直近5年業績サマリー
| 業績項目 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 | 2026年12月期 第3四半期累計予想 レンジ中央値/配当のみ通期 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 売上高(IFRS売上収益) (百万円) | 274,462 | 353,714 +79,252 / +28.9% | 423,356 +69,642 / +19.7% | 446,211 +22,855 / +5.4% | 475,102 +28,891 / +6.5% | 400,394 |
| 営業損益 (百万円) | 91,541 | 103,696 +12,155 / +13.3% | 134,745 +31,049 / +29.9% | 124,176 △10,569 / △7.8% | 124,012 △164 / △0.1% | 116,884 |
| 経常損益(IFRS税引前利益) (百万円) | 135,472 | 140,525 +5,053 / +3.7% | 125,929 △14,596 / △10.4% | 195,987 +70,058 / +55.6% | 140,451 △55,536 / △28.3% | 146,315.5 |
| 当期純利益(親会社所有者帰属) (百万円) | 114,888 | 100,339 △14,549 / △12.7% | 70,609 △29,730 / △29.6% | 134,848 +64,239 / +91.0% | 92,052 △42,796 / △31.7% | 108,796.5 |
| EPS (円) | 128.91 | 114.74 △14.17 / △11.0% | 82.89 △31.85 / △27.8% | 161.79 +78.90 / +95.2% | 114.48 △47.31 / △29.2% | 138.29 |
| 一株配当金 (円) | 7.50 | 10.00 +2.50 / +33.3% | 10.00 ±0.00 / ±0.0% | 22.50 +12.50 / +125.0% | 45.00 +22.50 / +100.0% | 475.00 |
| 純資産(IFRS資本合計) (百万円) | 845,893 | 867,546 +21,653 / +2.6% | 906,575 +39,029 / +4.5% | 1,030,525 +123,950 / +13.7% | 1,065,918 +35,393 / +3.4% | - |
| 営業CF (百万円) | 105,914 | 130,144 +24,230 / +22.9% | 128,712 △1,432 / △1.1% | 100,968 △27,744 / △21.6% | 171,872 +70,904 / +70.2% | - |
| 投資CF (百万円) | 18,084 | -10,918 △29,002 / △160.4% | -188,367 △177,449 / △1625.3% | 7,445 +195,812 / +104.0% | 102,247 +94,802 / +1273.4% | - |
| 財務CF (百万円) | -21,053 | -105,859 △84,806 / △402.8% | -78,554 +27,305 / +25.8% | -64,777 +13,777 / +17.5% | -118,688 △53,911 / △83.2% | - |
| フリーCF (百万円) | 123,998 | 119,226 △4,772 / △3.8% | -59,655 △178,881 / △150.0% | 108,413 +168,068 / +281.7% | 274,119 +165,706 / +152.8% | - |
1.会社予想と実績
ネクソンはゲーム市場の不確実性を理由に通期業績予想を原則開示せず、翌四半期の予想をレンジ形式で公表しています。そのため、各年度の最初に公表された第1四半期予想と実績、直近は第1四半期後に公表された2026年中間期予想と実績を比較しています。
| 指標 | 2022年Q1 | 2023年Q1 | 2024年Q1 | 2025年Q1 | 2026年Q1 | 2026年H1 | ||||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 予想中央値 | 実績 | 達成率 | 予想中央値 | 実績 | 達成率 | 予想中央値 | 実績 | 達成率 | 予想中央値 | 実績 | 達成率 | 予想中央値 | 実績 | 達成率 | 予想中央値 | 実績 | 達成率 | |
