チャットプラス 598A 東証G
ChatPlus Co., Ltd.|チャットボット、生成AIエージェント、FAQシステムをSaaS形式で提供。問い合わせ対応の自動化、有人対応支援、Web接客、ナレッジ管理を一体化する。
※2026年7月16日時点の情報
事業内容
2026年7月16日の時価総額は約129.5億円。株価終値は2,784円、上場時発行済株式総数は4,650,000株。
チャットプラスは2016年8月10日設立、本社は東京都千代田区丸の内2丁目7番2号 JPタワー14階。代表者は代表取締役社長の大江繭子氏、資本金は332,920千円、決算期は6月、上場市場は東京証券取引所グロース市場。チャットツール開発・販売、FAQ作成ツール開発、チャットボット作成代行、AI導入支援を行う。
2026年6月期第3四半期累計の業績は、売上高912百万円、営業利益437百万円、経常利益437百万円、四半期純利益286百万円。通期は売上高1,222百万円、営業利益500百万円、経常利益492百万円、当期純利益322百万円を予想している。
チャットプラスは2016年8月10日設立、本社は東京都千代田区丸の内2丁目7番2号 JPタワー14階。代表者は代表取締役社長の大江繭子氏、資本金は332,920千円、決算期は6月、上場市場は東京証券取引所グロース市場。チャットツール開発・販売、FAQ作成ツール開発、チャットボット作成代行、AI導入支援を行う。
2026年6月期第3四半期累計の業績は、売上高912百万円、営業利益437百万円、経常利益437百万円、四半期純利益286百万円。通期は売上高1,222百万円、営業利益500百万円、経常利益492百万円、当期純利益322百万円を予想している。
SaaSソリューション事業
売上高は2021年12月期の386百万円から2025年6月期の1,021百万円へ約2.6倍に拡大した。経常利益は42百万円から369百万円へ増加し、経常利益率は11.1%から36.1%へ上昇。2026年6月期会社予想の営業利益率は40.9%で、高いストック収益比率と低コスト運営が収益性を支えている。
売上高・経常利益・経常利益率の推移(単位:百万円)
黄色が売上高、赤色が経常利益、赤字が経常利益率。2023年6月期は決算期変更に伴う6カ月決算。2023年6月期以前の営業利益は主要経営指標として開示されていないため、グラフには継続取得できる経常利益を使用。
報告セグメントはSaaSソリューション事業の単一セグメントであり、ChatPlus、AI AgentPlus、FAQPlusを主力サービスとする。
2025年6月期の売上高1,021百万円のうち、チャットボットシステムとFAQシステムのストック型収益は983百万円であった。ストック型収益が売上高の90%以上を占め、既存契約の月額・年額利用料が収益基盤となる。
継続課金収入に加え、初期設定、機能追加開発、コンテンツ制作などのフロー型収益も計上する。顧客の要望に応じたカスタマイズは新規売上となる一方、標準機能として横展開できればプロダクト全体の競争力向上につながる。
2025年6月期末のARRは1,077百万円、2026年6月期第3四半期末は1,198百万円へ増加した。第3四半期末のARRは2026年6月期売上高予想1,222百万円に近い水準だが、ARRは契約月額を年換算した指標であり、当期売上高とは定義が異なる。
サービス別アカウント数の合計は2025年6月期末の2,328件から2026年6月期第3四半期末の2,249件へ減少した。低価格帯のChatPlus契約が減る一方、高単価のAI AgentPlusとFAQPlusが増加した。
平均ARPAは2024年6月期末の346千円から2025年6月期末463千円、2026年6月期第3四半期末532千円へ上昇している。契約数を単純に増やすだけでなく、上位製品への移行によって顧客単価を引き上げる構造が確認できる。
2025年6月期の粗利率は74.2%、営業利益率は36.2%。2026年6月期第3四半期累計の営業利益率は48.0%となり、売上規模に対して高い収益性を確保している。
収益性を維持するには、LLM利用料、AWSなどのサーバー費用、セキュリティ費用、開発人員、顧客支援費用の増加を、ARPAの上昇と業務効率化で吸収する必要がある。
