2693 YKT
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事業内容と業績
電子機器及び工作機械等
光電子装置
直近5年業績サマリー
| 業績項目 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 | 2026年12月期予想 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 15,682 | 22,079 +6,397 / +40.8% | 12,882 △9,197 / △41.7% | 11,930 △952 / △7.4% | 13,386 +1,456 / +12.2% | 16,000 +2,614 / +19.5% |
| 営業損益 | 461 | 1,007 +546 / +118.4% | 386 △621 / △61.7% | △10 △396 / △102.6% | △199 △189 / △1890.0% | 200 +399 / +200.5% |
| 経常損益 | 634 | 1,236 +602 / +95.0% | 455 △781 / △63.2% | 143 △312 / △68.6% | △45 △188 / △131.5% | 300 +345 / +766.7% |
| 当期純利益 | 436 | 855 +419 / +96.1% | 304 △551 / △64.4% | △1 △305 / △100.3% | 55 +56 / +5600.0% | 50 △5 / △9.1% |
| EPS | 37.61 | 73.73 +36.12 / +96.0% | 26.23 △47.50 / △64.4% | △0.13 △26.36 / △100.5% | 4.80 +4.93 / +3792.3% | 4.31 △0.49 / △10.2% |
| 一株配当金 | 5.00 | 8.00 +3.00 / +60.0% | 10.00 +2.00 / +25.0% | 5.00 △5.00 / △50.0% | 5.00 0.00 / 0.0% | 5.00 0.00 / 0.0% |
| 純資産 | 6,934 | 7,794 +860 / +12.4% | 8,096 +302 / +3.9% | 8,125 +29 / +0.4% | 7,972 △153 / △1.9% | — |
| 営業CF | △709 | 1,038 +1,747 / +246.4% | 2,226 +1,188 / +114.5% | △244 △2,470 / △111.0% | 794 +1,038 / +425.4% | — |
| 投資CF | △15 | △20 △5 / △33.3% | △29 △9 / △45.0% | △2 +27 / +93.1% | 138 +140 / +7000.0% | — |
| 財務CF | 497 | △1,104 △1,601 / △322.1% | △716 +388 / +35.1% | △763 △47 / △6.6% | 1,581 +2,344 / +307.2% | — |
| フリーCF | △724 | 1,018 +1,742 / +240.6% | 2,197 +1,179 / +115.8% | △247 △2,444 / △111.2% | 932 +1,179 / +477.3% | — |
単位:百万円(EPS・一株配当金は円)。フリーCF=営業CF+投資CF。受注残高は決算短信で開示が確認できないため掲載していません。
1.会社予想と実績
2021年12月期から2025年12月期は期初の通期会社予想と実績を比較。2026年12月期は2026年7月24日修正後の最新会社予想を掲載しています。
2.達成・未達理由
中国で自動車・通信関連の設備投資需要が増え、電子機器の輸出販売が伸長しました。国内の工作機械も期後半に受注環境が改善し、期初予想を全指標で大きく上回りました。
中国のEV・車載関連設備投資が順調に推移し電子機器輸出が増加、国内でも経済活動正常化に伴い工具研削盤などの設備投資が回復しました。売上増で利益も伸び、全指標が予想を超過しました。
中国経済の減速で電子機器の輸出販売と工作機械の国内販売が弱含み、円安による輸入工作機械の販売価格上昇も需要を抑えました。受注調整が続き、売上・各利益とも期初計画に届きませんでした。
電子機器輸出は回復基調でしたが、中国経済減速と歴史的な円安の下で工作機械の設備投資が停滞しました。売上総利益の減少から営業赤字となり、下期回復を前提とした期初利益計画を大きく下回りました。
