TMH 280A 東証グロース・福証Q-Board
大分発の半導体製造フィールドソリューション企業 ─ 装置・部品の販売・修理+越境ECサイト「LAYLA」運営
事業内容
TMHは2012年3月9日設立の大分市本社の半導体製造フィールドソリューション企業。「Technology Makes Happiness(先端技術で豊かな社会を創る)」をミッションに、半導体製造装置・部品の販売および修理サービスを主たる事業として展開しています。日本の半導体工場では装置の陳腐化・老朽化が進み、レガシー半導体製造装置が多く部品調達が困難という業界課題に対し、属人的だった調達手法をデジタル化する越境ECプラットフォーム「LAYLA-EC」を運営。2024年12月4日に東証グロース市場・福証Q-Board市場に上場、2025年7月にはTMH KOREA Inc.を韓国に連結子会社として設立し連結決算へ移行しました。
主要事業セグメント
当社グループは「半導体製造フィールドソリューション事業」の単一セグメント。
装置販売サービス
半導体製造装置の販売を行う事業。エンジニアリング力を活かし、規模拡大によるシェア拡大を目指している。レガシー装置(旧型装置)はIoT需要の高まりにより継続的な需要が存在。
部品販売・修理サービス(岩盤事業)
越境ECプラットフォーム「LAYLA-EC」を活用した部品販売と修理サービス。安定成長を担う岩盤事業として位置付け。2024年9月30日時点で50を超える国内半導体工場が顧客。
越境ECサイト「LAYLA-EC」
半導体製造装置・部品が売買できるオンラインプラットフォーム。属人的だった部品調達をデジタル化し、半導体業界の課題解決に貢献する仕組み。海外顧客(中国・米国等)との取引基盤として機能。
装置の買取・売却支援
半導体製造装置の買取・売却支援サービス。中古装置市場における取引仲介。
直近3年の業績サマリー
2025年11月期は連結ベースで売上86.28億円・営業利益3.55億円・経常利益3.38億円・当期純利益2.49億円と、過去最高売上を更新。2024年11月期に売上60.17億円・経常利益3.06億円と黒字転換した後、2025年11月期は連結化(韓国子会社加算)と装置販売・部品販売・修理サービスの増加で大幅増収を達成。2026年11月期予想は売上61.12億円(△29.2%)と一時的に縮小も、営業利益3.67億円(+3.5%)、経常利益3.69億円(+9.0%)と利益面では増益を見込む。
| 項目(連結・百万円) | 2021年11月期 | 2022年11月期 | 2023年11月期 | 2024年11月期 | 2025年11月期 | 2026年11月期 会社予想 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | ― | ― | ― | 6,017 | 8,628 +43.4% |
6,112 |
| 営業損益 | ― | ― | ― | 323 | 355 +9.9% |
367 |
| 経常損益 | ― | ― | ― | 306 | 338 +10.5% |
369 |
| 当期純損益 | ― | ― | ― | 272 | 249 △8.5% |
250 |
| EPS(一株利益) | ― | ― | ― | 80.95円 | 67.73円 | 67.76円 |
| 決算発表時株価 (参考) |
― | ― | ― | 1,693円 | 1,312円 | ― |
| 実績PER | ― | ― | ― | 20.91倍 | 19.37倍 | ― |
| 予想PER | ― | ― | ― | ― | ― | 19.36倍 |
| PBR | ― | ― | ― | 7.29倍 | 3.41倍 | ― |
| PSR | ― | ― | ― | 0.95倍 | 0.56倍 | ― |
本ページに掲載している業績数値は、各社が公表する決算短信を一次情報として作成しています。 数値は決算短信発表時点のものであり、将来的に修正される可能性があります。 業績予想は会社発表時点のものであり、実績と異なる場合があります。 PER・PBR・PSRは決算発表日の終値で算出した参考値です。 正確な情報は各社公式IRサイトを必ずご確認ください。
業績のポイント
