6838 多摩川ホールディングス

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多摩川ホールディングス 6838 東証S

TAMAGAWA HOLDINGS CO.,LTD.|高周波無線技術を軸とする電子・通信用機器事業と、小型風力・太陽光・系統用蓄電所などの再生可能エネルギー事業を展開する純粋持株会社。
※2026年6月16日時点の情報

事業内容

2026年6月16日終値ベースの時価総額は約202億円。
多摩川ホールディングスは1968年11月設立、本社は東京都港区芝二丁目28番8号芝二丁目ビル11階、代表取締役社長は桝沢徹氏、決算期は10月、東証スタンダード市場に上場する純粋持株会社です。グループは多摩川電子、多摩川エナジーなどを中心に、電子・通信用機器と再生可能エネルギーの2事業を展開しています。
直近の2026年10月期第2四半期累計は、売上収益3,742百万円、営業利益751百万円、税引前中間利益2,307百万円、親会社の所有者に帰属する中間利益1,832百万円でした。2026年10月期通期予想は、2026年6月15日に売上収益6,950百万円、営業利益820百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益1,835百万円へ上方修正されています。

電子・通信用機器事業

2026年10月期第2四半期累計の電子・通信用機器事業は、売上収益3,449百万円、セグメント利益900百万円。
同事業は、無線機器、計測器、情報機器、産業用機器の製造・販売を担う主力事業です。
中核子会社の多摩川電子は、高周波無線技術のエキスパート企業として、アナログ高周波技術に加え、光伝送、デジタル信号処理、FPGAなどの技術領域を広げています。
製品領域は、固定減衰器・終端器、ODM/OEM、SDRボード、RF伝送用アナログE/O・O/Eコンバータ、ミリ波帯無線モジュールなどです。
導入先としては、官公庁、レーダー、搭載機器、シミュレータ、無線通信機器、携帯電話基地局、不感地対策、公共社会インフラ、放送、防災、気象レーダー、宇宙・衛星関連、FA、半導体試験設備などが示されています。
2026年10月期第2四半期は、官公庁・公共関連市場と5G関連市場を中心に展開し、社会インフラ向け主力製品の量産フェーズ移行が収益を押し上げました。
生産面では、ベトナム新工場の稼働開始により量産製品の需要拡大へ対応しており、生産スペース拡張、設備増強、品質管理体制の強化を進めています。
また、本社近隣地域に第二工場建設のための用地を購入しており、今後の地産地消型量産製品への対応も進める方針です。

再生可能エネルギー事業

2026年10月期第2四半期累計の再生可能エネルギー事業は、売上収益293百万円、セグメント利益83百万円。
同事業は、小型風力発電所をはじめとした再生可能エネルギー発電所の分譲販売と電力の売電を中心とする事業です。
多摩川エナジーは、計画から設計・施工・検査・運用・メンテナンスまでのプロセスを通じて、再生可能エネルギー発電システムの稼働を支援しています。
2026年10月期第2四半期時点では、北海道・東北の小型風力発電所、長野県、茨城県、山梨県などの高圧・低圧太陽光発電所が順調に売電しているとされています。
これに加えて、顧客要請に基づく発電所の建設・売却、売却した発電所の管理・メンテナンスなども収益源です。
中期計画では、再生可能エネルギーの普及に不可欠な系統用蓄電所事業へ参入し、高収益を狙える売電収入の増強を進める方針が示されています。
2026年10月期第2四半期資料では、福岡県みやま市の系統用蓄電所の購入契約や、インドネシア東ヌサ・トゥンガラ州フローレス島の小水力発電所プロジェクトが示されています。
太陽光、小型風力、系統用蓄電所、小水力へ電源を広げることで、再生可能エネルギー事業全体の安定した収益基盤を構築する方向です。

直近5年業績サマリー

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2024年10月期
7ヶ月決算
2025年10月期 2026年10月期
会社予想
売上高 6,236 3,294
△2,942 / △47.2%
4,153
+859 / +26.1%
2,356
△1,797 / 7ヶ月決算
5,587
+3,231 / 通期化
6,950
+1,363 / IFRS予想
営業損益 379 △437
赤字転落
△215
赤字縮小
△47
赤字縮小
278
黒字転換
820
+542
経常損益 331 △514
赤字転落
△215
赤字縮小
△51
赤字縮小
231
黒字転換
当期純損益/親会社所有者帰属利益 148 △482
赤字転落
△443
赤字縮小
△113
赤字縮小
268
黒字転換
1,835
+1,567
EPS(一株利益) 16.72円 △54.46円 △50.05円 △12.77円 30.28円 207.32円
PER(期末日株価ベース) 52.63倍 23.35倍
PBR(期末日株価ベース) 1.43倍 1.24倍 1.47倍 1.34倍 1.15倍
BPS 613.70円 563.54円 551.23円 528.18円 617.21円
純資産 5,442 5,002
△440 / △8.1%
4,888
△114 / △2.3%
4,684
△204 / △4.2%
5,471
+787 / +16.8%
営業CF △16 △1,883
支出拡大
△1,132
支出縮小
257
プラス転換
△25
マイナス転落
投資CF △165 △273
△108 / 支出拡大
△0
支出縮小
△97
支出拡大
△472
△375 / 支出拡大
財務CF △170 1,150
プラス転換
1,274
+124 / +10.8%
391
△883 / △69.3%
76
△315 / △80.6%
現金及び現金同等物 2,030 1,055
△975 / △48.0%
1,210
+155 / +14.7%
1,736
+526 / +43.5%
1,332
△404 / △23.3%
単位は百万円。2024年10月期は、決算期変更に伴う2024年4月1日から2024年10月31日までの7ヶ月変則決算です。2026年10月期第1四半期からIFRSを任意適用しています。
EPS、PER、PBR、BPSは、2026年4月末時点の自己株式控除後株式数8,851,192株を基準に再計算しています。2026年10月期予想の当期利益には、海外現地法人が保有する海外株式の評価益が織り込まれており、今後の評価損益は四半期決算時点で洗い替えられます。

