7717 ブイ・テクノロジー

トップ2026年6月18日のS高・S安銘柄 > ブイ・テクノロジー<7717>

ブイ・テクノロジー 7717 東証P

V Technology Co., Ltd.|半導体・フォトマスク、フラットパネルディスプレイ(FPD)向け製造装置・検査装置、部材・サービスを展開する装置メーカー。

※2026年6月18日時点の情報

事業内容

2026年6月18日本日の株価(終値ベース)の時価総額は約782億円。
株式会社ブイ・テクノロジーは1997年10月設立、神奈川県横浜市に本社を置く、半導体・フォトマスク、FPD向け製造装置の開発、設計、製作、販売、サービスを行う企業です。代表取締役兼社長執行役員は杉本重人氏、決算期は3月、東京証券取引所プライム市場に上場しています。
直近の2026年3月期は、売上高52,992百万円、営業利益3,768百万円、経常利益3,474百万円、親会社株主に帰属する当期純利益2,301百万円でした。会社計画では2027年3月期に売上高60,000百万円、営業利益5,500百万円、経常利益4,700百万円、親会社株主に帰属する当期純利益3,000百万円を見込んでいます。

FPD製造装置・検査装置

FPD関連は同社の長年の主力領域です。2022年3月期のFPDセグメント売上高は43,375百万円、営業利益は5,103百万円でした。2023年3月期は売上高32,927百万円、営業利益980百万円、2024年3月期は売上高22,258百万円、営業損失25百万円まで落ち込みましたが、2025年3月期は売上高29,809百万円、営業利益912百万円、2026年3月期は売上高31,963百万円、営業利益3,220百万円へ回復しました。
同社は、FPD製造工程向けに露光装置、検査装置、修正装置、測定装置、部材、保守サービスを展開しています。製品群には、FPD製造装置のAEGIS、RZ、DZ、検査・修正・測定装置のCapricorn、Jupiter、Taurus、Mercury、Venusなどがあります。
FPD事業の特徴は、単に製造装置を販売するだけではなく、パネル製造工程で発生する欠陥の検査、修正、測定まで広くカバーしている点です。顧客の生産ラインに導入された装置は、保守、部品交換、改造、追加投資につながるため、装置販売後のサービス収益にもつながります。
2026年3月期は大型パネル市場が堅調に推移した一方、一部案件の売上計上が翌期以降へずれ込みました。それでも営業利益率は改善し、セグメント利益の中心となりました。2027年3月期会社計画では、FPD関連売上高は27,253百万円、内訳は検査装置12,724百万円、製造装置8,284百万円、部品・保守6,245百万円とされています。

半導体・フォトマスク装置

半導体・フォトマスク関連は成長領域です。2022年3月期の半導体関連売上高は7,679百万円、営業利益553百万円でした。2023年3月期からは半導体・フォトマスク装置セグメントとして開示され、売上高9,262百万円、営業利益254百万円、2024年3月期は売上高14,052百万円、営業利益1,234百万円、2025年3月期は売上高14,905百万円、営業利益1,242百万円、2026年3月期は売上高19,593百万円、営業利益654百万円となりました。
製品面では、シリコンウェーハ用検査装置、自動塗布現像装置、レジスト膜厚・反射率・屈折率測定装置、ラボ向け装置、半導体用マスクレス露光装置などを展開しています。フォトマスク分野では、欠陥修正装置、レジストレーション測定装置、外観検査装置、マスクライターなどを扱います。
2026年3月期の売上内訳は、フォトマスク2,730百万円、半導体12,592百万円、アドバンスドパッケージ・プリント基板4,271百万円です。2027年3月期計画では、半導体・フォトマスク装置全体で31,415百万円まで拡大する計画です。
注目点は、従来のFPD装置で培った露光、画像処理、検査、精密搬送、欠陥修正の技術を、半導体・フォトマスク・先端パッケージへ横展開している点です。半導体投資の中心が前工程だけでなく、後工程、先端パッケージ、微細配線、検査工程へ広がる中で、同社のマスクレス露光、プローブ検査、フォトマスク関連装置の重要性が高まっています。

