アドバンテスト 6857 東証P
Advantest Corporation|SoC・メモリ向け半導体テストシステムを中核に、デバイス・インタフェース、テストハンドラ、システムレベル・テスト、保守・消耗品まで展開するテスト・ソリューション企業。
※2026年7月29日時点の情報
事業内容
2026年7月29日の時価総額は約18兆4,464億円。 同日の終値は25,200円で、2026年3月期末の発行済株式総数 732,000,000株を基準に算出した。
アドバンテストは1954年12月設立。本社は東京都千代田区丸の内一丁目6番2号、 新丸の内センタービルディング。代表取締役兼経営執行役員社長 Group COOは津久井幸一、 Group CEOはダグラス・ラフィーバ、決算期は3月。 東証プライム市場に上場し、資本金は32,363百万円。 2026年3月31日時点の連結従業員数は7,241名である。
2026年3月期は売上高1,128,610百万円、営業利益499,120百万円、 税引前利益516,720百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益 375,353百万円。 2027年3月期第1四半期は売上高367,473百万円、営業利益 189,990百万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益 174,780百万円となった。 同四半期の開示で通期予想は売上高1,714,000百万円、 営業利益846,000百万円、当期利益660,000百万円へ修正された。
テストシステム事業部門|AI・HPCと先端メモリを支える現行中核セグメント
テストシステム事業部門(現行区分) 業績推移
売上高とセグメント損益。全カード・全年度を共通縮尺で表示
単位:百万円。共通縮尺は1,000百万円=約0.455px。表示下限は約-264,000百万円
2026年3月期から報告セグメントを変更。2025年3月期は新しい区分に組み替えた比較値であり、 2022年3月期から2024年3月期は同一の現行区分で開示されていない。
事業領域
現行のテストシステム事業部門は、半導体・部品テストシステム、デバイス・インタフェース、 テストハンドラなどを一体で管理する中核区分である。 半導体の設計・量産工程では、製造したデバイスが仕様どおりに動作するかを電気的に試験する。 テスタ本体だけでなく、半導体と装置を接続するインタフェース、搬送・温度制御を担うハンドラまで テストセル全体を構成する製品群を持つ。
SoC向けではV93000プラットフォームを展開し、AIアクセラレータ、CPU、GPU、 ネットワークプロセッサ、高速インタフェースを持つ先端デバイスの試験に対応する。 EXA Scale世代は高ピン数、高速I/O、大電流、複雑なミックスドシグナル測定を一つの環境へ集約する。 顧客が量産段階で重視する試験時間、同時測定数、歩留まり解析、設備稼働率が競争軸となる。
メモリ向けではT5800シリーズやT5801を中心に、DRAM、NAND、高性能メモリの量産試験を扱う。 AIサーバーでは演算デバイスだけでなく、高帯域メモリと高性能DRAMの品質保証が必要となる。 2025年3月期はデータセンター向けHPCデバイスと高性能DRAMの需要が市場回復を主導した。 2026年3月期はAI関連の高性能半導体向けテスタ需要が大幅に拡大した。
2026年3月期の増収率は49.3%、セグメント利益の増加率は 97.9%だった。 高収益製品の販売比率上昇が連結営業利益の伸びにもつながった。 海外売上比率は97.8%で、顧客の投資動向と為替変動の影響を受ける収益構造である。
2027年3月期第1四半期のテストシステム売上高は333,600百万円、 セグメント利益は190,700百万円。 前年同期比で売上高は38.7%増、利益は50.3%増となった。 AI関連先端半導体の生産数量増加と複雑化を背景に、顧客の設備投資が継続した。 会社はサプライチェーン全体で生産能力の拡大を進めた。
装置の供給能力、部材調達、顧客の量産立ち上げ時期は売上計上の速度に直結する。 同時に、試験プログラム資産、測定モジュールの拡張性、既設装置との互換性は顧客の切り替えコストを形成する。 アドバンテストはテスタ単体ではなく、インタフェースとハンドラを含む一体提案を強めている。
