3691 デジタルプラス

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デジタルプラス 3691 東証G

DIGITAL PLUS, Inc.|デジタルギフト、デジタルウォレット、法人向け振込代行を軸に、個人向け少額支払いのDXを支援するフィンテック企業。
※2026年6月18日時点の情報

事業内容

2026年6月18日本日の株価(終値ベース)の時価総額は約71億円。

デジタルプラスは2005年7月29日設立、本社は東京都渋谷区元代々木町、代表取締役社長は菊池誠晃氏、決算期は9月末、東京証券取引所グロース市場に上場しています。旧社名はリアルワールドで、ポイントメディアやクラウドメディアから事業を再編し、現在はフィンテック領域を中心に展開しています。

直近の2026年9月期第2四半期は、売上収益730百万円、営業損失77百万円、税引前中間損失108百万円、親会社の所有者に帰属する中間損失45百万円でした。通期会社予想は売上収益1,721百万円、営業利益200百万円で、デジタルギフトを中心とした流通総額拡大とフィンテック事業への集中が焦点です。

フィンテック事業・デジタルギフト

フィンテック事業の外部顧客向け売上収益は、2022年9月期181百万円、2023年9月期480百万円、2024年9月期629百万円、2025年9月期852百万円と拡大しました。2026年9月期第2四半期累計では729百万円となり、全社売上の大部分を占める中核事業になっています。

主力サービスの「デジタルギフト」は、URLをメールやSNSなどで送るだけでギフトを発行できる法人向けサービスです。受取側は会員登録やアプリのインストールを前提とせず、用途に応じて交換先を選択できます。

利用場面は、販促キャンペーン、アンケート謝礼、キャッシュバック、株主優待、自治体給付、カスタマーサポートでのお詫び金、返金対応などです。従来の紙の商品券や物理的な景品では、発送、在庫、未着対応、事務処理が発生しますが、デジタルギフトはオンラインで配布できるため、法人の支払い・配布業務を効率化できます。

近年は株主優待ギフトの導入や大口案件の獲得が進み、流通総額の成長が業績の中心テーマになっています。2026年9月期第2四半期の決算説明資料では、流通総額が24四半期連続で成長し、2026年2Qには63億円を突破したとされています。

デジタルプラスは、単なるギフト配布ツールではなく、企業から個人への小口支払いをつなぐ金融インフラに近い位置付けを目指しています。支払い対象が広告、販促、株主優待、給付金、報酬支払い、返金に広がるほど、サービスの利用頻度と流通総額が増えやすくなります。

デジタルウォレット・資金移動業対応サービス

デジタルウォレットは、各種ポイントサービスや動画配信、業務委託報酬などで発生したポイントや報酬をまとめ、現金や各種受取手段へ交換するための基盤です。2025年9月期の決算短信では、第二種資金移動業の登録完了により、報酬や返金など対価性を伴う支払いにも対応可能となる体制を整備したと説明されています。

デジタルギフトは主にキャンペーン謝礼や優待配布に強みを持つ一方、資金移動業対応のデジタルウォレットは、より金融性の高い送金・支払い領域へ拡張するための重要な土台です。対象は、報酬支払い、中古品買取金の支払い、返金、キャッシュバック、個人向け小口支払いなどです。

企業にとっては、銀行振込だけでは手間やコストがかかる少額・大量の支払いを、複数の受取手段に分散して実行できる点が利点です。デジタルプラスは、3万円以下の対個人向け支払いでのシェア拡大を注力領域として掲げています。

また、法人向けには月500件以上の大量送金に対応する振込代行サービスも展開しています。デジタルギフト、デジタルウォレット、振込代行を組み合わせることで、販促から金融性のある支払いまでを一体で取り込む構造を作ろうとしています。

デジタルマーケティング事業・撤退予定領域

デジタルマーケティング事業の売上収益は、2023年9月期185百万円、2024年9月期209百万円、2025年9月期80百万円でした。2026年9月期第2四半期累計では1百万円まで縮小し、営業損失35百万円となっています。

同事業は、オウンドメディア、アライアンスメディア、インターネット広告代理、ソリューション開発、コンサルティングなどを含む領域でした。もともとはリアルワールド時代からのメディア運営やデジタルマーケティングの延長線上にある事業です。

ただし、2026年5月の決算短信では、デジタルマーケティング事業およびオンライン家庭教師事業「ピース」から撤退し、フィンテック事業の単一セグメント化を推進する方針が示されています。

これは、成長ドライバーをデジタルギフトと資金移動業対応サービスに集中するための選択と集中です。短期的には減損や撤退費用が発生しやすく、営業損益を押し下げる要因になりますが、撤退完了後は管理コストの圧縮とフィンテック事業への人材・資金集中が期待されます。