中国のEV・スマート家電向け設備投資で輸出販売が増え売上は計画を上回りました。一方、輸出比率上昇で売上総利益率が低下し、円安下で工作機械も低迷。投資有価証券売却益があったものの貸倒引当金繰入額も計上し、利益計画は未達でした。
7月24日に売上高を160億円、営業利益2億円、経常利益3億円へ上方修正する一方、貸倒引当金繰入額の特別損失を反映して純利益を5千万円へ下方修正しました。中間期は売上89億34百万円、営業利益1億38百万円、経常利益2億72百万円です。
3.事業セグメントの自信度
決算短信の会社コメントの変化とセグメント損益を踏まえ、「強気・中立・弱気」を推定しています。原文コメントは各年度カード内だけに掲載しています。
電子機器及び工作機械等
中国市場で自動車や通信関連の設備投資需要が増加したため、電子機器の受注・販売が増加しました
中国向け電子機器が牽引し、工作機械も期後半に回復。
車載関連の設備投資需要が順調に推移し輸出販売が増加しました
EV・車載需要と国内設備投資回復が同時に寄与。
中国経済の減速が電子機器の輸出販売や工作機械の国内販売に影響を及ぼし、受注の調整局面が続きました
主力2分野とも受注調整入り。
工作機械の輸入販売は、販売先の生産量に伸びがないことから、設備投資が停滞し国内販売が減少いたしました
電子機器は回復したが工作機械低迷でセグメント赤字。
中国市場では電気自動車(EV)関連の車載機器やスマート家電の分野で新規設備投資需要が高まり、輸出販売が増加しました
輸出は強い一方、工作機械低迷と利益率悪化が残存。
中国市場での設備投資需要が高まり、当中間期の輸出販売が大幅に増加しました
測定機器も増え、セグメント利益が黒字化。
中国EV向け設備投資で電子機器輸出が急増し、中間期売上86億29百万円・営業利益1億10百万円まで回復。ただし工作機械は低調で、強気判断には輸出需要の継続が条件です。
光電子装置
光電子装置の販売は産業用及び研究用レーザー装置が増加
レーザー機器増加で増収増益。
光通信部品、レーザー装置等の販売が堅調に推移
光通信・レーザー双方が安定。
光通信部品及び研究用、産業向けレーザー装置等の販売が堅調に推移
増収増益で高い利益率を維持。
光電子装置の販売は光通信機器が減少し
光通信減少で売上・利益が後退。
光通信機器の販売が堅調に推移しましたが、産業用レーザー装置が減少
光通信の底堅さとレーザー減少が混在。
産業用レーザー発生装置及び光通信部品の販売が増加
両主力領域が増え、中間期は増収増益。
産業用レーザー発生装置と光通信部品の双方が増加し、中間期は増収増益。規模は小さいものの、足元の事業トーンは改善しています。
4.最新予想信頼度
2026年12月期の最新会社予想は売上高160億円、営業利益2億円、経常利益3億円、親会社株主帰属純利益5千万円です。中間期は中国EV関連の設備投資を背景に主力セグメントが急回復し、売上・営業・経常は高い進捗です。一方、貸倒引当金繰入額の特別損失と工作機械の低調が残るため、下期の利益確保には注意が必要です。
上記進捗率は季節性・案件の納入時期・利益計上時期等を調整していない単純進捗率です。下期に必要な額は、売上高約7,065百万円、営業利益約61百万円、経常利益約27百万円、親会社株主帰属純利益約14百万円です。
達成できると判断する理由
- 中間期売上高は8,934百万円で通期予想の単純進捗55.8%。前年同期比107.8%増と大幅に伸びています。
- 営業利益138百万円、経常利益272百万円まで黒字化し、単純進捗はそれぞれ69.4%、91.0%。下期に必要な利益額は大きくありません。
- 主力の電子機器及び工作機械等は、中国EV向け設備投資の拡大で中間期売上8,629百万円、営業利益110百万円へ回復しました。
- 会社は7月24日に売上高・営業利益・経常利益を上方修正しており、8月7日の中間決算でも修正予想を据え置いています。
達成できないと判断する理由
- 工作機械は中間期時点でも低調で、主力セグメントの回復は中国向け電子機器輸出への依存度が高い状態です。
- 7月24日の修正では親会社株主帰属純利益を170百万円から50百万円へ引き下げ、貸倒引当金繰入額の特別損失が最終利益を圧迫しました。
- 中間期の商品残高は前期末から約23億70百万円増加しており、受注・納入が計画どおり進まない場合は在庫負担が残ります。
- 中国景気、米中通商政策、為替変動など外部要因の影響を受けやすく、特に輸入工作機械は円安による販売価格上昇が需要の制約になってきました。
収益計上時期を見る際の注意点
決算短信では特定四半期への利益偏重を明示していません。ただし、同社は設備・機械の輸出入販売が中心で、販売は設備投資需要や納入時期の影響を受けます。したがって、中間期の単純進捗率をそのまま年間達成確率とみなすのではなく、下期の中国向け電子機器の納入と国内工作機械の回復を確認する必要があります。
