9238 バリュークリエーション

バリュークリエーション 9238 東証G

VALUE CREATION CO., LTD.|運用型インターネット広告を中心とするマーケティングDXと、「解体の窓口」を中核とする不動産DXを展開。広告運用ノウハウを自社マッチングサービスの集客と収益化へ転用する。
※2026年7月16日時点の情報

事業内容

2026年7月16日の時価総額は約10.7億円。株価終値は454円、第三者割当増資前の発行済株式総数2,350,680株で算出した。

バリュークリエーションは2008年4月1日設立、本社は東京都渋谷区恵比寿1丁目18番14号 恵比寿ファーストスクエア9階。代表者は代表取締役社長の新谷晃人氏、決算期は2月、上場市場は東京証券取引所グロース市場。マーケティングDX事業と不動産DX事業を展開する。

2026年2月期の訂正後業績は、売上高3,127百万円、営業損失423百万円、経常損失74百万円、当期純損失260百万円。2027年2月期第1四半期は売上高755百万円、営業損失36百万円、経常損失20百万円、四半期純損失104百万円となった。通期は売上高3,363百万円、営業利益13百万円、経常利益3百万円、当期純損失61百万円を予想している。

全社業績と訂正後の収益構造

訂正後売上高は2022年2月期の2,281百万円から2026年2月期の3,127百万円へ37.1%増加した。一方、経常損益は2022年2月期と2026年2月期が赤字となり、営業段階では2023年2月期以降4期連続の損失となった。過年度訂正により、マーケティングDX事業の一部取引は売上高から取り消され、経済的な対価が手数料収入として営業外収益へ振り替えられた。
訂正後売上高・経常損益・経常利益率の推移(単位:百万円)
0 800 1,600 2,400 3,200 売上 2,282 経常 -128 2022年2月期 利益率 -5.6% 売上 2,524 経常 127 2023年2月期 利益率 5.0% 売上 2,656 経常 249 2024年2月期 利益率 9.4% 売上 3,071 経常 282 2025年2月期 利益率 9.2% 売上 3,127 経常 -75 2026年2月期 利益率 -2.4% 売上高 経常損益
黄色が訂正後売上高、赤色が経常損益、赤字が経常利益率。2022年2月期及び2026年2月期の経常損益は赤字のため、赤い棒を基準線より下に表示している。
2026年5月に公表された過年度訂正では、ジー・プランに関連する取引について、売上高及び外注費として計上していた取引を取り消した。

取引から受け取った対価は、売上高ではなく営業外収益の手数料収入として処理された。この結果、売上高と営業利益は大幅に減少した一方、経常利益への影響は相対的に小さい期間が生じている。

2024年2月期は、売上高が訂正前2,948百万円から訂正後2,655百万円へ減少し、営業利益172百万円は営業損失122百万円へ転落した。

2025年2月期は、売上高が訂正前3,431百万円から訂正後3,071百万円へ減少し、営業利益121百万円は営業損失233百万円へ転落した。

経常利益は2024年2月期248百万円、2025年2月期282百万円を計上しているが、本業の営業損益とは方向が異なる。投資判断では、経常利益だけでなく営業損益、営業キャッシュ・フロー、営業外収益の内訳を分けて確認する必要がある。

2026年2月期は営業損失423百万円へ赤字幅が拡大した。全社費用の増加、貸倒引当金、固定資産及びのれんの減損、暗号資産評価損などが損益を圧迫した。

2027年2月期第1四半期の営業損失は36百万円となり、前年同期の56百万円から縮小した。ただし、特別調査費用84百万円を計上したため、四半期純損失は104百万円となった。

第1四半期末の純資産はマイナス65百万円となり、債務超過へ転落した。会社は第三者割当増資、マーケティングDXの受注拡大、不動産DXの採算管理、販売費削減によって財務状態の改善を進める方針である。

