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トライアイズ 4840 東証S
TRIiS Incorporated|グループ会社の経営統括、不動産投資、ファッションブランド、建設コンサルタントを展開する持株会社。2026年からは「TRIiS2.0」を掲げ、百年企業の継承と企業価値向上を軸にした連続M&A方針を打ち出している。
※2026年6月18日時点の情報
事業内容
2026年6月18日本日の株価(終値ベース)の時価総額は約69億円。
トライアイズは1995年3月設立、本社は東京都千代田区紀尾井町、決算期は12月末。2026年5月時点の代表者は代表取締役社長CEOの岩尾俊兵氏で、東証スタンダード市場に上場している。
2025年12月期は売上高1,424百万円、営業損益は204百万円の赤字、経常利益は231百万円、親会社株主に帰属する当期純損益は423百万円の赤字だった。2026年12月期は、5月14日の修正予想で売上高1,416百万円、営業損益22百万円の赤字、経常損益5百万円の赤字、親会社株主に帰属する当期純利益104百万円を見込む。
トライアイズは1995年3月設立、本社は東京都千代田区紀尾井町、決算期は12月末。2026年5月時点の代表者は代表取締役社長CEOの岩尾俊兵氏で、東証スタンダード市場に上場している。
2025年12月期は売上高1,424百万円、営業損益は204百万円の赤字、経常利益は231百万円、親会社株主に帰属する当期純損益は423百万円の赤字だった。2026年12月期は、5月14日の修正予想で売上高1,416百万円、営業損益22百万円の赤字、経常損益5百万円の赤字、親会社株主に帰属する当期純利益104百万円を見込む。
建設コンサルタント事業
2021年から2025年のセグメント売上は、約612百万円、361百万円、298百万円、286百万円、334百万円で推移した。セグメント利益は2021年が約42百万円の赤字、2022年以降は71百万円、65百万円、75百万円、53百万円の黒字で推移している。中核は子会社のクレアリアによる建設コンサルタント業務で、河川、ダム、砂防、海岸、水資源など水関連インフラの調査、計画、設計、維持管理支援を担う。
取引先は国や地方公共団体など公共分野が中心で、防災、減災、ダム長寿命化、河川管理といった社会インフラ関連の需要に支えられる。
2026年12月期第1四半期は、ダム長寿命化や防災減災関連業務の受注を背景に売上が増加した一方、受注損失引当金の計上や販売管理費の増加により、セグメント損益は赤字となった。
事業規模は大きくないが、専門性が高く、公共インフラの更新需要と親和性がある。業績は案件の進行、検収時期、人員稼働、採算管理に左右されやすい。
不動産投資事業
2021年から2023年までは投資事業として、不動産投資と証券投資を一体で開示していた。売上は143百万円、136百万円、102百万円、セグメント損益は6百万円の赤字、101百万円の赤字、41百万円の黒字だった。2024年からは不動産投資事業とその他投資事業に区分変更され、不動産投資事業の売上は2024年463百万円、2025年926百万円へ拡大した。一方、セグメント損益は2024年143百万円の黒字、2025年65百万円の赤字となった。
不動産投資事業は、収益不動産の取得、運用、売却を通じて収益獲得を目指す事業である。
2025年12月期は連結売上高の過半を不動産投資事業が占め、トライアイズの業績変動要因として重要度が高まった。
2026年12月期第1四半期は収益物件の売却により売上が大きく増加し、セグメント利益も黒字となった。
ただし、不動産は物件売却の時期、価格、在庫評価、資金回収により業績とキャッシュフローが大きく振れやすい。2025年12月期の営業キャッシュフロー悪化も、不動産在庫の増加が主因の一つとなっている。
ファッションブランド事業
2021年から2025年のセグメント売上は、約250百万円、225百万円、236百万円、212百万円、165百万円で推移した。セグメント損益は2021年が148百万円の赤字、2022年以降は24百万円、41百万円、15百万円、25百万円の黒字で推移している。ファッションブランド事業では、婦人服、ハンドバッグ、革製品などのブランド関連事業を行ってきた。近年は事業ポートフォリオの見直しが進み、2025年12月期には濱野皮革工藝株式会社が連結範囲から除外された。
2026年には、同社が保有する「CLATHAS」の商標権譲渡を決定している。譲渡予定日は2026年6月30日、譲渡価額は150百万円、譲渡益は145百万円とされている。
商標権譲渡に伴い、既存のライセンス契約は譲渡先へ移転するため、従来型のライセンス収益は変化する。今後は新たな販売チャネルの獲得や、譲渡先との協業によるブランド展開が焦点となる。
その他投資・持株会社機能
2024年以降、証券投資などはその他投資事業として区分されている。2024年、2025年の同区分の売上とセグメント損益はゼロで、現時点では業績の主要構成要素ではない。トライアイズ本体は持株会社としてグループ企業の経営管理、資本配分、事業再編を担う。
2026年からは「TRIiS2.0」を掲げ、百年企業の継承、スマート投資、スマートカンパニー化を成長方針としている。
スマート投資では、投資判断や経営支援のノウハウをAIなどに実装し、M&Aの高速化と自動化を目指すとしている。