メンタルヘルス・周辺サービス

フィンテック事業には、メンタルヘルス「マヒナ」などの周辺サービスも含まれてきました。ただし、現在の成長戦略の中心は、デジタルギフト、デジタルウォレット、資金移動業対応、振込代行などの支払いインフラ領域です。

同社は過去に、メディア、クラウドソーシング、ポイント交換、金融領域、デジタルマーケティングなど複数事業を展開してきました。そのため、事業ポートフォリオの入れ替えが多い企業です。

現在は、流通総額の拡大を最重要指標に置き、金融・販促・人材・自治体給付など、個人への小口支払いが大量に発生する場面を取り込む方針です。周辺サービスは、フィンテック基盤の利用場面を広げるための補完的な位置付けと見る必要があります。

直近5年業績サマリー

業績項目 2021年9月期 2022年9月期 2023年9月期 2024年9月期 2025年9月期 2026年9月期
会社予想
売上高 303 623
+320 / +105.6%
665
+42 / +6.7%
838
+173 / +26.0%
933
+95 / +11.3%
1,721
+788 / +84.4%
営業損益 △133 3
+136 / 黒字転換
△277
△280 / 赤字転落
56
+333 / 黒字転換
△3
△59 / 赤字転落
200
+203 / 黒字転換
経常損益 △128 △1
+127 / 赤字縮小
△256
△255 / 赤字拡大
83
+339 / 黒字転換
△36
△119 / 赤字転落
当期純損益 33 △179
△212 / 赤字転落
△289
△110 / 赤字拡大
21
+310 / 黒字転換
△71
△92 / 赤字転落
EPS 7.40円 △40.14円 △64.80円 4.71円 △15.92円
PER 74.33倍 124.23倍
PBR 2.93倍 4.28倍 7.12倍 3.62倍 6.65倍
BPS 187.91円 178.49円 110.10円 161.45円 189.03円
純資産 840 799
△41 / △4.9%
528
△271 / △33.9%
817
+289 / +54.7%
921
+104 / +12.7%
営業CF 83 41
△42
△229
△270
△17
+212
△445
△428
投資CF △482 370
+852
△383
△753
△167
+216
46
+213
財務CF △84 107
+191
133
+26
540
+407
709
+169
現金同等 401 921
+520 / +129.7%
444
△477 / △51.8%
801
+357 / +80.4%
1,112
+311 / +38.8%
単位は百万円。2021年9月期および2022年9月期は日本基準、2023年9月期以降はIFRSを中心に記載しています。経常損益・税引前損益の行は、日本基準期は経常損益、IFRS期は税引前損益を記載しています。
EPS、PER、PBR、BPSは2026年9月期第2四半期の発行済株式数4,459,567株を基準に再計算しています。BPSは親会社所有者帰属持分または自己資本を基準に算出しています。2026年9月期会社予想は売上収益と営業利益のみ公表されているため、その他の指標は空欄です。

中期経営計画

2028年流通総額1,000億円を掲げ、フィンテック単一セグメント化を推進

デジタルプラスは、単独の中期経営計画資料ではなく、決算説明資料や決算短信の中で中期的な成長目標を示しています。2026年9月期第2四半期決算説明資料では、2028年の流通総額1,000億円に向けて、フィンテック単一セグメントとして事業拡大を進める方針が示されています。

重点指標は、月間流通総額35億円、今期流通総額250億円、さらに2028年流通総額1,000億円です。流通総額を拡大し、流通粗利を積み上げることで、将来的な営業利益拡大につなげる計画です。

戦略面では、これまでの株主優待、ポイ活、マーケティング領域に加えて、給付金、報酬支払い、リファンド・キャッシュバックなどの領域を立ち上げ、流通100億円規模の事業領域を複数創出する構想を掲げています。

一方で、2026年9月期中にはデジタルマーケティング事業とオンライン家庭教師事業「ピース」から撤退し、フィンテック領域に経営資源を集中する方針です。成長投資、人材投資、システム投資を強めながら、デジタルギフトと資金移動業対応サービスを中心に、企業から個人への小口支払いインフラとしての地位確立を目指します。

決算説明資料へ

競合他社

① CARTA HOLDINGS(3688)

CARTA HOLDINGSは、電通グループ傘下のデジタル広告・メディア関連企業で、子会社のDIGITALIOが法人向けデジタルギフトサービス「デジコ」を展開しています。時価総額はデジタルプラスを大きく上回る規模です。

「デジコ」は販促キャンペーン、アンケート謝礼、社内報奨、福利厚生などで使われるデジタルギフトサービスで、デジタルプラスの「デジタルギフト」と直接競合します。CARTAは広告主・代理店との接点が強く、キャンペーン領域での顧客獲得力が大きな強みです。