マーケティングDX事業

訂正後の2025年2月期売上高は2,866百万円、セグメント利益は262百万円。2026年2月期は売上高2,779百万円、セグメント利益128百万円となり、利益率は9.2%から4.6%へ低下した。2027年2月期第1四半期は売上高662百万円、セグメント利益76百万円で、利益率は11.5%となった。
マーケティングDX事業の開示業績推移(単位:百万円)
0 750 1,500 2,250 3,000 売上 2,866 利益 263 2025年2月期 利益率 9.2% 売上 710 利益 82 2026年2月期1Q 利益率 11.6% 売上 2,780 利益 129 2026年2月期 利益率 4.6% 売上 663 利益 76 2027年2月期1Q 利益率 11.5% 事業売上高 セグメント利益
黄色が売上高、赤色がセグメント利益、赤字がセグメント利益率。第1四半期は3カ月間の数値であり、通期実績とは期間が異なる。2025年2月期は2026年2月期決算短信に掲載された訂正後数値を使用。
マーケティングDX事業は、検索連動型広告、ディスプレー広告、SNS広告などの運用型広告を中心に、顧客のWeb集客と顧客獲得を支援する。

顧客の事業課題、商品、対象顧客、広告予算、利益構造を確認し、広告戦略の立案、媒体選定、クリエイティブ制作、出稿、入札調整、効果測定、改善提案までを一貫して行う。

広告のクリック数や獲得件数だけでなく、契約後の継続期間や売上を含むLTVを重視する。獲得単価が低くても短期間で解約する顧客が多ければ、顧客企業の最終利益には結び付かないためである。

広告媒体、計測ツール、顧客企業が保有する購買データを組み合わせ、広告経由の問い合わせから契約、継続利用までを分析する。

新規顧客の獲得に加え、既存顧客へのクロスセルとアップセルを成長施策としている。検索広告のみを利用する顧客へSNS広告や動画広告、クリエイティブ制作、分析サービスを追加提案する構成である。

2026年2月期の取引社数は1,874社、取引継続率は97%と開示されている。継続率の高さは、広告運用を毎月改善する伴走型の取引関係を示す。

一方、2026年2月期のセグメント利益率は4.6%まで低下した。訂正対象取引の影響に加え、人員増加、営業体制、貸倒関連費用などの負担を吸収できなかった。

2027年2月期第1四半期は、一部取引先が広告出稿を見直したため減収となった。既存顧客からの受注拡大と新規顧客獲得はあったものの、減少分を補えなかった。

セグメント利益は76百万円を確保し、利益率は前年同期の11.6%から11.5%へほぼ横ばいとなった。全社営業損失の主因は、セグメント利益を上回る全社費用である。

会社は新たな広告チャネルや生成AIを利用した広告運用支援にも取り組む。ただし、特定サービスの発表だけでなく、継続受注、顧客単価、粗利益への貢献を確認する必要がある。

投資判断では、広告取扱高ではなく、訂正後売上高、セグメント利益、取引社数、取引継続率、主要顧客への依存度、売掛債権の回収状況を追う必要がある。

不動産DX事業

売上高は2023年2月期76百万円、2024年2月期109百万円、2025年2月期204百万円、2026年2月期347百万円へ拡大した。セグメント損益は2025年2月期に6百万円の黒字となったが、2026年2月期は23百万円の赤字へ転落。2027年2月期第1四半期は売上高92百万円、セグメント損失25百万円となった。
不動産DX事業の売上高・セグメント損益・利益率推移(単位:百万円)
0 100 200 300 400 売上 76 損失 -35 2023年2月期 利益率 -45.7% 売上 109 損失 -23 2024年2月期 利益率 -21.3% 売上 205 利益 6 2025年2月期 利益率 3.1% 売上 348 損失 -23 2026年2月期 利益率 -6.7% 売上 93 損失 -25 2027年2月期1Q 利益率 -27.5% 事業売上高 セグメント損益
黄色が売上高、赤色がセグメント損益、赤字が利益率。2027年2月期第1四半期は3カ月間の数値であり、通期実績とは期間が異なる。
不動産DX事業は、住宅所有者と解体工事会社を結ぶ「解体の窓口」を中心に展開する。

利用者が建物情報、所在地、希望時期などを入力すると、複数の解体事業者が条件を確認し、逆オークション方式で価格を提示する。

利用者は解体会社を一社ずつ探す負担を抑えながら、価格、実績、対応条件を比較できる。解体会社は、自社の施工地域や工事能力に合う見込み客を獲得できる。

申し込み、事業者選定、見積もり、契約支援までをオンライン化し、専門知識を持つコンシェルジュが利用者を支援する。

解体費用だけでなく、解体後の土地売却、土地活用、建て替えなどの出口相談へつなげる。解体前後の意思決定を広く支援できれば、一案件から得られる収益を拡大できる。

2024年2月には「解体エージェント」と「外壁塗装エージェント」を取得した。解体以外の検索流入と住宅関連需要を取り込み、既存サービスとの相互送客を進める。

2026年2月期末の提携解体事業者数は約2,000社、ユーザー申込累計件数は60,000件を突破した。2027年2月期第1四半期には申込累計件数が80,000件を超えている。