ChatPlus
ARRは2024年6月期末634百万円、2025年6月期末707百万円、2026年6月期第3四半期末661百万円。アカウント数は2,204件、2,182件、2,037件と減少した一方、ARPAは287千円、324千円、325千円へ上昇した。下位プランの減少に対し、上位プランへの移行が収益を下支えしている。
ChatPlusは、Webサイト上の有人チャット、シナリオ型チャットボット、AI型チャットボットを一つの管理画面で運用するサービスである。年契約では月額1,500円から導入でき、初期費用は0円。小規模なWebサイトから大企業の問い合わせ窓口まで、利用規模に応じた複数の料金プランを設けている。
問い合わせを自動化するだけでなく、担当者へのルーティング、定型文、チケット管理、チャット履歴、レポート、頻出単語分析、ワードクラウドなどの運用機能を備える。
シナリオ型では、利用者の選択内容に応じて質問と回答を分岐させる。定型的な問い合わせや申し込み案内では、回答内容を管理者側で厳密に制御できる。
有人チャットでは、自動応答で解決できなかった問い合わせを担当者へ引き継ぐ。問い合わせ内容や閲覧ページなどの情報を確認しながら対応でき、電話やメールより短時間で複数利用者へ応対できる。
SalesforceやLINEとの連携、APIによる外部システム接続、SSO、IPアドレス制限、操作ログ、多言語対応など、企業利用に必要な機能を拡張できる。
ECサイトでは商品案内、購入前の質問、離脱防止、キャンペーン表示に利用できる。カスタマーサポートではFAQ誘導、手続き案内、障害情報、有人対応への切り替えを担う。
社内ヘルプデスクでは、IT、総務、人事、経費、各種申請に関する質問を自動化できる。問い合わせ履歴を分析することで、繰り返し発生する業務課題や不足している情報を把握できる。
導入企業から得た要望を営業、カスタマーサクセス、開発部門で共有し、機能改善へ反映する開発体制を持つ。自社開発であるため、顧客ニーズを標準機能や個別カスタマイズへ反映しやすい。
投資判断では、ChatPlus全体のアカウント数だけでなく、低価格プランの減少率、上位プランへの移行数、ARPA、解約率、AI AgentPlusやFAQPlusへのクロスセル率を確認する必要がある。
AI AgentPlus
ARRは2024年6月期末144百万円、2025年6月期末346百万円、2026年6月期第3四半期末498百万円へ拡大。アカウント数は70件、136件、197件、ARPAは2,069千円、2,549千円、2,528千円。高単価のAI AgentPlusが全社ARRと平均ARPAの上昇を牽引している。
AI AgentPlusは、生成AIを使って質問の意図や会話の文脈を理解し、企業が登録した資料やWebページを基に回答を生成する対話型AIエージェントである。各種資料のアップロードやURLの指定によって回答データを構築でき、従来型チャットボットで必要だった大量のQ&A登録作業を軽減する。
回答できなかった質問を抽出し、質問傾向や不足情報を自動分析する。AI分析レポートが追加すべきQ&Aや改善点を提案し、導入後の精度改善を支援する。
辞書機能によって社内用語、略語、製品型番、表記ゆれを登録できる。カテゴリや条件分岐を利用し、利用者、契約内容、時期などに応じて回答範囲を変えられる。
ハルシネーションを抑制する機能、回答範囲の限定、根拠の表示、有人対応への切り替えを備える。生成AIだけに判断を任せず、重要な問い合わせを担当者が確認する運用を構築できる。
エージェントへ性格や役割を設定し、共感を優先する案内、商品提案、問い合わせ対応など、目的に応じた応対方法を指定できる。
会員ランク、購入履歴、閲覧ページなどの情報を利用し、利用者ごとの対応方針を提案する。将来的には単純な質問回答から、顧客の状況に応じた提案やタスク実行へ用途を広げる方針である。
独自開発のChatPlus AIと、OpenAI API、Claude、Geminiなど複数の生成AIを組み合わせて運用できる。用途に応じてモデルを選択し、精度、速度、利用コストを調整する。