部材・サービス、保守、蒸着マスク関連

部材・サービスは、FPD装置の納入実績を背景にした継続型の収益基盤です。FPD関連の部品・保守売上は2026年3月期に7,328百万円、2027年3月期計画で6,245百万円とされています。
同社はOLED用蒸着マスク、OLED良品化サービス、装置の保守、部品供給、サルベージサービスを展開しています。製造装置メーカーにとって、顧客工場への納入後も装置の稼働率を維持する保守・部品供給は重要です。特にFPD製造ラインは大型投資であり、装置停止が顧客の生産に直結するため、保守サービスの重要性が高くなります。
この領域は新規装置販売ほど景気変動の影響を受けにくい一方、顧客の設備稼働率、部品交換需要、改造需要、既存ラインの延命需要に左右されます。大型パネル、有機EL、半導体関連の設備投資が循環的に変動する中で、装置本体とサービスを組み合わせた収益構造は同社の安定化要因になります。

新規事業・グループ展開

新規事業では、トマト関連の「Vトマト」やIT分野での活動が紹介されています。現時点では全社売上に占める比率は大きくありませんが、中期経営計画では2029年3月期に新規事業売上高60億円を目標に掲げています。
同社グループは、ブイ・イー・ティー、オー・エイチ・ティー、ナノシステムソリューションズ、リソテックジャパン、アイテック、ジャパン・アドバンスト・ケミカルズ、LE-TECHNOLOGYなどを通じて、検査、露光、化学材料、半導体関連装置、サービス領域を広げています。
2026年3月期のその他売上高は1,436百万円、2027年3月期計画では1,332百万円です。中期的には、既存のFPD顧客基盤と半導体・フォトマスク・先端パッケージ向け製品を組み合わせ、グループ内の技術を相互利用することが成長の鍵になります。

