6264 マルマエ

トップ 2026年6月15日のS高・S安銘柄 マルマエ<6264>

マルマエ 6264 東証P

Marumae Co., Ltd.|半導体・FPD製造装置向けの真空パーツ・高精度パーツを一貫生産する精密部品メーカー。2025年からKMアルミニウムを取り込み、IT器材・半導体装置部材・基礎素材を含む機能材料事業も展開しています。
※2026年6月15日時点の情報

事業内容

2026年6月15日終値ベースの時価総額は約748億円。
マルマエは1988年10月設立、本社は鹿児島県出水市、代表者は前田俊一氏、8月決算、東証プライム上場の精密部品メーカーです。半導体・FPD製造装置の心臓部にあたる真空パーツや高精度パーツを、加工、穴あけ、溶接、組立、表面処理まで社内一貫生産する体制を持っています。2025年8月31日時点の連結従業員数は595名、ほか派遣社員70名です。
直近の2026年8月期中間期は売上高8,710百万円、営業利益1,568百万円、経常利益1,466百万円、親会社株主に帰属する中間純利益1,671百万円でした。2026年6月11日には通期業績予想を売上高20,000百万円、営業利益4,100百万円、経常利益3,900百万円、親会社株主に帰属する当期純利益3,300百万円へ上方修正しています。

精密部品事業:半導体・FPD製造装置向け真空パーツ

2026年8月期中間期は、精密部品事業の売上高が3,931百万円、セグメント利益が825百万円でした。
この事業はマルマエ本体の中核で、半導体製造装置やFPD製造装置に使われる真空パーツ、高精度パーツ、高耐久部品を製造しています。
半導体製造装置では、真空環境下で使用される部品や、CVD、エッチングなどの工程に関連する部品が中心です。
製造装置の中でも重要度の高い部品を扱うため、単なる金属加工ではなく、精密加工、溶接、表面処理、洗浄、組立までを含めた品質管理が求められます。
同社は社内一貫生産体制を特徴としており、試作から量産までを自社内で対応できることが強みです。
2026年8月期中間期は、半導体工場の高稼働と製造装置市場の回復により業績が急回復し、半導体分野の売上高も好調でした。
受注額は四半期として過去最高を更新しており、先端ロジック、ファウンドリ、DRAM、NAND、中国市場向けなど、装置投資の回復を受けやすい局面にあります。
FPD分野は売上高が停滞した一方で、OLED向けの受注が急回復していると説明されています。
半導体・FPD向け部品の多くは、製造装置の新規投資だけでなく、稼働後のメンテナンスや消耗品需要とも関係します。
そのため、装置投資サイクルに影響を受ける一方で、既存装置の稼働率が高まる局面では継続需要も期待できる事業です。

機能材料事業:KMAC・KMアルミニウム

2026年8月期中間期は、機能材料事業の売上高が4,779百万円、のれん償却後のセグメント利益が744百万円でした。
機能材料事業は、2025年に連結化したKMアルミニウム株式会社を中心とする事業です。
販売分野はIT器材分野、半導体装置部材分野、基礎素材分野などに分かれます。
IT器材分野では、半導体ターゲット向けが好調に推移しました。
特にアルミターゲットは、レガシーロジックに加えて、HBM DRAMの生産活況に合わせて需要が伸びているとされています。
また、CVD工程向けの消耗品材料も受注しており、この需要も好調に推移しました。
半導体装置部材分野では、市場回復に伴って顧客在庫の調整が進み、急増する受注に対応するための増産体制を整えています。
基礎素材分野では、電解コンデンサ用材料、HDD用材料、小口素材販売などを扱います。
マルマエ本体が精密部品、KMACが機能材料を担うことで、グループとして半導体製造装置周辺の部品・材料領域が広がりました。
ただし、買収後の統合作業、のれん償却、財務負担は継続的な確認が必要です。

生産体制・研究開発・設備投資

生産体制や研究開発は、セグメント別には精密部品事業と機能材料事業に含まれます。
マルマエは、加工、穴あけ、溶接、ユニット組立、表面処理までを社内でつなぐ一貫生産を重視しています。
研究開発では、顧客の次世代装置や新しい成膜・エッチング工程に対応するため、精密加工技術、溶接技術、表面処理技術、品質管理技術の蓄積が重要になります。
半導体製造装置向け部品は、顧客ごと、装置ごと、工程ごとに求められる仕様が異なるため、試作対応力と量産対応力の両方が競争力になります。
同社は複数拠点に生産機能を持ち、BCPを意識した設備配置を進めています。
2026年以降の半導体装置市場では、先端ロジック、ファウンドリ、DRAM、NAND、中国市場向けの投資が拡大するとされ、同社は受注増に対応するための増産体制整備が課題になります。
2026年に実施した公募増資等の資金使途には、精密部品事業や機能材料事業の能力増強、借入金返済などが含まれています。
成長局面では、生産能力の拡張が売上拡大に直結しやすい一方で、設備投資が先行すると、需要が鈍化した場合に固定費負担が利益を圧迫する可能性があります。