半導体・部品テストシステム事業部門|旧区分で見る2022年3月期から2025年3月期
半導体・部品テストシステム事業部門(旧区分) 業績推移
売上高とセグメント損益。全カード・全年度を共通縮尺で表示
単位:百万円。共通縮尺は1,000百万円=約0.455px。表示下限は約-264,000百万円
2026年3月期からデバイス・インタフェースやテストハンドラを含む「テストシステム事業部門」へ再編。 旧区分と現行区分の数値は連続比較しない。
旧区分はSoC半導体用試験装置とメモリ半導体用試験装置を中心に構成された。 2022年3月期はデータセンター、AI、パソコン、5Gスマートフォン向け半導体需要を取り込み、 売上高288,900百万円、セグメント利益105,700百万円となった。 利益率は36.6%だった。
2023年3月期は半導体の高性能化に伴うテスト需要と自動車・産業機器向け需要を背景に、 売上高404,300百万円、利益163,200百万円へ伸長した。 利益率は40.4%で、4期間中の最高水準となった。
2024年3月期はスマートフォン、パソコン、テレビ向け需要の停滞とデータセンター投資の減速により、 顧客サプライチェーンで設備余剰が発生した。 売上高は331,500百万円、利益は91,900百万円へ減少した。 製品ミックスの変化と原材料費上昇も連結利益を押し下げた。
一方、同年度後半には生成AI関連半導体の需要増加が表れた。 2025年3月期はデータセンター向けHPCデバイスと高性能DRAMが市場回復を牽引した。 売上高は前期比80.4%増の598,100百万円、 利益は244,000百万円となった。 利益率は40.8%まで回復した。
4年間の推移は、試験対象の高性能化による構造的なテスト需要と、 半導体設備投資の循環的な変動が同時に業績へ表れることを示している。 2026年3月期以降は現行区分で、テスタと周辺装置を一体として確認する必要がある。
メカトロニクス関連事業部門|デバイス・インタフェースとテストハンドラの旧区分
メカトロニクス関連事業部門(旧区分) 業績推移
売上高とセグメント損益。全カード・全年度を共通縮尺で表示
単位:百万円。共通縮尺は1,000百万円=約0.455px。表示下限は約-264,000百万円
2026年3月期から主な製品群は現行の「テストシステム事業部門」に含まれる。
メカトロニクス関連事業部門は、デバイス・インタフェース、テストハンドラ、 ナノテクノロジー関連製品などを扱った旧報告区分である。 デバイス・インタフェースはテスタと被試験半導体を接続し、電気信号を正確に伝える。 高速化、高周波化、大電流化に伴い、接触抵抗、信号品質、耐久性、温度条件の管理が重要となる。
テストハンドラは半導体をテスト位置へ搬送し、所定温度で測定した後に良否別へ選別する。 量産工程では処理能力、同時測定数、温度制御、停止時間、品種切り替え時間が装置価値を左右する。 AI・HPCデバイスでは大型パッケージ、高消費電力、高発熱への対応が必要となる。
2022年3月期は半導体試験装置需要、EUV露光技術の採用拡大を背景に、 デバイス・インタフェース、ハンドラ、ナノテクノロジー製品の受注が伸びた。 売上高は42,300百万円、利益は6,100百万円だった。
2023年3月期はデバイス・インタフェースとテストハンドラの販売が増加し、 ナノテクノロジー製品も伸長した。 売上高は前期比41.5%増の59,900百万円、 利益は15,000百万円となった。
2024年3月期は半導体試験装置需要の減少に連動し、売上高は 52,700百万円、利益は9,200百万円へ減少した。 2025年3月期はAI関連の旺盛なテスタ需要を背景にデバイス・インタフェースが伸び、 売上高73,200百万円、利益16,800百万円へ回復した。
現行区分では、テスタ本体と周辺機器を同じセグメントで管理する。 これは顧客がテストセル全体で設備能力とコストを評価する事業実態に対応する区分である。 旧メカトロニクスの単独推移は2025年3月期までで終了している。
サービス他部門|旧区分で見るSLT・保守・ソケット関連事業
サービス他部門(旧区分) 業績推移
売上高とセグメント損益。全カード・全年度を共通縮尺で表示
単位:百万円。共通縮尺は1,000百万円=約0.455px。表示下限は約-264,000百万円
