スマートバリュー 9417 東証スタンダード
大阪本社のクラウドソリューション・モビリティIoT企業 ─ 社用車管理「CiEMS」、自治体向け「ガブクラ」、神戸アリーナ運営の3事業
事業内容
スマートバリューは、大阪府大阪市に本社を置くクラウドソリューションを軸としたサービス展開企業で、東証スタンダード上場(業種:情報通信・サービスその他)。取締役兼代表執行役社長は渋谷順氏。事業はデジタルガバメント、モビリティ・サービス、スマートベニューの3つのセグメントに分かれる。祖業は自動車電装で、現在は自動車に装着する安全支援機器の販売、コネクティッドカーサービス「CiEMSシリーズ」、クルマのデータ利活用プラットフォーム「クルマツナグプラットフォーム」、カーシェアリング等のクルマのサービス化を支援する「Kuruma Base」へと、多様なモビリティIoTを事業の中核に育てている。CiEMSは2025年6月時点で契約28,663台(約2.9万台)、Kuruma Baseは数百契約規模。スマートベニュー事業では、2025年4月開業の「GLION ARENA KOBE」を中心としたアリーナ運営・周辺まちづくりを推進。2025年6月30日付で、デジタルガバメント事業の一部をウイングアーク1stへ譲渡している。
主要事業セグメント(3セグメント体制)
① モビリティ・サービス
祖業の自動車電装に端を発するセグメント。100年に一度という自動車産業の大変革期において、自動車に装着する安全支援機器の販売(カーソリューション)から、コネクティッドカーサービス「CiEMSシリーズ」、クルマのデータ利活用プラットフォーム「クルマツナグプラットフォーム」、カーシェアリング等のクルマのサービス化を支援するプラットフォーム「Kuruma Base」へと多様なモビリティIoTを展開。CiEMSは2025年6月時点で契約28,663台、Kuruma Baseは数百契約規模。
② デジタルガバメント(ガブクラ)
自治体向けのCLOUD SUITE「ガブクラ」を中核とするクラウドソリューション事業。自治体のDX(デジタルトランスフォーメーション)支援を主軸に展開。2025年6月30日付でデジタルガバメント事業の一部をウイングアーク1stへ譲渡し、選択と集中を進めている。
③ スマートベニュー(GLION ARENA KOBE)
2025年4月開業の「GLION ARENA KOBE」(神戸市)を中心としたアリーナ運営・周辺まちづくり事業。スポーツ・エンターテインメント施設の運営、地域活性化に取り組み、新たな収益基盤の構築を図っている。
④ CiEMSシリーズ(社用車管理ソリューション)
テレマティクス「CiEMS Plus」は小型の専用車載機を車両に設置することで車両運行情報を取得し、ドライバーの運転傾向の分析による事故削減や運転履歴の自動集計による工数削減を実現。運行管理アプリケーション「CiEMS Report」はスマートフォン専用アプリで運行情報の入力・登録、運行記録やアルコールチェック記録の効率化を提供。2023年12月の改正道路交通法施行による白ナンバー事業者のアルコールチェック義務化等の影響で、企業の車両管理ハードルが高まる中、需要拡大期待が大きい。
直近の業績サマリー
2025年6月期は売上高4,361百万円(前期比+14.3%増)、営業損失△440百万円(前期△308百万円から赤字拡大)、経常損失△733百万円(前期△312百万円から赤字拡大)、当期純利益916百万円(前期△348百万円から黒字転換)と、増収ながら営業赤字拡大、当期純利益は黒字転換した。当期純利益の黒字転換は、デジタルガバメント事業の一部譲渡(ウイングアーク1stへの譲渡)による特別利益計上が主因と推測される。EPSは88.15円。2026年6月期会社予想は売上高5,936百万円(+36.1%増)と大幅増収見通しだが、営業利益261百万円(黒字転換)、経常損失△634百万円、当期純損失△789百万円と、引き続き厳しい見通し。スマートベニュー事業の本格稼働とCiEMS事業の拡大が業績改善の鍵となる。
| 項目(連結・百万円) | 2021年6月期 | 2022年6月期 | 2023年6月期 | 2024年6月期 | 2025年6月期 | 2026年6月期 会社予想 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 3,446 | 3,805 +10.4% |
3,873 +1.8% |
3,814 △1.5% |
4,361 +14.3% |
5,936 |
| 営業損益 | △605 | △15 赤字縮小 |
△74 赤字拡大 |
△308 赤字拡大 |
△440 赤字拡大 |
261 |
| 経常損益 | △580 | 8 黒字転換 |
△75 赤字転落 |
△312 赤字拡大 |
△733 赤字拡大 |
△634 |
| 当期純損益 | △1,407 | 1 黒字転換 |
△48 赤字転落 |
△348 赤字拡大 |
916 黒字転換 |
△789 |
| EPS(一株利益) | △140.54円 | 0.11円 | △4.80円 | △33.57円 | 88.15円 | △77.06円 |
| 決算発表時株価 (参考) |
681円 | 492円 | 375円 | 320円 | 415円 | ― |
| 実績PER | -4.85倍 | 4,472.73倍 | -78.12倍 | -9.53倍 | 4.71倍 | ― |