直近5年業績サマリー

業績項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期 2027年3月期予想
売上高 51,418 43,146
前年差 △8,272 / △16.1%
37,335
前年差 △5,811 / △13.5%
46,182
前年差 +8,847 / +23.7%
52,992
前年差 +6,810 / +14.7%
60,000
前年差 +7,008 / +13.2%
営業損益 5,461 986
前年差 △4,475 / △81.9%
846
前年差 △140 / △14.2%
1,821
前年差 +975 / +115.2%
3,768
前年差 +1,947 / +106.9%
5,500
前年差 +1,732 / +46.0%
経常損益 5,868 1,700
前年差 △4,168 / △71.0%
1,112
前年差 △588 / △34.6%
1,891
前年差 +779 / +70.1%
3,474
前年差 +1,583 / +83.7%
4,700
前年差 +1,226 / +35.3%
当期純損益 4,198 260
前年差 △3,938 / △93.8%
778
前年差 +518 / +199.2%
800
前年差 +22 / +2.8%
2,301
前年差 +1,501 / +187.6%
3,000
前年差 +699 / +30.4%
EPS(一株利益) 444.08円 27.50円
前年差 △416.57円 / △93.8%
82.30円
前年差 +54.80円 / +199.2%
84.63円
前年差 +2.33円 / +2.8%
243.41円
前年差 +158.78円 / +187.6%
317.35円
前年差 +73.94円 / +30.4%
PER(期末日株価ベース) 7.43倍 102.02倍
前年差 +94.59倍 / +1272.9%
30.50倍
前年差 △71.52倍 / △70.1%
27.19倍
前年差 △3.31倍 / △10.8%
16.91倍
前年差 △10.28倍 / △37.8%
PBR(期末日株価ベース) 0.91倍 0.79倍
前年差 △0.12倍 / △13.5%
0.69倍
前年差 △0.10倍 / △12.5%
0.65倍
前年差 △0.04倍 / △5.9%
1.08倍
前年差 +0.43倍 / +65.6%
BPS 3,615.14円 3,554.74円
前年差 △60.40円 / △1.7%
3,635.98円
前年差 +81.24円 / +2.3%
3,543.74円
前年差 △92.24円 / △2.5%
3,825.86円
前年差 +282.12円 / +8.0%
純資産 34,540 33,884
前年差 △656 / △1.9%
34,639
前年差 +755 / +2.2%
33,581
前年差 △1,058 / △3.1%
36,250
前年差 +2,669 / +7.9%
営業CF 1,408 △3,284
前年差 △4,692 / △333.2%
△4,764
前年差 △1,480 / △45.1%
5,344
前年差 +10,108 / +212.2%
5,748
前年差 +404 / +7.6%
投資CF △1,554 △1,195
前年差 +359 / +23.1%
△440
前年差 +755 / +63.2%
△1,470
前年差 △1,030 / △234.1%
△1,700
前年差 △230 / △15.6%
財務CF △5,839 2,780
前年差 +8,619 / +147.6%
1,526
前年差 △1,254 / △45.1%
△471
前年差 △1,997 / △130.9%
△1,565
前年差 △1,094 / △232.3%
現金及び現金同等物 27,778 26,295
前年差 △1,483 / △5.3%
22,893
前年差 △3,402 / △12.9%
26,124
前年差 +3,231 / +14.1%
28,901
前年差 +2,777 / +10.6%
単位は百万円。
EPS・BPS・PER・PBRは2026年3月期末の自己株式控除後株式数9,453,288株を基準に再計算。PER・PBRは各期末日の終値を用いて算出し、会社予想列のPER・PBRは期末株価が未確定のため空欄。2022年3月期決算短信は訂正後の数値を使用。

中期経営計画

FY25/3-FY29/3 中期経営計画

ブイ・テクノロジーは、2029年3月期に売上高1,000億円、営業利益200億円、営業利益率20.0%、ROE23.7%を目標とする中期経営計画を掲げています。2027年3月期の会社計画は売上高600億円、営業利益55億円であり、2029年3月期目標に向けた中間段階に位置づけられます。

セグメント別では、2029年3月期に半導体・フォトマスク640億円、FPD300億円、新規事業60億円を目指しています。成長の中心は、半導体、フォトマスク、アドバンスドパッケージ、プリント基板、検査・測定領域です。FPDでは、中国市場と非中国市場を分け、地域ごとの顧客戦略を進める方針です。

事業戦略としては、半導体パッケージ向けのマスクレス露光装置、検査装置、フォトマスク関連装置を重点領域に据えています。AI半導体の高性能化に伴い、先端パッケージ工程では微細配線、検査、実装技術の重要性が高まっています。同社は、FPD装置で培った露光・検査・画像処理技術を半導体後工程へ展開することで、収益性の高い製品構成への転換を進めています。

中期経営計画資料へ

競合他社

① レーザーテック(6920)

レーザーテックは、時価総額でブイ・テクノロジーを大きく上回る半導体検査装置メーカーです。2026年6月期の通期会社予想は売上高2,200億円、営業利益1,000億円、経常利益1,000億円、親会社株主に帰属する当期純利益720億円です。
競合領域は、フォトマスク欠陥検査装置、半導体検査装置、EUVマスク関連検査装置です。ブイ・テクノロジーはフォトマスク分野で、測定、検査、欠陥修正、マスクライターを展開しているため、先端半導体向けマスク関連工程ではレーザーテックが強力な比較対象になります。

② SCREENホールディングス(7735)

