9439 エム・エイチ・グループ

エム・エイチ・グループ 9439 東証S

M・H・GROUP LTD.|「モッズ・ヘア」を軸に、直営美容室、ブランドシェアサロン、ヘアケア商品、ヘアメイク、美容室支援、人材サービスを展開する純粋持株会社。美容事業の顧客・店舗・決済データを活用するAI子会社の設立も計画する。
※2026年7月17日12時39分時点の情報

事業内容

2026年7月17日12時39分時点の時価総額は約42.4億円。株価は303円で、同日の取引時間中の値を使用した。2026年7月16日の第三者割当増資の一部払込後に会社が開示した発行済株式総数13,991,900株を用いて算定した。

エム・エイチ・グループは1990年4月4日設立、本社は東京都渋谷区千駄ヶ谷四丁目4番4号、代表者は代表取締役会長兼執行役員社長の朱峰玲子氏。決算期は6月、東京証券取引所スタンダード市場に上場する。純粋持株会社の傘下にエム・エイチ・プリュス、ライトスタッフ、アーツ、オンリー・ワンを置き、直営サロン、ブランドシェアサロン、ヘアメイク、美容室支援、キャリアデザインの5事業を運営する。

2026年6月期第3四半期累計は売上高1,381百万円、営業損失26百万円、経常損失23百万円、親会社株主に帰属する四半期純損失28百万円。2026年5月14日に通期予想を売上高1,840百万円、営業損失120百万円、経常損失118百万円、親会社株主に帰属する当期純損失123百万円へ修正した。7月16日には100%子会社MHAIの設立を発表し、AIソリューション、AIデータセンター、MaaSを計画したが、事業開始の正式決定は未了で、2027年6月期の連結業績への影響は軽微と見込んでいる。

直営サロン運営事業

セグメント売上高は2021年6月期の926.6百万円から2023年6月期に952.1百万円まで回復した後、2025年6月期は927.6百万円。セグメント損益は2021年6月期の62.8百万円の損失から2024年6月期に70.5百万円の利益へ改善したが、2025年6月期は57.3百万円へ減少した。
直営サロン運営事業 業績推移(単位:百万円)
0 300 600 900 1,200 合計 863.8 926.6 -62.8 2021年6月期 利益率 -6.8% 合計 899.3 879.2 20.1 2022年6月期 利益率 2.3% 合計 1,018.6 952.1 66.6 2023年6月期 利益率 7.0% 合計 1,014.7 944.2 70.5 2024年6月期 利益率 7.5% 合計 984.9 927.6 57.3 2025年6月期 利益率 6.2% セグメント売上高 セグメント利益・損失
黄色はセグメント間取引を含む売上高、赤はセグメント利益・損失。利益率はセグメント利益をセグメント売上高で除して算出。
東京圏を中心に「mod’s hair」の旗艦店・直営店を運営し、カット、カラー、パーマ、トリートメント、店販商品の販売を行う。直営サロンは売上規模が5事業で最大であり、ブランドの技術、接客、価格、店舗デザインを顧客へ直接提示する役割を持つ。

直営店で蓄積した施術ノウハウ、教育内容、顧客反応は、ブランドシェアサロン、プライベートブランド商品、ヘアメイク、美容室支援へ展開できる。単独の店舗収益だけでなく、グループ全体のブランド開発拠点としての機能がある。

収益は来店客数、客単価、スタイリストの稼働率、店販売上に左右される。店舗賃料、人件費、材料費を固定的に負担するため、売上高の小幅な減少でも利益変動が大きくなりやすい。2025年6月期は売上高が前期比で減少し、セグメント利益率も7.5%から6.2%へ低下した。

2026年6月期第3四半期累計は売上高703.0百万円で前年同期比1.7%増となった一方、セグメント利益は27.2百万円で43.8%減少した。売上増加が利益増加へ結び付いておらず、採用、教育、出店、店舗運営に伴う費用の回収が重要となる。

2025年11月にECLARTと業務提携し、2026年2月には大宮でカラー専門店「E:terne」を開業した。既存のフルサービス型サロンとは異なる専門業態を追加し、顧客ニーズ、スタッフの働き方、店舗面積に応じた複数フォーマットを試す動きである。

