未上場 JR貨物
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事業内容と業績
鉄道ロジスティクス事業
不動産事業
その他
直近5年業績サマリー
| 業績項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 2027年3月期 Q1 | 2027年3月期 会社予想 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 186,655 | 187,685 前年比 +1,030 / +0.6% | 188,539 前年比 +854 / +0.5% | 200,751 前年比 +12,212 / +6.5% | 207,605 前年比 +6,854 / +3.4% | 49,728 前年同期比 △658 / △1.3% | 219,000 会社予想 +11,395 / +5.5% |
| 営業損益 | 1,484 | -3,644 前年比 △5,128 / △345.6% | -4,782 前年比 △1,138 / △31.2% | 2,706 前年比 +7,488 / +156.6% | 3,235 前年比 +529 / +19.5% | -535 前年同期比 △1,950 / △137.8% | 6,400 会社予想 +3,165 / +97.8% |
| 経常損益 | 277 | -4,364 前年比 △4,641 / △1675.5% | -4,291 前年比 +73 / +1.7% | 1,456 前年比 +5,747 / +133.9% | 2,406 前年比 +950 / +65.2% | -698 前年同期比 △1,883 / △158.9% | 5,000 会社予想 +2,594 / +107.8% |
| 当期純利益 | -1,428 | -4,098 前年比 △2,670 / △187.0% | -3,505 前年比 +593 / +14.5% | 6,758 前年比 +10,263 / +292.8% | 1,226 前年比 △5,532 / △81.9% | -779 前年同期比 △1,446 / △216.8% | 2,000 会社予想 +774 / +63.1% |
| EPS | -3,760.14 円 | -10,785.41 円 前年比 △7,025.27 / △186.8% | -9,224.43 円 前年比 +1,560.98 / +14.5% | 17,785.37 円 前年比 +27,009.80 / +292.8% | 3,226.52 円 前年比 △14,558.85 / △81.9% | -2,050.69 円 前年同期比 △3,807.47 / △216.7% | 5,263.16 円 会社予想 +2,036.64 / +63.1% |
| 1株配当金 | 記載なし | 記載なし | 記載なし | 記載なし | 記載なし | 記載なし | 予想記載なし |
| 純資産 | 100,203 | 96,091 前年比 △4,112 / △4.1% | 93,151 前年比 △2,940 / △3.1% | 102,753 前年比 +9,602 / +10.3% | 107,887 前年比 +5,134 / +5.0% | 107,044 前期末比 △843 / △0.8% | — |
| 営業CF | 19,792 | 19,131 前年比 △661 / △3.3% | 16,816 前年比 △2,315 / △12.1% | 18,707 前年比 +1,891 / +11.2% | 25,423 前年比 +6,716 / +35.9% | 四半期短信に記載なし | — |
| 投資CF | -34,297 | -33,573 前年比 +724 / +2.1% | -25,836 前年比 +7,737 / +23.0% | -17,378 前年比 +8,458 / +32.7% | -33,895 前年比 △16,517 / △95.0% | 四半期短信に記載なし | — |
| 財務CF | 18,989 | 6,434 前年比 △12,555 / △66.1% | 6,011 前年比 △423 / △6.6% | 18,394 前年比 +12,383 / +206.0% | 10,639 前年比 △7,755 / △42.2% | 四半期短信に記載なし | — |