| 予想PER | ― | ― | ― | ― | ― | -5.39倍 |
| PBR | 3.23倍 | 2.31倍 | 1.84倍 | 1.97倍 | 1.70倍 | ― |
| PSR | 1.98倍 | 1.30倍 | 0.98倍 | 0.87倍 | 0.99倍 | ― |
本ページに掲載している業績数値は、各社が公表する決算短信を一次情報として作成しています。 数値は決算短信発表時点のものであり、将来的に修正される可能性があります。 業績予想は会社発表時点のものであり、実績と異なる場合があります。 PER・PBR・PSRは決算発表日の終値で算出した参考値です。 正確な情報は各社公式IRサイトを必ずご確認ください。
業績ハイライト
売上高は5期連続増収傾向、2025年6月期は前期比+14.3%増の43.61億円、2026年6月期予想は+36.1%増の59.36億円と大幅増収見通し(スマートベニュー事業の本格寄与)。一方、営業損益・経常損益は赤字基調が継続。事業構造改革(デジタルガバメント事業の一部譲渡)と新規事業投資(スマートベニュー、CiEMS拡大)の過渡期にあり、収益化のタイミングが業績モメンタムの鍵となる。
強みと注目点
① CiEMSシリーズの市場拡大機会
2023年12月の改正道路交通法施行による白ナンバー事業者のアルコールチェック義務化等の影響で、企業の車両管理ニーズが急速に高まっている。CiEMSシリーズは契約28,663台(2025年6月時点)まで拡大しており、社用車管理のデファクトソリューションを目指す位置にある。
② 日本カーソリューションズとの提携
2026年5月21日発表。国内最大級のオートリース保有台数(約70万台)を誇る日本カーソリューションズとのセールスパートナー契約を締結。日本カーソリューションズのネットワークを活用したCiEMSシリーズの拡販体制を強化。
③ Kuruma Baseの業界横断展開
カーシェアリング、レンタカー、建機レンタル業界に展開するプラットフォーム「Kuruma Base」。建機レンタル業界国内トップのアクティオとの提携実現等、業界横断的な拡大を進めている。
④ GLION ARENA KOBEのスマートベニュー
2025年4月開業の「GLION ARENA KOBE」を中心としたスマートベニュー事業。アリーナ運営・周辺まちづくりを通じて新たな収益基盤を構築。2026年6月期に売上計画+36.1%増の大幅増収を見込む新たな成長ドライバー。
⑤ 事業構造改革による選択と集中
2025年6月30日付でデジタルガバメント事業の一部をウイングアーク1stへ譲渡。3事業(デジタルガバメント、モビリティ、スマートベニュー)の中で、成長性の高いモビリティ・サービスとスマートベニューに経営資源を集中する戦略。
弱み・リスク要因
① 4期連続営業赤字、利益面の改善停滞
2022年6月期営業損失△15百万円、2023年6月期△74百万円、2024年6月期△308百万円、2025年6月期△440百万円と、4期連続営業赤字で赤字幅拡大傾向。2026年6月期予想で営業黒字転換見通しだが、経常・当期純利益は引き続き赤字見通し。
② 当期純利益の不安定性
2025年6月期当期純利益916百万円(黒字転換)は、事業譲渡による特別利益計上が主因と推測される。本業の収益力ではない一時的要因による黒字化のため、2026年6月期予想は△789百万円の純損失見通しに戻る。
③ 大幅増収予想の達成不確実性
2026年6月期会社予想売上+36.1%増の59.36億円は、過去5期の売上成長率(+10.4%→+1.8%→△1.5%→+14.3%)と比べて大幅に高い目標。GLION ARENA KOBEの本格稼働とCiEMS拡大の双方が必要で、達成の不確実性がある。
④ 株価指標の割高さ
2025年6月期実績PER 4.71倍は特別利益込みで低く見えるが、業績予想ベースでは赤字継続見通し。PBR 1.70倍と業績水準に対し株価指標はやや割高な水準。
⑤ モビリティIoT領域の競争激化
テレマティクス、社用車管理ソリューション市場は競争が激化。トヨタ系、住友三井オートサービス、その他IT企業(NTTドコモ、ソフトバンク等)との競争で、CiEMSシリーズの市場シェア拡大スピードが鈍化するリスク。
直近の急騰要因(2026年5月21日 ストップ高)
2026年5月21日発表。同社が展開する社用車管理ソリューション「CiEMS(シームス)」シリーズについて、日本カーソリューションズ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:永田勝己、国内最大級のオートリース保有台数・約70万台)とセールスパートナー契約を締結したことが直接の急騰要因。日本カーソリューションズのネットワークを通じ、企業の車両管理にまつわる課題解決を加速させる方針。2023年12月の改正道路交通法施行(白ナンバー事業者のアルコールチェック義務化)の影響で、企業の車両管理ハードルが高まる中、運行管理アプリ「CiEMS Report」やテレマティクス「CiEMS Plus」等の拡販が期待される。5月21日に一時ストップ高となり、終値357円(前日比+73円、+25.70%)でストップ高引け。

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