キャスター 9331 東証グロース
リモートワークを基盤とするBPaaS企業(Caster)─ バックオフィス代行「CASTER BIZ」を主力に、リモート人材・AI技術を組み合わせた新しい働き方サービスを展開
事業内容 ─ リモートワークとAIを融合した働き方サービス
株式会社キャスター(Caster)は、リモートワークを基盤とした各種サービスを展開する企業。代表取締役は中川祥太氏、東証グロース上場。自らフルリモートワークによる企業経営を実践し、各地に所在するリモートワーカーを独自システムで顧客企業に効率的に自動マッチングする「Workforce as a Service」を展開してきた。主力は、バックオフィス業務などをリモートワーカーがオンラインで代行するアシスタントサービス「CASTER BIZ」シリーズを中心とするBPaaS事業(Business Process as a Service)と、リモート人材の紹介・在宅派遣などを行うその他事業。人的リソースの不足に悩む中小企業を中心に、月額約13万円〜の小ロットなサービスを提供している。創業以来「リモートワークを当たり前にする」をミッションとしてきたが、生成AIの進展など急速な環境変化を踏まえ、2025年9月にミッションを「創り変える。働くの全てを。(Work. Created Anew)」へ刷新。人とAIが融合する次世代型ワークフォースプロバイダへの進化を掲げる。2025年8月期は売上高45.88億円(前期比+3.3%)と増収だったが、上期の先行投資負担を回収しきれず営業損失3.82億円・当期純損益3.93億円の赤字を計上した。稼働社数は1,316社(前期比+10.4%)と順調に増加し、第4四半期には営業利益が大幅改善し単月黒字を達成している。なお本日の株価上昇について、当社からの個別の適時開示は確認されていない。
主要事業セグメント
BPaaS事業(CASTER BIZ/主力・コア事業)
バックオフィス業務などをリモートワーカーがオンラインで代行するアシスタントサービス「CASTER BIZ」シリーズを主力とする事業。秘書・人事・経理・採用などの定型業務を、適切なスキルを持つリモートワーカーが必要な時間だけ代行する。月額約13万円〜の小ロットで提供し、従来の大規模BPOやクラウドソーシング、人材紹介・派遣とは異なる継続的なサービス形態。新中計でコア事業と位置付け、業務プロセスの標準化とAI活用による生産性向上を進める。
その他事業(HR事業・リモート人材紹介・在宅派遣)
リモート人材の紹介・在宅派遣などを行う事業。リモートワークを前提とした人材サービスを展開し、企業の人手不足・採用難に対応する。新中期経営計画ではHR事業として再編され、既存アセットを活かしつつ利益確保を重視した運営を行い、必要に応じて再編を検討する方針。
AI Tech事業(新セグメント)
新中期経営計画(2026年8月期〜)で新設される報告セグメント。グループ横断で培ったAI技術を基盤としたプロダクト群によって、BPaaSの付加価値向上と新たな市場創出を担う。AIエージェント「NEO」を経営戦略に活用するなど、人とAIの融合を進める。生成AIの進展を成長機会と捉えた事業領域。
独自のリモートワーク基盤
自らフルリモートワークによる企業経営を実践し、リモートワークのノウハウを蓄積。固定的な人員配置をせずとも、各地のリモートワーカーがその場にいるかのようなサービスを提供する独自システムを構築。人的リソースを効率的に自動マッチングするプラットフォームとして、少子高齢化・生産年齢人口減少による採用難という社会課題に対応している。
直近の業績サマリー
2025年8月期は売上高45.88億円(前期比+3.3%)と増収だったが、上期に行った事業拡大に向けた人材投資などの先行投資負担を回収しきれず、営業損失3.82億円・経常損失3.86億円・当期純損益3.93億円の赤字を計上した。売上高は2023年8月期41.79億円から緩やかに増加している一方、2024年8月期に営業赤字へ転落し、2025年8月期は赤字幅が拡大した。ただし稼働社数は1,316社(前期比+10.4%)と順調に増加し、コスト削減の取り組みにより第4四半期の営業利益は大幅改善、単月黒字を達成した。2026年8月期会社予想は売上高52.31億円・営業利益1,000万円と、増収および通期での黒字化を目指す。配当は無配。新中期経営計画では2028年8月期に当期純利益2億円の達成を目標としている。PBR2.39倍。本日の株価上昇について、当社からの個別の適時開示は確認されていない。
| 項目(連結・百万円) | 2021年8月期 | 2022年8月期 | 2023年8月期 | 2024年8月期 | 2025年8月期 | 2026年8月期 会社予想 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | ― | ― | 4,179 | 4,440 +6.2% |
4,588 +3.3% |
5,231 |
| 営業損益 | ― | ― | 2 | △151 赤字転落 |
△382 赤字拡大 |
10 |
| 経常損益 | ― | ― | 18 | △158 赤字転落 |
△386 赤字拡大 |
1 |
| 当期純損益 | ― | ― | 29 | △217 赤字転落 |
△393 赤字拡大 |
△26 |
| EPS(一株利益) | ― | ― | 18.75円 | △113.47円 | △200.59円 | △13.65円 |
| 決算発表時株価 (参考) |
― | ― | 1,701円 | 1,090円 | 865円 | ― |
| 実績PER | ― | ― | 90.72倍 | -9.61倍 | -4.31倍 | ― |
