AIメカテック 6227 東証S
AIMECHATEC, Ltd.|はんだボールマウンタ、ウエハ・パネルハンドリング、インクジェット成膜、LCD製造装置を展開。AI向け先端半導体パッケージ投資を成長軸とする製造装置メーカー。
※2026年7月10日時点の情報
事業内容
2026年7月10日の時価総額は約1,280億円。株価終値は6,790円、発行済株式数は18,849,000株で、前日比1,000円高のストップ高となった。
AIメカテックは2016年7月設立、本社は茨城県龍ケ崎市向陽台五丁目2番地。代表者は代表取締役社長の阿部猪佐雄氏、決算期は6月、上場市場は東京証券取引所スタンダード市場。IJP成膜製造装置、半導体パッケージ・プロセス関連の製造装置、液晶パネル製造装置の開発、設計、製造、販売、アフターサービスを行う。
2026年6月期第3四半期累計は、売上高24,863百万円、営業利益4,228百万円、経常利益4,095百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益2,820百万円。通期会社予想は売上高34,312百万円、営業利益4,854百万円、経常利益4,499百万円、当期純利益3,078百万円。2026年7月9日には海外の大手半導体関連メーカー2社からウエハハンドリングシステムを約180億円で受注し、2027年6月期と2028年6月期に売上計上する予定と開示した。
AIメカテックは2016年7月設立、本社は茨城県龍ケ崎市向陽台五丁目2番地。代表者は代表取締役社長の阿部猪佐雄氏、決算期は6月、上場市場は東京証券取引所スタンダード市場。IJP成膜製造装置、半導体パッケージ・プロセス関連の製造装置、液晶パネル製造装置の開発、設計、製造、販売、アフターサービスを行う。
2026年6月期第3四半期累計は、売上高24,863百万円、営業利益4,228百万円、経常利益4,095百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益2,820百万円。通期会社予想は売上高34,312百万円、営業利益4,854百万円、経常利益4,499百万円、当期純利益3,078百万円。2026年7月9日には海外の大手半導体関連メーカー2社からウエハハンドリングシステムを約180億円で受注し、2027年6月期と2028年6月期に売上計上する予定と開示した。
IJPソリューション事業
売上高は2021年6月期の2,352百万円から2023年6月期の3,848百万円まで拡大した後、2025年6月期は573百万円へ縮小した。セグメント損益は2025年6月期に222百万円の損失となり、案件の採用時期と量産立ち上げに左右される収益変動が大きい。2026年6月期第3四半期累計は売上高1,421百万円、セグメント損失567百万円。
IJPソリューション事業 セグメント業績推移(単位:百万円)
製品群には、マイクロディスプレイ製造システム、QD・OLED向けのダム塗布・フィル滴下装置、RGBインクジェット印刷システム、メディカルセンサ形成システム、ロール・ツー・ロール応用システム、ナノインプリント形成装置などが含まれる。
IJPは材料物性、吐出波形、液滴量、着弾精度、乾燥・硬化条件、基板搬送を一体で最適化する必要があり、装置単体の性能だけで量産品質が決まらない。顧客材料を用いた条件出しとプロセス開発を含めて提案できることが受注の前提になる。
同社はLCD製造装置で蓄積した塗布、貼合、位置合わせ、真空処理、搬送の技術を、マイクロディスプレイや光学系デバイスへ横展開している。大型基板から微細デバイスまで扱う装置設計の経験が、用途開拓の基盤となる。
2026年6月期第3四半期ではマイクロディスプレイ向け一括封止ラインの出荷を進め、シリコンフォトニクス半導体向けなど新用途の需要にも対応している。ナノリソティックスを通じたナノインプリントリソグラフィー事業の立ち上げも継続している。
一方、量産採用前の評価装置やパイロット案件は、顧客の開発日程、材料認定、歩留まり確認で納期が変動しやすい。2025年6月期の赤字と2026年6月期第3四半期の赤字は、将来用途の広さと足元の収益性が一致していないことを示す。
投資判断では、売上高の回復だけでなく、量産ラインの複数受注、案件ごとの粗利、研究開発費の回収、同一顧客での横展開を確認する必要がある。IJPが半導体関連事業に次ぐ収益柱へ育つには、評価機から量産装置へ移る案件数が重要になる。
半導体関連事業
売上高は2021年6月期の3,714百万円から2025年6月期の19,521百万円へ5年間で約5.3倍に拡大した。セグメント利益は同期間に902百万円から3,760百万円へ増加し、会社全体の成長と利益を牽引する中核事業となった。2026年6月期第3四半期累計は売上高21,480百万円、セグメント利益6,262百万円。
半導体関連事業 セグメント業績推移(単位:百万円)