画像とテキストを同時に理解するマルチモーダルAIに対応し、PDF内の図やグラフ、Excel形式の表も回答データとして利用できる。BoxやSharePointとのデータ連携にも対応する。
AI AgentPlusの拡大は全社のARPA向上に直結する一方、生成AIモデルの利用料、競合製品の性能向上、回答事故、顧客データ管理が主要な評価項目となる。
FAQPlus
ARRは2024年6月期末9百万円、2025年6月期末24百万円、2026年6月期第3四半期末38百万円。アカウント数は4件、10件、15件、ARPAは2,400千円、2,400千円、2,605千円。規模は小さいが、ChatPlusとのクロスセルによる成長余地を持つ。
FAQPlusは、FAQ記事の作成、公開、検索、品質管理、利用状況の分析を行うAIエージェント協働型FAQシステムである。各種資料、音声データ、URL、チャット履歴、FAQ検索履歴を基に、AIエージェントがFAQ記事を自動生成する。記事作成者ごとの品質差や作成時間を抑える役割を持つ。
類似記事や重複記事の検知、リンク切れの確認、記事ガイドラインのチェックを自動化する。情報が古いまま放置される問題や、担当者による表現のばらつきを抑制する。
利用者の入力意図を理解し、「解約」「退会」「やめたい」など表現が異なる検索語から同じFAQへ誘導できる。
文字を入力するたびに関連する質問候補を表示するリアルタイムサジェスト機能を備え、利用者が検索語を正確に入力できなくても回答へ到達しやすい。
FAQで解決できなかった質問はChatPlusへ引き継ぎ、シナリオ型、生成AI型、有人チャットで対応できる。FAQ記事をChatPlus側へ連携し、ナレッジを一元管理する構成を採れる。
利用データから閲覧数、評価、検索された質問を分析し、AIが改善点を提示する。問い合わせが多いにもかかわらず記事が不足している領域を発見しやすい。
初期費用は0円、月額利用料は200,000円。ChatPlusの低価格プランと比べて高単価であり、大規模なFAQ運用を行う企業への販売が中心となる。
FAQPlus単体のアカウント数はまだ少ない。ChatPlusとAI AgentPlusの既存顧客へ販売し、1企業あたりの利用サービス数と年間売上を高められるかが成長の焦点となる。
直近5年業績サマリー
| 業績項目 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年6月期 6カ月決算 |
2024年6月期 | 2025年6月期 | 2026年6月期 会社予想 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 (百万円) |
386 | 507 +121 / +31.3% | 310 -198 / -38.9% | 749 +439 / +141.5% | 1,021 +272 / +36.3% | 1,222 +200 / +19.6% |
| 営業損益 (百万円) |
– | – | – | 161 | 369 +208 / +128.8% | 500 +131 / +35.4% |
| 経常損益 (百万円) |
42 | 34 -8 / -19.3% | 4 -30 / -86.1% | 162 +157 / +3,261.5% | 369 +207 / +127.8% | 492 +123 / +33.3% |
| 当期純利益 (百万円) |
24 | 26 +2 / +8.8% | 6 -20 / -76.0% | 105 +99 / +1,551.7% | 246 +141 / +133.5% | 322 +76 / +30.9% |
| EPS (円) |
5.25 | 5.71 +0.46 / +8.8% | 1.37 -4.34 / -76.0% | 22.67 +21.30 / +1,554.7% | 52.91 +30.24 / +133.4% | 69.25 +16.34 / +30.9% |
| PER (倍) |
– | – | – | – | – | 40.20 |
| PBR (倍) |
– | – | – | – | – | – |