中期経営計画の2027年6月期目標は売上高1,200百万円、セグメント利益90百万円。既存店の売上向上、店舗網拡大、業務提携先との共同展開、店販商品の強化、採用と定着が達成条件となる。

BSサロン運営事業

セグメント売上高は2021年6月期の319.8百万円から2025年6月期の228.0百万円へ縮小。セグメント利益も140.4百万円から70.7百万円へ減少した。利益率は高いものの、2025年6月期は31.0%まで低下しており、店舗網の維持と契約収入の回復が焦点となる。
BSサロン運営事業 業績推移(単位:百万円)
0 125 250 375 500 合計 460.2 319.8 140.4 2021年6月期 利益率 43.9% 合計 444.6 322.0 122.5 2022年6月期 利益率 38.1% 合計 381.9 268.7 113.2 2023年6月期 利益率 42.1% 合計 321.1 238.6 82.5 2024年6月期 利益率 34.6% 合計 298.7 228.0 70.7 2025年6月期 利益率 31.0% セグメント売上高 セグメント利益・損失
黄色はセグメント間取引を含む売上高、赤はセグメント利益・損失。利益率はセグメント利益をセグメント売上高で除して算出。
BSはブランドシェアの略称で、「mod’s hair」のブランド、教育、商品、運営ノウハウを外部の美容室オーナーと共有する。通常のフランチャイズ契約に加え、店舗運営を受託する形態も扱う。

直営店に比べて店舗設備や人員を加盟側が負担する契約では、本部はロイヤルティ、商品、教育、運営支援から収益を得られる。資本負担を抑えながら店舗網を広げられるため、売上規模に対するセグメント利益率が相対的に高い。

「mod’s hair」は世界で200店を超え、同社が担当するアジア地域が約半数を占める。国内だけでなく、韓国、台湾、中国でブランド展開しており、海外からのライセンス・商品収入が事業の特徴となる。

ただし、2026年6月期第3四半期末のBSサロンは47店で、国内34店、韓国7店、台湾4店、中国2店。2024年9月末に開示した59店から減少しており、売上高と利益の長期的な縮小と整合する。契約更新、加盟店採算、現地パートナーの運営力が収益を左右する。

2026年6月期第3四半期累計は売上高168.9百万円で前年同期比2.0%減、セグメント利益48.4百万円で7.5%減。高利益率を維持しているが、ネットワーク縮小を止めなければ利益総額の増加は難しい。

中期経営計画の2027年6月期目標は売上高300百万円、セグメント利益100百万円。国内・海外サロン網の再拡大、ブランド再構築、プライベートブランド商品の拡販、D2C、教育サービスを組み合わせる方針である。

ヘアメイク事業

セグメント売上高は2021年6月期から2025年6月期まで367.6百万円から384.4百万円の範囲で推移。セグメント利益は2022年6月期の20.7百万円から2024年6月期に1.4百万円まで低下した後、2025年6月期は12.5百万円へ回復した。
ヘアメイク事業 業績推移(単位:百万円)
0 125 250 375 500 合計 383.6 367.6 16.0 2021年6月期 利益率 4.3% 合計 405.1 384.4 20.7 2022年6月期 利益率 5.4% 合計 374.3 371.0 3.4 2023年6月期 利益率 0.9% 合計 362.8 361.5 1.4 2024年6月期 利益率 0.4% 合計 387.1 374.6 12.5 2025年6月期 利益率 3.3% セグメント売上高 セグメント利益・損失
黄色はセグメント間取引を含む売上高、赤はセグメント利益・損失。利益率はセグメント利益をセグメント売上高で除して算出。
広告、雑誌、ファッションショー、テレビ番組、イベント、ブライダルなどへヘアメイクアーティストを派遣する。サロン内の施術とは異なり、撮影現場、舞台、式場、放送現場でブランドの技術力を提供する事業である。