先端パッケージでは、薄化したウエハをサポート基板へ仮接合し、加工後に剥離して残渣を洗浄する工程が必要になる。薄ウエハは反り、割れ、欠け、搬送ダメージの管理が難しく、接合条件、温度、圧力、剥離方式、洗浄条件を連動させる装置技術が求められる。
同社は仮接合から剥離、洗浄までを一連の処理フローとして提案できる。2023年3月に東京応化工業が分割したプロセス機器事業を承継し、従来のはんだボール搭載技術にウエハ・パネルハンドリング装置を加えたことで、半導体後工程での製品範囲が拡大した。
はんだボールマウンタでは、微小径ボールの搭載、インクジェットによるフラックス塗布、搭載後の検査・リペアを組み合わせる。高密度化が進むほど、位置精度、欠陥検出、再処理の安定性が歩留まりへ直結する。
2026年6月期第3四半期は、AI向け先端半導体パッケージ用途のウエハハンドリングシステムが売上を牽引し、PLP向けシステムやはんだボールマウンタの案件も進展した。売上高21,480百万円は前年同期の9,760百万円から大幅に増加し、セグメント利益率も高い水準となった。
2026年7月9日に開示した約180億円の受注は、海外大手2社向けのボンダー・デボンダー装置である。長年の仮接合技術、サポートガラス剥離・洗浄プロセス、品質と歩留まり向上が評価され、売上は2027年6月期と2028年6月期に計上予定とされた。
受注額は2025年6月期の連結売上高21,005百万円に近い規模であり、次期以降の売上視認性を大きく高める。ただし、大型案件は顧客との納期調整、仕様変更、検収、部材調達、生産能力によって売上計上時期と採算が変動する。
投資判断では受注残の金額だけでなく、受注先の分散、装置1台当たりの採算、検収進捗、前受金、仕掛品、生産能力増強の進捗を確認する必要がある。半導体関連事業の高成長が継続するかは、今回の大型受注に続く案件の反復性と、既存顧客内での採用工程拡大が焦点となる。
LCD事業
売上高は2021年6月期の10,039百万円から2025年6月期の911百万円へ縮小し、主力事業の位置は半導体関連事業へ移った。セグメント損益は2024年6月期に60百万円の損失となった後、2025年6月期は141百万円の利益へ回復した。2026年6月期第3四半期累計は売上高1,960百万円、セグメント損失200百万円。
LCD事業 セグメント業績推移(単位:百万円)
対応基板は小型ウエハから大型ガラス基板まで広く、基板サイズが変わっても均一な塗布、気泡を抑えた貼合、高精度な位置合わせ、量産タクトを両立させる設計が必要になる。LCDで蓄積した大面積基板の搬送・真空処理ノウハウは、パネルレベルパッケージや光学系デバイスへ応用されている。
新規LCD工場の大型投資はピーク時より限定的で、セグメント売上は5年間で大きく縮小した。顧客の設備投資が一巡した市場では、新規ラインよりも既存装置の改造、増設、部品交換、性能向上、プロセス変更への対応が収益の中心になりやすい。
LCSセンタは、納入済み装置のプロセスサポート、リニューアル提案、スペアパーツ供給を行う。長期稼働する製造装置では、保守対応力が顧客の稼働率と歩留まりへ直結し、次期設備の商談にもつながる。
2025年6月期は売上規模が小さい中でセグメント利益を確保したが、2026年6月期第3四半期は部品・改造・増設需要への対応を進めながらも損失となった。案件構成と検収時期による四半期変動が大きく、売上増加がそのまま利益増加につながらない局面がある。
LCD事業の戦略的価値は、単独の成長率だけでなく、塗布、滴下、貼合、真空、搬送の技術基盤と既存顧客接点にある。半導体・IJP向けの新装置開発でも、LCDで蓄積した量産設備の設計経験を利用できる。
投資判断では、LCD新規投資の回復を前提にせず、LCSの安定収益、改造案件の採算、半導体・光学系デバイスへの技術転用を評価する必要がある。固定費を抑えながら既存装置群から収益を回収できるかが、このセグメントの役割となる。
直近5年業績サマリー
| 業績項目 | 2021年6月期 | 2022年6月期 | 2023年6月期 | 2024年6月期 | 2025年6月期 | 2026年6月期 会社予想 BSはQ3実績 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 (百万円) |
16,105 | 14,684-1,421 / -8.8% | 15,461+777 / +5.3% | 15,421-40 / -0.3% | 21,005+5,584 / +36.2% | 34,312+13,307 / +63.4% |
| 営業損益 (百万円) |
1,010 | 735-275 / -27.2% | 581-154 / -21.0% | 261-320 / -55.1% | 2,095+1,834 / +702.7% | 4,854+2,759 / +131.7% |
| 経常損益 (百万円) |