2025年11月期は売上86.28億円と過去最高を更新。当連結会計年度は2025年7月設立のTMH KOREA Inc.を新たに連結範囲に含めたほか、装置販売サービスおよび部品販売・修理サービスの増加が貢献。一方で、大型装置販売の売上計上に伴う契約負債の減少額14.51億円および棚卸資産の増加額4.28億円などにより、営業キャッシュ・フローは大幅な資金流出(営業CF△23.69億円)。連結会計年度末の現金及び現金同等物は6.34億円。2026年11月期は売上が前期比減少するも、収益性を重視した経営により利益面では増益を見込む。注:2024年11月期までは非連結、2025年11月期から連結初年度。
中期経営計画・成長戦略
同社は2026年1月14日に新中期経営計画を発表。シェア拡大と新規事業への積極的な取り組みにより、半導体業界における地位確立を目指しています。
FY2025スローガン「SEIZE THE FUTURE」
2025年11月期はシェア拡大と新規事業への積極的な取り組みにより、業界の地位を確立する目標を設定。「未来を創る」企業として、半導体産業全体への貢献を推進。
成長戦略の柱
- 岩盤事業の安定成長:越境ECプラットフォーム「LAYLA-EC」等を活用した部品販売・修理サービスの継続強化
- 規模拡大によるシェア拡大:エンジニアリング力を活かした装置販売サービスの拡大
- グローバルアライアンス強化:海外販売力およびエンジニアリング力の向上
- 新規プラットフォーム事業:半導体産業への新たな貢献方法の創出
- 韓国市場展開:2025年7月設立のTMH KOREA Inc.を起点とした海外展開
市場環境と追い風
- 2024年12月:TSMC熊本工場の量産開始、第2工場建設着工(2027年末稼働予定)
- Rapidusの次世代半導体量産に向けた装置導入が2024年12月より本格化
- 政府によるサプライチェーン強靭化支援を追い風に国内半導体産業の成長期待
- 生成AI需要の旺盛さによる半導体業界全体の好調
2026年11月期の方針
- 売上は6,112百万円(前期比-29.2%減)と一時的に縮小予想
- 営業利益は367百万円(前期比+3.5%増)、経常利益369百万円(+9.0%増)、純利益250百万円(+0.5%増)と利益重視
- 大型案件依存からの脱却・収益性向上にシフト
強みと注目点
① 半導体製造フィールドソリューションのリーディングカンパニー
半導体市場において半導体工場の稼働を様々なかたちで支援するリーディングカンパニーとしてのポジション。レガシー装置の部品調達という業界課題に対する独自のソリューション提供。
② 越境ECプラットフォーム「LAYLA-EC」の独自性
属人的だった半導体製造装置部品の調達手法をデジタル化したプラットフォーム。50超の国内半導体工場が顧客として登録済み。長期的な国内半導体市場の低迷で枯渇したエンジニア人材問題を補完する仕組みとして機能。
③ 国内半導体投資の追い風
TSMC熊本工場の量産開始(2024年12月)、第2工場の2027年末稼働予定、Rapidusの次世代半導体量産投資など、国内半導体産業の活性化が直接的な事業追い風。政府のサプライチェーン強靭化支援も後押し。
④ 連結化による海外展開強化
2025年7月にTMH KOREA Inc.を韓国に連結子会社として設立。韓国は半導体メモリ大手(Samsung、SK Hynix等)が立地し、装置・部品市場として有望。グローバル企業とのアライアンス強化を推進中。
⑤ 2024年11月期の黒字転換実績
2023年11月期は経常損失3.50億円の赤字だったが、2024年11月期に経常利益3.06億円と黒字転換を達成。2期連続で過去最高益を更新する見通し。事業モデルの収益化が証明された。
弱み・リスク要因
① 大型装置案件依存とキャッシュフロー悪化
2025年11月期決算で大型装置販売の売上計上に伴い、契約負債の減少額14.51億円・棚卸資産の増加額4.28億円が発生し、現金及び現金同等物が前期末から大幅減少して6.34億円に。大型案件のタイミング依存性が大きく、四半期業績のバラつきがある(2025/11期3Q単体で売上4.07億円、営業損失0.76億円計上)。
② 2026年11月期の売上縮小予想
2025年11月期売上86.28億円から2026年11月期予想61.12億円と29.2%の大幅減収を予想。大型装置案件依存からの脱却を進める方針だが、売上規模の縮小がIRストーリーとして説明される必要がある。