パリ、ミラノ、ロンドン、ニューヨーク、東京のコレクションに参加し、国内雑誌では年間2,000ページを超えるヘアメイク実績を持つ。アンダーズ東京の婚礼美容、子会社アーツによるテレビ番組のヘアメイクも事業範囲に含まれる。

クリエイティブ現場で得たトレンド、技法、スタイリング需要を、サロン教育、商品開発、ブランド発信へ戻せる点が特徴である。単なる受託売上だけでなく、「mod’s hair」のファッション性を維持する役割を担う。

一方、案件の開催時期、広告・出版市場、番組編成、婚礼件数により稼働が変動する。高技能人材への依存度が高く、アーティストの採用、育成、スケジュール管理が収益性に直結する。

2026年6月期第3四半期累計は売上高295.3百万円で前年同期比3.5%増、セグメント利益14.4百万円で52.1%増。2024年6月期まで低下した利益率は改善局面にある。

中期経営計画の2027年6月期目標は売上高450百万円、セグメント利益40百万円。既存取引の収益性向上に加え、クリエイティブ人材の外部提供、教育、ブランドコンテンツの事業化が必要となる。

美容室支援事業

セグメント売上高は2021年6月期の107.3百万円から2025年6月期の120.9百万円へ増加。セグメント利益は63.5百万円から78.3百万円へ拡大し、2025年6月期の利益率は64.8%。5事業で最も高い収益性を持つ。
美容室支援事業 業績推移(単位:百万円)
0 62.5 125 187.5 250 合計 170.9 107.3 63.5 2021年6月期 利益率 59.2% 合計 190.5 118.8 71.8 2022年6月期 利益率 60.4% 合計 193.1 122.5 70.6 2023年6月期 利益率 57.7% 合計 188.5 121.7 66.7 2024年6月期 利益率 54.8% 合計 199.2 120.9 78.3 2025年6月期 利益率 64.8% セグメント売上高 セグメント利益・損失
黄色はセグメント間取引を含む売上高、赤はセグメント利益・損失。利益率はセグメント利益をセグメント売上高で除して算出。
美容室向けのクレジットカード決済、POS、物件、保険、シザーなどを提供し、サロン経営上の共通課題を支援する。グループ内の直営店やBS店だけでなく、外部美容室も対象とする。

子会社ライトスタッフが決済関連サービスを展開し、低料率のカード決済と美容室向け業務支援を組み合わせる。SCATとの提携によるPOS連携も進めている。

決済は顧客の施術・商品購入に連動して継続的に発生するため、加盟店数と取扱高が積み上がれば反復収益になりやすい。2024年のカード取扱高は約190億円と開示されている。

2026年6月期第3四半期累計は売上高89.6百万円で前年同期比1.3%増、セグメント利益56.3百万円で1.3%減。利益率は高水準だが、決済手数料競争、システム費、提携条件の変化を継続的に確認する必要がある。

中期経営計画では、美容室を中心とするBtoB決済市場を約3,000億円と見込み、その30%の取扱シェアを目指す方針を示す。決済を入口に、POS、物件、保険、器具、経営支援を重ねられれば、顧客当たり収益を拡大できる。

2027年6月期目標は売上高230百万円、セグメント利益130百万円。2025年実績から売上高を約1.9倍へ拡大する計画であり、外部加盟店の獲得速度と決済取扱高が全社成長の主要指標となる。

キャリアデザイン事業

セグメント売上高は2021年6月期の179.5百万円から2024年6月期の294.9百万円へ拡大した後、2025年6月期は277.8百万円へ減少。セグメント利益は2021年6月期の9.6百万円の損失から黒字化したが、2025年6月期は13.2百万円となった。
キャリアデザイン事業 業績推移(単位:百万円)
0 87.5 175 262.5 350 合計 169.9 179.5 -9.6 2021年6月期 利益率 -5.4% 合計 235.9 226.7 9.2 2022年6月期 利益率 4.1% 合計 292.7 274.9 17.8 2023年6月期 利益率 6.5% 合計 311.7 294.9 16.8 2024年6月期 利益率 5.7% 合計 291.0 277.8 13.2 2025年6月期 利益率 4.8% セグメント売上高 セグメント利益・損失
黄色はセグメント間取引を含む売上高、赤はセグメント利益・損失。利益率はセグメント利益をセグメント売上高で除して算出。
子会社オンリー・ワンが人材派遣・人材紹介を行い、ラグジュアリーファッション、コスメ、百貨店、サービス業などの販売・接客人材を提供する。美容業界で培った接客、身だしなみ、ブランド理解を人材サービスへ展開する事業である。