旧区分にはシステムレベル・テスト、保守サービス、テストソケット関連事業などが含まれた。 2026年3月期から一部製品を現行テストシステム事業部門へ移管している。
サービス他部門は、装置導入後の保守・部品供給、システムレベル・テスト、 テストソケットなどを含む旧区分である。 設置台数の増加は保守サービスの対象母数を拡大する。 消耗品や交換部品は装置稼働に連動して継続的に需要が発生する。
2022年3月期はデータセンター投資とスマートフォン高性能化を背景にSLT製品が伸び、 売上高85,800百万円、利益17,800百万円となった。 利益率は20.7%だった。
2023年3月期は保守サービスが伸長した一方、特定顧客向け比率が高いSLT事業で 民生機器向け需要が減少した。 生産・開発体制強化のコストと棚卸資産評価損も影響し、 売上高96,100百万円に対して利益は7,600百万円へ減少した。
2024年3月期は保守サービス売上が伸びたが、SLTの生産体制強化コストが増加した。 Essaiのテストソケット事業では大口顧客向け売上見通しが悪化し、 のれんの一部減損損失約9,000百万円を計上した。 売上高102,300百万円、セグメント損失2,800百万円となった。
2025年3月期は設置台数増加に伴いサポート・サービス売上が伸びた。 一方、Essaiの大口顧客向け売上低迷と新規顧客への拡販遅延を踏まえ、 のれん・無形資産の減損損失約21,400百万円を計上した。 売上高は108,400百万円、損失は10,900百万円だった。
売上高の増加と損益悪化が同時に進んだため、旧区分の評価では通常の保守収益と、 SLT・ソケット関連の投資負担や減損を分けて確認する必要がある。 2026年3月期からは再編後のサービス他部門で継続収益の回復を確認する。
サービス他部門|現行区分の保守・消耗品・ライフサイクル収益
サービス他部門(現行区分) 業績推移
売上高とセグメント損益。全カード・全年度を共通縮尺で表示
単位:百万円。共通縮尺は1,000百万円=約0.455px。表示下限は約-264,000百万円
2025年3月期は現行区分への組替比較値。旧区分の「サービス他」とは構成範囲が異なる。
現行のサービス他部門は、製品設置後のサポート・サービス、 テスト用インタフェースボードなどの消耗品販売を中心に構成される。 装置の稼働期間を通じて保守、修理、アップグレード、交換部品の需要が発生する。 テスタ販売の累積設置台数は将来のサービス対象基盤となる。
2025年3月期の組替値は売上高96,900百万円、 セグメント損失16,100百万円。 同年度には旧Essai事業に関するのれん・無形資産の減損損失約 21,400百万円が含まれた。
2026年3月期は設置台数増加に伴うサポート・サービスに加え、 高性能SoC半導体向けテスト用インタフェースボードなどの消耗品販売が増加した。 売上高は前期比12.7%増、損益は24,900百万円改善した。 セグメント利益には事業の一部譲渡による譲渡益約2,500百万円が含まれる。
2027年3月期第1四半期は売上高33,900百万円、 セグメント利益8,600百万円。 前年同期比で売上高は46.0%増、利益は216.4%増だった。 前年同期利益には事業の一部譲渡益約2,500百万円が含まれていた。
サービス他はテスタ本体より売上規模が小さいが、顧客の稼働率と装置ライフサイクルに接点を持つ。 インタフェースボードや交換部品はテスト条件と量産数量に応じて消費される。 フィールドサービスの品質、供給時間、予防保守、アップグレード対応が継続取引を左右する。
現行区分の確認点は、譲渡益など一時要因を除いた利益率、 消耗品売上の伸び、設置台数増加に対するサービス売上の連動である。 2025年3月期の組替値と2026年3月期実績を起点に、再編後の収益性を追う。
1.会社予想と実績
2022年3月期から2026年3月期は期首会社予想と通期実績を比較。2027年3月期は第1四半期後の最新会社予想と第1四半期累計を掲載しています。
| 指標 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 2027年3月期 | ||||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 予想 | 実績 | 達成率 | 予想 | 実績 | 達成率 | 予想 | 実績 | 達成率 | 予想 | 実績 | 達成率 | 予想 | 実績 | 達成率 | 最新予想 | 1Q実績 | 単純進捗 | |