| 予想PER | ― | ― | ― | ― | ― | -63.37倍 |
| PBR | ― | ― | 2.55倍 | 1.94倍 | 2.39倍 | ― |
| PSR | ― | ― | 0.63倍 | 0.47倍 | 0.37倍 | ― |
本ページに掲載している業績数値は、各社が公表する決算短信を一次情報として作成しています。 数値は決算短信発表時点のものであり、将来的に修正される可能性があります。 業績予想は会社発表時点のものであり、実績と異なる場合があります。 PER・PBR・PSRは決算発表日の終値で算出した参考値です(赤字のためPERはマイナス表示)。 正確な情報は各社公式IRサイトを必ずご確認ください。
※当社は2023年10月に新規上場したため、上場以前の業績は表示していません。2025年8月期より一部セグメント区分・連結の状況が変更されています。
新中期経営計画(2026年8月期〜2028年8月期)
同社は2025年9月にミッションを「創り変える。働くの全てを。(Work. Created Anew)」へ刷新し、人とAIが融合する次世代型ワークフォースプロバイダへの進化を掲げた。これに合わせて2026年8月期から2028年8月期までの3年間を対象とする新中期経営計画を策定。収益性を高めながら経営基盤を固め、さらなる成長を目指す。2026年8月期より報告セグメントを「BPaaS事業」「HR事業」「AI Tech事業」の3区分に再編する。
新中期経営計画の数値目標
- 最終年度(2028年8月期):親会社株主に帰属する当期純利益2億円の達成
- 売上高の年平均成長率(CAGR):27.8%を見込む
- 2026年8月期:通期での黒字化を目指す
セグメント再編(2026年8月期〜)と方針
- BPaaS事業(コア事業):業務プロセスの標準化とAI活用による生産性向上、安定収益基盤の拡大
- AI Tech事業:グループ横断のAI技術を基盤としたプロダクト群でBPaaSの付加価値向上・新市場創出
- HR事業:既存アセットを活かしつつ利益確保を重視、必要に応じて再編を検討
強みと注目点
① リモートワークの先駆者としての独自基盤
創業以来「リモートワークを当たり前にする」を掲げ、自らフルリモート経営を実践してきた先駆者。各地のリモートワーカーを独自システムで顧客企業に効率的に自動マッチングする「Workforce as a Service」の仕組みを構築。固定人員を配置せずにサービスを提供できる独自のノウハウとプラットフォームが強み。少子高齢化・採用難という構造的な社会課題に対応している。
② 稼働社数の着実な増加とストック型収益
稼働社数は1,316社(前期比+10.4%)と順調に増加し、月額制の継続的なサービスによりストック型の収益基盤を持つ。中小企業を中心に、月額約13万円〜の小ロットで導入しやすいサービス設計が支持されている。第4四半期には営業利益が大幅改善し単月黒字を達成しており、2026年8月期の通期黒字化を目指す段階。
③ AIとの融合による次世代型サービスへの進化
生成AIの進展を機にミッションを刷新し、人とAIが融合する次世代型ワークフォースプロバイダへの進化を掲げる。新中計でAI Tech事業を新設し、グループ横断のAI技術を基盤としたプロダクト群でBPaaSの付加価値向上・新市場創出を狙う。リモートワーカーの労働力とAI技術を組み合わせた事業モデルの構築が注目点。
弱み・リスク要因
有価証券報告書・決算短信および公開情報から判明している同社の事業上の課題・リスクは以下のとおりです。
① 営業赤字の拡大と黒字化の確度
2024年8月期に営業赤字へ転落し、2025年8月期は売上高が増加したものの営業損失3.82億円・当期純損益3.93億円と赤字幅が拡大した。上期の先行投資負担が主因で、黒字化はコスト削減と粗利率改善・販管費最適化が前提。第4四半期に単月黒字を達成したとはいえ、2026年8月期の通期黒字化目標(営業利益1,000万円)は薄利であり、計画達成の確度には注意が必要。
② 大型案件の解約・人材確保への依存
2025年8月期の中間期にはBPaaS事業の大型案件解約の影響が業績に響いた。サービスがリモートワーカーという人材に支えられているため、人材の確保・育成・定着が事業継続の鍵となり、人材の流出は供給力に直結する。顧客の解約(チャーン)や人材の需給バランスが、売上・収益性に影響を与えやすい構造を持つ。
③ 競争激化・AI代替リスクと株価変動
BPO・クラウドソーシング・人材サービス市場は競合が多く、競争が激しい。また生成AIの進展は同社の成長機会である一方、定型的なバックオフィス業務がAIによって代替されるリスクも内包する。新中計はCAGR27.8%という高い成長を前提としており、達成のハードルは高い。本日の株価上昇についても当社からの個別の適時開示は確認されておらず、需給・思惑による値動きの可能性があり、反動安のリスクに留意が必要。
- 株式会社キャスター 公式サイト
- 株式会社キャスター IR情報
- 株式会社キャスター「2025年8月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」
- 株式会社キャスター「中期経営計画」(2025年9月策定・2026年8月期〜2028年8月期)
- 株式会社キャスター「有価証券報告書」
本ページは投資情報の提供を目的としており、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。最終的な投資判断はご自身の責任において行ってください。

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