6836 ぷらっとホーム

ぷらっとホーム 6836 東証S

Plat’Home Co., Ltd.|小型Linuxサーバー、IoTゲートウェイ、ネットワークアプライアンス、遠隔管理サービスを開発する。IoTとブロックチェーンを接続するWeb3事業も展開する。
※2026年7月14日時点の情報

事業内容

2026年7月14日の時価総額は約44.2億円。終値924円と発行済株式総数4,785,000株を基に算出した。株価は前日比150円高のストップ高となった。

会社の概要:1993年3月23日設立。本社は東京都千代田区九段北4丁目1番3号、日本ビルディング九段別館3階・4階。代表取締役社長は鈴木友康。資本金は1億円、従業員数は2026年3月末時点で39人。決算期は3月末、東京証券取引所スタンダード市場に上場する。

直近決算の概要:2026年3月期は売上高1,298百万円、営業利益12百万円、経常利益26百万円、親会社株主に帰属する当期純利益22百万円。2026年3月期から連結決算へ移行し、ネットワーク事業とWeb3事業の2区分を開示した。2027年3月期は売上高1,570百万円、営業利益60百万円、経常利益55百万円、親会社株主に帰属する当期純利益50百万円を計画する。

ネットワーク事業・全社業績推移

2022年3月期から2025年3月期までは単一セグメントであり、2026年3月期からネットワーク事業とWeb3事業へ区分された。全社売上高は2023年3月期に994百万円まで減少した後、2026年3月期は1,298百万円へ回復した。営業損益は3期連続の赤字を経て、2026年3月期に12百万円の黒字へ転換した。
全社売上高・営業損益の5期推移(百万円)
1400 900 400 0 -150 1219 994 998 1167 1298 -56 -98 -101 -46 12 2022/3 2023/3 2024/3 2025/3 2026/3 売上高 営業損益

ネットワーク事業は、OpenBlocksシリーズ、OpenBlocks IoTシリーズ、OpenBlocks IDMシリーズ、EasyBlocksシリーズなどの開発、製造、販売と、関連ソフトウェア、保守、遠隔管理サービスで構成される。

2026年3月期のネットワーク事業は、ネットワークアプライアンスとマイクロサーバーの増販により、売上高1,264百万円、セグメント利益260百万円となった。連結売上高の約97%を占める主力事業である。

全社営業利益が12百万円にとどまったのは、セグメントへ配分されない一般管理費、人員増強、広告関連費用、Web3事業の研究開発費などが発生したためである。主力事業自体は利益を確保しているが、本社費用と新規事業投資を吸収するには一段の売上拡大が必要となる。

事業構造は、機器を一度販売して収益を計上するハードウェア型から、専用ソフトウェア、保守、遠隔管理、更新サービスを長期提供するモデルへ移行している。

2027年3月期のネットワーク事業売上高は1,440百万円を計画する。前期比13.9%増を見込み、マイクロサーバーとIoTゲートウェイの既存需要に加え、ソフトウェアとサービスを組み込んだネットワークアプライアンスを成長分野とする。

OpenBlocks・IoTデータ基盤

OpenBlocksは20年以上の導入実績を持つ小型Linuxサーバーである。OpenBlocks IoTはセンサーや設備とクラウドを接続するゲートウェイ、OpenBlocks IDMとDEXPFはIoTデータの処理・連携を担う。

OpenBlocksマイクロサーバーは、手のひらサイズの筐体とLinux環境を組み合わせた小型サーバーである。VPN、セキュリティ監視、NTP、プロキシ、M2Mゲートウェイ、オープンソースアプリケーションの実行基盤などに利用される。

小型、低消費電力、ファンレス、長期稼働を重視した設計により、一般的なサーバーを置きにくい店舗、工場、設備、通信拠点、社会インフラなどへ設置できる。

OpenBlocks IoTシリーズは、BLE、WLAN、LTE、EnOcean、Ethernet、RS-485などを通じ、各種センサー、設備、制御機器からデータを収集する。温湿度、照度、騒音、CO2、電力、人感などのデータをクラウドへ送信できる。