| 売上高 (百万円) | 350,000 | 416,901 | 119.1% | 510,000 | 560,191 | 109.8% | 480,000 | 486,507 | 101.4% | 525,000 | 779,707 | 148.5% | 755,000 | 1,128,610 | 149.5% | 1,714,000 | 367,473 | 21.4%単純進捗 |
| 営業利益 (百万円) | 85,000 | 114,734 | 135.0% | 150,000 | 167,687 | 111.8% | 105,000 | 81,628 | 77.7% | 90,000 | 228,161 | 253.5% | 242,000 | 499,120 | 206.2% | 846,000 | 189,990 | 22.5%単純進捗 |
| 経常利益相当(税引前利益) (百万円) | 85,000 | 116,343 | 136.9% | 150,000 | 171,270 | 114.2% | 103,500 | 78,170 | 75.5% | 89,000 | 224,774 | 252.6% | 240,000 | 516,720 | 215.3% | 891,000 | 234,082 | 26.3%単純進捗 |
| 親会社株主帰属純利益 (百万円) | 64,000 | 87,301 | 136.4% | 112,500 | 130,400 | 115.9% | 78,000 | 62,290 | 79.9% | 67,000 | 161,177 | 240.6% | 179,000 | 375,353 | 209.7% | 660,000 | 174,780 | 26.5%単純進捗 |
| EPS(基本的1株当たり利益) (円) | 81.45 | 112.39 | 138.0% | 148.10 | 174.35 | 117.7% | 105.86 | 84.45 | 79.8% | 90.74 | 218.67 | 241.0% | 243.96 | 515.15 | 211.2% | 911.64 | 241.27 | 26.5%単純進捗 |
達成率=実績÷期首会社予想×100。2027年3月期は第1四半期累計÷最新通期予想の単純進捗率です。2022年3月期〜2025年3月期の予想EPSは、親会社帰属利益予想を予想公表時点の自己株式控除後株式数で除して算出し、2023年10月の1株→4株の株式分割を遡及反映しています。
2.達成・未達理由
高性能SoC向けの技術投資と半導体不足対応の能力増強投資がテスタ需要を押し上げ、メモリ、システムレベルテスト、保守サービスも伸長。供給制約がありながら販売を拡大し、期首予想を大幅に上回りました。
半導体試験装置市場が縮小する中でも、高性能SoC、自動車・産業機器、高性能メモリ向けで販売とシェアを拡大。製品ミックス改善と円安も寄与し、サービス他の減益を吸収しました。
高性能DRAM向けと保守サービスが下支えし売上は小幅超過。一方、スマートフォン停滞とサーバー投資減速で高性能SoC向けが落ち込み、製品ミックス悪化、原材料費上昇、システムレベルテストの増強費用、Essaiののれん減損約90億円が利益未達の主因です。
生成AI向けHPCデバイスとHBMを含む高性能DRAM需要が急拡大。部材調達・供給能力の強化、高収益製品比率の上昇、円安が利益を押し上げ、サービス他の減損約214億円を十分に吸収しました。
AI・HPC向け高性能SoC、高性能DRAM、不揮発性メモリの需要拡大と供給能力増強により売上が伸長。高収益製品ミックスで営業利益が倍増し、金融収益約173億円も税引前利益を押し上げました。
推論用AI半導体向けテスト需要が4月時点の想定を大きく上回り、生産能力増強も前倒し。期初予想から売上を20.7%、営業利益を34.8%、税引前利益を41.7%、純利益を41.8%引き上げました。第1四半期の単純進捗は売上21.4%、営業利益22.5%、税引前利益26.3%、純利益26.5%、EPS26.5%です。
3.事業セグメントの自信度
決算短信で変化した表現を事業セグメント別・年度別に原文のまま掲載し、実績推移と合わせて会社の自信度を推理しています。2026年3月期から報告セグメントは「テストシステム事業」「サービス他」の2区分です。