| フリーCF | -14,505 | -14,442 前年比 +63 / +0.4% | -9,020 前年比 +5,422 / +37.5% | 1,329 前年比 +10,349 / +114.7% | -8,472 前年比 △9,801 / △737.5% | 四半期短信に記載なし | — |
1.会社予想と実績
期初の通期会社予想を100%として、実績または最新Q1の単純進捗を比較しています。
2.達成・未達理由
自然災害による輸送障害、新型コロナ・物価上昇に伴う消費低迷で運輸収入が伸び悩み、ウクライナ情勢長期化による原油高・コスト増が直撃。鉄道ロジスティクスの営業損失が148億円まで拡大し、会社予想の黒字計画を大きく下回りました。
物価上昇による買い控え、夏季の大雨・台風で運輸収入が伸び悩み、エネルギー・原材料高で営業費が増加。鉄道ロジスティクスは営業損失152億円へ悪化し、不動産も分譲マンション販売戸数減などで減収減益となり、黒字予想に届きませんでした。
輸送量増加、基本運賃改定、不動産の分譲マンション販売・土地持分譲渡等で営業損益は黒字化しましたが、営業利益・経常利益は計画未達。一方、固定資産売却益53億円、工事負担金等受入額86億円などの特別利益が寄与し、純利益は会社予想を大幅に上回りました。
売上は増加したものの、鉄道ロジスティクスで車両修繕費・線路使用料などが上昇し、営業損失は119億円へ再拡大。不動産の増益では吸収し切れず、営業・経常利益は計画の3分の1程度にとどまりました。前期に大きかった固定資産売却益や工事負担金等受入も縮小し、純利益も未達でした。
修繕費・業務費の増加と不動産販売収入の減少で減収減益。鉄道ロジスティクスは輸送量が前年同期94.9%となり営業損失が21億円から28億円へ拡大、不動産も前年の土地持分譲渡益の反動等で営業利益が35.9%減少しました。会社は2027年3月期通期予想を変更していません。
3.事業セグメントの自信度
鉄道ロジスティクス事業
貨物鉄道事業の役割発揮とさらなる収益性の向上
社会的な追い風を見込む一方、災害・事故・需要低迷で輸送量が弱く、採算改善は途上でした。
当社グループを取りまく環境は引き続き厳しいものと認識
輸送量停滞と原油高・物価高で赤字が拡大し、会社自身も厳しい事業環境を明示しました。
営業費は前年よりも増加しました
輸送量はほぼ横ばいでもコスト増が続き、鉄道ロジスティクスの営業損失は152億円まで悪化しました。
鉄道ロジスティクス事業全体としては、営業費は増加しましたが、赤字幅は縮小しました
輸送量増と運賃改定で改善した一方、不正事案・輸送障害・コスト上昇が残り、黒字化には至っていません。
更なる成長を図っていきます
総合物流の拡大姿勢は強い一方、修繕費・線路使用料の上昇で営業赤字が再拡大しており、収益面の確信度は限定的です。
引き続きコスト上昇への対応を継続していきます
運賃改定を実施したものの、輸送量は前年同期94.9%、営業損失は28億円へ拡大し、立ち上がりは弱い状態です。
運賃改定・総合物流拡大という改善策はあるものの、Q1は輸送量減とコスト上昇で赤字が拡大しており、最新時点では弱気判断です。
不動産事業
不動産事業の安定した成長軌道の確立を目指します
賃貸マンションの新規稼働を進め、安定成長を明確に志向していました。
新小岩の分譲マンション販売が好調
分譲販売と建物貸付が堅調で、増収増益を確保しました。
分譲マンション販売戸数が前年よりは少なかったことにより減収減益
開発は継続しているものの、販売戸数減などで業績は一時後退しました。
分譲マンション販売や広島牛田社宅土地持分譲渡等により増収増益
開発・賃貸・土地活用が利益増に結びつき、回転型不動産への本格参入も打ち出しました。
全体として収益性が向上しました
賃貸・分譲に加え土地持分譲渡や私募ファンドへの土地譲渡が寄与し、利益率が大きく上昇しました。
回転型不動産ビジネスをより深度化する
成長施策は継続していますが、前年の土地持分譲渡益の反動とテナント撤退でQ1は減収減益となりました。
回転型不動産とAM内製化で拡大方針は明確ですが、Q1は前年の土地譲渡益の反動で減益。案件計上時期の影響が大きく、中立判断です。
その他
中古フォークリフト売却収入の増
収益認識基準で売上は縮小した一方、中古品売却で利益は大幅に伸びました。
原価が増加したことにより営業利益は前期比21.0%減
リース売上は増えたものの固定資産税負担が増え、採算が悪化しました。
