い、加盟企業へブランド、運動プログラム、店舗運営、販売促進、採用、教育、IT、商品を提供する。グループ直営店はハイ・スタンダードが運営する。直営店は収益獲得に加え、新しいサービス、商品、接客方法、会員募集施策を検証する役割を持つ。検証結果をFCへ展開できれば、チェーン全体の運営品質を引き上げられる。
フランチャイズ方式では、出店投資、賃料、人件費の多くを加盟企業が負担する。本部は店舗数、会員数、チェーン売上の拡大に応じてロイヤルティや商品販売を積み上げられるため、直営店中心のモデルより資本効率を高めやすい。
一方、本部の成長には加盟店の採算が不可欠となる。会員獲得費、コーチ人件費、賃料、改装費、商品在庫を含め、加盟店が十分な投資回収を得られなければ、新規出店や既存店への追加投資が鈍化する。
全国で7,000人を超えるインストラクターを対象に教育を実施している。サービスが人に依存するため、店舗数の増加と同時に採用、研修、評価、定着の仕組みを拡張する必要がある。
中期ビジョンでは、女性向けカーブスについて年間20店から30店程度の新規出店を進め、2030年に2,100店、会員105万人を目指す。店舗数の急拡大より、既存店の会員数、客単価、継続率を高める方針が中心となる。
会員向け物販・プロテイン・健康関連商品
2026年8月期第3四半期累計の会員向け物販売上は19,454百万円で、連結売上高の61.6%を占める。会費・ロイヤルティに加え、プロテインなどの継続購入が連結売上高と利益の大きな柱となっている。
店舗会員へプロテインを中心とする健康食品、美容・健康関連商品を販売する。運動目的、体力、栄養状態、生活習慣を把握するコーチが、運動と食生活を組み合わせて提案する。商品販売は一般小売店やECで不特定多数へ販売する方式ではなく、継続的に来店する会員基盤を活用する。店舗とコーチが販売チャネルとなるため、広告だけに依存せず商品説明と継続支援を行える。
プロテインなど定期的に消費する商品は、購入者数と継続率が積み上がれば反復収益となる。会員数の拡大だけでなく、商品購入率、購入単価、継続月数が連結売上高を左右する。
運動サービスと商品を一体化することで、会員当たり売上を高められる。FC本部にとっては加盟店向けの商品供給収入となり、加盟店にとっては会費以外の収益源となる。
2025年8月期の国内女性向けカーブスにおける会員向け物販売上は229.5億円で、前期比4.0%増加した。会費・入会金売上の6.3%増に比べると伸び率は低いが、引き続きチェーン売上の重要な構成要素である。
物販比率の高さは強みである一方、特定商品への需要、原材料価格、製造委託先、物流、在庫、品質管理の影響を受ける。会員数が増えても商品購入率が低下すれば、連結売上高の伸びが鈍化する可能性がある。
メンズ・カーブス/からだ動き回復センター「ピント・アップ」
2026年8月期第3四半期時点でメンズ・カーブスは37店、ピント・アップは47店。女性向けカーブスで培った小型店舗、短時間プログラム、コーチ支援、FC運営を男性市場と身体機能回復市場へ展開する。
メンズ・カーブスは男性向けの短時間運動施設である。従来の女性専用カーブスでは獲得できなかった男性の運動初心者、中高年、健康診断後の生活改善需要を対象とする。既存のカーブスと同様に、短時間、生活圏、小型店舗、コーチによる支援を基本とする。大型ジムや本格的な筋力トレーニング施設ではなく、運動習慣を持たない男性が継続しやすい業態を目指す。
2025年8月期末のメンズ・カーブスは25店だったが、2026年8月期第3四半期には37店へ増加した。新規出店の拡大と同時に、店舗当たり会員数、損益分岐点、退会率を検証する段階にある。
中期ビジョンでは2030年に180店、会員7.7万人、2035年には380店から500店、会員17.1万人から22.5万人を掲げる。現在の店舗数から大幅な拡大を計画しており、FCオーナーの確保と標準収益モデルの確立が前提となる。
ピント・アップは、肩、腰、膝など身体の動きに不安を持つ層を対象とする「からだ動き回復センター」である。通常のフィットネスより、日常動作の改善、フレイル予防、健康寿命の延伸へ重点を置く。
既存カーブス会員の加齢に伴う身体課題、医療機関や自治体からの紹介、介護予防事業との連携余地がある。運動能力向上だけでなく、歩行、立ち上がり、肩や膝の動作など、生活上の成果を明確に示す必要がある。
中期ビジョンではピント・アップを2030年に380店、会員9.5万人、2035年に700店から800店、会員18.9万人から21.6万人へ拡大する。メンズ・カーブス以上に急速な出店計画であり、人材育成とサービス品質の再現性が重要となる。
オンラインフィットネス・海外フランチャイズ