半導体・部品テストシステム事業 → テストシステム事業
SoC半導体用試験装置の販売がハイエンドSoC半導体向けを中心に増加しました。
供給制約下でも売上・利益が大幅増。
当社はマーケットシェアを拡大し、売上が伸長しました。
市場縮小局面でもシェア拡大。
スマートフォン市況の停滞やサーバー投資の減速から、それらに関連する高性能な半導体に向けた売上が落ち込みました。
高性能SoCの調整で収益性低下。
高性能SoC半導体用試験装置の売上が大幅に増加しました。
AI・HPC需要が急回復。
高性能SoC半導体向けの売上が大幅に増加しました。
新テストシステム区分で利益率が急上昇。
複雑化するAIやHPC関連半導体の生産数量が拡大したことで、テスタ需要が伸長しました。
第1四半期増収38.7%、利益50.3%。
AI・HPC向けSoCと高性能DRAMの双方が拡大し、会社は推論用AI向け需要が4月想定を大きく上回るとして通期予想を上方修正。供給能力増強を前倒しできるかが成長速度を左右します。
メカトロニクス関連事業(2026年3月期からテストシステム事業へ統合)
デバイス・インタフェース製品、テスト・ハンドラ、ナノテクノロジー製品の受注がそれぞれ伸長しました。
受注増と製品ミックス改善。
製品ミックスが改善し、当セグメントの収益性向上に寄与しました。
売上41.5%増、利益2.5倍。
半導体試験装置の需要減少を背景に、関連するデバイス・インタフェース製品、テスト・ハンドラの売上が減少しました。
需要調整が周辺機器へ波及。
旺盛な半導体試験装置需要を背景に、関連するデバイス・インタフェースの売上が伸長しました。
AIテスタ需要の回復に連動。
テスタのみならず周辺機器等を含めた包括的なテストソリューションの提供を目指す
テストシステム事業へ統合。
こうしたテスタ需要の増加と連動し、デバイスインタフェースやテストハンドラも増収となりました。
統合後も周辺機器の増収を確認。
テスタ需要の増加がデバイスインタフェースとテストハンドラへ波及。独立セグメントではなくなりましたが、包括的テストソリューションの一部として成長が確認できます。
サービス他
システムレベルテスト製品の需要が大幅に伸長しました。
保守需要も高水準。
下期の売上が急速に縮小しました。
民生向け需要減と評価損で利益急減。
大口顧客向け売上予想が落ち込み、想定していた将来キャッシュ・フローの見通しが悪化した
Essaiののれん減損約90億円。
新規顧客への拡販が想定より遅延している
減損約214億円で赤字拡大。
サポート・サービスの売上が伸びました。加えて、高性能SoC半導体向けを中心としたテスト用インタフェースボードなどの消耗品販売も増加しました。
赤字から88億円の黒字へ改善。
サポート・サービスの売上が伸長しました。加えて、高性能SoC半導体向けのテスト用インタフェースボードなどの消耗品販売も増加しました。
第1四半期利益は前年同期比3.2倍。
過去3期のシステムレベルテスト関連減損から転じ、設置台数増に伴うサービスと消耗品が利益成長を牽引。第1四半期は売上46.0%増、利益216.4%増です。
4.最新予想信頼度
最新会社予想は売上高1兆7,140億円、営業利益8,460億円、税引前利益8,910億円、親会社帰属純利益6,600億円、EPS911.64円。第1四半期後に大幅上方修正され、営業利益率は通期49.4%を計画しています。
達成できると判断する理由
- 第1四半期実績と需要見通しを織り込んだうえで、会社が通期予想を大幅に上方修正しており、最新予想の確度は期初予想より高いです。
- 推論用AI半導体向けテスト需要が4月時点の想定を大きく上回り、SoC、メモリ、周辺機器、サービス・消耗品まで増収が広がっています。
- 第1四半期の営業利益率51.7%は通期計画49.4%を上回り、高収益製品ミックスが維持されています。
- テストシステム事業は第1四半期売上38.7%増、利益50.3%増。サービス他も売上46.0%増、利益216.4%増で、全セグメントが利益成長しています。
- 過去5期は2024年3月期を除き全主要指標が期首予想を達成しており、需要上振れ局面では会社予想を大きく超える実績が続いています。
達成できないと判断する理由
- 最新予想に対する第1四半期の単純進捗は売上21.4%、営業利益22.5%。残り3四半期は平均で第1四半期比約22%高い売上と約15%高い営業利益が必要です。