最終判断
中間期までの売上・営業利益・経常利益の進捗から、最新予想は条件付きで達成可能と判断します。特に経常利益は単純進捗91.0%で、上方修正後の計画に対して余地があります。一方、最終利益は特別損失の影響を受けるため追加損失の有無が重要です。2026年9月17日12:01更新の株価285円と会社予想EPS4.31円を用いると、予想達成時のPERは約66.1倍です。
YKT|第13次中期経営計画分析
YKTの最新中期経営計画は「存在し続けるため、今を変える」をスローガンに、 従来の機械販売中心の商社モデルから、システム提案・技術支援・保守サービスまで含めた 付加価値型ビジネスへの転換を進める計画です。 2027年12月期に連結売上高130億円以上、ROE5%以上を主要目標に掲げています。
① 企業が掲げる目標業績数字
| 指標 | 第13次中計目標 2027年12月期 |
2025年12月期実績 | 2026年12月期会社予想 | 現在の状況 |
|---|---|---|---|---|
| 連結売上高 | 130億円以上 | 133.86億円 | 160.00億円 | 目標値を既に上回る水準 |
| 役務・部品売上高 | 20億円以上 | 個別開示なし | 個別開示なし | 進捗判定困難 |
| 新商品売上高 | 10億円以上 | 個別開示なし | 個別開示なし | 進捗判定困難 |
| ROE | 5%以上 | 約0.7% | 純利益予想50百万円 | 収益性改善が残る |
中計の売上高130億円という数値自体は、2025年12月期実績133.86億円で既に突破しています。 さらに2026年12月期の会社予想は160億円で、中計目標を約23%上回る水準です。 一方、中計の重要指標であるROE5%には大きな距離があり、「売上拡大」より「利益率・資本効率改善」が 今後の中計達成を判断する上で重要になります。
直近決算から見た進捗
| 2026年12月期 | 上期実績 | 通期会社予想 | 通期予想に対する進捗 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 89.34億円 | 160.00億円 | 55.8% |
| 営業利益 | 1.38億円 | 2.00億円 | 69.4% |
| 経常利益 | 2.72億円 | 3.00億円 | 90.7% |
| 親会社株主帰属純利益 | 0.36億円 | 0.50億円 | 72.0% |
2026年上期は、中国市場でEV向け車載機器の設備投資が活発化し、 電子部品実装機を中心とする電子機器の輸出販売が大幅に増加しました。 電子機器及び工作機械等セグメントの上期売上高は86.29億円となっています。
会社は2026年通期売上高予想を135億円から160億円へ上方修正しましたが、 営業利益は1.90億円から2.00億円への小幅上方修正に留まっています。 輸出販売比率の上昇による売上総利益率低下や展示会費用増加を会社側が理由として挙げています。
② 目標達成へのロードマップ
1付加価値型ビジネスへの転換
機械を販売して終わるビジネスから、 システム提案・技術支援・保守・更新まで顧客の機械ライフタイム全体に関与するモデルへ移行。 役務・部品売上20億円以上という目標にも直結します。
2新商品の継続探索
生産性向上、効率化、省人化・省力化など「時間価値」を生み出す商品を探索。 ニッチ製品を発掘し、新商品売上高10億円以上を目指します。
3収益構造の見直し
単発の大型機械販売だけに依存せず、 導入後の運用・保守・更新まで継続的に収益を得る仕組みを整備。 売上高だけでなく利益の安定性を高める方向です。
4営業組織の改革
個人営業のノウハウを組織全体で共有し、 顧客データ・商品情報・技術情報・営業ツールを活用。 部門を越えた提案力の強化を進めます。
5人的資本の拡充
採用強化、人事制度の見直し、人材配置の最適化を実施。 商社としての営業力だけでなく、技術サービスを担える人員を確保します。
6次世代人材への技術継承
100年以上蓄積してきたメーカー・顧客との関係や技術ノウハウを次世代へ継承。 管理職を含めたスキルアップと社内情報共有を強化します。
2034年には連結売上高200億円以上、役務・部品売上高40億円以上、 新商品売上高60億円以上、ROE12%以上を目指しています。 第13次中計はその第1段階という位置付けです。
中計達成の最大ポイント|ROE5%
| 項目 | 現在・会社予想 | 中計目標 | 単純試算 |
|---|---|---|---|
| 自己資本 | 約80.20億円 2026年6月末 |
- | - |