| BPS (円) |
9.96 | 15.67 +5.71 / +57.3% | 17.05 +1.38 / +8.8% | 39.71 +22.66 / +132.9% | 90.04 +50.33 / +126.7% | – |
| 純資産 (百万円) |
46 | 72 +27 / +57.4% | 79 +6 / +8.8% | 184 +105 / +133.0% | 418 +234 / +126.7% | – |
| 営業CF (百万円) |
– | – | – | 199 | 409 +211 / +105.9% | – |
| 投資CF (百万円) |
– | – | – | -101 | -10 +91 / +90.0% | – |
| 財務CF (百万円) |
– | – | – | 45 | -85 -130 / 赤字転換 | – |
| 現金及び現金同等物 (百万円) |
– | – | – | 374 | 689 +315 / +84.0% | – |
EPSとBPSは、上場時発行済株式総数4,650,000株で全期間を再計算。会社公表の2026年6月期予想EPS80.50円は、公募増資前の期中平均株式数4,000,000株を基礎としているため、表では322百万円を4,650,000株で除した69.25円を使用した。2026年6月期予想PERは、2026年7月16日終値2,784円を再計算EPS69.25円で除して算出。上場前の各期には市場株価が存在しないため、過去のPERとPBRは空欄。2023年6月期は決算期変更に伴う6カ月決算であり、前後の年度との単純比較には期間差がある。2023年6月期以前の営業利益及び2024年6月期以前のキャッシュ・フローは、確認できる一次資料に継続数値がないため空欄とした。
中期経営計画
成長戦略:顧客数拡大・ARPA向上・低解約率維持
複数年度の具体的な数値目標を示す専用の中期経営計画は確認できない。公式IRでは、AIエージェント市場と国内DX市場を対象に、顧客数の拡大、1社あたり取引金額の拡大、解約率の低位維持を基本戦略としている。2026年6月期の短期数値目標は、売上高1,222百万円、営業利益500百万円、経常利益492百万円、当期純利益322百万円。営業利益率は40.9%を計画する。
第3四半期累計の進捗率は、売上高が74.7%、営業利益が87.5%、経常利益が88.9%、純利益が89.1%。売上高より利益の進捗率が高く、高収益なストック売上と費用管理が利益を押し上げている。
顧客数の拡大では、営業力の強化、展示会への出展、SEO対策、サービス機能の拡充によってリード流入と受注率を高める方針である。
顧客単価の向上では、既存顧客を高単価のAI搭載上位プランへ移行させるアップセルと、ChatPlus、AI AgentPlus、FAQPlusを組み合わせるクロスセルを進める。
2026年6月期第3四半期末の平均ARPAは532千円で、2024年6月期末の346千円から大きく上昇した。AI AgentPlusとFAQPlusの比率上昇が全社ARPAを押し上げている。
解約率の低位維持では、導入支援、オンボーディング、顧客伴走型のカスタマーサクセス、継続的な機能改善を行い、顧客生涯価値の最大化を目指す。
2026年6月期第3四半期の月次Churnレートは、直近12カ月平均で1.9%。アカウント数が減少しているため、低価格プランの解約を抑えながら上位プランへの移行を進める必要がある。
製品戦略では、AIエージェントを単純な自動応答から、利用者の意図を理解した複雑な対応、個別提案、外部システム連携、自律的なタスク実行へ進化させる。
売上高と営業利益に加え、ARR、サービス別アカウント数、ARPA、Churnレートが成長戦略の進捗を判断する主要指標となる。
成長戦略へ
競合他社
① PKSHA Technology(3993)
2026年7月16日の株価は2,968円、時価総額は約948.2億円。チャットプラスの時価総額約129.5億円に対して約7.3倍の規模となる。2026年9月期第2四半期累計の売上収益は18,712百万円で前年同期比85.8%増、調整後EBITDAは4,253百万円で同50.8%増、事業利益は3,401百万円で同58.5%増となった。