| 売上高(売上収益) (百万円) | 88,756 | 91,034 | 102.6% | 121,172 | 124,087 | 102.4% | 102,117 | 108,418 | 106.2% | 115,995 | 113,934 | 98.2% | 157,254 | 152,234 | 96.8% | 265,548 | 273,310 | 102.9% |
| 営業利益 (百万円) | 36,292 | 38,520 | 106.1% | 48,912 | 56,275 | 115.1% | 19,259 | 29,146 | 151.3% | 32,517 | 41,611 | 128.0% | 56,152 | 58,163 | 103.6% | 78,864 | 89,447 | 113.4% |
| 経常利益(IFRS税引前利益) (百万円) | 45,444 | 57,201 | 125.9% | 50,578 | 71,903 | 142.2% | 29,130 | 54,239 | 186.2% | 35,162 | 38,701 | 110.1% | 58,842 | 75,230 | 127.9% | 99,046 | 115,798 | 116.9% |
| 親会社株主帰属純利益 (百万円) | 35,356 | 40,261 | 113.9% | 37,070 | 52,791 | 142.4% | 19,636 | 35,918 | 182.9% | 24,278 | 26,272 | 108.2% | 44,677 | 57,225 | 128.1% | 76,856 | 86,864 | 113.0% |
| EPS(基本的1株当たり利益) (円) | 39.75 | 45.35 | 114.1% | 43.19 | 61.63 | 142.7% | 23.38 | 42.77 | 182.9% | 29.58 | 32.12 | 108.6% | 56.49 | 72.33 | 128.0% | 97.12 | 109.96 | 113.2% |
レンジ予想は上下限の中央値を会社予想値として使用。達成率=実績÷レンジ中央値×100。
2.達成・未達理由
『EA SPORTS FC ONLINE 4』や『アラド戦記モバイル』などが計画を上回り、売上・営業利益はレンジ内でも中央値を超過しました。税引前利益以下は、円安進行に伴う外貨建て現金預金等の為替差益が大きく寄与し、予想レンジ上限も上回りました。
韓国のFC ONLINE・FC MOBILE、中国『アラド戦記』、『ブルーアーカイブ』などが成長し、売上収益は第1四半期として高水準となりました。営業利益の上振れに加え、為替差益や有価証券評価益が税引前利益・純利益を押し上げ、利益指標は予想レンジ上限を大幅に超えました。
韓国地域の売上収益が想定を上回り、人件費、広告宣伝費などが計画を下回ったことで営業利益が大きく上振れしました。さらに外貨建て資産の為替差益が発生し、税引前利益・親会社帰属利益・EPSはいずれも予想レンジ上限を大幅に超過しました。
売上収益は会社レンジ内に着地したものの中央値を約1.8%下回りました。一方、韓国の売上が堅調だったことに加え、人件費や広告宣伝費が想定を下回り、営業利益はレンジ上限を超過。為替差損等の負担がありながらも、税引前利益・純利益・EPSは中央値を上回りました。
売上収益は会社レンジ内ながら中央値を下回りましたが、『ARC Raiders』とメイプルストーリーフランチャイズが成長し、韓国『メイプルストーリー』やFCも想定を上回りました。人件費・マーケティング費が計画を下回り営業利益は中央値超過、為替差益も加わり税引前利益以下はレンジ上限を上回りました。
第1四半期後に示した中間期レンジに対し、売上収益273,310百万円、営業利益89,447百万円など全5指標が上限を超えました。『ARC Raiders』の継続寄与とメイプルストーリーフランチャイズの成長に加え、前年同期の為替差損から当期は為替差益へ転じたことが税引前利益・純利益の大幅増を支えました。
3.事業セグメントの自信度
報告セグメントは各社の所在地別ですが、決算短信の定性コメントには顧客地域別・タイトル別の説明も含まれます。年度カード内の原文表現と所在地別セグメント実績を合わせ、自信度を推理しています。2026年中間期から「欧州」が「その他」から独立しました。
日本
『メイプルストーリー』の成長や、『ブルーアーカイブ』及び『EA SPORTS ™ FIFA MOBILE』の増収寄与