IoTゲートウェイソフトウェアFW5は、主要な通信規格やプロトコルへ対応し、Webブラウザによる設定でセンサーとクラウドを接続する。AWS、Microsoft Azureなどへの送信、Node-REDによる処理、Dockerコンテナの実行にも対応する。

OpenBlocks IDMは、IoTデータの蓄積、高速処理、可視化に必要な機能を一体化したIoT専用サーバーである。クラウドへすべてのデータを送信せず、現場側で処理するエッジコンピューティング用途に利用できる。

DEXPFは、異なるIoTプラットフォーム、クラウド、オンプレミス環境のプロトコル差を吸収するデータ伝送基盤である。データを保存せず伝送へ特化し、複数の事業者やクラウド間でデータを連携できる。

顧客は通信会社、SIer、センサーメーカー、クラウド事業者などと製品を組み合わせられる。特定の通信回線やクラウドへ固定されない柔軟性が競争軸となる。

EasyBlocks・AirManage 2

EasyBlocksはログ、監視、DHCP、VPNなどのネットワーク機能を専用機器として提供する。AirManage 2を組み合わせ、導入後の設定変更、更新、バックアップを遠隔で実行する。

EasyBlocksは、Webブラウザによる操作と用途別に絞った機能を特徴とするネットワークアプライアンスである。汎用サーバーへ個別にソフトウェアを導入する場合と比べ、構築と運用の負担を抑えられる。

製品群にはSyslogサーバー、ネットワーク監視、リソース監視、DHCP、DDN、PacketiX VPNなどがある。教育機関、一般企業、複数拠点を持つ組織などで、ログ保存、障害監視、IPアドレス管理、拠点間接続に利用される。

自社製品のOpenBlocks、OpenBlocks IoT、EasyBlocksは、設計から生産、検品までを自社主導で行い、累計19万台以上の実績を持つ。EasyBlocksシリーズは7,000社以上で導入されている。

AirManage 2はSaaS方式の遠隔管理サービスである。複数拠点の機器に対し、設定変更、プログラム追加、ソフトウェア更新、バックアップ、メンテナンスを一括で実施できる。

遠隔管理は現地作業を減らし、IoT機器やネットワーク機器を多数展開する顧客の運用費を抑える。機器販売後も利用料、保守、更新収入を得られるため、ストック型収益を増やす中核サービスとなる。

大手通信会社やクラウド事業者がシステム全体を一括提供する案件では、ぷらっとホームが機器部分だけを担当する可能性がある。AirManage 2や専用ソフトウェアを組み込み、継続的な顧客接点を確保できるかが利益率改善の焦点となる。

Web3事業・ThingsToken

2026年3月期のWeb3事業は売上高34百万円、セグメント損失41百万円。アプリケーション開発と技術支援による売上を計上した一方、商業化へ向けた開発投資が先行した。

ぷらっとホームは2016年から、IoTと分散型台帳技術を接続する研究開発を進めてきた。2026年3月期からWeb3事業を独立した報告セグメントとし、子会社Things Revolutionを連結対象とした。

独自技術のThingsTokenは、モノ、データ、物流、商品などの現実資産をブロックチェーン上のトークンと結び付ける。金融商品だけでなく、商品の来歴、所有、真正性、流通履歴などを扱う非金融領域のRWAを対象とする。

農林水産省の実証事業では、輸出物流ネットワークや物流効率化へWeb3技術を適用した。実証成果を利用し、日立産機システム、日立グローバルライフソリューションズ、インターホールディングスと「蔵出し真空酒」サービスを発表した。

スカパーJSATとは、データセンター分野でThingsTokenを活用する実証を実施した。日立製作所とは、生体認証技術とThingsTokenを接続し、利用者がWeb3を意識せずにサービスを利用できる仕組みを検証した。

2026年3月期には、Web3を組み込んだアプリケーション開発と利用者への技術支援による売上を計上した。また、農林水産省の実証事業に係る補助金15百万円を営業外収益へ計上した。

2027年3月期のWeb3事業売上高は130百万円を計画し、前期比272.2%増を見込む。実証段階から商業サービスへ移行できれば成長率は高くなるが、セグメント利益予想は開示されていない。