高級マンションのコンシェルジュなど、ホスピタリティを必要とする職種も対象とする。登録者の経験や志向と就業先のブランド・職務を合わせ、教育と配置を行う。

収益は稼働人数、派遣単価、採用成功件数に連動する。人材を先に採用・教育しても配置できなければ費用が先行し、顧客企業の採用抑制や店舗閉鎖が売上に影響する。

2026年6月期第3四半期累計は売上高190.1百万円で前年同期比10.9%減、セグメント利益10.4百万円で7.3%減。5事業の中で売上減少率が最も大きく、案件獲得と稼働人数の回復が必要である。

中期経営計画では、シニア人材の活用、研修、職業紹介、派遣領域の拡張を掲げる。サロン、化粧品、ファッション、コンシェルジュを横断した人材データベースを形成できれば、採用費とミスマッチを抑えられる。

2027年6月期目標は売上高500百万円、セグメント利益50百万円。2025年実績から売上高を約1.8倍、利益を約3.8倍へ拡大する必要があり、中期目標の中でも達成難度が高い。

直近5年業績サマリー

業績項目 2021年6月期 2022年6月期 2023年6月期 2024年6月期 2025年6月期 2026年6月期
会社予想
売上高
(百万円)
1,814 1,848 +34 / +1.9% 1,902 +54 / +2.9% 1,877 -25 / -1.3% 1,844 -33 / -1.8% 1,840 -4 / -0.2%
営業損益
(百万円)
-53 29 +82 / 黒字転換 54 +25 / +82.2% 23 -31 / -57.5% -9 -32 / 赤字転落 -120 -111 / 赤字拡大
経常損益
(百万円)
-39 37 +76 / 黒字転換 56 +19 / +51.0% 26 -30 / -52.5% -7 -33 / 赤字転落 -118 -111 / 赤字拡大
当期純利益
(百万円)
-79 16 +95 / 黒字転換 24 +8 / +42.2% 12 -12 / -47.4% -17 -29 / 赤字転落 -123 -106 / 赤字拡大
EPS
(円)
-5.70 1.22 +6.92 / 黒字転換 1.73 +0.51 / +42.2% 0.91 -0.82 / -47.4% -1.27 -2.18 / 赤字転落 -8.85 -7.58 / 赤字拡大
PER
(倍)
144.83 126.75 232.04
PBR
(倍)
5.96 5.04 5.92 5.23 5.87
BPS
(円)
35.59 34.95 -0.64 / -1.8% 37.01 +2.06 / +5.9% 40.32 +3.31 / +8.9% 36.27 -4.05 / -10.0%
純資産
(百万円)
496 487 -9 / -1.9% 516 +29 / +5.9% 562 +46 / +8.9% 505 -57 / -10.0%
営業CF
(百万円)
72 26 -46 / -63.0% 73 +47 / +174.8% 47 -26 / -35.9% 29 -18 / -37.8%
投資CF
(百万円)
37 23 -14 / -38.1% 6 -17 / -70.9% -46 -52 / 支出転換 -10 +36 / 支出縮小
財務CF
(百万円)
-6 0 +6 / 支出解消 -45 -45 / 支出転換 -4 +41 / 支出縮小 -47 -43 / 支出拡大
現金及び現金同等物
(百万円)
521 571 +50 / +9.6% 606 +35 / +6.1% 602 -4 / -0.6% 573 -29 / -4.9%
EPS、PER、PBR、BPSは、2026年7月16日の一部払込後の発行済株式総数13,991,900株から、2026年6月期第3四半期末の自己株式100,048株を控除した13,891,852株で全期間を再計算。PERとPBRの期末株価は2021年6月期212円、2022年6月期176円、2023年6月期219円、2024年6月期211円、2025年6月期213円、2026年6月期245円を使用した。2026年6月期会社予想のEPSは、会社公表の当期純損失123百万円を同株式数で再計算しており、増資前に公表された会社予想EPSマイナス10.66円とは異なる。赤字期のPER、予想純資産が未開示の2026年6月期予想BPS・PBRは「-」とした。