税引前利益は3,071百万円で前年同期比6.0%減、親会社の所有者に帰属する利益は1,865百万円で同11.2%減。前年同期に計上したその他収益の反動などが最終利益へ影響した。
2026年9月期は売上収益35,000百万円、事業利益5,000百万円、親会社の所有者に帰属する利益2,850百万円を予想する。
PKSHA ChatAgent、PKSHA FAQ、PKSHA VoiceAgent、PKSHA Speech Insightなどを展開し、チャット、FAQ、電話、音声分析、ナレッジ生成、社内ヘルプデスクを横断する。
チャットプラスとは、AIチャットボット、FAQ、生成AIによる回答、自己解決支援、有人対応への引き継ぎ、社内問い合わせ自動化で競合する。
PKSHA Technologyは、自然言語処理や音声認識の技術基盤、大企業向けの導入実績、電話を含む製品範囲、個別AIソリューションとの組み合わせに強みを持つ。
チャットプラスは、低価格から開始できる導入の容易さと、ChatPlus、AI AgentPlus、FAQPlusを段階的に追加できる構成で差別化する必要がある。
② プレイド(4165)
2026年7月16日の株価は590円、時価総額は約243.4億円。チャットプラスの時価総額約129.5億円に対して約1.9倍の規模となる。2026年12月期第2四半期累計の売上高は7,766百万円で前年同期比18.6%増、調整後営業利益は746百万円で同24.3%減となった。
営業利益は611百万円で前年同期比30.9%減、経常利益は523百万円で同38.1%減、親会社株主に帰属する利益は310百万円で同51.5%減。営業組織の変更や成長投資が利益へ影響した。
2026年12月期は決算期変更に伴う15カ月の変則決算で、売上高20,577百万円、営業利益2,183百万円、経常利益2,098百万円、親会社株主に帰属する利益1,323百万円を予想する。
顧客体験プラットフォーム「KARTE」を中心に、Webサイトやアプリ上の行動データをリアルタイムに解析し、利用者ごとに表示内容や案内を最適化する。
グループのRightTouchは、Web上で利用者の困りごとを検知し、FAQ、チャット、電話など適切なサポート手段へ誘導する。
チャットプラスとは、Web接客、FAQ誘導、問い合わせ前の自己解決支援、生成AIによる顧客対応、有人サポートへの引き継ぎで競合する。
プレイドは問い合わせ対応だけでなく、閲覧行動、購買行動、顧客データを利用したCX全体の改善を提案できる。大規模なデータ活用やパーソナライゼーション案件では、提供範囲が広い。
チャットプラスは、問い合わせ対応を目的とした導入の分かりやすさ、短い導入期間、低い開始価格、チャットとFAQの一体運用で対抗する必要がある。
③ モビルス(4370)
2026年7月16日9時時点の株価は316円、時価総額は約19.4億円。チャットプラスの時価総額約129.5億円を下回るが、製品用途の重複度が高い直接競合である。2026年8月期第3四半期累計の売上高は1,565百万円で前年同期比18.5%増、営業損失は77百万円となった。
SaaSサービスの平均月額単価は325千円で前年同期から38千円上昇し、ARRは1,459百万円となった。
2026年8月期通期は売上高2,298百万円、前期比23.9%増を予想する。売上とARRが拡大する一方、成長投資を続けながら営業損益を改善できるかが課題となる。
「MOBI BOT」はシナリオ型、AI型、RAG型の問い合わせ自動化に対応し、有人チャットへの切り替えや外部データ連携を行う。
「MOBI AGENT」はコンタクトセンター向け有人チャットで、オペレーター管理、自動要約、KPIレポート、CRM連携などを提供する。
生成AIサービス群「MooA」は、応対内容の要約、VOC分析、ナレッジ作成、オペレーター支援を行う。MOBI VOICEやVisual IVRを通じ、電話や音声領域もカバーする。
チャットプラスとは、AIチャットボット、有人チャット、FAQ・ナレッジ管理、RAG、生成AI回答、問い合わせデータ分析で直接競合する。