直近5年業績サマリー

項目 2021年8月期
実績
2022年8月期
実績
2023年8月期
実績
2024年8月期
実績
2025年8月期
実績
2026年8月期
会社予想
売上高 5,369 8,585
+59.9%
6,868
△20.0%
4,749
△30.9%
11,403
+140.1%
20,000
+75.4%
営業損益 1,207 2,361
+95.6%
859
△63.6%
156
△81.8%
2,103
+1248.1%
4,100
+95.0%
経常損益 1,200 2,366
+97.2%
789
△66.7%
42
△94.7%
1,936
+4509.5%
3,900
+101.4%
当期純損益 902 1,817
+101.4%
706
△61.1%
19
△97.3%
1,355
+7031.6%
3,300
+143.5%
EPS(一株利益) 70.51円 142.58円 55.92円 1.55円 107.11円 126.56円
BPS 494.20円 578.06円 591.25円 566.10円 643.76円
純資産 6,327 7,299 7,473 7,163 8,151
営業CF 1,062 2,227 2,252 431 3,058
投資CF △810 △1,744 △1,489 △504 △9,708
財務CF △291 8 △286 △395 7,875
現金及び現金同等物 2,505 3,011 3,496 3,028 4,252
PER(期末日株価ベース) 27.9倍 14.1倍 31.3倍 965.8倍 14.7倍
PBR(期末日株価ベース) 4.0倍 3.5倍 3.0倍 2.6倍 2.4倍
単位は百万円。EPS、BPS、PER、PBRは円または倍で表示しています。
2026年4月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を実施しています。2026年8月期会社予想EPSは株式分割後基準です。PERとPBRは各期末日株価ベースで算定し、会社予想列は期末株価が未確定のため記載していません。

中期経営計画

中期事業計画「Fusion2028」と2026年8月期上方修正

マルマエは中期事業計画「Fusion2028」を掲げ、半導体製造装置市場における事業活動の拡大、精密部品事業の能力増強、機能材料事業との連携、グループ全体の収益力向上を進めています。
2026年8月期の会社予想は、2026年6月11日に売上高20,000百万円、営業利益4,100百万円、経常利益3,900百万円、親会社株主に帰属する当期純利益3,300百万円へ上方修正されました。
修正理由として、半導体製造装置市場の好調、グループ受注の急拡大、半導体製造装置関連の全ての顧客からの強い需要見通しが挙げられています。
配当面では、現中期事業計画の期間において配当性向35%以上を目標としており、2026年8月期の期末配当予想も株式分割後で19円から26円へ増額されました。
事業戦略としては、半導体・FPD製造装置向け精密部品の受注増に対応する生産能力の増強、KMAC・KMアルミニウムを含む機能材料事業の取り込み、IT器材・半導体装置部材・基礎素材の販売拡大が柱になります。
一方で、成長投資と買収後統合が同時に進むため、受注の継続性、生産能力増強の進捗、のれん償却後の利益水準を確認する必要があります。
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強みと注目点

① 半導体・FPD製造装置の中枢部品に特化した技術蓄積

マルマエの最大の強みは、半導体・FPD製造装置の心臓部にあたる真空パーツや高精度パーツを扱っている点です。
これらの部品は、真空環境、高温環境、プラズマ環境、薬液やガスにさらされる工程などで使用されるため、寸法精度、耐久性、表面状態、溶接品質、清浄度が重要になります。
同社は単純な切削加工だけでなく、穴あけ、溶接、組立、表面処理までを社内でつなぐ一貫体制を持っています。
そのため、顧客の試作段階から量産段階まで関与しやすく、装置メーカーの仕様変更や次世代装置への対応力が競争力になります。
半導体製造装置市場は技術変化が速く、顧客が求める部品仕様も高度化しやすい領域です。
その中で、マルマエが長年蓄積してきた精密加工技術と装置部品に関するノウハウは、参入障壁として機能します。
また、同社の製品には消耗品として継続需要が発生するものも含まれます。
新規装置投資が伸びる局面だけでなく、既存装置の稼働率が高まる局面でも需要が出やすいことは、同社の収益機会を広げます。

② 半導体投資回復を直接受けやすい事業ポジション

2026年8月期中間期の説明では、半導体製造装置市場について、先端ロジック、ファウンドリ、DRAM向け投資が急拡大し、NAND向け投資計画も出始め、中国市場向けも好調が継続する見通しとされています。
マルマエの精密部品事業は、この半導体製造装置市場の動きと直結しやすい事業です。
半導体分野では工場の高稼働と製造装置市場の回復により、2026年8月期中間期に業績が急回復しました。
受注額は四半期として過去最高を更新しており、需要回復がすでに受注面に表れています。
2023年8月期、2024年8月期は売上高と利益が大きく落ち込みましたが、2025年8月期には売上高11,403百万円、営業利益2,103百万円まで回復しました。
2026年8月期会社予想はさらに上方修正され、売上高20,000百万円、営業利益4,100百万円を見込んでいます。
このように、同社は半導体製造装置市場の回復局面で業績の伸びが大きくなりやすい企業です。
装置投資の拡大、顧客在庫調整の進展、既存装置の稼働率上昇が重なる局面では、売上高と利益率の両面で改善が期待できます。