スマートカンパニー化では、AI活用による非付加価値業務の自動化と、人員の顧客接点への再配置を掲げている。既存事業の積み上げだけでなく、M&Aによる非連続成長を志向している点が特徴である。
直近5年業績サマリー
| 業績項目 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 | 2026年12月期 会社予想 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,004 | 721 △283 / △28.2% |
636 △85 / △11.8% |
961 +325 / +51.1% |
1,424 +463 / +48.2% |
1,416 △8 / △0.6% |
| 営業損益 | △150 | △104 +46 / 赤字縮小 |
△8 +96 / 赤字縮小 |
2 +10 / 黒字転換 |
△204 △206 / 赤字転落 |
△22 +182 / 赤字縮小 |
| 経常損益 | △222 | △209 +13 / 赤字縮小 |
227 +436 / 黒字転換 |
250 +23 / +10.1% |
231 △19 / △7.6% |
△5 △236 / 赤字転落 |
| 当期純損益 親会社株主帰属 |
△224 | 468 +692 / 黒字転換 |
102 △366 / △78.2% |
194 +92 / +90.2% |
△423 △617 / 赤字転落 |
104 +527 / 黒字転換 |
| EPS(一株利益) | △25.08円 | 52.41円 +77.49円 / 黒字転換 |
11.42円 △40.99円 / △78.2% |
21.72円 +10.30円 / +90.2% |
△47.37円 △69.09円 / 赤字転落 |
11.65円 +59.02円 / 黒字転換 |
| PER 期末日株価ベース |
― | 8.13倍 | 30.03倍 | 13.16倍 | ― | ― |
| PBR 期末日株価ベース |
0.67倍 | 0.71倍 +0.04倍 |
0.59倍 △0.12倍 |
0.49倍 △0.10倍 |
1.00倍 +0.51倍 |
― |
| BPS | 465.06円 | 596.64円 +131.58円 / +28.3% |
576.60円 △20.04円 / △3.4% |
585.22円 +8.62円 / +1.5% |
488.47円 △96.75円 / △16.5% |
― |
| 純資産 | 4,153 | 5,328 +1,175 / +28.3% |
5,149 △179 / △3.4% |
5,226 +77 / +1.5% |
4,362 △864 / △16.5% |
― |
| 営業CF | △77 | △185 △108 |
△557 △372 |
△187 +370 |
△849 △662 |
― |
| 投資CF | △757 | 2,714 +3,471 |
2,936 +222 |
12 △2,924 |
1,049 +1,037 |
― |
| 財務CF | △124 | △2,195 △2,071 |
△310 +1,885 |
△10 +300 |
229 +239 |
― |
| 現金及び現金同等物 | 599 | 1,032 +433 / +72.3% |
2,963 +1,931 / +187.1% |
2,824 △139 / △4.7% |
3,257 +433 / +15.3% |
― |
単位は百万円。EPS、BPSは円、PER、PBRは倍。
EPS、BPS、PER、PBRは、2026年5月の自己株式20万株消却後の発行済株式数8,930,000株ベースで再計算。PER、PBRは各期末日の終値株価を基準に算出。2022年12月期の営業CFは訂正開示後の数値を採用。2026年12月期は2026年5月14日公表の通期修正予想。
EPS、BPS、PER、PBRは、2026年5月の自己株式20万株消却後の発行済株式数8,930,000株ベースで再計算。PER、PBRは各期末日の終値株価を基準に算出。2022年12月期の営業CFは訂正開示後の数値を採用。2026年12月期は2026年5月14日公表の通期修正予想。
中期経営計画
TRIiS2.0と2026年12月期の数値目標
明確な3か年形式の中期経営計画資料は確認できないが、2026年12月期第1四半期決算補足説明資料では「TRIiS2.0」を掲げ、第二創業期としての成長戦略を示している。2026年12月期の修正後通期予想は、売上高1,416百万円、営業損益22百万円の赤字、経常損益5百万円の赤字、親会社株主に帰属する当期純利益104百万円。配当予想は1株1円としている。
基本方針は、百年企業の継承をテーマにした連続M&A、投資判断や経営支援のノウハウをAIなどに実装するスマート投資、買収先企業の非付加価値業務を自動化するスマートカンパニー化である。
短期的には、業務が完結している老舗企業を買収し、先端技術で経営を刷新する方針を掲げる。中長期では、より大規模で複雑な企業の継承を視野に入れる。
また、業績達成条件付きストックオプションでは、連結売上高100億円以上、過去5年間の営業利益最高額超過、営業利益黒字化、年間配当総額1億円以上、時価総額250億円以上などの条件が示されている。これは会社が目指す成長イメージを示す材料である一方、達成が保証された計画ではない。