2024年12月に一般建設業、2025年3月に特定建設業の許可を取得した。紹介手数料型だけでなく、自社が元請として工事を受注する案件の拡大を進めている。

元請案件では売上高を拡大できる一方、施工会社の選定、工程管理、安全管理、原価管理、工事代金の回収などの責任が増える。

住宅解体で構築した事業者ネットワークを使い、コンビニエンスストア、ドラッグストア、外食チェーン、店舗、事務所、工場などの非住宅解体市場へ進出する方針である。

2027年2月期第1四半期は、元請案件に対応する人員を先行採用した。工事完了時に売上を認識する案件が増え、一部売上が翌四半期以降へずれた。

新システム導入に伴う一時的な業務効率低下も発生し、セグメント損失は25百万円へ拡大した。

成長性を評価する際は、申込件数だけでなく、成約件数、平均工事単価、元請案件比率、粗利益率、案件完了までの期間、施工事故、貸倒れ、加盟事業者の継続率を確認する必要がある。

直近5年業績サマリー

業績項目 2022年2月期 2023年2月期 2024年2月期 2025年2月期 2026年2月期 2027年2月期
会社予想
売上高
(百万円)
2,281 2,524 +243 / +10.6% 2,655 +131 / +5.2% 3,071 +415 / +15.6% 3,127 +56 / +1.8% 3,363 +236 / +7.5%
営業損益
(百万円)
-183 -122 +61 / 赤字縮小 -233 -111 / 赤字拡大 -423 -190 / 赤字拡大 13 +437 / 黒字転換
経常損益
(百万円)
-128 127 +255 / 黒字転換 248 +121 / +95.3% 282 +33 / +13.4% -74 -357 / 赤字転換 3 +78 / 黒字転換
当期純利益
(百万円)
-142 91 +233 / 黒字転換 171 +80 / +87.6% 119 -52 / -30.4% -260 -380 / 赤字転換 -61 +199 / 赤字縮小
EPS
(円)
-61.82 39.74 +101.56 / 黒字転換 74.55 +34.81 / +87.6% 51.89 -22.66 / -30.4% -113.44 -165.33 / 赤字転換 -26.51 +86.93 / 赤字縮小
PER
(倍)
17.40 19.04
PBR
(倍)
10.64 5.89 42.16
BPS
(円)
-99.93 -60.18 +39.75 / 債務超過縮小 121.99 +182.17 / プラス転換 167.88 +45.89 / +37.6% 17.17 -150.71 / -89.8%
純資産
(百万円)
-229 -138 +91 / 債務超過縮小 280 +419 / プラス転換 386 +105 / +37.6% 39 -346 / -89.8%
営業CF
(百万円)
34 152 +117 / +340.9% 326 +174 / +114.7% 238 -88 / -27.1% -179 -417 / 赤字転換
投資CF
(百万円)
1 -9 -11 / 支出転換 -87 -77 / 支出拡大 -264 -176 / 支出拡大 -182 +81 / 支出縮小
財務CF
(百万円)
93 78 -14 / -15.8% 140 +61 / +77.9% -47 -187 / 支出転換 347 +394 / 収入転換
現金及び現金同等物
(百万円)
611 833 +221 / +36.1% 1,212 +379 / +45.5% 1,138 -73 / -6.1% 1,124 -14 / -1.3%
表は2026年5月29日に公表された訂正後数値を優先。EPS及びBPSは、2027年2月期第1四半期末の発行済株式総数2,350,680株から自己株式50,074株を控除した2,300,606株で全期間を再計算した。2024年2月期の期末終値2,595円は2024年3月16日付1対2株式分割前の株価であるため、PER及びPBRには分割調整後1,297.5円を使用。2025年2月期は988円、2026年2月期は724円を使用した。2022年2月期及び2023年2月期は未上場のためPERとPBRを空欄とし、赤字期のPER及び債務超過期のPBRも空欄とした。2022年2月期の営業損益は、確認できる訂正後5年指標に独立した数値が掲載されていないため空欄とした。