「おうちでカーブスWプラン」は店舗と自宅を組み合わせて運動継続を支援する。海外では世界FC本部と欧州FC本部を保有し、2025年8月期末の欧州カーブスは124店。国内で確立した小型FCモデルの海外収益化を進める。
おうちでカーブスは、自宅で実施できるオンライン運動プログラムである。店舗へ通えない日でも運動を継続でき、店舗利用とオンライン利用を組み合わせるWプランを提供する。店舗だけに依存しない接点を持つことで、天候、移動、家庭事情、営業時間による利用制約を補える。動画視聴だけで終わらせず、店舗コーチとの関係や成果確認へ接続できる点が差別化要素となる。
オンラインサービスは、店舗退会の防止、休眠会員の再利用、来店頻度が低い会員への追加支援に利用できる。利用率、継続率、店舗会員との併用率を高められるかが収益化の焦点となる。
海外ではCurves Internationalが世界のフランチャイザー機能を担い、Curves Europeが欧州地域のFC本部を運営する。欧州は2019年に取得した海外事業の重点地域である。
2025年8月期末の欧州カーブスはイギリス、イタリア、スペインなど8カ国で124店。1店舗当たり会員数と売上高は過去最高となった。
海外FCは国内と同様に資本負担を抑えた展開が可能だが、国ごとの所得水準、運動習慣、競合、加盟店経営、法規制が異なる。日本で成功した運営方法をそのまま移植するのではなく、現地適応とブランド品質の両立が必要となる。
海外資産、商標権、のれんなどは為替変動の影響を受ける。店舗数だけでなく、地域別の会員数、ロイヤルティ、営業利益、キャッシュ・フローを確認する必要がある。
直近5年業績サマリー
| 業績項目 | 2021年8月期 | 2022年8月期 | 2023年8月期 | 2024年8月期 | 2025年8月期 | 2026年8月期 会社予想 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 (百万円) |
24,681 | 27,509 +2,828 / +11.5% | 30,022 +2,513 / +9.1% | 35,465 +5,443 / +18.1% | 37,566 +2,101 / +5.9% | 42,300 +4,734 / +12.6% |
| 営業損益 (百万円) |
1,622 | 2,742 +1,120 / +69.1% | 3,851 +1,109 / +40.4% | 5,458 +1,607 / +41.7% | 6,342 +884 / +16.2% | 7,700 +1,358 / +21.4% |
| 経常損益 (百万円) |
1,716 | 3,311 +1,595 / +92.9% | 3,841 +530 / +16.0% | 5,472 +1,631 / +42.4% | 6,481 +1,009 / +18.4% | 7,570 +1,089 / +16.8% |
| 当期純利益 (百万円) |
1,129 | 2,247 +1,118 / +99.0% | 2,551 +304 / +13.5% | 3,566 +1,015 / +39.8% | 4,303 +737 / +20.6% | 4,850 +547 / +12.7% |
| EPS (円) |
12.26 | 24.40 +12.14 / +99.0% | 27.70 +3.30 / +13.5% | 38.72 +11.02 / +39.8% | 46.72 +8.00 / +20.7% | 52.66 +5.94 / +12.7% |
| PER (倍) |
68.52 | 34.02 | 26.32 | 20.58 | 17.79 | 17.85 |
| PBR (倍) |
8.44 | 6.19 | 4.45 | 3.78 | 3.80 | 3.62 |
| BPS (円) |
99.50 | 134.16 +34.66 / +34.8% | 163.64 +29.48 / +22.0% | 210.76 +47.12 / +28.8% | 218.91 +8.15 / +3.9% | 259.97 3Q実績 / +18.8% |
| 純資産 (百万円) |
9,163 | 12,355 +3,192 / +34.8% | 15,070 +2,715 / +22.0% | 19,409 +4,339 / +28.8% | 20,160 +751 / +3.9% | 23,941 3Q実績 / +18.8% |
| 営業CF (百万円) |
3,240 | 3,273 +33 / +1.0% | 4,920 +1,647 / +50.3% | 5,426 +506 / +10.3% | 6,211 +785 / +14.5% | – |
| 投資CF (百万円) |