② ギフティ(4449)

ギフティはeギフト市場の代表的企業で、法人向けサービス「giftee for Business」を展開しています。店舗引換型ギフト、飲食・小売チェーンとの連携、自治体向けデジタル地域通貨や電子商品券などに強みがあります。

デジタルプラスの「デジタルギフト」は現金、電子マネー、ポイントなど受取手段の自由度に強みがある一方、ギフティはブランド認知、導入実績、店舗引換型のラインナップで強力です。自治体、法人販促、株主優待、キャンペーン謝礼の領域で競合します。

③ デジマース

デジマースは非上場企業で、オンラインギフトサービス「dgift」を展開しています。非上場のため時価総額は開示されていませんが、法人向けデジタルギフト市場で早期から事業を展開してきた競合です。

「dgift」は、Web上で景品を配布できるデジタルギフトサービスで、コンビニ商品、Amazonギフトカード、QUOカードPayなど多様な交換先を持ちます。SNSキャンペーンやインスタントウィン施策に強く、デジタルプラスが注力する販促・キャンペーン領域で案件獲得を競います。

強みと将来性

流通総額成長と小口支払いDXへの集中

デジタルプラスの最大の強みは、デジタルギフトを単なる販促ツールとしてではなく、企業から個人への小口支払いインフラとして拡張している点です。

株主優待、販促キャンペーン、アンケート謝礼、キャッシュバック、自治体給付、報酬支払い、返金、お詫び金など、企業や自治体が個人へ少額を支払う場面は多く存在します。従来は銀行振込、紙の商品券、郵送、個別対応などが必要でしたが、デジタルギフトやデジタルウォレットを使うことで、手続きの電子化とコスト低減が可能になります。

同社は、2026年9月期第2四半期でフィンテック事業の売上収益が729百万円となり、前年同期の392百万円から大きく拡大しました。デジタルマーケティング事業が縮小する中でも、フィンテック事業の成長が全社売上を牽引しています。

2028年流通総額1,000億円を掲げている点も、将来性を見るうえで重要です。流通総額が増えるほど、手数料収入や流通粗利の拡大余地が生まれます。短期的には大型案件獲得のために流通粗利率の低下を許容する方針ですが、一定規模まで流通額が積み上がれば、固定費吸収力が高まる可能性があります。

さらに、デジタルマーケティング事業とオンライン家庭教師事業「ピース」から撤退し、フィンテックへ経営資源を集中する方針は、事業の見通しを分かりやすくする効果があります。過去のデジタルプラスは事業の入れ替えが多く、投資家から見て収益構造が読みづらい面がありました。今後、デジタルギフトと資金移動業対応サービスに集中し、流通総額と粗利の関係が明確になれば、評価軸が定まりやすくなります。

弱みとリスク要因

大型案件依存、粗利率低下、資金繰り負担

デジタルプラスのリスクは、流通総額の成長がそのまま利益成長につながるとは限らない点です。大型案件や自治体案件を獲得するには、価格条件、システム対応、カスタマーサポート、セキュリティ対応、運用体制の整備が必要になります。流通額が増えても、流通粗利率が低下すれば、利益率は伸びにくくなります。

2026年9月期第2四半期では、売上収益が730百万円と前年同期比で大きく増えた一方、営業損失は77百万円でした。フィンテック事業単体では黒字ですが、全社費用、減損、撤退関連、システム・人材投資などが営業損益を押し下げています。

また、フィンテック事業は資金移動や大量支払いに関わるため、規制対応、本人確認、犯罪収益移転防止法対応、情報セキュリティ、資金管理、システム障害対応が重要です。支払いインフラとして利用範囲が広がるほど、障害や不正利用が発生した場合の信用低下リスクも大きくなります。

財務面では、2025年9月期の営業CFは△445百万円で、2026年9月期第2四半期後には運転資金目的の借入も開示されています。流通額の拡大に伴って売掛金や立替資金、運転資金が増える場合、成長のために資金調達が必要になる可能性があります。

競争環境も厳しいです。CARTA HOLDINGS、ギフティ、デジマースなどは、法人販促、eギフト、自治体施策、SNSキャンペーン領域で強い顧客基盤やブランドを持っています。デジタルプラスが差別化するには、受取手段の多様さ、資金移動業対応、少額大量支払いの運用力、導入スピード、価格競争力を同時に高める必要があります。

出典

本記事は公開情報をもとに作成した企業分析であり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。業績予想、事業計画、株価指標は作成時点の情報に基づくものであり、今後修正される可能性があります。投資判断は必ず最新の会社開示資料を確認し、ご自身の責任で行ってください。

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