中期経営計画

事業計画及び成長可能性・収益構造と財務基盤の再構築

複数年度の売上高、営業利益、ROEなどを示した専用の中期経営計画は確認できない。代替となる資料として「事業計画及び成長可能性に関する事項」と、各期の業績予想、内部管理体制の改善策が公表されている。

2027年2月期の会社予想は、売上高3,363百万円、営業利益13百万円、経常利益3百万円、当期純損失61百万円。売上高は前期比7.5%増、営業損益と経常損益は黒字転換を計画する一方、最終損益は赤字が継続する。

第1四半期の売上高は755百万円で、通期計画に対する単純進捗率は22.5%。営業損益は36百万円の赤字、経常損益は20百万円の赤字となった。会社は通期予想を据え置いている。

マーケティングDX事業では、新規顧客獲得、既存顧客との取引継続、クロスセル、アップセル、営業体制の再構築を進める。

広告出稿量だけを追うのではなく、顧客企業のLTVや利益を基準として広告を最適化し、継続率と顧客単価を高める方針である。

不動産DX事業では、「解体の窓口」「解体エージェント」「外壁塗装エージェント」の集客を拡大し、登録事業者数と成約件数を積み上げる。

一般建設業及び特定建設業の許可を利用し、紹介手数料型から元請案件へ収益機会を広げる。住宅解体に加え、店舗、事務所、工場、多店舗チェーンの解体需要を取り込む。

元請案件の拡大では、工事完了までの運転資金と施工管理人員が必要になる。売上高の拡大と同時に、案件別粗利益、工期、追加費用、回収条件を管理する必要がある。

過年度訂正を受け、取引の実在性確認、取引先審査、証憑管理、決裁権限、経理部門の牽制、取締役会及び監査機能を再構築することが経営計画の前提となる。

2027年2月期第1四半期末は65百万円の債務超過となった。会社は2026年7月15日に第三者割当による普通株式251,256株の発行を決議した。

発行価格は1株398円、調達総額は99,999,888円、払込期日は2026年7月31日。割当先はKobayashi Family Capitalで、調達資金はマーケティングDXの人材・営業体制、不動産DXの元請案件に必要な運転資金へ充当する。

発行株式数は増資前発行済株式数の約10.7%に相当する。払込完了後の発行済株式総数は2,601,936株となる見込みで、既存株主には1株当たり利益と議決権比率の希薄化が生じる。

会社は、手元資金と資金調達策を踏まえ、第1四半期末翌日から12カ月間の資金繰りに重要な懸念はないと判断している。ただし、営業黒字化、増資の実行、債務超過解消、内部統制の改善を継続して確認する必要がある。
事業計画資料へ

競合他社

① Speee(4499)
2026年7月16日の株価は約2,204円、時価総額は約254.9億円。バリュークリエーションの時価総額約10.7億円に対し、約23.9倍の規模となる。

2026年9月期中間期の売上高は8,164百万円で前年同期比0.8%減、営業損失は420百万円、経常損失は472百万円、親会社株主に帰属する中間純損失は622百万円となった。

2026年9月期通期は、売上高17,000百万円、営業損失1,704百万円、経常損失1,698百万円、親会社株主に帰属する当期純損失2,079百万円を予想している。

不動産売却一括査定の「イエウール」、外壁塗装会社紹介の「ヌリカエ」、リフォーム関連サービス、解体から土地活用までを支援する「土地再生」などを展開する。

バリュークリエーションとは、不動産所有者のWeb集客、解体、外壁塗装、売却、土地活用、加盟事業者への送客で競合する。

広告・DX領域でも、顧客獲得支援、データ分析、DXコンサルティング、広告配信プラットフォームを提供しており、マーケティングDX事業と重なる。

Speeeは複数の不動産サービス間で利用者を相互送客でき、広告費、ユーザーデータ、加盟事業者ネットワークを共有できる。

バリュークリエーションは、解体に特化した専門性、逆オークション、コンシェルジュ、元請工事への展開速度で差別化する必要がある。
② Macbee Planet(7095)
2026年7月16日の株価は約1,150円、時価総額は約168.5億円。バリュークリエーションの時価総額約10.7億円に対し、約15.8倍の規模となる。