借入金の増加及び借入金利の上昇により資金原価も増加
リース・中古品売上は増加した一方、資金原価上昇で利益は横ばいでした。
対応するリース原価などの費用も増加しました
売上増に対して費用増が重く、営業利益は44.2%減少しました。
利益率・利益額ともに大幅に上昇しました
中古品売却の入札方式変更が奏功し、営業利益は45.1%増加しました。
中古品販売の利益率が向上したことにより、減収増益
売上は減ったものの採算改善が続き、小規模ながら増益を確保しました。
中古品販売の採算改善が継続しQ1は減収増益。規模は小さいものの、直近の収益トーンは強気です。
4.最新予想信頼度
2027年3月期の会社予想は、売上高219,000百万円、営業利益6,400百万円、経常利益5,000百万円、親会社株主帰属純利益2,000百万円、EPS5,263.16円です。第1四半期は売上高49,728百万円、営業損失535百万円、経常損失698百万円、純損失779百万円で、会社は通期予想を据え置いています。
達成できると判断する理由
- 2026年4月に、会社だけでは吸収困難なコスト上昇分について運賃改定を実施しており、今後の通期寄与が見込まれます。
- 大型コンテナ・中距離帯輸送、総合物流、倉庫貸付など、鉄道収入以外も含む収益拡大策を進めています。
- 不動産では回転型不動産ビジネスを深度化し、AM内製化、賃貸マンション拡大、社宅跡地開発を継続。案件売却は計上時期によって四半期利益が大きく変動します。
- 会社はQ1発表時点で通期予想を修正しておらず、現時点では下期を含む計画達成余地を維持しています。
達成できないと判断する理由
- Q1終了時点で営業利益・経常利益・純利益がすべて赤字で、前年同期はそれぞれ黒字でした。初速は明確に悪化しています。
- 通期営業利益6,400百万円を達成するには残り9か月で6,935百万円が必要です。前年の同期間実績は約1,820百万円で、必要水準は約3.8倍です。
- 鉄道ロジスティクスはQ1の輸送量が前年同期94.9%、営業損失が28億円へ拡大。修繕費や線路使用料など固定的コストの上昇が続いています。
- 不動産はQ1で営業利益が35.9%減。前年の土地持分譲渡益の反動が出ており、今期の不動産売却・開発案件が計画どおり利益化しない場合、全社利益の穴埋めが難しくなります。
収益計上時期を見る際の注意点
不動産の分譲・土地譲渡・回転型不動産は案件の引渡し・売却時期で利益が偏るため、Q1の単純進捗率だけでは通期を決められません。一方、提供された資料では「4Q偏重」など明確な季節性説明は確認できません。前年Q1は営業利益1,415百万円を計上しており、今期Q1の赤字転落は無視できない悪化です。
最終判断
現時点では会社予想の達成ハードルは高いと判断します。 運賃改定と不動産案件の計上で巻き返せる余地はありますが、鉄道ロジスティクスの赤字拡大を止め、残り9か月で営業利益6,935百万円を積み上げる必要があります。特に不動産の売却益・開発利益が計画どおり実現するかが全社予想の成否を大きく左右します。JR貨物は未上場のため市場株価がなく、会社予想達成時のPERは算出できません。
未上場|JR貨物(日本貨物鉄道)
中期経営計画2026 分析
計画期間:2024〜2026年度最終年度:2027年3月期未上場
JR貨物の公式サイトで現在掲載されている最新の中期経営計画は「JR貨物グループ 中期経営計画2026」。2024年3月策定。
結論
売上目標は達成圏だが、利益目標は会社の最新通期予想ベースで大幅未達。
2027年3月期の会社予想は連結営業収益2,190億円で、中計目標2,160億円以上を30億円上回る。一方、連結経常利益は50億円予想で目標110億円以上に対して60億円不足。単体経常利益も30億円予想で目標90億円以上に対して60億円不足している。
目標2,160億円以上
予想達成率 101.4%
目標110億円以上
予想達成率 45.5%
目標90億円以上
予想達成率 33.3%
中計目標。最新通期予想では同一区分の予想値が開示されていないため、達成判定は行わない。
① 企業が掲げる目標業績数字
| 区分 | 2023年度実績 | 2026年度目標 | 2027年3月期会社予想 | 判定 |
|---|---|---|---|---|
| 連結 営業収益 | 1,885億円 | 2,160億円以上 | 2,190億円 | 目標超過予想 |
