4098 チタン工業

チタン工業 <4098> 企業紹介 | ストップ高安研究所

チタン工業 4098 東証スタンダード

酸化チタン草分け ─ 超微粒子酸化チタン・チタン酸リチウム・合成酸化鉄

※2026年5月25日時点の情報

事業内容 ─ 酸化チタン草分け、超微粒子酸化チタンに強み

チタン工業は、酸化チタンの草分け企業で、超微粒子酸化チタンに強みを持つ無機化学工業メーカーです。山口県宇部市に本社を置き、酸化チタン及び酸化鉄並びにこれらに付随する化学工業品の製造及び販売を行っています。化粧品向け超微粒子酸化チタンが主力で、リチウムイオン電池用チタン酸リチウムも開発・展開。事業セグメントは「酸化チタン関連事業」と「酸化鉄関連事業」の2つで、2025年3月期の売上構成比は酸化チタン59%、酸化鉄41%。連結子会社2社で構成される小型化学メーカー(時価総額約30億円)で、主要顧客に東芝、稲畑産業、森下産業などを擁します。

主要事業セグメント

酸化チタン関連事業(主力)

2025年3月期の連結売上高構成比約59%。一般用酸化チタン、超微粒子酸化チタン、機能性酸化チタンを展開。同社は超微粒子酸化チタンの草分けで、UVカット用途・化粧品向けに強みを持つ。2026年3月期は化粧品向け製品の出荷増加と販売価格値上げ効果により増収増益を達成した。

チタン酸バリウム・チタン酸リチウム

MLCC(積層セラミックコンデンサ)の主原料であるチタン酸バリウム、およびリチウムイオン電池用負極材料であるチタン酸リチウムを開発・製造。チタン酸リチウム事業については東芝との合弁事業として子会社化(簡易吸収分割による会社分割)した経緯がある。AIサーバー向けMLCC需要拡大の流れの中、チタン酸バリウムは素材供給側として連れ高物色対象となった。

酸化鉄関連事業

2025年3月期の連結売上高構成比約41%。合成酸化鉄を主力に、トナー用磁性材料、電子部品材料などを展開。粉末冶金・電子部品材料向け需要動向が業績に影響する。

化粧品向け超微粒子酸化チタン(成長分野)

第7次中期経営計画で重点強化分野として位置付け。「化粧品向け製品の拡販と収益性の向上及びリスク耐性の強化」を進めている。2026年3月期は化粧品向け超微粒子酸化チタンの出荷が増加し、増収増益の主要因となった。中長期的な収益基盤強化の鍵となる分野。

東芝との関係

主要顧客であるとともに、東芝が大株主としても保有株比率6.74%で第一位の大株主。チタン酸リチウム事業については東芝との合弁事業として展開している経緯がある。資本・事業の両面で東芝グループとの関係が深い。

直近5年の業績サマリー

2026年3月期は売上高81億3,900万円(前期比+4.4%)、営業利益2億9,900万円(同+81.2%)、経常利益2億4,100万円(同+119.1%)、親会社株主に帰属する当期純利益2億200万円(同+1.0%)と本業ベース大幅な増収増益で着地。化粧品向け製品の出荷増加と販売価格値上げ効果が業績寄与しました。2027年3月期会社予想は売上高85億円(+4.4%)、営業利益3億5,000万円(+17.0%)とさらに増収増益を計画しています。

項目(連結・百万円) 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期 2027年3月期
会社予想
売上高 8,068 7,953
△1.4%
8,139
+4.4%
8,500
営業損益 △582 165
黒字転換
299
+81.2%
350
経常損益 △546 110
黒字転換
241
+119.1%
当期純損益 △1,680
赤字転落
200
黒字転換
202
+1.0%
212
EPS(一株利益) △570円 67.18円 67.93円 70.55円
決算発表時株価
(参考)
958円 756円 983円
実績PER -1.68倍 11.25倍 14.47倍
予想PER 13.93倍
PBR 0.56倍 0.44倍 0.55倍
PSR 0.35倍 0.29倍 0.36倍
【業績数値に関する免責事項】
本ページに掲載している業績数値は、各社が公表する決算短信を一次情報として作成しています。 数値は決算短信発表時点のものであり、将来的に修正される可能性があります。 業績予想は会社発表時点のものであり、実績と異なる場合があります。 PER・PBR・PSRは決算発表日の終値で算出した参考値です。 正確な情報は各社公式IRサイトを必ずご確認ください。

業績のポイント

2024年3月期に純利益16.8億円の赤字を計上した後、第7次中期経営計画と短期集中業績改善策の実施により、2025年3月期に黒字転換、2026年3月期も増収増益と業績回復軌道。営業利益は2026年3月期に+81.2%と大幅増益、経常利益は+119.1%と急回復。化粧品向け超微粒子酸化チタンの出荷増加と販売価格値上げ効果が業績を牽引した。2027年3月期も増収増益を計画。PBR0.55倍と低水準で業績回復に伴うバリュエーション改善余地が大きい。

第7次中期経営計画(2024年度~2026年度)

同社は2024年度~2026年度の3カ年を対象とする第7次中期経営計画を策定。最重要課題として2024年度の黒字化のため短期集中業績改善策を実施し、価格改定と販売増で売上高を増やし、徹底したコスト削減で2024年度黒字化を実現しました。中長期目標として規模と資本収益性に着目した目標を設定しています。