成長タイトルがある一方、他タイトル減収で地域売上は横ばい。
『ブルーアーカイブ』、『メイプルストーリー』の成長が見られたものの、『TRAHA』や『V4』の減収
既存IPの伸びと減収タイトルが相殺。
『ブルーアーカイブ』の大幅な成長により、売上収益が前期比で増加しました。
明確な成長ドライバーが顕在化。
当連結会計年度の売上収益は6,123百万円、セグメント損失は2,633百万円
売上増と赤字縮小は進んだが、セグメントはなお赤字。
当連結会計年度の売上収益は5,509百万円、セグメント損失は4,098百万円
売上減・赤字拡大で慎重判断。
売上収益は2,324百万円、セグメント損失は1,738百万円
減収だが前年同期から赤字幅は縮小。
赤字幅は改善していますが、最新中間期は減収。地域事業の採算改善が次の焦点です。
韓国
『EA SPORTS ™ FIFA ONLINE 4』や『アラド戦記』が過去最高の売上収益を更新
主力は好調だがメイプルストーリー減収で全体は減収。
韓国全体では、過去最高の通期売上収益を達成しました。
PC・モバイル双方が成長し、最大セグメントを牽引。
韓国全体では売上収益が前期比で増加し、過去最高の通期売上収益を達成しました。
メイプルストーリーとFCが過去最高を更新。
ネットプロモータースコアが第1四半期連結会計期間から第4四半期連結会計期間にかけて継続的に上昇し、来年度の成長に向けた土台を築きました。
短期減収を受けつつ、ユーザー信頼回復を成長基盤と評価。
韓国においても、前期比で大幅に増加し、過去最高の通期売上収益を達成いたしました。
PC版アラド戦記とメイプルストーリーの再活性化が進展。
比較対象となる前年同期の実績が高水準であったこと及び3月の新シーズンアップデートへの反響が限定的
最新中間期は売上・利益とも前年同期比で減少。
最大の収益基盤ですが最新中間期は減収減益。メイプルストーリーの成長とアラド戦記の弱含みが交錯しています。
中国
アクティブユーザー数及び課金ユーザー数は、改善途上にあり前期比で低い水準
エンゲージメント改善は進んだが収益回復は途上。
ゲームをよりユーザーフレンドリーな仕様に変更し、コンテンツやイベントを拡充
アラド戦記が数年ぶりに増収へ転換。
主力PCオンラインゲーム『アラド戦記』が堅調に増収
旧正月アップデートなどが奏功。
フランチャイズを中国のモバイル市場に展開することで、多くの新規プレイヤーの獲得だけでなく、PC版の休眠ユーザーの掘り起こしに成功
モバイル展開は成功した一方、PC版回復には時間が必要。
複数のアップデートの成功によりプレイヤーエンゲージメントが再活性化し、前期比で売上収益が成長
中国PC版アラド戦記が回復。
4月の新シーズンアップデートの立ち上がりが低調だったことにより、前年同期比で売上収益が減少
市場タイトルは弱含むが、所在地別セグメントは黒字転換。
所在地別セグメントは黒字転換した一方、中国PC版アラド戦記は最新局面で前年割れ。アップデート効果の持続が鍵です。
北米
主に『メイプルストーリー』及び『メイプルストーリーM』が成長したものの、『Choices: Stories You Play』の減収
既存IP成長を一部タイトル減収が相殺。
為替の影響を除くと売上収益はやや減少しました。
為替効果を除いた事業成長は弱い。
『デイヴ・ザ・ダイバー』や『THE FINALS』の増収寄与及び『メイプルストーリー』の成長
新規IPが欧米成長を牽引。
『The First Descendant』が欧米を中心に好評を博したことから、大きく増収に寄与
欧米向け新作の成功が拡大。
『ARC Raiders』が2ヶ月未満で累計販売本数1,000万本を突破し、業績に大きく貢献
新作の世界的ヒットで所在地別北米も黒字化。
前年10月にグローバルでリリースした『ARC Raiders』が引き続き業績に大きく貢献
売上58.9%増、利益342.0%増と収益性が大幅改善。
ARC Raidersなど新規IPが定着し、最新中間期は大幅増収増益。欧米展開の第二の柱が育っています。
欧州
北米及び欧州においては、主に『メイプルストーリー』及び『メイプルストーリーM』が成長
当時は「その他」に含まれ、単独セグメント数値は非開示。
北米及び欧州においては、為替の好影響を受けて売上収益が前期比で増加
為替除きではやや減収で慎重。
『デイヴ・ザ・ダイバー』や『THE FINALS』の増収寄与
Embark Studiosの新作が欧米で成長。
『The First Descendant』が欧米を中心に好評を博したことから、大きく増収に寄与
欧米市場で新作成功が継続。