暗号資産の開発、発行、販売、取得も事業範囲に含まれる。法制度、情報セキュリティ、顧客の採用判断、提携先との役割分担を管理しながら、継続課金型のサービスへ転換する必要がある。

直近5年業績サマリー

業績項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期 2027年3月期
会社予想
売上高
(百万円)
1,219 994 -225 / -18.5% 998 +4 / +0.4% 1,167 +169 / +16.9% 1,298 +131 / +11.3% 1,570 +272 / +20.9%
営業損益
(百万円)
-56 -98 -42 / 赤字拡大 -101 -3 / 赤字拡大 -46 +55 / 赤字縮小 12 +58 / 黒字転換 60 +48 / +375.1%
経常損益
(百万円)
-57 -95 -38 / 赤字拡大 -101 -6 / 赤字拡大 14 +115 / 黒字転換 26 +12 / 増益 55 +29 / +107.2%
当期純利益
(百万円)
-33 -103 -70 / 赤字拡大 -107 -4 / 赤字拡大 12 +119 / 黒字転換 22 +10 / 増益 50 +28 / +121.0%
EPS
(円)
-7.03 -21.70 -14.67 / 赤字拡大 -22.38 -0.68 / 赤字拡大 2.52 +24.90 / 黒字転換 4.73 +2.21 / +87.7% 10.45 +5.72 / +120.9%
PER
(倍)
686.8 213.8 88.4
PBR
(倍)
7.88 5.87 10.62 19.85 10.86
BPS
(円)
97.73 96.92 -0.81 / -0.8% 74.54 -22.38 / -23.1% 87.09 +12.55 / +16.8% 93.12 +6.03 / +6.9%
純資産
(百万円)
467 463 -4 / -0.9% 356 -107 / -23.1% 416 +60 / +16.9% 445 +29 / +7.0%
営業CF
(百万円)
-104 -179 -75 / 支出拡大 -62 +117 / 支出縮小 151 +213 / 収入転換 -140 -291 / 支出転換
投資CF
(百万円)
-4 -5 -1 / 支出拡大 -4 +1 / 支出縮小 -1 +3 / 支出縮小 -1
財務CF
(百万円)
98 99 +1 / +1.0% 0 -99 / 収入消滅 46 +46 / 収入発生 0 -46 / 収入消滅
現金及び現金同等物
(百万円)
309 225 -84 / -27.2% 158 -67 / -29.8% 355 +197 / +124.7% 212 -143 / -40.3%
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中期経営計画

専用の中期経営計画は未公表・2027年3月期の成長方針

公式IRサイトでは、複数年度の売上高、営業利益、ROEなどを数値目標として示す専用の中期経営計画は確認できない。直近の数値目標は2027年3月期会社予想となる。

2027年3月期は売上高1,570百万円、営業利益60百万円、経常利益55百万円、親会社株主に帰属する当期純利益50百万円を計画する。営業利益は前期の12百万円から約4.8倍へ拡大する計画である。

ネットワーク事業の売上高は1,440百万円を計画する。既存顧客へのマイクロサーバーとIoTゲートウェイの供給を続けながら、専用ソフトウェアとサービスを組み込んだネットワークアプライアンスを成長分野とする。

ハードウェア販売だけでなく、AirManage 2、製品保守、ソフトウェア更新、専用アプリケーションなどを長期間提供し、ストック型のサービス収益を増やす方針である。

Web3事業の売上高は130百万円を計画する。農林水産省の実証、物流、地域振興、データセンター、生体認証などの成果を基に、実証試験から商業サービスへ移行する。

費用面では、ネットワーク事業の組織増強と広告販促、Web3事業の技術開発、AIによる社会変革を前提とした製品開発、社内システム刷新へ投資する。販売費及び一般管理費は前期より増加する見通しである。

財務面では、事業形態の転換や事業拡大に必要となる場合、資金調達による財務基盤の強化を検討する方針を示している。

IR情報へ

競合他社

① インターネットイニシアティブ(3774)

2026年7月14日の株価は3,541円、時価総額は約6,497億円。法人向けインターネット接続、モバイル、クラウド、セキュリティ、システムインテグレーション、運用サービスを展開する。