-733 | -943 -210 / 支出拡大 | -891 +52 / 支出縮小 | -967 -76 / 支出拡大 | -727 +240 / 支出縮小 | – |
| 財務CF (百万円) |
-2,309 | -4,218 -1,909 / 支出拡大 | -4,091 +127 / 支出縮小 | -4,327 -236 / 支出拡大 | -4,892 -565 / 支出拡大 | – |
| 現金及び現金同等物 (百万円) |
9,760 | 7,943 -1,817 / -18.6% | 7,855 -88 / -1.1% | 8,002 +147 / +1.9% | 8,383 +381 / +4.8% | – |
EPS、BPS、PER、PBRは、2026年8月期第3四半期末の発行済株式総数93,857,493株から自己株式1,764,901株を控除した92,092,592株で全期間を再計算。過去5期のPER・PBRは、2021年8月期840円、2022年8月期830円、2023年8月期729円、2024年8月期797円、2025年8月期831円の期末最終取引日終値を使用した。2026年8月期予想PERは2026年7月17日終値940円と再計算EPS52.66円、PBRは同株価と第3四半期末BPS259.97円を使用。2026年8月期の純資産とBPSは会社予想ではなく第3四半期末実績。
中期経営計画
カーブスグループ中期ビジョン2030年・2035年
中期ビジョンは、既存の女性向けカーブスを基盤に、メンズ・カーブス、ピント・アップ、オンライン、海外を加え、運動習慣を持たない幅広い層へ事業対象を拡張する計画である。2025年8月期の全業態合計は店舗数2,058店、会員87.7万人、チェーン売上高865億円、会費・入会金売上635億円、会員向け物販売上229億円。連結売上高は375億円、営業利益は63億円だった。
2030年目標は店舗数2,600店、会員120万人、チェーン売上高1,300億円、会費・入会金売上970億円、会員向け物販売上330億円。連結売上高560億円、営業利益103億円、営業利益率18%を計画する。
2035年のコミットメント目標は店舗数3,150店、会員140万人、チェーン売上高1,800億円、連結売上高780億円、営業利益180億円、営業利益率23%。上位目標では店舗数3,500店、会員150万人、チェーン売上高2,000億円、連結売上高850億円、営業利益200億円、営業利益率24%を掲げる。
女性向けカーブスは、2025年8月期の1,996店・会員86.3万人から、2030年に2,100店・会員105万人を目指す。店舗数の大幅増よりも、既存店の会員獲得、継続率、店舗当たり会員数、会員向け物販を高める戦略である。
メンズ・カーブスは2030年に180店・会員7.7万人、2035年に380店から500店・会員17.1万人から22.5万人を計画する。ピント・アップは2030年に380店・会員9.5万人、2035年に700店から800店・会員18.9万人から21.6万人を計画する。
財務方針では営業利益、EBITDA、フリーキャッシュ・フローを年平均10%以上で成長させ、ROICは12%以上を維持し、15%を目指す。FC中心の資本効率を維持しながら、新業態、商品、デジタル、海外へ投資する。
株主還元では連結配当性向50%を目標とする。2026年8月期の年間配当予想は30円で、中間配当10円、期末配当20円。期末配当には上場5周年の記念配当10円が含まれる。
2026年8月期会社予想の営業利益7,700百万円から2030年目標10,300百万円までは、女性向け既存店の利益成長に加え、メンズ・カーブスとピント・アップの出店費用を吸収しながら収益化する必要がある。新業態の店舗数だけでなく、店舗当たり会員数と投資回収期間が中期計画の重要指標となる。
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競合他社
① コナミグループ(9766)
2026年7月16日の株価は18,225円、時価総額は約2兆6,153億円。カーブスホールディングスの2026年7月17日時価総額約882億円に対して約29.7倍の企業規模となる。コナミグループはデジタルエンタテインメント、ゲーミング、遊技機、スポーツを展開する。カーブスとの直接的な競合は、コナミスポーツクラブ、女性専用マシンピラティス「Pilates Mirror」、30分パーソナルトレーニング、法人・自治体向け健康支援である。
2026年3月期の連結売上高は493,700百万円、事業利益143,600百万円、営業利益135,900百万円、親会社株主に帰属する利益100,000百万円。スポーツ事業は売上高49,500百万円、事業利益3,400百万円、営業利益3,800百万円だった。