『ARC Raiders』が2ヶ月未満で累計販売本数1,000万本を突破
Embark Studiosの大型ヒットが独立セグメント化の背景。
当第2四半期連結会計期間には約80万本を追加販売し、累計販売本数は1,630万本を突破
独立初年度の中間期で売上約21倍、黒字転換。
ARC Raidersの世界的ヒットで独立報告に移行し、最新中間期は31,069百万円のセグメント利益を計上しました。
その他
『KartRider Rush+』及び『V4』の減収により、売上収益は前期比でおよそ横ばい
成長タイトルがある一方、赤字が拡大。
『メイプルストーリー』、『メイプルストーリーM』及び『ブルーアーカイブ』の成長
地域売上は増えたがセグメント赤字は継続。
『ブルーアーカイブ』の成長や2023年5月に台湾・香港・マカオで配信を開始した『HIT2』の増収寄与
アジア地域の新規展開が成長。
ハイパー・ローカライゼーション戦略が功を奏し、前期比で成長いたしました。
地域展開の成果が拡大。
『MapleStory Worlds』は、4月に中国や日本を除くアジア地域へサービスを拡大
アジア拡大が進む一方、当時の通期区分には欧州も含む。
売上収益は447百万円、セグメント損失は601百万円
欧州分離後の現行区分で増収・赤字縮小。
欧州分離後も増収・赤字縮小。アジア各地域へのIP展開を続けながら採算改善を進める段階です。
4.最新予想信頼度
最新会社予想は通期ではなく第3四半期累計のレンジ予想です。中央値は売上収益400,394百万円、営業利益116,884百万円、税引前利益146,315.5百万円、親会社帰属利益108,796.5百万円、EPS138.29円。中間期実績からの単純進捗は約68~80%ですが、残る第3四半期単独で必要な営業利益中央値は27,437百万円で、第2四半期単独実績31,284百万円を下回ります。
達成できると判断する理由
- 2026年中間期実績は、第1四半期後に公表した中間期予想レンジの上限を売上・営業利益・税引前利益・親会社帰属利益・EPSの全5指標で上回りました。
- 第3四半期単独で必要な営業利益中央値は約27,437百万円で、第2四半期単独の31,284百万円より低く、利益面では追加的な加速を前提としていません。
- メイプルストーリーフランチャイズは第3四半期も前年同期比成長を見込み、グローバル版の二桁成長やMapleStory Worldsの約2倍成長を会社が想定しています。
- ARC Raidersは発売初期から平常化を見込むものの引き続き増収寄与を想定。欧州セグメントは中間期に31,069百万円の利益を計上し、新規IPの収益柱が形成されています。
- 最新予想は中間期実績を確定した後に公表された翌1四半期分のレンジであり、予測対象期間が短い点は予想精度を高める要因です。
達成できないと判断する理由
- アラド戦記フランチャイズは第3四半期に前年同期比減収を見込み、中国PC版は現地通貨ベースでおよそ横ばい、韓国版とアラド戦記モバイルは減収想定です。
- FCフランチャイズも前年同期比で微減、マビノギモバイルも高い前年比較で減収を見込んでおり、既存タイトルの一部に弱さがあります。
- ARC Raidersは売り切り型ゲームのため発売初期に売上が集中し、第3四半期は会社自身が平常化を想定しています。
- 人件費、ソフトウェア・クラウドサービス費、成果報酬型マーケティング、プラットフォーム利用料などの増加が利益率を圧迫する可能性があります。
- 会社想定のドル円から1円変動すると、第3四半期単独で売上収益約778百万円、営業利益約191百万円が変動するとされ、為替が利益予想へ与える影響は大きいです。
収益計上時期の見方
ライブサービス型ゲームは大型アップデートやイベント、新作投入の時期によって四半期業績が変動します。加えてARC Raidersは売り切り型で、会社は発売初期に売上が集中する特性を明示しています。したがって、中間期実績を単純に年率換算するのではなく、会社が毎四半期更新するレンジ予想で確認する方が適切です。
総合判断
第3四半期累計予想の中央値を達成するには、第3四半期単独で売上収益約127,084百万円、営業利益約27,437百万円が必要です。第2四半期単独実績は売上収益121,076百万円、営業利益31,284百万円であり、売上は約5%の増加が必要な一方、営業利益は約12%低い水準でも中央値へ届きます。メイプルストーリーの成長とARC Raidersの継続寄与を考えると中央値達成のハードルは過度に高くありません。ただし、アラド戦記・FCの弱さ、ARC Raidersの販売平常化、費用増、為替が上振れ余地を左右します。なお、現時点で通期業績予想は公表されていないため、第3四半期累計の達成判断を通期業績へそのまま延長していません。