2026年3月期は売上収益345,395百万円、営業利益34,835百万円、税引前利益35,242百万円、親会社所有者に帰属する利益24,188百万円。2027年3月期は売上収益385,000百万円、営業利益38,500百万円を計画する。

ぷらっとホームとは、IoT通信、閉域ネットワーク、クラウド接続、遠隔監視、データ管理、セキュリティ、システム運用で競合する。IIJは回線、クラウド、セキュリティ、SI、保守を一括提供できる。

OpenBlocksがIIJのIoT案件でゲートウェイとして採用される場合は協業関係となる。一方、IIJが他社製のゲートウェイを含めたシステム全体を構築する場合、機器選定と顧客接点を巡って競争が生じる。

IIJは月額課金型の通信、クラウド、運用収入を大規模に保有する。ぷらっとホームはLinux環境の自由度、産業機器との接続、ローカル処理、小ロット対応で差別化する必要がある。

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② サン電子(6736)

2026年7月14日の株価は9,200円、時価総額は約2,209億円。IoT・M2M通信機器、モバイルルーター、遠隔管理サービスを展開する。

2026年3月期は売上高9,907百万円、営業損失15百万円、経常利益5,133百万円、親会社株主に帰属する当期純利益9,663百万円。経常利益と純利益には持分法適用会社などの影響が大きく、IoT事業単独の収益力とは分けて確認する必要がある。

IoT関連事業は売上高3,158百万円、セグメント利益332百万円。Roosterブランドの産業用モバイルルーターと、機器を遠隔管理するSunDMSを主力とする。

ぷらっとホームとは、産業用IoTルーター、IoTゲートウェイ、エッジコンピューター、機器の遠隔監視で直接競合する。サン電子は通信障害時の復旧、モバイル回線、センサー、クラウド、保守を組み合わせた一括提案に強い。

ぷらっとホームは、汎用Linux環境、顧客独自アプリケーション、産業プロトコル変換、EasyBlocksとの連携、通信キャリアに依存しない構成を対抗軸とする。

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③ ソラコム(147A)

2026年7月14日の株価は1,073円、時価総額は約491億円。IoT向け通信、回線管理、データ転送、クラウド接続、可視化、セキュリティ、AI連携サービスを提供する。

2026年3月期は売上高12,423百万円、リカーリング収益9,296百万円、EBITDA1,228百万円、営業利益871百万円、親会社株主に帰属する当期純利益631百万円。

2027年3月期は売上高15,124百万円、リカーリング収益11,421百万円、EBITDA1,650百万円、営業利益1,122百万円、親会社株主に帰属する当期純利益706百万円を計画する。

SORACOM Air、Beam、Funnel、Lagoon、Fluxなどを通じ、IoT回線の管理からクラウド転送、可視化、処理の自動化までを利用量課金で提供する。

OpenBlocksとSORACOMを組み合わせる案件では補完関係となる。一方、クラウド側での処理や管理機能が高度化すると、単純なゲートウェイ処理やデータ管理機能が代替される可能性がある。

ぷらっとホームは、低遅延処理、オフライン運用、閉域環境、機密データ、産業設備制御など、クラウドだけでは処理しにくい現場側の用途を強化する必要がある。

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強みと将来性

小型Linux機器、産業プロトコル、遠隔管理を一体化する現場実装力

ぷらっとホームの強みは、現場へ設置する小型Linux機器を自社で設計し、センサー、産業設備、ネットワーク、クラウドを接続するソフトウェアと遠隔管理サービスまで提供できる点にある。

OpenBlocksは20年以上にわたり企業システムで利用されてきた。小型、低消費電力、ファンレス、長期稼働を前提とする設計は、工場、店舗、設備、通信拠点、屋外に近い環境など、一般的なサーバーを設置しにくい場所に適している。

Linuxを採用しているため、顧客やSIerが独自アプリケーションを組み込める。通信会社やクラウド事業者が提供する用途固定型のゲートウェイより、個別要件へ対応しやすい。

FW5はBLE、EnOcean、Modbus、スマートメーターなどのプロトコルとAWS、Azureなどのクラウドをノーコードで接続する。Node-REDとDockerも利用でき、標準機能と個別開発を組み合わせられる。