③ 上場後間もない実績不足
2024年12月4日の上場から約1年半経過。中長期の業績トラック・経営の安定性に関する評価材料がまだ限定的。2025年7月の連結子会社化により決算情報の連続性も一部変則的。
④ 小型グロース市場の流動性
東証グロース・福証Q-Board市場上場、従業員数39名(2024年11月末)の小型企業。機関投資家の参入余地が限定的で、株価変動が大きくなりやすい構造。
⑤ 海外顧客比率の高さと地政学リスク
主要顧客にSIOYIE CO., LIMITED、New Eastech (Shanghai) Co., Ltd.、Infinity Technology Corporation、FUJIAN ANXIN SEMICONDUCTOR TECHNOLOGY CO., LTD.などアジア・中国の半導体メーカーが多数。米中半導体規制、為替変動、地政学リスクが業績に直接影響を与える可能性。
会社概要
| 社名 | 株式会社TMH(TMH Inc.) |
|---|---|
| 設立 | 2012年3月9日 |
| 代表取締役社長 | 榎並 大輔 |
| 本社所在地 | 大分県大分市下郡北三丁目14番6号 メゾンドールⅡ1号 |
| 電話番号 | 097-576-7666(代表) |
| 資本金 | 2億9,900万円 |
| 従業員数 | 39名(2024年11月末時点) |
| 事業内容 | 半導体製造フィールドソリューション事業(装置・部品の販売・修理、越境ECサイト「LAYLA-EC」運営、装置の買取・売却支援) |
| 上場市場 | 東証グロース市場・福証Q-Board市場(2024年12月4日上場) |
| 決算月 | 11月 |
| セグメント | 半導体製造フィールドソリューション事業の単一セグメント |
| 連結子会社 | TMH KOREA Inc.(韓国、2025年7月設立) |
| 主要顧客 | SIOYIE CO., LIMITED、New Eastech (Shanghai) Co., Ltd.、Infinity Technology Corporation、FUJIAN ANXIN SEMICONDUCTOR TECHNOLOGY CO., LTD.等 |
| 社名由来 | 「Technology Makes Happiness」の頭文字 |
沿革 ─ 創業からの歩み
- 2012年3月9日株式会社TMH設立(大分県大分市)
- 2015年代表取締役社長 榎並大輔氏が参画(デロイトトーマツコンサルティング社からの転身)
- 2023年11月期売上17.47億円、経常損失3.50億円
- 2024年11月期売上60.17億円(+244.4%増)、経常利益3.06億円と黒字転換。AI半導体や半導体装置の需要旺盛で大幅成長
- 2024年12月4日東京証券取引所グロース市場および福岡証券取引所Q-Board市場に新規上場(証券コード280A)
- 2025年7月韓国に連結子会社TMH KOREA Inc.を設立、海外展開を加速
- 2025年11月期連結ベースで売上86.28億円・経常利益3.38億円・純利益2.49億円と過去最高売上を更新
- 2026年1月14日2025年11月期通期決算および新中期経営計画を発表、2026年11月期は売上縮小も利益重視へシフト
- 2026年5月22日米CHIPS法・エヌビディア決算追い風で半導体関連株として注目を集めストップ高
- 株式会社TMH 公式サイト
- 株式会社TMH「2025年11月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」(2026年1月14日開示)
- 株式会社TMH「2025年11月期 第3四半期 連結決算補足資料」(2025年10月14日開示)
- 株式会社TMH「2025年11月期 第1四半期決算短信」(2025年4月14日開示)
- 株式会社TMH「会社説明資料」(2025年3月18日、東証グロース・福証Q-Board)
- 株式会社TMH 新規上場時 目論見書(2024年12月)
本ページは投資情報の提供を目的としており、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。最終的な投資判断はご自身の責任において行ってください。

コメント