| 2026年純利益予想 | 0.50億円 | - | 自己資本比で約0.6%相当 |
| ROE | 低位 | 5%以上 | 大幅な改善が必要 |
| ROE5%に必要な純利益 | - | - | 約4.0億円 |
2026年6月末の自己資本約80.20億円が変わらないという単純な前提では、 ROE5%を達成するためには年間純利益約4.0億円が必要です。 2026年会社予想の純利益0.50億円に対して約8倍の水準となるため、 中計の実質的なハードルは売上高130億円ではなくROE改善にあると読み取れます。 実際のROEは期首・期末平均自己資本を用いるため、この金額は概算です。
③ 会社開示から確認できる主な達成リスク
主力顧客は電機、機械、工具、自動車などの製造業で、 景気悪化や設備投資サイクルの影響を強く受けます。 2025年には工作機械販売が切削工具業界の需要低迷の影響を受けています。
電子機器の輸出先は中国・台湾を中心とする東アジアで、 大型設備投資によって業績が大きく変動する特徴があります。 2026年上期の急成長も中国EV関連需要が大きく寄与しています。
欧州製工作機械・産業機械は外貨仕入れのため、円安になると仕入価格が上昇します。 会社は為替予約等でリスクを抑えていますが、 2025年は円安による輸入機械のコスト上昇が利益率低下につながりました。
電子機器ではパナソニックコネクト製品の販売比率が高く、 工作機械・測定機器でも総代理店契約が中心です。 メーカーとの契約変更や事業方針変更が業績に影響する可能性を会社が記載しています。
イタリアの輸入機械仕入先に支払った前渡金について、 仕入先の債務問題から商品納入と債権回収が不透明となり、 2025年に122百万円、2026年上期に追加で124百万円の貸倒引当金を計上しました。 海外メーカー依存が損益リスクとして実際に表面化した事例です。
⑤ 中計ROE目標達成時の株価を機械的に試算
2026年9月17日10時10分時点の株価285円、 会社予想EPS4.31円、予想PER66.13倍、実績BPS690.87円を使用します。
690.87円 × 5% = 約34.54円
現在と同じPER66.13倍を適用
34.54円 × 66.13倍 = 約2,284円
現在株価285円は、この単純計算上の株価に対して 約87.5%低い水準です。 株価倍率では約8.0倍に相当します。
現在の予想PER66倍は、2026年の純利益予想が貸倒引当金による特別損失で 50百万円まで圧縮されているため非常に高くなっています。 2027年に利益が正常化した場合、通常はPER自体が大きく低下する可能性があります。 そのため「2,284円が適正株価」という意味ではなく、 ユーザー指定の「現在PERを将来にもそのまま適用する」という条件だけで算出した機械的試算です。
分析まとめ
YKTの第13次中計は、売上高を単純に増やすことより、 「モノ売り」から「システム提案・技術支援・保守・部品」まで含む 高付加価値型ビジネスへ収益構造を変えることが本質です。
売上高については2025年実績133.86億円で2027年目標130億円を既に上回り、 2026年会社予想も160億円まで上方修正されています。 その意味ではトップラインの進捗は中計策定時の想定を上回っています。
一方で、2026年会社予想の営業利益は2億円に留まり、 売上高160億円に対する営業利益率は約1.25%です。 また中計の重要指標であるROE5%に対しても大幅な利益改善が必要です。 今後の確認ポイントは「130億円を売れるか」ではなく、 役務・部品、新商品、技術サービスなど高付加価値売上の比率を高め、 その売上を利益とROEに結び付けられるかどうかです。
2026年上期は中国EV関連設備投資の追い風によって売上・経常利益が急伸しましたが、 中国需要、為替、特定メーカー依存といった変動要因も大きいため、 2027年のROE5%達成には、好況時の大型案件だけではなく、 継続的な役務・部品収益を増やせるかが重要になります。
YKT株式会社「中長期ビジョン YKT Vision2034 ならびに 第13次中期経営計画(2025~2027年)」
YKT株式会社「2026年12月期 第2四半期(中間期)決算短信」2026年8月7日
YKT株式会社「特別損失(貸倒引当金繰入額)の計上及び業績予想の修正に関するお知らせ」2026年7月24日
YKT株式会社「2025年12月期 有価証券報告書」
株価・PER・EPS・BPSは2026年9月17日時点の市場データを参照
※ROE5%達成時の株価計算は会社による株価予想ではなく、一定条件を置いた単純試算です。

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