911 | 678-233 / -25.6% | 469-209 / -30.8% | 162-307 / -65.5% | 1,884+1,722 / +1063.0% | 4,499+2,615 / +138.8% |
| 当期純利益 (百万円) |
696 | 478-218 / -31.3% | 1,193+715 / +149.6% | 111-1,082 / -90.7% | 337+226 / +203.6% | 3,078+2,741 / +813.4% |
| EPS (円) |
36.93 | 25.36-11.57 / -31.3% | 63.29+37.93 / +149.6% | 5.89-57.40 / -90.7% | 17.88+11.99 / +203.6% | 163.30+145.42 / +813.4% |
| PER (倍) |
16.06 | 9.98 | 130.58 | 61.71 | 41.58 | |
| PBR (倍) |
0.95 | 1.32 | 1.32 | 1.91 | 9.44Q3純資産ベース | |
| BPS (円) |
398.91 | 426.87+27.96 / +7.0% | 476.74+49.87 / +11.7% | 581.20+104.46 / +21.9% | 576.21-4.99 / -0.9% | 718.92+142.71 / +24.8%Q3純資産ベース |
| 純資産 (百万円) |
7,519 | 8,046+527 / +7.0% | 8,986+940 / +11.7% | 10,955+1,969 / +21.9% | 10,861-94 / -0.9% | 13,551+2,690 / +24.8%Q3実績 |
| 営業CF (百万円) |
1,609 | 698-911 / -56.6% | -692-1,390 / -199.1% | -1,131-439 / -63.4% | 1,526+2,657 / +234.9% | |
| 投資CF (百万円) |
-575 | -340+235 / +40.9% | -1,130-790 / -232.4% | -889+241 / +21.3% | -2,482-1,593 / -179.2% | |
| 財務CF (百万円) |
-1,410 | -107+1,303 / +92.4% | 2,115+2,222 / +2076.6% | 2,130+15 / +0.7% | 1,774-356 / -16.7% | |
| 現金及び現金同等物 (百万円) |
2,107 | 2,430+323 / +15.3% | 2,713+283 / +11.6% | 2,873+160 / +5.9% | 3,647+774 / +26.9% |
中期経営計画
独立した中期経営計画資料は確認できず、通期予想と成長戦略を代替指標として確認
公式IRサイトでは、2026年7月10日時点で独立した中期経営計画資料を確認できない。現時点の数値目標は、2026年6月期会社予想の売上高34,312百万円、営業利益4,854百万円、営業利益率14.1%、経常利益4,499百万円、親会社株主に帰属する当期純利益3,078百万円である。2026年6月期第3四半期累計の受注高は38,642百万円、受注残高は39,972百万円。売上高24,863百万円、営業利益4,228百万円まで進捗しており、短期の経営課題は高水準の受注残を品質、納期、採算を維持しながら売上へ転換することにある。
半導体関連では、AI向け先端パッケージ用ウエハハンドリング、PLP向けシステム、微小径はんだボールマウンタを成長軸とする。2026年7月9日の約180億円受注は2027年6月期と2028年6月期に売上計上予定で、2027年6月期の計上見込み分は2026年8月7日公表予定の次期業績予想へ織り込む方針が示された。
IJPではマイクロディスプレイ、シリコンフォトニクス、ナノインプリントの量産案件化を進め、LCDでは部品、改造、増設、LCSによる既存設備の収益化を継続する。生産能力の拡張、プロセス開発力、顧客現場での保守対応を組み合わせ、半導体関連に集中した成長と周辺事業の収益改善を両立できるかが中期的な確認点となる。
IR情報へ
競合他社
1. 芝浦メカトロニクス(6590)
2026年7月10日の時価総額は約4,045億円、株価終値は5,790円。選定3社の中で時価総額が最大で、東京証券取引所プライム市場に上場する。2026年3月期は売上高88,039百万円、営業利益15,262百万円、経常利益14,900百万円、親会社株主に帰属する当期純利益11,173百万円。営業利益率は17.3%で、半導体製造装置の高収益が全社利益を支える。
半導体前工程から後工程まで製品範囲が広く、マルチプロセスボンダ、ハイブリッドボンダ、パネルレベルパッケージ用ボンダ、洗浄、エッチング、アッシング装置を展開する。FPD向けにも洗浄、現像、剥離、真空貼合装置を持つ。