モビルスは電話、音声、Visual IVR、コンタクトセンター管理まで含む製品範囲に強みを持つ。チャットプラスは導入価格、高い利益率、製品の分かりやすさ、ChatPlusとFAQPlusの連携で差別化する必要がある。
強みと将来性
高いストック収益比率と、低価格から高単価AIへ拡張できる製品構造
チャットプラスの強みは、売上高の90%以上をストック型収益が占める継続課金モデルにある。契約アカウントが積み上がることで、翌期以降の売上を予測しやすい。2025年6月期末のARRは1,077百万円、2026年6月期第3四半期末は1,198百万円へ増加した。全体アカウント数が減少する中でもARRが増えており、顧客構成が高単価サービスへ移行している。
ChatPlusは年契約月額1,500円から導入できる。小規模な問い合わせ窓口で利用を開始し、利用範囲の拡大に合わせて上位プラン、AI AgentPlus、FAQPlusへ移行できる。
低価格プランは新規顧客獲得の入口となり、高単価プランはARPAと利益を引き上げる。価格帯と機能の幅が広く、中小企業から大企業まで同じ製品群で対応できる。
AI AgentPlusのARRは、2024年6月期末144百万円から2026年6月期第3四半期末498百万円へ拡大した。全社ARRの成長に対する寄与が大きく、従来型チャットから生成AI型サービスへの移行が進んでいる。
FAQPlusは規模が小さいものの、ChatPlusで蓄積した問い合わせ履歴と既存顧客基盤を利用できる。新規顧客を一から獲得するより、既存顧客への追加販売によって営業効率を高めやすい。
2025年6月期の粗利率は74.2%、営業利益率は36.2%。2026年6月期第3四半期累計の営業利益率は48.0%であり、売上規模に対して高い利益を確保している。
自社開発とシステム化によって運用コストを抑え、広告宣伝費を過度に増やさず顧客を獲得する構造を持つ。顧客要望を開発へ迅速に反映できる点も、競争環境の変化が速い生成AI市場で有効となる。
独自のChatPlus AIと複数の外部生成AIモデルを組み合わせられるため、特定のLLMに全面依存せず、精度、速度、コストを調整できる。
辞書、条件分岐、根拠表示、ハルシネーション制御、有人への切り替えを組み合わせ、単純なRAGだけでは対応しにくい企業固有の用語や業務ルールへ対応する。
PDF、Excel、画像、Box、SharePointを利用した大容量学習は、社内ヘルプデスク、製品問い合わせ、規程検索など、企業内部のナレッジ活用を広げる。
問い合わせ対応から得られる対話履歴は、FAQ改善、商品改善、顧客ニーズ分析、営業提案へ利用できる。単なるコスト削減ツールから、顧客接点のデータ基盤へ発展する余地がある。
将来性を判断する中心は、導入件数の総数だけではない。AI AgentPlusとFAQPlusの新規契約数、既存ChatPlus顧客へのクロスセル、平均ARPA、解約率、営業利益率を同時に確認する必要がある。
AIエージェントが外部CRMや業務システムと連携し、回答だけでなく申し込み、予約、情報更新などのタスクを実行できるようになれば、顧客企業にとっての利用価値と契約単価が上昇する可能性がある。
弱みとリスク要因
アカウント減少、生成AIのコモディティ化、外部AI・クラウド費用と上場直後の高評価
サービス別アカウント数の合計は、2025年6月期末の2,328件から2026年6月期第3四半期末の2,249件へ減少した。ChatPlusのアカウント数は同期間に2,182件から2,037件へ減少している。上位プラン、AI AgentPlus、FAQPlusの増加でARRは伸びているが、低価格プランの顧客減少が長期化すれば、新たなアップセル対象も減少する。
現在の成長は、顧客数の大幅増加よりもARPA上昇に依存している。高単価製品への移行余地が一巡した後も、新規顧客獲得と単価上昇を継続できるかが課題となる。
2025年6月期売上高の大部分は、チャットボットシステムとFAQシステムに集中する。製品分野が狭いため、問い合わせ対応市場の競争、価格低下、技術変化の影響を受けやすい。