③ KMAC統合による事業領域拡大とグループ化効果

2025年からKMアルミニウムを取り込んだことで、マルマエは精密部品専業に近い企業から、機能材料事業も持つグループへ変化しました。
機能材料事業では、半導体ターゲット向け、CVD工程向け消耗品材料、半導体装置部材、電解コンデンサ用材料、HDD用材料などを扱います。
2026年8月期中間期は、機能材料事業の売上高が4,779百万円となり、精密部品事業を上回る規模になっています。
HBM DRAMの生産活況に伴うターゲット需要や、CVD工程向け消耗品の需要は、半導体市場の構造変化と結びつきやすい分野です。
マルマエ本体の精密部品と、KMACの機能材料を組み合わせることで、グループとして半導体製造装置周辺の顧客接点が増えます。
さらに、精密部品事業で培った品質管理、生産管理、顧客対応力をグループ全体に展開できれば、買収の効果が利益面にも波及します。
2026年の公募増資等により、成長投資と財務改善のための資金も確保しています。
半導体投資の拡大局面で、精密部品と機能材料の両輪を持つことは、従来よりも収益機会を広げる要素になります。

弱み・リスク要因

① 半導体・FPD設備投資サイクルへの依存

マルマエの業績は、半導体製造装置市場やFPD製造装置市場の設備投資サイクルに大きく左右されます。
2022年8月期は売上高8,585百万円、営業利益2,361百万円と高水準でしたが、2023年8月期は売上高6,868百万円、営業利益859百万円へ低下しました。
2024年8月期には売上高4,749百万円、営業利益156百万円まで落ち込み、当期純利益は19百万円にとどまりました。
この実績は、半導体製造装置市場が悪化した際に、同社の収益が大きく変動しやすいことを示しています。
2025年8月期以降は回復局面に入り、2026年8月期会社予想も上方修正されていますが、装置投資のピークアウトや顧客在庫の再調整が起きれば、再び受注と利益が下振れする可能性があります。
FPD分野も中国向け投資やOLED関連需要の影響を受けやすく、需要の谷が深くなると固定費負担が目立ちます。
同社は高精度部品を扱うため一定の参入障壁はありますが、市場全体の投資額そのものが縮小した場合には、自社努力だけで売上を維持することは難しくなります。

② KMAC統合、のれん、財務負担の管理

KMアルミニウムの連結化により、マルマエの売上規模と事業領域は大きく広がりました。
一方で、買収に伴うのれん、借入金、統合コスト、会計方針の統一、子会社管理の負担も発生しています。
2025年8月期末の総資産は25,423百万円、純資産は8,151百万円、自己資本比率は32.1%でした。
買収前と比べて事業規模は拡大しましたが、財務構造も大きく変化しています。
2026年8月期中間期では総資産が26,585百万円、純資産が9,624百万円、自己資本比率が36.2%となっています。
機能材料事業は2026年8月期中間期に売上高4,779百万円、のれん償却後セグメント利益744百万円を計上しており、現時点では収益貢献が見えています。
しかし、買収事業の収益性が悪化した場合、のれんや設備、在庫、固定費が利益を圧迫する可能性があります。
精密部品事業と機能材料事業では、顧客、製品、原価構造、在庫管理、品質管理が異なるため、グループとしての管理体制が重要になります。
買収による成長性だけでなく、のれん償却後の利益、営業キャッシュ・フロー、借入金返済の進捗を継続的に確認する必要があります。

③ 増資後の株式需給と予想修正後のハードル

マルマエは2026年に株式分割と公募増資等を実施しており、株式数と需給環境が変化しています。
成長投資や財務改善のための資金調達は中長期的なプラス要因になり得ますが、短期的には希薄化や需給悪化が株価の重荷になる場合があります。
2026年6月11日の上方修正では、売上高20,000百万円、営業利益4,100百万円、経常利益3,900百万円、当期純利益3,300百万円へ予想が引き上げられました。
業績モメンタムは強いものの、上方修正後は市場の期待値も高まりやすく、四半期ごとの受注、売上、利益率が期待に届かない場合には株価が大きく反応する可能性があります。
また、半導体製造装置関連の全顧客から強い需要が示されているという説明は前向きですが、装置メーカーの投資計画はマクロ環境、金利、為替、米中規制、顧客在庫によって変化しやすい領域です。
株価が業績回復を先取りして上昇した局面では、PER、PBR、受注残、利益率、キャッシュ・フローの整合性を慎重に見る必要があります。
成長ストーリーが明確な一方で、設備投資サイクル銘柄としての値動きの大きさはリスクとして残ります。

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