- 高水準の需要に対して生産能力増強を前倒ししており、部材供給不足やサプライチェーン制約が納入時期を遅らせる可能性があります。
- 第1四半期の税引前利益には金融収益446.8億円が含まれます。税引前利益・純利益の単純進捗を営業実力と同一視はできません。
- AI・HPC関連への成長依存度が高まり、顧客の設備投資計画や製品世代の切り替えが急変した場合、需要と製品ミックスが同時に悪化するリスクがあります。
- 第2四半期以降の為替前提は1ドル150円、1ユーロ170円。想定以上の円高は円換算売上・利益の下振れ要因です。
収益計上時期を見る際の注意点
提供資料には明示的な下期偏重の説明はありません。主力は装置販売のため、顧客の設備投資、部材調達、生産・納入タイミングで四半期実績が振れます。第1四半期後の最新予想は当該実績を織り込んでいますが、単純進捗率だけで達否を判定しないことが重要です。
残り9か月で必要な売上高は1兆3,465億円、営業利益は6,560億円。生産能力増強の前倒しが計画どおり進み、高収益製品ミックスを維持できるかが達成条件です。
最終判断
AI・HPC向けSoCと高性能メモリの需要が会社の上方修正前提どおり続き、生産能力増強と部材調達が納入拡大につながれば、売上・営業利益・純利益はいずれも達成可能性が高いと判断します。最大の下振れ要因は需要不足より供給能力と納入時期であり、税引前利益は金融収益の再現性にも注意が必要です。
直近5年業績サマリー
| 業績項目 | 2022/3 実績 |
2023/3 実績 |
2024/3 実績 |
2025/3 実績 |
2026/3 実績 |
2027/3 会社予想 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 416,901 | 560,191+143,290 / +34.4% | 486,507-73,684 / -13.2% | 779,707+293,200 / +60.3% | 1,128,610+348,903 / +44.7% | 1,714,000+585,390 / +51.9% |
| 営業損益 | 114,734 | 167,687+52,953 / +46.2% | 81,628-86,059 / -51.3% | 228,161+146,533 / +179.5% | 499,120+270,959 / +118.8% | 846,000+346,880 / +69.5% |
| 経常損益 | 116,343 | 171,270+54,927 / +47.2% | 78,170-93,100 / -54.4% | 224,774+146,604 / +187.5% | 516,720+291,946 / +129.9% | 891,000+374,280 / +72.4% |
| 当期純利益 | 87,301 | 130,400+43,099 / +49.4% | 62,290-68,110 / -52.2% | 161,177+98,887 / +158.8% | 375,353+214,176 / +132.9% | 660,000+284,647 / +75.8% |
| EPS | 119.26 | 178.14+58.88 / +49.4% | 85.10-93.05 / -52.2% | 220.19+135.09 / +158.8% | 512.78+292.59 / +132.9% | 901.64+388.86 / +75.8% |
| PER | 81.08 | 68.26 | 80.13 | 29.39 | 39.65 | 27.95 |
| PBR | 24.03 | 24.14 | 11.58 | 9.35 | 18.70 | - |
| BPS | 402.49 | 503.68+101.19 / +25.1% | 589.04+85.36 / +16.9% | 691.99+102.95 / +17.5% | 1,087.06+395.06 / +57.1% | - |
| 純資産 | 294,621 | 368,694+74,073 / +25.1% | 431,178+62,484 / +16.9% | 506,539+75,361 / +17.5% | 795,726+289,187 / +57.1% | - |