2026年4月期の売上収益は50,579百万円、営業利益は3,650百万円。営業利益率は約7.2%となった。

LTVマーケティングを中核に、広告配信、データ分析、顧客獲得、CRM、解約抑止、既存顧客の利用促進までを支援する。

広告経由で獲得した顧客の初回購入だけでなく、その後の継続率、追加購入、解約、利益を追跡し、LTVの高い顧客獲得へ広告予算を配分する。

バリュークリエーションとは、運用型広告、顧客データ分析、LTV改善、広告クリエイティブ、成果重視型の顧客獲得支援で直接競合する。

Macbee Planetは企業規模、データ量、開発投資、M&Aを通じた製品範囲に優位性を持つ。大企業の広告、CRM、データ基盤を横断する案件では競争力が高い。

バリュークリエーションは、不動産・住宅などの得意業種、自社プラットフォームで広告を実践する運用知見、顧客対応の速度で差別化する必要がある。

広告運用の価格競争を避けるには、媒体手数料ではなく、顧客企業の売上、利益、LTV改善に対する成果を示す必要がある。
③ リビン・テクノロジーズ(4445)
2026年7月16日の株価は約1,643円、時価総額は約44.2億円。バリュークリエーションの時価総額約10.7億円に対し、約4.1倍の規模となる。

2026年9月期中間期の営業収益は1,733百万円で前年同期比4.1%減、営業利益は163百万円で同36%減となった。営業利益率は約9.4%である。

不動産売却一括査定の「リビンマッチ」、外壁塗装会社比較の「ぬりマッチ」、土地活用会社比較、不動産会社向け広告・集客支援などを展開する。

バリュークリエーションとは、不動産所有者の集客、不動産売却、外壁塗装、土地活用、事業者への見込み客送客で競合する。

「ぬりマッチ」と「外壁塗装エージェント」は、同じ住宅所有者と施工会社を対象とする直接競合である。

解体後の土地売却や土地活用では、利用者の最終目的をどのサービスが最初に獲得するかが競争軸となる。

両社は2020年に「リビンマッチ」と「解体の窓口」の相互連携を開始しており、利用者を送客する協業関係も持つ。

バリュークリエーションは、協業先への依存だけでなく、自社の検索流入、加盟事業者、元請案件、解体後サービスの成約率を高める必要がある。

強みと将来性

広告運用会社と解体プラットフォームを同一企業で運営する実践型DX
バリュークリエーションの特徴は、企業向けに広告運用を提供するだけでなく、自社でも「解体の窓口」などのデジタルプラットフォームを運営している点にある。

広告代理事業で培った検索広告、ディスプレー広告、SNS広告、クリエイティブ、計測、改善の知見を、自社サービスの利用者獲得へ直接利用できる。

自社サービスでは、広告費、問い合わせ数、相談内容、見積もり、成約、工事金額までを同じ事業者として確認できる。

広告媒体上のコンバージョンだけでなく、最終的な成約率や案件利益まで追跡できれば、マーケティングDXの顧客提案にも実践データを還元できる。

マーケティングDX事業は、2027年2月期第1四半期も76百万円のセグメント利益を確保した。全社が営業赤字であっても、主力事業そのものは黒字を維持している。

取引継続率は2026年2月期に97%を維持した。広告運用は毎月の改善作業が必要であり、契約が継続すれば顧客企業の事業データと運用知見が蓄積する。

解体市場は地域ごとに事業者が分散し、工事条件、価格、対応地域、保有資格、施工能力が分かりにくい。利用者と事業者の情報格差をデジタルで縮小する余地がある。

「解体の窓口」は逆オークション方式を採用し、利用者が複数業者の条件を比較できる。価格だけでなく、対応範囲や施工実績を確認できる仕組みを強化すれば、単純な一括見積もりとの差別化につながる。

約2,000社の解体事業者ネットワークは、全国の住宅解体案件を取り扱うための基盤となる。事業者数に加え、対応地域、施工品質、事故率、成約率などのデータが蓄積すれば、マッチング精度を高められる。

解体は利用者の最終目的ではない場合が多い。相続不動産の処分、空き家対策、土地売却、建て替え、土地活用へサービスを広げることで、利用者との接点を長期化できる。

「解体エージェント」「外壁塗装エージェント」を取得したことで、住宅所有者が検索する複数の課題から利用者を獲得できる。

建設業許可の取得によって元請工事へ参入できるため、紹介手数料だけでなく工事売上を計上できる。ただし、高い売上高がそのまま高い利益を意味するわけではなく、案件別採算管理が必要となる。