| 連結 経常利益 | ▲42億円 | 110億円以上 | 50億円 | 60億円不足予想 |
| 単体 経常利益 | ▲62億円 | 90億円以上 | 30億円 | 60億円不足予想 |
| 単体 鉄道事業営業利益 | ▲166億円 | 10億円以上 | 同一区分の通期予想非開示 | 判定不能 |
会社予想は2026年8月12日公表の2027年3月期第1四半期決算時点で据え置き。
最終年度の事業計画KPI
② 目標達成へのロードマップ
安全基盤の強化・安定輸送
偏積防止、災害時のトラック・船舶代行の迅速化、山陽線不通を想定したBCPなどを進め、貨物鉄道輸送への信頼回復を図る。
輸送量回復と鉄道事業黒字化
データ分析を使った営業、大型コンテナ拡大、中距離帯ネットワーク強化、トラックから鉄道へのモーダルシフトを推進。総合物流企業グループへの進化を狙う。
不動産事業の拡大
レールゲート、賃貸マンション、既存物件再開発、取得物件拡大に加え、回転型不動産ビジネスを展開し収益基盤を強化する。
経営基盤の強化
組織・ガバナンス、人的投資、働きがい、コスト削減、運賃改定を含む収支構造改革を実施する。
将来の役割拡大
脱炭素、海外事業、DX・新技術を進め、貨物鉄道の社会的役割を拡大する。
足元の進捗
2027年3月期第1四半期は減収・赤字。連結営業収益497億円、営業損失5億円、経常損失6億円。会社は通期予想を変更していない。
| 事業 | 2027年3月期 1Q | 前年同期 | 状況 |
|---|---|---|---|
| 鉄道ロジスティクス | 営業収益452億円 / 営業損失28億円 | 営業損失21億円 | 赤字拡大 |
| 不動産 | 営業収益46億円 / 営業利益22億円 | 営業利益は前年同期比35.9%減 | 高収益だが減益 |
鉄道ロジスティクスでは輸送量が前年同期比94.9%に低下。コンテナは92.3%となった。物価高による車両修繕費・線路使用料の上昇も利益を圧迫している。
③ 会社開示で確認できる達成リスク・課題
- 物価・コスト上昇:車両修繕費、線路使用料、原料費、燃料費、人件費などの上昇。
- 輸送量の弱さ:2027年3月期1Qのコンテナ輸送量は前年同期比92.3%。鉄道ロジスティクス事業の営業損失は前年同期より拡大。
- 自然災害・輸送障害:災害時の代行輸送体制とBCP強化を計画の主要施策に位置付けている。
- 安全・ガバナンス:不正行為や重大事故を二度と発生させないため、安全管理体制強化を最重要課題として継続。
- 物流業界の構造変化:人手不足、物流効率化法、CLO選任義務化、GX関連制度への対応が必要。
- 不動産利益の変動:2027年3月期1Qは前年度の土地持分譲渡益の反動やテナント撤退により不動産事業が減収減益。
分析ポイント
中計の最大の難所は「売上拡大」ではなく「鉄道事業の利益改善」。最終年度の会社予想では連結売上は中計目標を上回る一方、連結経常利益は目標の半分以下にとどまる。足元1Qでも鉄道ロジスティクスの赤字が拡大しており、運賃改定、輸送量回復、コスト抑制が同時に進まなければ利益目標との差は埋まりにくい。
一方、不動産事業は1Qで営業利益22億円を確保しており、グループ収益を支える重要な柱。ただし、土地売却等の反動で四半期利益が変動するため、鉄道事業の恒常的な黒字化を代替するものではない。
⑤ 割安度
JR貨物は未上場で市場株価および市場PERが存在しないため、現在PERと目標達成時PERを用いた割安度計算はできない。
出典
・JR貨物「長期ビジョン・中期経営計画・事業計画」
https://www.jrfreight.co.jp/ir_sustainability/plan.html
・国土交通省「JR貨物 グループ中期経営計画2026(2024-2026年度)」
https://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/content/001758844.pdf
・JR貨物「2026年度事業計画 概要」
https://www.jrfreight.co.jp/info/2026/files/20260331_01.pdf
・JR貨物「2027年3月期 第1四半期決算短信」
https://www.jrfreight.co.jp/info/2026/files/20260812_01.pdf

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