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競合他社
① 日水コン(261A)
日水コンは、水道、下水道、河川、環境関連施設などを扱う水の総合コンサルタントで、時価総額は約243億円規模。売上高は2025年12月期実績で約230億円規模と、トライアイズ傘下のクレアリアより大きい。競合領域は、河川、水資源、流域管理、防災減災、ダム管理などである。特に官公庁や地方自治体向けの計画、設計、維持管理案件で競合しやすい。
トライアイズは持株会社として不動産投資やブランド事業も持つため事業構成は異なるが、建設コンサルタント事業だけを比較すると、日水コンは水インフラ分野で規模と実績の厚みを持つ競合企業である。
② ウエスコホールディングス(6091)
ウエスコホールディングスは、西日本を地盤とする総合建設コンサルタントで、時価総額は約114億円規模。建設コンサルのほか、水族館運営やスポーツ施設運営なども抱え、トライアイズと同じく多角化要素を持つ。競合領域は、河川、砂防、水環境、防災減災、地方自治体向けインフラ関連業務である。
自己資本比率の高さと地域基盤を背景に、公共インフラ案件で安定した受注力を持つ点が特徴である。トライアイズにとっては、クレアリアの地方案件や水関連インフラ領域で比較対象となる。
③ オリジナル設計(4642)
オリジナル設計は、上下水道、河川、環境、防災関連を中心とする建設コンサルタントで、時価総額は約106億円規模。水インフラに特化した設計、調査、維持管理支援を展開している。競合領域は、上下水道と河川を中心とした公共インフラの計画、設計、更新、維持管理である。
トライアイズの建設コンサルタント事業はダム、河川、水資源に強みを持つため、官公庁向けの水関連案件で競合しやすい。オリジナル設計は事業領域が比較的集中しているため、専門会社としての収益安定性が比較ポイントになる。
強みと将来性
財務余力と水関連インフラ領域、TRIiS2.0による非連続成長余地
トライアイズの強みは、まず現預金の厚さである。2025年12月期末の現金及び現金同等物は3,257百万円、2026年12月期第1四半期末の現金及び預金は3,571百万円であり、小型上場会社としては一定の投資余力を持つ。営業赤字が続く局面でも、手元資金があることはM&A、事業再編、在庫回転、株主還元の選択肢を広げる。
建設コンサルタント事業は、河川、ダム、砂防、水資源、防災減災といった公共性の高い領域に関わる。気候変動、老朽インフラ、災害対策の観点から、ダム長寿命化や河川管理の重要性は高い。
クレアリアの事業規模は大きくないが、2022年以降はセグメント利益を継続して黒字で維持しており、グループ内の安定事業として機能している。
将来性の面では、TRIiS2.0の実行力が最大の焦点である。単なる投資会社ではなく、上場会社としての信用力、現預金、AIや経営科学を使った投資判断、買収後の業務改善を組み合わせる構想を掲げている。
もし老舗企業の承継案件を継続的に取得し、買収後の収益改善を実現できれば、現在の売上規模から大きく変化する可能性がある。
2026年12月期は配当予想を1株1円としており、自己株式消却も実施している。規模拡大と資本政策が両立すれば、投資家からの見方が変わる余地がある。
弱みとリスク要因
営業赤字、営業CFの赤字、不動産・M&A戦略の実行リスク
最大の弱みは、営業損益と営業キャッシュフローの不安定さである。2021年以降、営業赤字が断続的に続き、2025年12月期は営業損益204百万円の赤字、営業CF849百万円の赤字となった。2026年12月期の修正後通期予想でも営業損益は22百万円の赤字、経常損益は5百万円の赤字であり、本業ベースでの安定収益化はまだ確認途上である。
不動産投資事業は売上規模を押し上げる一方、物件売却の有無、粗利率、在庫評価、資金回収のタイミングによって業績が大きく動く。2025年12月期は不動産在庫の増加が営業CF悪化の要因となっており、今後も市況悪化や販売遅延が起きると資金効率が低下する。
ファッションブランド事業では、CLATHAS商標権の譲渡により特別利益が発生する一方、既存ライセンス契約が譲渡先に移転する。これにより従来のライセンス収益構造は変化し、譲渡後にどの程度の収益を維持、再構築できるかは不確実である。
TRIiS2.0は成長余地がある一方、連続M&Aには買収価格、PMI、買収先人材、財務管理、ガバナンスのリスクが伴う。連結従業員数が少ないため、複数案件を同時に管理するには組織能力の拡張が必要になる。
また、ストックオプションや新株予約権を活用した資本政策は、成長資金を得る手段になる一方、株式希薄化や株価変動要因にもなる。将来性は大きいが、実績で確認すべき段階にある。
出典
- 株式会社トライアイズ 公式サイト
- 株式会社トライアイズ 企業情報
- 株式会社トライアイズ IR情報
- 2025年12月期 決算短信
- 2026年12月期 第1四半期決算短信
- 2026年12月期 第1四半期決算補足説明資料
- 第2四半期業績予想及び通期業績予想の修正に関するお知らせ
本記事は公開情報をもとに作成した企業分析であり、特定の有価証券の売買を推奨するものではありません。掲載情報は作成時点のものであり、正確性や完全性を保証するものではありません。投資判断は必ずご自身の責任で行ってください。

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