中期経営計画

2025年10月期から2030年10月期までの中期経営計画

多摩川ホールディングスは、2025年12月4日に中期経営計画を公表し、計画期間を2025年10月期から2030年10月期までとしています。
基本方針は、電子・通信用機器事業における官公庁向け製品の量産化、海外市場への展開、再生可能エネルギー事業における系統用蓄電所事業への参入を成長ドライバーとするものです。
2030年10月期の計画値として、売上高111億円、経常利益13億円、1株当たり配当20円、ROE10.2%を掲げています。
電子・通信用機器事業では、官公庁向け製品の量産化フェーズ入り、ベトナム新工場による高品質・低コスト生産、インドネシアなどASEAN市場の需要取り込み、本社第二工場の建設を進める方針です。
再生可能エネルギー事業では、太陽光発電所の建売を継続しつつ、高収益が見込める系統用蓄電所事業への参入を進める計画です。
2026年6月15日時点の通期予想では、2026年10月期の売上収益6,950百万円、営業利益820百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益1,835百万円を見込んでいます。
営業利益820百万円は、中期経営計画における2028年10月期の営業利益計画761百万円を進行期に上回る見通しとされています。
中期経営計画資料へ

強みと将来性

① 高周波・ミリ波技術を軸にした社会インフラ向け受注基盤

多摩川ホールディングスの中心は、60年近い実績を持つ高周波・ミリ波技術です。
無線、レーダー、公共インフラ、携帯電話基地局、衛星関連、半導体試験設備など、要求品質が高い分野に関わっている点が特徴です。
2026年10月期第2四半期では、電子・通信用機器事業の売上収益が3,449百万円、セグメント利益が900百万円となり、連結業績をけん引しました。
官公庁・公共関連市場と移動体通信分野を中心に、主力製品が量産フェーズへ移行していることは、単発開発から継続的な生産・納入へ移る可能性を示します。
社会インフラ、防災、通信品質、公共安全保障に関わる需要は、景気循環だけでなく政策や公共投資の影響も受けるため、民間通信投資だけに依存しない受注構造を作りやすい点が強みです。

② ベトナム新工場と本社第二工場による生産能力拡大

2025年10月にベトナム新工場が稼働を開始し、量産製品の需要拡大に対応するための生産スペース拡張、設備増強、品質管理体制の強化が進められています。
ベトナム新工場は、モバイル向け製品を高品質かつ低コストで生産し、日本向け輸出やASEAN市場への展開を支える拠点として位置付けられています。
一方、官公庁向け製品は国内需要増加への対応が必要であり、中期計画では本社第二工場の建設・稼働が重要テーマになっています。
国内の官公庁向け量産と、海外市場向けの低コスト生産を組み合わせることで、売上拡大と利益率改善の両立を狙える体制です。

③ 系統用蓄電所を含む再生可能エネルギーの収益多様化

再生可能エネルギー事業では、既存の太陽光・小型風力の売電に加え、発電所の建設・売却、管理・メンテナンスなど複数の収益源を持っています。
中期計画では、系統用蓄電所事業を高収益が見込める成長領域として位置付けています。
再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、電力の需給調整や出力変動対策として蓄電所の重要性は高まっています。
電子・通信用機器事業が社会インフラ向けの成長を担い、再生可能エネルギー事業が売電・蓄電所・発電所売却を担う構造は、通信とエネルギーの両方を社会インフラとして取り込む成長余地があります。

弱みとリスク要因

① 官公庁・社会インフラ案件への依存と納期リスク

電子・通信用機器事業は、官公庁・公共関連市場の需要拡大を大きな追い風としています。
ただし、大型案件は予算執行、仕様変更、検収、納期、顧客都合の影響を受けやすく、売上計上時期がずれる可能性があります。
量産フェーズへの移行は成長要因である一方、生産能力、人員確保、設備投資、品質管理、部材調達に問題が出た場合には、利益率や納期に影響します。
2026年10月期の上方修正でも、部材などの供給面で大きな支障が発生していない状態が継続することが前提とされています。

② 再生可能エネルギー事業の開発・売電・制度リスク

再生可能エネルギー事業は、発電所開発、売電、発電所売却、OM、蓄電所開発など複数の収益源を持つ一方、許認可、系統接続、工事進捗、天候、設備稼働率、電力制度変更の影響を受けます。
小型風力、太陽光、系統用蓄電所、小水力はそれぞれ収益構造が異なり、開発遅延や想定発電量未達が生じると、投資回収期間や利益計画に影響します。
また、発電所売却を含むビジネスでは、売却タイミングや案件規模によって四半期ごとの売上・利益がぶれやすい点にも注意が必要です。

③ 株式評価益と新株予約権による業績・株式価値の変動

2026年10月期予想の親会社の所有者に帰属する当期利益には、海外現地法人が保有する海外株式の評価益が織り込まれています。
この評価益は四半期決算時点で洗い替えられるため、対象株式の株価や為替が変動すると、金融収益や当期利益が大きく上下する可能性があります。
また、2026年10月期第2四半期累計では新株予約権の行使により資本金と資本剰余金が増加しており、財務基盤は強化される一方、発行株式数の増加による1株当たり利益や株式価値の希薄化には注意が必要です。
事業利益の改善と評価益を分けて見ないと、基礎的な収益力を過大評価するリスクがあります。

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