OpenBlocks、EasyBlocks、AirManage 2を組み合わせることで、機器、専用ソフトウェア、保守、遠隔管理を同一の製品群として提供できる。機器販売後もサポートや利用料を得られれば、売上の安定性が高まる。

2026年3月期のネットワーク事業は、売上高1,264百万円、セグメント利益260百万円を計上した。主力事業には利益を生み出す力があり、全社利益の拡大には本社費用と新規事業投資を吸収できる売上規模が必要となる。

顧客には通信会社、SIer、設備会社、センサーメーカー、クラウド事業者が含まれる。大手企業のIoT案件で標準ゲートウェイとして採用されれば、自社だけの営業網を超えて販売数量を増やせる。

Web3事業では、IoTデータと現実資産をトークン化する特許とThingsTokenを保有する。一般的な暗号資産取引ではなく、物流、商品来歴、データセンター、本人認証などの実業へ適用する点に独自性がある。

2027年3月期はネットワーク事業とWeb3事業の双方で増収を計画する。ネットワーク事業の利益を維持しながら、Web3売上高130百万円を実現できれば、新規事業が全社成長へ寄与する段階へ移行する。

従業員39人の小規模組織であるため、大手企業より意思決定と個別対応を速く進められる可能性がある。限られた開発人員を高付加価値製品へ集中できるかが将来性を左右する。

弱みとリスク要因

売上規模、運転資金、部材調達とWeb3投資が利益を変動させる

連結売上高は約13億円、従業員数は39人であり、IIJ、サン電子、ソラコムと比べて資本、人員、営業網、保守体制が小さい。大型案件を複数同時に進める場合、開発、製造、導入支援へ負荷が集中しやすい。

売上高は顧客の検収時期や機器の出荷数量によって変動する。大口案件の納期が翌期へずれると、四半期や通期の売上高と利益が大きく変化する可能性がある。

ハードウェア事業は半導体、メモリー、通信モジュール、基板、筐体などの調達に依存する。部品不足、価格上昇、円安、物流費増加が発生した場合、販売価格への転嫁が遅れると粗利益率が低下する。

2026年3月期は営業利益12百万円に対し、ネットワーク事業のセグメント利益は260百万円だった。各セグメントへ配分されない一般管理費とWeb3投資が大きく、主力事業の増収が全社利益へ反映されにくい。

Web3事業は売上高34百万円、セグメント損失41百万円であり、開発費が売上高を上回る。2027年3月期は売上高130百万円を計画するが、顧客の採用、商用案件の開始、継続利用料の獲得が遅れれば、先行投資が続く。

Web3では暗号資産、トークン、個人情報、商品情報を扱う可能性がある。法規制、会計処理、サイバー攻撃、秘密鍵管理、システム障害、提携先の不履行が事業化のリスクとなる。

2026年3月期の営業キャッシュフローは140百万円のマイナスだった。原材料価格の上昇を見据えた棚卸資産の増加215百万円と、売上債権及び契約資産の増加41百万円が資金を使用した。

期末の現金及び現金同等物は212百万円である。借入金はないが、在庫の増加、製品開発、Web3投資、広告、人材採用が続く場合、資金余力が低下する可能性がある。

会社は、重要なマイナスの営業キャッシュフローにより、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる状況が存在すると開示した。一方、借入金がなく必要な運転資金を確保していることから、重要な不確実性は認められないと判断している。

今後の事業拡大に応じて資金調達を検討する方針であり、新株発行や新株予約権を利用する場合は1株当たり利益が希薄化する可能性がある。

2026年7月14日終値924円に対し、最新の発行済株式総数で再計算した2027年3月期予想EPS10.45円を用いるPERは約88.4倍である。2026年3月期純資産を基に再計算した参考PBRは約9.92倍となる。

現在の評価には、2027年3月期の営業利益拡大、Web3事業の商業化、ストック型サービス収入の増加が一定程度織り込まれている。会社予想を下回った場合、利益の絶対額が小さいことから評価倍率が大きく調整される可能性がある。

出典

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