進捗率は中間期実績÷第3四半期累計レンジ中央値による単純進捗率です。
ネクソン(3659)最新中期経営方針分析
対象:Capital Markets Briefing 2026(2026年3月31日)を最新の中期経営方針として分析。 2026年8月13日公表の2026年12月期第2四半期業績まで進捗を反映。
ネクソンは2024年に、 2027年売上高7,500億円・営業利益2,500億円 という中期経営目標を設定していた。
しかし2026年3月のCapital Markets Briefingで、 この目標について 「当初のタイムラインでは達成しない」 と会社自身が明言。 現時点では売上高・営業利益について新たな中期数値目標を設定していない。
したがって、7,500億円・2,500億円を 「現在有効な2027年目標」として扱うのは適切ではない。
① 企業が掲げる目標業績数字
2026年3月に当初期限での達成見送りを表明
| 指標 | 2024年実績 | 2025年実績 | 2026年最新方針 |
|---|---|---|---|
| 売上収益 | 4,462億円 | 4,751億円 | 前年比成長を目指す |
| 営業利益 | 1,242億円 | 1,240億円 | 前年比成長を目指す |
| 営業利益率 | 約28% | 約26% | 改善を目指す |
| ROE | 資本効率改善を継続 | 10%以上 / 中長期15%以上 | |
2026年12月期 第2四半期の最新進捗
前年同期比+2%
前年同期比-17%
フランチャイズ売上成長率
累計販売本数
一方で、MapleStoryは四半期として過去最高売上となっており、 成長しているIPと収益性の弱いIPの差が拡大している のが現在のネクソンの特徴といえる。
② 目標達成へのロードマップ・達成計画
ゲーム開発ポートフォリオを抜本的に選別
- 従来よりも少数の有望タイトルへ経営資源を集中。
- 各開発案件をROI(投資収益性)基準で厳格に審査。
- 成長や収益への貢献が期待できないプロジェクトは削減・再構築。
- 「タイトル数を増やすこと」ではなく、長期間プレイヤーから支持されるIPを重視。
コスト構造をリセットし、営業利益率を回復
- 2026年は人件費を概ね横ばいに抑える方針。
- マーケティング費も概ね横ばいを想定。
- 各機能・開発案件を見直し、固定費の増加を抑制。
- 売上拡大時に利益がより大きく伸びる「スケールする利益構造」への転換を目指す。
MapleStoryの成功モデルを他IPへ横展開
- MapleStoryは地域ごとのコンテンツ・運営を最適化する「ハイパーローカライゼーション」を推進。
- PCゲームだけでなく、モバイルや異なるジャンルへIPを拡張。
- 既存IPを1本のゲームではなく複数作品を持つフランチャイズとして育成。
- MapleStoryの成長手法をDungeon&Fighter等へ展開する。
Dungeon&Fighterを再成長軌道へ
- 既存Dungeon&Fighter Mobileの立て直しを2026年の最重要課題の一つとする。
- 2026年Q4に「Arad: Idle RPG」を投入予定。
- 2027年には「Dungeon&Fighter Classic」を展開予定。
- 「Dungeon&Fighter: ARAD」「Project OVERKILL」等でIPのジャンル・地域を拡張。
欧米・グローバル市場で新たな柱を作る
- 「ARC Raiders」を既存3大IP以外の新しい大型フランチャイズ候補として育成。
- 「Mabinogi Mobile」の韓国外展開を進める。
- 「Vindictus: Defying Fate」「NAKWON」等の新作を2027年以降に投入。
- 中国・日本・欧米など地域ごとにパートナーと運営モデルを最適化。
資本効率と株主還元を経営KPI化
- ROE10%以上を維持し、中長期15%以上を目指す。
- 前年の調整後営業利益の33%以上を株主へ還元。
- 余剰資金は配当・自己株式取得に活用。
- M&Aは「長期的に強いIP・事業を構築できるか」を重視し、案件を厳選。
MapleStory
現在の最重要成長エンジン。 2025年売上は約1,204億円。 2026年も二桁成長と過去最高更新を目指す。
地域別運営、コンテンツ拡張、モバイル・派生タイトルによって IP全体のLTVを高める。
Dungeon&Fighter
2025年売上は約1,287億円。 既存モバイル版の低迷を新作群で補い、 2026年後半~2027年以降の再成長を狙う。
新規・成長IP