| 営業CF | 78,889 | 70,224-8,665 / -11.0% | 32,668-37,556 / -53.5% | 285,971+253,303 / +775.4% | 335,182+49,211 / +17.2% | - |
| 投資CF | -46,907 | -26,706+20,201 / 支出減 | -27,940-1,234 / 支出増 | -42,189-14,249 / 支出増 | -34,552+7,637 / 支出減 | - |
| 財務CF | -68,736 | -77,434-8,698 / 支出増 | 10,760+88,194 / 収入転換 | -82,818-93,578 / 支出転換 | -230,550-147,732 / 支出増 | - |
| 現金及び現金同等物 | 116,582 | 85,537-31,045 / -26.6% | 106,702+21,165 / +24.7% | 262,544+155,842 / +146.1% | 339,966+77,422 / +29.5% | - |
中期経営計画
第3期中期経営計画 MTP3|コア市場を上回る成長とテスト周辺領域の拡張
MTP3は2024年度から2026年度を対象とする。 AI関連の半導体市場と試験需要が当初想定を上回ったため、 会社は2025年10月に財務目標を上方修正した。 修正後の目標は3年間平均で管理される。
数値目標と進捗
2024年度実績は売上高7,797億円、営業利益率29.3%、 当期利益1,612億円、ROIC31.5%、EPS 218.67円。 2025年度実績は売上高1兆1,286億円、営業利益率44.2%、 当期利益3,754億円、ROIC54.4%、EPS 515.15円となった。
2027年3月期第1四半期時点の会社予想は売上高1兆7,140億円、 営業利益8,460億円、当期利益6,600億円。 この会社予想は単年度値であり、MTP3の3年間平均目標とは算定期間が異なる。
基本方針
第1の戦略は「コア市場の成長を上回る」である。 SoC、メモリ、パワー半導体の試験装置で技術優位性を強化し、 AI・HPC、高速通信、高性能メモリなど試験複雑度が高まる用途を取り込む。 コア市場では顧客基盤、製品ポートフォリオ、グローバルサポート網を活用する。
第2の戦略は「隣接市場・新規事業の拡大」である。 テストハンドラ、デバイス・インタフェース、SLT、解析ソフトウェア、 サービス・消耗品を組み合わせ、半導体テスト工程の付加価値範囲を広げる。 テスタ販売後のライフサイクル収益も成長領域に位置付ける。
第3の戦略は「オペレーショナル・エクセレンスの推進」である。 製品供給能力、サプライチェーン、開発効率、品質、生産性を高め、 需要変動に対応する事業基盤を構築する。 AI関連需要の急拡大局面では、部材確保と納期対応が売上機会の取り込みを左右する。
第4の戦略は「サステナビリティの強化」である。 人材、ガバナンス、環境対応、顧客・取引先との関係を長期的な企業価値向上へ結び付ける。 財務目標だけでなく、事業継続性と技術人材の確保を経営課題として扱う。
投資・株主還元方針
当初計画では3年間の研究開発費2,100億円、 設備投資600億円、戦略投資1,000億円を示した。 配当は1株当たり年間30円を最低額とし、 3年間累計の総還元性向50%以上を基本方針とした。
中長期経営方針へ競合他社
① Teradyne, Inc.(NASDAQ:TER)
Teradyneは半導体ATE、電子機器の生産試験、システムレベル・テスト、 協働ロボット、自律搬送ロボットを展開する米国企業である。 アドバンテストとは先端SoC、AI・HPC、メモリ、SLT、テストセルで最も広範に競合する。
SoC向けUltraFLEXplus・UltraFLEXはV93000 EXA Scaleと競合する。 比較軸は高ピン数、高速I/O、大電流、同時測定数、テスト時間、 既存プログラム資産、量産立ち上げ期間である。 メモリ向けMagnumはT5800シリーズとDRAM・NAND試験で競合する。
SLTではTitan系プラットフォームがアドバンテストの7038系と競合する。 AIアクセラレータやCPUの最終品質保証では、ATEとSLTの配置、 温度制御、設備処理能力を含むテストフロー全体が採用対象となる。