中期経営計画

中期経営計画(2025年6月期~2027年6月期)

2024年7月から2027年6月までを「Run-up」、2027年7月から2030年6月までを「Leap」と位置付ける。2027年6月期の連結目標は売上高2,500百万円、経常利益100百万円、ROE10%。人材の採用・配置・評価・育成・定着、既存事業の再構築、美容業界の不便を解消する新サービス、DX・GX、M&Aを基本方針とする。

事業別目標は、直営サロン運営事業が売上高1,200百万円・利益90百万円、BSサロン運営事業が300百万円・100百万円、ヘアメイク事業が450百万円・40百万円、美容室支援事業が230百万円・130百万円、キャリアデザイン事業が500百万円・50百万円。各事業の売上高合計は内部取引消去前のため、連結売上高目標とは一致しない。

成長戦略では「mod’s hair」のブランド、サロン網、技術教育、商品開発を中核に置く。直営・BSサロンで顧客接点を持ち、プライベートブランド商品のD2C、ヘアメイクのクリエイティブ、人材、決済・POS・保険・物件支援を横断して顧客当たり収益を増やす構想である。

美容室支援ではカード取扱高の拡大と周辺サービスの追加、BSサロンでは国内外ネットワークの再拡大、直営サロンでは店舗フォーマットの多様化、キャリアデザインではシニアを含む人材供給の拡張を進める。M&Aは人材、顧客基盤、技術、サービスを補完する手段に位置付ける。

2025年6月期実績は売上高1,844百万円、経常損失7百万円。2026年6月期の修正予想は売上高1,840百万円、経常損失118百万円であり、2027年6月期目標の売上高2,500百万円・経常利益100百万円との間には大きな差がある。最終年度に売上高を660百万円増やし、経常損益を218百万円改善する必要がある。

2026年7月に設立を計画するMHAIは、グループの店舗運営、顧客、商品、決済、人材データをAIで統合する方向を示す。ただし、事業開始は正式決定前で、会社は2027年6月期への業績影響を軽微としている。中期計画達成の前提に直ちに組み込むのではなく、正式な事業開始、顧客契約、投資額、売上・利益の開示を確認する必要がある。
中期経営計画資料へ

競合他社

① AB&Company(9251)
2026年7月16日の株価は1,350円、時価総額は約205.84億円。選定した競合3社では最大で、エム・エイチ・グループの2026年7月17日12時39分時点の時価総額約42.4億円の約4.9倍に当たる。

「Agu.」を中心に直営・フランチャイズ美容室を展開し、国内店舗数は1,000店を超える。低価格帯の総合美容室、メンズ・フェード、カラー専門店など複数業態を持ち、ヘアケア商品「numberA」「SALON’S」、店舗の内装設計・施工まで展開する。

2026年10月期第2四半期累計は売上収益10,780百万円、営業利益1,240百万円、調整後EBITDA1,461百万円。通期計画は売上収益22,897百万円、営業利益2,400百万円、当期利益1,471百万円。M&Aで取得した美容室法人が増収に寄与し、直営・FCの客単価も上昇した。

一般美容需要、スタイリスト採用、低価格帯の集客、フランチャイズオーナー獲得、ヘアケア商品の店販・ECで直接競合する。AB&Companyは店舗網とM&A実行力で大幅に上回る一方、エム・エイチ・グループは「mod’s hair」の国際ブランド、ヘアメイク、美容室支援、人材を組み合わせる点が差別化要素となる。
② キュービーネットホールディングス(6571)
2026年7月16日の株価は1,279円、時価総額は約172.85億円。エム・エイチ・グループの2026年7月17日12時39分時点の時価総額の約4.1倍に当たる。