中長期数値目標

  • 創立100年(2036年)に売上高150億円
  • ROE 8%(株主資本コストを上回ることを意識)を常に意識して実現を目指す
  • 株主資本コスト:当社内で定着した株主資本コストとROEを評価指標として活用

基本方針

  • 化粧品向け製品の拡販と収益性の向上
  • リスク耐性の強化を継続
  • 2024年度黒字化のための短期集中業績改善策の実施
  • 価格改定と販売増による売上高拡大
  • 徹底したコスト削減

資本コスト・株価を意識した経営

  • 資本収益性を評価する指標として、株主資本コストとROEを活用
  • ROEが株主資本コストを上回ることを意識した経営を取締役会で共有
  • 株主資本コストより高いROE 8%を目安として設定
  • 大規模設備投資等は資本収益性の視点(IRRと資本コストの比較など)でも評価
  • 進捗状況は取締役会で毎月報告・分析、毎年ホームページ・開示書類で情報発信

株主還元方針

  • 配当性向20%を目安に配当額を決定
  • 第7次中期経営計画期間の3カ年は収益増に伴って段階的に増配
  • 自己株式の取得についても適度な範囲で機動的に実行できるよう検討
  • 2026年3月期予想配当:12円(配当利回り1.22%)

強みと注目点

① 超微粒子酸化チタンの草分け

酸化チタンの草分け企業として、超微粒子酸化チタンに強みを持つ。化粧品向け超微粒子酸化チタン、UVカット用途、リチウム電池向けなどの高機能用途で展開しており、汎用酸化チタン市場とは異なるニッチ市場でのポジションを確保している。

② MLCC原料チタン酸バリウムとリチウム電池材料

MLCCの主原料であるチタン酸バリウムを製造。AIサーバー向けMLCC需要拡大の流れで素材供給側として連れ高物色の対象に。リチウムイオン電池用負極材料のチタン酸リチウムは東芝との合弁事業として展開。電動化・電池需要拡大の恩恵を享受できる位置付け。

③ 東芝との資本・事業関係

東芝が筆頭株主として保有株比率6.74%を保有。チタン酸リチウム事業については東芝との合弁事業を展開しており、資本・事業の両面で東芝グループとの深い関係。安定的な顧客基盤として機能している。

④ 業績回復軌道の継続

2024年3月期に純利益16.8億円の赤字を計上した後、短期集中業績改善策の実施により2025年3月期に黒字転換、2026年3月期も増収増益。営業利益は前期比+81.2%、経常利益は+119.1%と急速に回復している。2027年3月期も増収増益を計画。

⑤ バリュエーションの割安感

PBR 0.55倍、PSR 0.36倍と各種バリュエーション指標が割安水準。時価総額約30億円の小型株で、業績回復・テーマ性物色などのカタリストが発生した際の値動きの大きさが特徴。

弱み・リスク要因

有価証券報告書および中期経営計画資料から判明している同社の事業上の課題・リスクは以下のとおりです。

① 事業規模の小ささ

連結売上高約81億円・時価総額約30億円の小型企業であり、事業環境の急変等に対するバッファーが少ない。一部製品の好不調の影響を売上・利益面で大きく受ける構造。創立100年(2036年)売上高150億円目標達成には、現状から+85%の売上拡大が必要。

② 2024年3月期に純利益16.8億円の大幅赤字

2024年3月期はリチウムイオン電池向けチタン酸バリウムの出荷が冴えず、トナー向け製品も低調で営業赤字に転落。親会社株主に帰属する当期純利益は16.8億円の赤字を計上。経常損益も5.46億円の赤字と業績悪化が深刻化した。業績ボラティリティが大きく、市況悪化時の急激な業績下振れリスクが残存している。

③ ROE目標達成のハードル

ROE目標8%に対し、2026年3月期実績ROEは4.13%、2027年3月期予想ROEは3.97%にとどまる。中長期目標の達成までには利益水準の大幅な底上げが必要で、目標達成の確度が市場の注目点。資本コストを上回るROE達成の道のりは長い。

④ 自己資本比率の低下

自己資本比率は38.49%(2026年3月期末)と化学メーカーとしてやや低水準。有利子負債は55億円超で、借入金等の返済予定額は2年以内6.82億円、3年以内7.28億円、4年以内6.24億円と継続的な返済負担がある。財務体質改善が中期経営計画の課題の一つ。

⑤ 米国通商政策・地政学リスク

同社が決算短信で言及しているとおり、地政学リスクや通商政策を含む米国の政策動向による不透明感が残る。海外売上比率18%(2025年3月期)と一定の海外売上があり、米国相互関税等の影響が業績に波及するリスクがある。

⑥ 個人株主比率の高さによる流動性リスク

個人株主その他の保有割合が67.09%と高く、出来高水準が限定的で流動性に課題。テーマ性物色や材料発表時の値動きが極端に大きくなる特性があり、急騰反動による調整局面では大幅下落するリスクが存在する。

主な出典:
  • チタン工業株式会社 経営方針
  • チタン工業株式会社 決算短信・適時開示情報
  • チタン工業株式会社「2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」(2026年5月15日開示)
  • チタン工業株式会社「2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)」(2025年11月14日開示)
  • チタン工業株式会社「新中期経営計画と短期集中業績改善策の策定に関するお知らせ」(第7次中期経営計画:2024~2026年度)
  • チタン工業株式会社 有価証券報告書

本ページは投資情報の提供を目的としており、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。最終的な投資判断はご自身の責任において行ってください。

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