生成AIの普及によって、文書を読み込んで質問へ回答する機能は多くのSaaSやクラウド事業者が提供できるようになっている。基本的なチャットボット機能がコモディティ化すれば、価格競争が強まる。
PKSHA Technologyは音声、電話、社内ヘルプデスク、AIソリューションまで提供し、モビルスはVisual IVRやコンタクトセンター管理を持つ。チャットプラスは電話・音声チャネルと大規模センター運用の製品範囲で劣る可能性がある。
プレイドはWeb行動データと顧客体験全体を扱う。企業が問い合わせ対応単体ではなく、マーケティング、データ分析、CX基盤を一括導入する場合、予算が競合プラットフォームへ流れる可能性がある。
AI AgentPlusはOpenAI API、Claude、Geminiなど外部モデルを利用する。モデル提供会社による価格変更、利用制限、仕様変更、障害がサービス原価や回答品質へ影響する。
AWSなどのサーバー利用料は、売上高や顧客の利用量に応じて増える変動費である。生成AIの利用回数や学習データ量が増えた場合、価格へ転嫁できなければ粗利率が低下する。
企業の問い合わせ履歴、顧客情報、社内文書を扱うため、情報漏えい、不正アクセス、設定ミス、データ消失は重大な信用問題となる。ISO27001などの認証だけでなく、継続的な運用管理が必要である。
生成AIの回答には、誤情報、不適切な表現、個人情報の出力、根拠の誤認などのリスクがある。ハルシネーション制御や有人確認を備えていても、完全に排除できるとは限らない。
2025年6月期末の従業員数は18名であり、事業規模に対して少人数で運営している。効率性の高さにつながる一方、開発、営業、カスタマーサクセス、セキュリティの人材不足や特定人材への依存が成長制約となる可能性がある。
採用を増やせば人件費が先行し、高い営業利益率が低下する可能性がある。採用を抑えすぎれば、製品開発、大企業向け支援、セキュリティ対応が遅れる可能性がある。
専用の複数年度数値計画は確認できず、2026年6月期より先の売上高、利益、ARR、投資額の目標を定量的に評価しにくい。上場後の中期的な資本配分と成長投資の開示が必要となる。
2026年6月期第3四半期末の純資産693百万円を上場時株式数4,650,000株で除した参考BPSは約149.17円。2026年7月16日終値2,784円に対する参考PBRは約18.66倍となる。これは期末予想ではなく、第3四半期末純資産を用いた参考値である。
再計算した2026年6月期予想PERは約40.20倍。高い利益成長が評価へ織り込まれているため、ARR、顧客数、ARPA、利益率のいずれかが市場期待を下回った場合、株価評価が大きく修正される可能性がある。
2026年7月16日は上場2日目に初値を形成し、ストップ高で取引を終えた。上場直後は市場で流通する株式が限られ、業績以外の需給要因でも株価が大きく変動しやすい。
新株予約権が存在し、権利行使によって将来の発行済株式総数が増える可能性がある。利益成長が株式数の増加を下回れば、1株当たり利益と既存株主の持分が希薄化する。
出典
- チャットプラス 公式サイト
- チャットプラス 会社概要
- チャットプラス IR情報
- チャットプラス 事業紹介・成長戦略
- チャットプラス サービス概要
- ChatPlus 製品情報
- AI AgentPlus 製品情報
- FAQPlus 製品情報
- 日本取引所グループ 新規上場会社概要
- 新規上場申請のための有価証券報告書
- 2026年6月期 第3四半期決算情報・業績予想
- PKSHA Technology 公式サイト
- PKSHA AI SaaS 製品情報
- プレイド IR情報
- プレイド IRライブラリ
- モビルス 公式サイト
- モビルス IR情報
本ページは公開情報に基づく銘柄分析であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。業績予想、成長戦略、株価指標、競合企業の時価総額は作成時点の情報をもとにしており、将来の業績や株価を保証するものではありません。投資判断は各自の責任で行ってください。

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