2025年の新規・成長フランチャイズ売上は約1,436億円。 2026年は二桁成長を想定。 ARC Raidersの成功により欧米売上の拡大余地が高まっている。
財務・資本政策
2026年6月末時点で多額の現金を保有。 成長投資と株主還元を両立し、 ROEの引き上げによって企業価値向上を図る。
主要新作パイプライン
つまり現在は「売上7,500億円をいつ達成するか」より、 成長の質と利益率を立て直すことが優先されている。
③ 会社開示から見る主な達成リスク
| リスク・課題 | 会社が示した状況 | 今後の影響 |
|---|---|---|
| Dungeon&Fighter Mobileの低迷 | 会社は旧中期目標未達の理由として、 同タイトルの低迷を一時的ではなく 構造的な問題と説明。 | D&Fは主要フランチャイズの一角であり、 既存タイトルの回復や新作成功が遅れると全社成長率へ大きく影響。 |
| 新作開発スケジュールの遅延 | 新作タイトルの開発・投入時期の遅れが、 旧中期目標を達成できなかった理由の一つと会社が説明。 | 2026~2028年の新作パイプラインが再び遅延すると、 既存IP依存からの脱却が遅れる。 |
| 新作の継続率・収益化 | ゲームは発売初期の利用者獲得だけでなく、 長期間ユーザーを維持できるかが重要。 過去には期待した継続率を確保できなかったタイトルも存在。 | 開発費・マーケティング費を投じても、 長期的な売上を確保できなければ利益率を圧迫する。 |
| コスト上昇・利益率低下 | 人件費、プラットフォーム手数料、 インフラ・クラウド費用、開発関連費用などが 売上以上のペースで増え、利益率低下要因となった。 | グローバル展開が成功して売上が伸びても、 変動費が同時に膨らめば営業利益率改善が遅れる可能性。 |
| 特定大型IPへの依存 | MapleStory、Dungeon&Fighter、FCという 3大フランチャイズへの依存度が依然として高い。 | 主要タイトルのユーザー動向や地域別業績の変化が 全社業績へ大きく波及する。 |
| 運営・ガバナンス上の問題 | 2026年にはMapleStory関連タイトルで運営上の問題が発生し、 会社は報告体制・リスク管理体制を強化。 | オンラインゲームでは運営上のミスが返金負担だけでなく、 ユーザーの信頼低下・長期LTV低下につながる可能性。 |
中期経営方針の総合評価
ネクソンの最新戦略で最も重要なのは、 2027年の売上高7,500億円・営業利益2,500億円という 「規模の目標」をいったん事実上リセットしたことである。
これは単なる目標引き下げではなく、 新作数の拡大に伴って膨らんだ開発コストや、 Dungeon&Fighter Mobileなどの想定未達を踏まえ、 投資案件の選別と利益率改善を優先する経営へ転換した と見ることができる。
成長面ではMapleStoryの好調に加え、 ARC Raidersが欧米市場で新しい大型IP候補に成長している点がプラス。 従来の韓国・中国中心の収益構造から、 欧米を含むグローバルIPポートフォリオへ移行できれば、 中長期的な収益源の分散につながる。
一方、Dungeon&Fighterの低迷やFCの伸び悩み、 プラットフォーム・クラウド等のコスト上昇が残っており、 「売上成長=利益成長」になる構造を実際に作れるか が今後の最大の確認ポイントとなる。
今後チェックしたい5つのKPI
売上成長率
売上回復
売上比率
改善幅
10%→15%
MapleStoryとARC Raidersが成長していても、 D&F・FCの低迷や運営コスト増によって利益率が改善しなければ、 会社が掲げる「スケールする収益モデル」は完成していない。
逆に、2026~2027年に D&F新作群の立ち上がり+新規IP成長+営業利益率改善 が同時に確認できれば、 2024年に描いた大型成長シナリオが、 時期をずらした形で再び現実味を帯びる可能性がある。
最新の資本政策
・株式会社ネクソン「Capital Markets Briefing 2026」2026年3月31日
・株式会社ネクソン「2026年度第2四半期連結業績」2026年8月13日
・株式会社ネクソン「Capital Markets Briefing」2024年9月3日
・株式会社ネクソン Investor Relations
※旧2027年目標は比較用に掲載しており、現在有効な業績目標として扱っていません。
※「分析」「総合評価」部分は会社開示資料を基にした独自分析です。 将来の業績・株価を保証するものではありません。

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