コナミスポーツクラブはマシンジム、スタジオ、プール、入浴設備、パーソナルトレーニング、スクールを組み合わせる。設備とプログラムの幅ではコナミが優位だが、大型施設は賃料、設備、光熱費、人員の固定費が大きい。
Pilates Mirrorは女性専用、小型店舗、生活圏内、短時間というカーブスの競争領域へ直接入る。2026年3月末時点で85施設となり、姿勢改善、美容、ボディラインへの関心が高い女性を獲得している。
カーブスは50歳以上の女性、運動初心者、筋力低下予防、コーチによる習慣形成へ特化する。女性専用という条件だけでは差別化が難しくなり、顧客層、運動成果、継続率、地域コミュニティの強さが競争力となる。
② RIZAPグループ(2928)
2026年7月16日の株価は187円、時価総額は約1,116億円。カーブスホールディングスの時価総額を約26%上回る。札幌証券取引所アンビシャス市場に上場する。主要な競合サービスは、低価格・24時間・小型・無人型ジムの「chocoZAP」である。住宅地、駅周辺、商業施設などへ大量出店し、着替え不要、アプリ利用、美容・リラクゼーション機能を組み合わせる。
2026年3月期の連結売上収益は167,257百万円、営業利益11,086百万円、親会社の所有者に帰属する利益1,440百万円。ヘルスケア・美容セグメントは売上収益69,677百万円、営業利益5,935百万円だった。
chocoZAPは月額料金、24時間利用、店舗数、無人運営によって、運動を始める際の価格と時間の障壁を下げている。女性専用店舗の拡大は、カーブスの「女性だけ」という独自性へ直接的な圧力となる。
RIZAP本体は専属トレーナー、食事指導、成果の見える化を行い、健康食品や美容関連商品も販売する。価格帯は異なるが、コーチングによる行動変容、プロテイン販売、運動と栄養の組み合わせで競合する。
価格と利用時間ではchocoZAPが強く、人的な継続支援とコミュニティではカーブスが強い。カーブスは安さではなく、退会しにくさ、運動効果、コーチとの関係、初心者でも迷わないプログラムを明確に示す必要がある。
③ ルネサンス(2378)
2026年7月16日の株価は1,044円、時価総額は約223億円。カーブスホールディングスの時価総額の約25%に相当する。ルネサンスは総合スポーツクラブ、24時間ジム、スポーツスクール、オンラインフィットネス、介護リハビリ、法人・自治体向け健康支援を展開する。
2026年3月期は売上高64,933百万円、営業利益1,565百万円、経常利益795百万円、親会社株主に帰属する当期純損失2,106百万円。フィットネス会員数は442,085人だった。
価格改定により会員単価が上昇した一方、人件費、光熱費、施設関連コストが利益を圧迫した。不採算クラブ6施設の閉鎖と38施設の減損を行い、収益構造の再構築を進めている。
総合スポーツクラブでは、中高年女性の筋力、体重管理、健康維持、地域コミュニティでカーブスと競合する。ルネサンスはプール、スタジオ、風呂、サウナなどの多機能性を持ち、カーブスは小型・短時間・女性専用による通いやすさを持つ。
介護リハビリの「元氣ジム」などは、ピント・アップと健康寿命延伸、身体機能回復、介護予防、自治体連携で競合する。ルネサンスは介護運営の実績を持ち、カーブスは約89万人の女性会員と2,000店を超える生活圏ネットワークを活用できる。
強みと将来性
約89万人の会員基盤と、習慣形成に特化した高収益FCモデル
最大の強みは、女性専用、1回30分、予約不要、生活圏立地、コーチ支援という複数の要素を一体化し、運動初心者が継続しやすい仕組みを構築している点にある。一般的なスポーツクラブは設備やプログラムの豊富さを競うが、選択肢の多さは運動初心者にとって迷いや心理的負担にもなる。カーブスは運動内容と利用方法を標準化し、「何をすればよいか分からない」という障壁を下げる。
コーチによる声掛け、成果確認、目標設定は、無人型ジムとの差別化要素となる。低価格ジムでは入会後に利用頻度が低下する可能性があるが、人的な支援とコミュニティを持つカーブスは習慣形成へ介入できる。
国内女性向けカーブスは2,005店、会員約89万人に達する。全国の生活圏に配置された店舗網は、新規競合が短期間で再現しにくい顧客接点である。
FC中心の運営は、本部の出店資金と固定費を抑えながら店舗網を広げられる。本部はロイヤルティ、機器、商品、教育、システムなど複数の収益を加盟店網から得られる。
会員向け物販は、既存会員にプロテインなどを継続販売する仕組みである。会費だけに依存せず、店舗訪問、コーチとの関係、運動目的を利用した高頻度のクロスセルが可能となる。