「QB HOUSE」を中心に、短時間のヘアカットサービスを国内外で展開する。「QB PREMIUM」「FaSS」など価格帯や顧客層の異なるブランドを持ち、駅、商業施設、オフィス周辺など高回転が見込める立地を開拓する。

2026年6月期第3四半期累計は売上収益20,027百万円、営業利益1,060百万円、税引前利益886百万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益584百万円。国内売上収益16,001百万円、海外売上収益4,036百万円で、海外店舗も収益源となる。

フルサービス型美容室とは施術内容が異なるが、カット需要、駅前・商業施設の立地、スタイリスト採用、教育、海外展開で競合する。キュービーネットはサービス工程の標準化と高回転モデルが強く、エム・エイチ・グループはカラー、パーマ、商品、ヘアメイクまで含む高付加価値型サービスで対抗する。
③ 田谷(4679)
2026年7月16日の株価は254円、発行済株式総数7,540,000株で算定した時価総額は約19.15億円。競合3社では唯一、エム・エイチ・グループより時価総額が小さい。

「TAYA」「Shampoo」「ano」などのフルサービス型美容室を運営し、カット、カラー、パーマ、トリートメント、婚礼、オリジナル商品を提供する。接客品質、技術教育、サロン体験を重視し、エム・エイチ・グループの直営サロンと最も直接的に競合する。

2026年3月期は売上高5,075百万円、営業利益37百万円、経常利益34百万円、当期純損失160百万円。2027年3月期は売上高5,200百万円、営業利益40百万円、当期純利益10百万円を計画する。売上規模はエム・エイチ・グループを上回るが、利益率は低く、店舗採算の改善が共通課題となる。

両社はフルサービス型美容室、技術者育成、婚礼・ヘアメイク、オリジナル商品の販売で競合する。田谷は国内サロン運営への集中度が高く、エム・エイチ・グループは海外ブランドライセンス、決済・POS、人材派遣を持つ点で事業構成が異なる。

強みと将来性

国際美容ブランドと、店舗・商品・決済・人材を横断する事業基盤
最大の強みは、「mod’s hair」という国際的な美容ブランドを、国内サロンの看板だけでなく、海外ライセンス、商品、教育、ヘアメイクへ展開できる点にある。世界の店舗網、コレクション、雑誌、放送、婚礼でブランドへ接触する経路を持つ。

直営サロンは顧客の反応、施術、購買を直接把握する場となる。BSサロンは資本負担を抑えてブランド網を広げ、ヘアメイクはトレンドとクリエイティブを取り込み、プライベートブランドはサロン外の消費へ展開する。各事業が独立するだけでなく、情報と顧客を循環させられる構造である。

150種類を超えるヘアケア・スタイリング商品を持つため、施術売上だけでなく、店販、卸、EC、D2Cへ収益源を広げられる。ブランドの世界観とプロの使用実績を商品訴求へ接続できる。

美容室支援事業は、2025年6月期に売上高120.9百万円、セグメント利益78.3百万円、利益率64.8%を確保した。直営サロンのように大きな賃料と人件費を負担せず、決済取扱高と加盟店数を積み上げるモデルであり、全社利益を支える可能性がある。

決済は美容室の日常取引へ組み込まれるため、継続性が高い。決済データをPOS、商品、予約、顧客管理と連携し、物件、保険、器具、人材まで提供できれば、単一サービスの価格競争から離れやすくなる。

人材事業をグループ内に持つことも、美容業界の最大課題の一つである採用・定着へ直接対応できる点で重要である。サロン、化粧品、ファッション、コンシェルジュの職種を横断し、教育と就業機会を組み合わせられる。

ECLARTとの提携やカラー専門店「E:terne」は、従来の「mod’s hair」直営店だけに依存せず、異なる客単価、立地、雇用条件の店舗フォーマットを増やす動きである。小型店、専門店、業務委託型などの採算が確立すれば、出店余地が広がる。

MHAIの計画は、店舗運営、顧客、商品、決済、人材のデータを持つグループ構造と接続する余地がある。予約需要予測、商品提案、在庫、人員配置、教育、問い合わせ対応、美容室向け業務支援などはデータ活用の対象となり得る。