SCREENホールディングスは、半導体製造装置を主力とする大手企業です。2025年3月期は売上高6,252億円、営業利益1,356億円、2026年3月期予想は売上高6,210億円、営業利益1,170億円とされています。
競合領域は、半導体製造装置、リソグラフィー関連装置、ディスプレー製造装置、成膜装置、画像処理・検査技術です。ブイ・テクノロジーはFPD製造装置と半導体・フォトマスク装置の両方を持つため、装置投資の対象工程や顧客設備投資の面でSCREENと重なる部分があります。

③ アルバック(6728)

アルバックは、真空装置、成膜装置、スパッタリング装置、半導体・ディスプレイ向け製造装置を幅広く展開する装置メーカーです。2026年6月期第3四半期累計では、受注高2,361億85百万円、売上高1,916億31百万円、営業利益147億19百万円でした。
競合領域は、FPD、有機EL、半導体、電子部品向け製造装置です。ブイ・テクノロジーもFPD製造装置、OLED関連部材、蒸着マスク、半導体関連装置を扱うため、ディスプレイ・有機EL・半導体設備投資の局面で、顧客の投資予算を取り合う関係になりやすい企業です。

強みと将来性

FPDで培った検査・露光技術を半導体領域へ広げる展開力

ブイ・テクノロジーの強みは、FPD製造装置で培った露光、検査、修正、画像処理、精密位置決め、搬送、測定技術を複数の成長市場へ応用できる点です。FPD分野では、製造装置だけでなく、検査装置、欠陥修正装置、測定装置、部品・保守まで扱っており、顧客の製造ライン全体に関わる技術基盤を持っています。

半導体・フォトマスク分野では、フォトマスク欠陥修正、外観検査、レジストレーション測定、マスクレス露光、シリコンウェーハ検査などを展開しています。特に、先端パッケージやプリント基板向けのマスクレス露光、微細検査、プローブ検査は、AI半導体や高性能半導体の需要拡大と結びつきやすい領域です。

2026年3月期は売上高、営業利益、経常利益、純利益がいずれも増加し、2027年3月期も増収増益計画です。2029年3月期の中期計画では、半導体・フォトマスク領域の売上高640億円を目標としており、成長の中心をFPD単独依存から半導体周辺領域へ移していく姿勢が明確です。

財務面では、2026年3月期末の現金及び現金同等物は28,901百万円、純資産は36,250百万円です。自己資本比率も49.5%まで改善しており、一定の財務余力を持ちながら、研究開発、製品開発、株主還元を進められる状態にあります。

弱みとリスク要因

設備投資サイクルと大型案件の計上時期に左右されやすい収益構造

最大のリスクは、FPDや半導体製造装置が顧客の設備投資サイクルに左右されやすい点です。FPD事業は2022年3月期に売上高43,375百万円、営業利益5,103百万円でしたが、2024年3月期には売上高22,258百万円、営業損失25百万円まで落ち込みました。顧客の投資時期、検収時期、納入スケジュールが業績に大きく影響します。

2026年3月期も、FPD関連では一部案件の売上計上が翌期以降へずれ込み、半導体・フォトマスク関連でも一部案件の立ち上げや検収時期が利益率に影響しました。装置事業は一件あたりの金額が大きいため、納入や検収が少しずれるだけで、四半期・通期の売上高や利益が大きく変動しやすい構造です。

競争面では、レーザーテック、SCREENホールディングス、アルバックなど、時価総額、開発投資、顧客基盤で上回る企業と重なる領域があります。フォトマスク検査、半導体製造装置、ディスプレイ製造装置では、技術進化の速さ、顧客要求の高度化、価格競争、品質保証の負担がリスクになります。

また、海外顧客向け売上が大きい装置メーカーであるため、中国、台湾、韓国、インド、東南アジアなどの設備投資動向、輸出管理、為替、現地競合の台頭、部材調達、現地サービス体制も重要です。中期計画の達成には、半導体・フォトマスク・先端パッケージ領域で計画通りに受注を積み上げ、かつ収益性を改善できるかが焦点になります。

出典

コメント

タイトルとURLをコピーしました