2021年8月期から2025年8月期までに営業利益率は6.6%から16.9%へ上昇した。2026年8月期第3四半期累計の営業利益率は19.5%で、会員・物販の増加が利益成長へ結び付いている。
営業キャッシュ・フローは2023年8月期以降、4,920百万円、5,426百万円、6,211百万円と増加した。FC本部と反復購入型商品の組み合わせにより、利益を現金へ転換する力を高めている。
科学的根拠の蓄積も強みとなる。大学や研究機関との共同研究により、運動効果、安全性、認知機能、生活習慣、介護予防などの説明力を持つ。高齢者、家族、自治体、医療関係者へ導入理由を提示しやすい。
メンズ・カーブスとピント・アップは、女性向けカーブスで培った店舗設計、FC、採用、教育、会員募集の仕組みを再利用できる。新業態をゼロから構築する企業より、既存加盟企業と本部機能を活用できる。
ピント・アップは高齢化、フレイル予防、介護費抑制という社会課題と接続する。自治体、医療、介護との紹介経路を確立できれば、一般的なフィットネスより長期的な需要を獲得できる。
海外では世界FC本部を保有し、ブランドライセンスを第三者から受けるだけでなく、世界展開を管理する立場にある。欧州店舗の生産性向上と地域拡大が進めば、国内人口だけに依存しない収益源となる。
中期ビジョンでは2030年営業利益103億円、2035年180億円から200億円を掲げる。既存女性向け事業の高収益化と新業態の店舗展開が同時に進めば、会員数、チェーン売上、本部収入を段階的に拡大できる。
配当性向50%を目標とする株主還元方針も、FCモデルによるキャッシュ創出力を示す。成長投資と還元を両立しながらROIC12%以上を維持できるかが、中長期的な企業価値の評価軸となる。
弱みとリスク要因
会員向け物販への高い依存と、新業態の急速な出店計画
2026年8月期第3四半期累計の会員向け物販売上は19,454百万円で、連結売上高の61.6%を占める。フィットネス会社でありながら、連結売上高の過半を商品販売が占める点は独自の収益構造である。物販比率の高さは利益成長へ寄与する一方、プロテインなど主要商品の購入率、継続率、価格、原材料、供給先、品質問題の影響を受ける。商品需要が低下した場合、会員数が維持されても連結売上高と利益が減少する可能性がある。
商品をコーチが会員へ提案するため、過度な販売と受け取られた場合は顧客満足度やブランドイメージへ影響する。店舗ごとの説明品質、適合性、解約対応、在庫管理を統一する必要がある。
chocoZAPなどの低価格24時間ジムは、価格、営業時間、店舗数でカーブスを上回る訴求が可能である。女性専用の無人ジムやマシンピラティスが増加すれば、「女性専用」という差別化だけでは顧客を守れない。
カーブスは主に中高年女性と運動初心者へ特化している。顧客理解を深められる一方、対象市場が限定され、既存商圏での会員獲得が進むほど、新規顧客の獲得単価が上昇する可能性がある。
FCモデルは加盟店の経営状態に依存する。人件費、賃料、広告費、改装費、商品在庫が増加し、加盟店の収益性が低下すれば、閉店、新規出店の減少、店舗投資の抑制、本部収入の減少につながる。
サービス品質はコーチの採用、教育、定着に左右される。店舗数を増やしても、適切な人材を確保できなければ、会員への声掛け、運動指導、商品説明、退会防止の品質が低下する。
全国7,000人を超えるインストラクターの研修には継続的な費用が必要となる。賃金上昇や採用難の中で、人件費を吸収するには会員単価、店舗当たり会員数、物販売上を高める必要がある。
メンズ・カーブスは2026年8月期第3四半期の37店から2030年に180店、ピント・アップは47店から380店を計画する。4年程度で大幅に店舗を増やす計画であり、立地、FCオーナー、人材、会員獲得の全てを同時に拡張する必要がある。
新業態の初期店舗が順調でも、地域やオーナーが変わった際に同じ採算を再現できるとは限らない。出店数を優先した場合、低採算店の増加、閉店費用、加盟店との関係悪化が起こる可能性がある。
ピント・アップは身体機能回復を訴求するため、通常のフィットネス以上に安全管理、説明責任、スタッフ教育が重要となる。医療行為との区分や、利用者の健康状態に応じた対応を誤れば、事故や信用低下につながる。
海外事業は地域ごとの競争、所得、文化、法規制、FCパートナーの経営能力に左右される。欧州事業の店舗当たり売上が改善しても、為替変動によって円換算の業績や資産価値が変動する。
2026年8月期第3四半期末の総資産41,623百万円に対し、無形固定資産の割合が大きい。海外FC本部の取得に伴うのれんや商標権の収益性が低下した場合、減損損失が発

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