ただし、AI事業は正式な事業開始前で、会社も2027年6月期への影響を軽微としている。将来性を評価する際は、名称やテーマ性ではなく、正式開始、投資額、外部顧客、有料契約、継続売上、粗利益の開示が必要である。

企業価値の再評価には、直営サロン利益の回復、BSサロン数の下げ止まり、美容室支援の加盟店・取扱高増加、キャリアデザインの再成長、全社費用の吸収が同時に進むことが必要となる。

弱みとリスク要因

低い連結利益率、BS網縮小、希薄化、AI新規事業の実行リスク
連結売上高は2021年6月期から2025年6月期まで1,814百万円から1,902百万円の狭い範囲で推移し、成長が停滞している。2025年6月期は売上高1,844百万円、営業損失9百万円となり、2026年6月期も売上高1,840百万円、営業損失120百万円を予想する。

2025年6月期は5つの報告セグメントがすべて黒字で、セグメント利益の合計は約232百万円だった。一方、セグメント間消去や全社費用などの調整額が約242百万円のマイナスとなり、連結営業損失9百万円となった。事業別利益の増加だけでなく、本社費、上場維持費、先行投資、共通費の管理が不可欠である。

直営サロンは賃料、人件費、材料費を負担する固定費型事業である。美容師不足、採用費、賃上げ、退職、店舗改装、光熱費、材料価格が上昇した場合、客単価引き上げや稼働率向上が追い付かなければ利益が減少する。

BSサロン運営事業は高利益率だが、セグメント売上高と利益が5年間で大きく縮小した。2026年6月期第3四半期末の店舗数は47店で、ネットワークの縮小が続けば、ロイヤルティ、商品、教育、海外ライセンスの収入基盤が弱くなる。

ブランド契約や海外パートナーへの依存もある。「mod’s hair」の使用条件、契約更新、ブランドイメージ、現地事業者の経営状態が変化した場合、同社単独では制御できない。為替、現地規制、政治・消費環境も海外収入に影響する。

ヘアメイクは案件単価と開催時期、人材の稼働に左右される。出版、広告、テレビ、婚礼の需要変化や主要アーティストの離職が利益を変動させる。キャリアデザインも顧客企業の採用予算、派遣需要、登録人材の確保に依存し、2026年6月期第3四半期は減収となった。

美容室支援は高収益だが、決済市場には大手カード会社、決済代行、POS事業者が存在する。手数料引き下げ、システム障害、情報漏えい、加盟店の信用リスク、提携先条件の変更により、取扱高が増えても利益率が低下する可能性がある。

2026年7月16日の第三者割当では、1,234,600株の払込を反映して発行済株式総数が13,991,900株となった。払込前の12,757,300株に対して約9.7%増加しており、1株当たり利益と議決権比率は希薄化した。承認された割当のうち未払込分が期限内に全て払い込まれた場合、発行済株式総数は17,819,000株となり、追加希薄化が生じる。

最新株式数で再計算した2025年6月期BPSは36.27円。2026年7月17日12時39分の株価303円に対するPBRは約8.35倍となる。2026年6月期は大幅赤字予想でPERによる評価ができず、将来の成長期待が株価へ先行して織り込まれやすい。

MHAIはAIソリューション、AIデータセンター、MaaSを掲げるが、同社の既存中核は美容室と周辺サービスである。技術者採用、計算資源、データ整備、セキュリティ、電力、顧客獲得には既存事業と異なる能力と資金が必要となる。

事業開始が正式決定されておらず、業績影響も軽微とされる段階では、AI事業の収益性を数値で評価できない。設備や人材への先行投資が契約収入へつながらない場合、全社費用をさらに増加させる可能性がある。

2027年6月期の中期目標は売上高2,500百万円、経常利益100百万円だが、2026年6月期予想との差は大きい。M&Aや新規事業で売上を増やしても、のれん、統合費用、増資、追加の固定費によって1株当たり利益が改善しないリスクを分けて確認する必要がある。

出典

コメント

タイトルとURLをコピーしました