非住宅解体は、店舗の閉店、改装、建て替え、工場設備更新など継続需要が存在する。多店舗企業の案件を獲得できれば、単発の住宅案件より反復受注へつながる可能性がある。

第三者割当増資が完了し、債務超過を解消したうえで営業黒字化を達成できれば、財務リスクの低下と事業成長を同時に評価できる段階へ移行する。

将来性を判断する中心は、広告市場や解体市場の規模だけではない。訂正後の営業利益、営業キャッシュ・フロー、元請案件の粗利益、全社費用、内部統制の改善が同時に進むかが重要となる。

弱みとリスク要因

過年度訂正、債務超過、増資希薄化と不動産DXの先行負担
最大のリスクは、過年度決算の訂正によって、開示数値と内部統制に対する信頼が大きく低下したことである。

ジー・プラン関連取引では、実在性を確認できなかった取引について、売上高及び外注費の計上を取り消した。

2024年2月期と2025年2月期は、訂正前には営業黒字だったが、訂正後は営業赤字となった。投資家が評価していた本業の収益力が大きく変化している。

東京証券取引所は2026年6月26日、開示された情報に虚偽と認められる内容があり、上場規則に違反したとして公表措置を実施した。

特別調査委員会は、会社が架空循環取引であると認識していた事実や、担当者が外部者と共謀した事実を認定していない。一方、取引の実在性を検証する体制や牽制機能が不十分だった。

財務報告に係る内部統制には開示すべき重要な不備があり、2026年2月期の内部統制は有効ではないとされた。

再発防止策を策定しても、運用が定着し、監査で有効性が確認されるまでには時間を要する。取引審査を厳格化すれば、短期的には受注速度や売上高が低下する可能性もある。

2027年2月期第1四半期末は純資産マイナス65百万円、自己資本比率マイナス4.0%の債務超過となった。

会社は継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象が存在すると認識している。資金繰りに重要な不確実性はないと判断しているが、営業赤字が続けば追加資金が必要になる可能性がある。

第三者割当では251,256株を新たに発行する。増資前発行済株式数に対して約10.7%の増加となり、既存株主の1株当たり利益と持分比率は希薄化する。

増資後も当期純損失が継続すれば、調達資金が赤字補填に使われ、成長投資へ十分に回らない可能性がある。

2027年2月期会社予想は営業黒字13百万円に対し、当期純損失61百万円を見込む。営業利益の計画値は売上高の約0.4%にすぎず、わずかな費用超過で営業赤字となる。

マーケティングDX事業は、顧客企業の広告予算、景気、消費動向、広告媒体の規約変更、入札価格、計測制限の影響を受ける。

Google、Meta、LINEヤフーなどの広告媒体が自動運用機能や生成AI機能を強化すると、代理店の基本的な運用作業がコモディティ化する可能性がある。

特定顧客の広告出稿見直しは四半期売上へ直接影響する。主要顧客の契約終了、予算縮小、売掛金回収遅延が発生した場合、利益と資金繰りが同時に悪化する。

不動産DX事業は売上高を拡大しているが、2026年2月期と2027年2月期第1四半期はセグメント赤字となった。

元請案件は売上高を大きくできる反面、外注原価、追加工事、工期遅延、事故、近隣対応、廃棄物処理、アスベスト対応などのリスクを負う。

工事完了時に売上を認識する案件が増えると、工期の遅延によって売上計上が翌四半期や翌期へずれる。

解体工事会社の施工不良、法令違反、事故、不法投棄が発生した場合、プラットフォーム運営会社や元請会社として信用を失う可能性がある。

第1四半期は特別調査費用84百万円を計上し、現金及び預金が前期末から300百万円減少した。再発防止、監査、法律対応に追加費用が生じる可能性がある。

暗号資産の評価損益や売却損益、手数料収入によって経常損益が変動する。営業損益と経常損益の差が大きい期間は、本業の改善と営業外要因を分けて評価する必要がある。

2026年2月期末のBPSは再計算後17.17円で、期末株価724円に対するPBRは約42.16倍となる。第1四半期末は債務超過のため、現在のPBRによる評価は有効性が低い。

時価総額が小さく市場流通株式も限定されるため、決算、資金調達、内部統制、適時開示、需給によって株価が大きく変動しやすい。2026年7月16日の株価は前日比80円高のストップ高となった。

出典

コメント

タイトルとURLをコピーしました