2026年度第2四半期の売上高は13.29億米ドルで、 前年同期の6.52億米ドルから104%増。 GAAP希薄化後EPSは2.38米ドル、 GAAP純利益は3.745億米ドルだった。
事業別売上高はSemiconductor Testが11.22億米ドル、 Product Testが1.07億米ドル、Roboticsが1.00億米ドル。 DRAMとNAND最終試験を含むメモリ部門が伸長し、AI関連試験需要が業績を押し上げた。
② Chroma ATE Inc.(台湾証券取引所:2360)
Chroma ATEは半導体・IC試験、パワーエレクトロニクス試験、 AIサーバー電源・BBU試験、EV・電池試験、自動化、光学検査を展開する台湾企業である。 SoC・アナログ・パワー半導体ATE、SLT、ICハンドラ、量産自動化で競合する。
3650-S2はデジタル、アナログ、ミックスドシグナル、高電圧・大電流測定に対応し、 PMIC、BMS IC、MCU、GaN、SiC向けでアドバンテストのSoC・パワー半導体テスト製品と競合する。 3200はSLT、3110シリーズは最終試験とSLT向けハンドラ領域で競合する。
パワー半導体では高電圧・大電流、動特性、並列測定、温度制御が競争軸となる。 AIデータセンター向けでは半導体試験に加え、電源棚、HVDC、BBUなど隣接領域も扱う。 台湾の半導体・電子機器生産基盤に近く、装置と自動化をまとめた提案を行う。
2026年度第1四半期の売上高は118.59億台湾ドルで 前年同期比73%増。 試験装置事業売上高は115.43億台湾ドル、 売上総利益は74.24億台湾ドル、売上総利益率は63%だった。
営業利益は約47.97億台湾ドル、純利益は約 39.48億台湾ドル、EPSは9.12台湾ドル。 AIサーバー向け電源試験、AI・HPC半導体のSLT・温度試験、 半導体・パワーエレクトロニクス向け設備需要が成長を牽引した。
③ Cohu, Inc.(NASDAQ:COHU)
Cohuは半導体ATE、テストハンドラ、コンタクタ、ソケット、プローブピン、 検査・計測、解析ソフトウェア、サービスを展開する米国企業である。 テスター本体に加え、テストセル周辺機器、消耗品、熱制御、HBM検査で競合する。
DiamondxはSoC、MCU、RF、PMIC、パワー・アナログ向けATEで、 アドバンテストのSoC・パワー半導体テスト製品と競合する。 Eclipse・EclipseXハンドラとT-Core熱制御は、高発熱・大型パッケージの GPU、CPU、AIアクセラレータ向けテストセルで競合する。
コンタクタ、ソケット、プローブヘッドはテスターと半導体を接続する消耗部品である。 信号品質、接触抵抗、寿命、清掃頻度、交換費用が量産コストを左右する。 NeonはHBM3E、HBM4、HBM4E向けの光学・赤外検査と計測を扱い、 メモリATEの隣接工程で顧客の後工程投資を取り込む。
2026年度第1四半期の売上高は1.251億米ドルで、 前年同期の0.968億米ドルから29.2%増。 売上総利益率は46.3%だった。
GAAP純損失は1,210万米ドルで、前年同期の 3,080万米ドルの損失から縮小した。 非GAAP純利益は60万米ドル。 継続・反復型売上の比率は約60%で、 第2四半期売上高ガイダンスは1.44億米ドル±700万米ドルである。
出典
- アドバンテスト 公式サイト
- 会社概要
- 解説:半導体テスト
- 製品・ソリューション
- カスタマー・サービス
- 決算公表資料・決算短信
- 中長期経営方針・MTP3
- 第3期中期経営計画説明会資料
- 日本取引所グループ 2024年3月株価資料
- Teradyne 2026年第2四半期決算
- Teradyne UltraFLEXplus
- Chroma ATE 四半期業績
- Chroma 3650-S2
- Cohu 2026年第1四半期決算
- Cohu Diamond Series
- Cohu Neon
本ページは公開情報を基に作成した企業分析であり、特定の有価証券の売買を推奨または勧誘するものではありません。 業績予想、株価、時価総額、投資指標、製品構成、競争環境は変動する可能性があります。 投資判断は最新の開示資料を確認したうえで、自身の責任で行ってください。

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