AIメカテックとは、先端パッケージ用のウエハ・パネルボンディング、デボンド後洗浄、アッシング、FPD真空貼合で競合する。芝浦メカトロニクスは前工程を含む装置幅と企業規模に強みがあり、AIメカテックは仮接合から剥離・洗浄までの一貫処理とはんだボール搭載を差別化要素とする。
大口顧客へ工程横断型のライン提案を行う局面では、装置単体だけでなく、製品群、サービス拠点、生産能力、既存導入実績を含む総合競争になる。
2. タツモ(6266)
2026年7月10日の時価総額は約773億円、株価終値は5,210円。東京証券取引所プライム市場に上場し、企業規模ではAIメカテックを下回るが、製品構成の重なりが大きい直接競合である。2025年12月期は売上高35,428百万円、営業利益4,768百万円、経常利益5,009百万円、親会社株主に帰属する当期純利益3,541百万円。前期比では減収減益となった。2026年12月期第1四半期は売上高5,967百万円、営業利益86百万円で、案件の売上計上時期による変動が表れた。
半導体装置では、ウエハの貼合・剥離、洗浄、塗布・現像、パネルレベルパッケージ、クリーン搬送を展開する。AIメカテックのウエハハンドリングシステム、PLP装置、デボンド後洗浄と工程が近い。
タツモは塗布・現像とクリーン搬送を含む前後工程の組み合わせに強く、AIメカテックはボンダー・デボンダー、はんだボール搭載、IJP塗布を含めた独自工程を持つ。両社は同じ顧客の先端パッケージ設備投資予算を争う場面が多い。
装置の処理性能だけでなく、薄ウエハの破損率、洗浄後の残渣、タクト、顧客材料への適合、納期、保守対応が採用判断を左右する。
3. ブイ・テクノロジー(7717)
2026年7月10日の時価総額は約709億円、株価終値は7,050円。東京証券取引所プライム市場に上場し、FPD製造装置を基盤に半導体パッケージ関連へ事業を拡大している。2026年3月期は売上高52,992百万円、営業利益3,768百万円、親会社株主に帰属する当期純利益2,301百万円。半導体・フォトマスク事業の売上高は19,593百万円、FPD事業は31,964百万円となった。2027年3月期会社予想は売上高60,000百万円、営業利益5,500百万円、当期純利益3,000百万円。
半導体分野ではパッケージ基板向けDI露光、ウエハ検査、フォトマスク関連装置を持つ。FPD分野では露光、検査、測定、修正を広く扱い、顧客工場内の隣接工程でAIメカテックと競合する。
AIメカテックの仮接合・剥離・洗浄やはんだボール搭載とは装置単体の完全な重複が限定的だが、先端パッケージラインの提案範囲と顧客の設備投資予算では競争関係になる。ブイ・テクノロジーがDI露光と検査を起点に採用工程を拡大すると、ライン一括提案での競争圧力が高まる。
AIメカテックにとっては、接合・剥離・洗浄の工程性能に加え、検査・リペアとの連携、工程データ、歩留まり改善を具体化できるかが差別化の焦点となる。
強みと将来性
塗布・貼合・剥離・洗浄・搬送をつなぐプロセス提案力と、先端パッケージ受注の拡大
AIメカテックの強みは、単一の加工装置ではなく、材料塗布、精密位置合わせ、仮接合、薄化後の剥離、残渣洗浄、搬送、検査・リペアを組み合わせて顧客工程を設計できる点にある。公式製品ページが掲げるOne Stopソリューションは、LCD装置で蓄積した量産ライン技術、IJPの微細塗布、半導体パッケージの実装技術を横断している。先端半導体パッケージでは、ウエハの薄化・積層が進むほど、ウエハを破損させずに扱う技術と、剥離後の清浄度が重要になる。2026年7月9日の大口受注では、仮接合技術、サポートガラスの剥離・洗浄、品質と歩留まり向上が評価されたと会社が説明している。これは装置スペックだけでなく、顧客量産工程での実績が受注競争力になっていることを示す。
半導体関連事業の売上高は2021年6月期3,714百万円から2025年6月期19,521百万円へ拡大し、2026年6月期第3四半期累計で21,480百万円に達した。セグメント利益も同期間に大きく増え、事業ポートフォリオはLCD中心から先端半導体パッケージ中心へ転換した。
2023年のプロセス機器事業承継は、はんだボールマウンタを中心とした従来製品に、ウエハ・パネルの仮接合、剥離、洗浄を追加した。取得した装置技術と既存の塗布・搬送技術を組み合わせることで、顧客内の対応工程を増やせる。
約180億円の大口受注はすべて円建てで、為替レート変動による受注金額への影響がない。2027年6月期と2028年6月期の売上計上が予定され、短期的な受注残だけでなく、複数年度の生産計画と人員・部材確保を組み立てやすくなる。
将来性の中心は、AI向け先端半導体の高性能化に伴う薄ウエハ・積層工程の拡大である。ボンダー・デボンダー、PLP、微小径はんだボール搭載、検査・リペアを同時に育てられれば、単一製品の受注サイクルに依存しにくい製品群となる。
IJPのマイクロディスプレイ、シリコンフォトニクス、ナノインプリントは、半導体関連事業とは異なる次世代用途である。量産採用までの時間は長いが、微細塗布と貼合のコア技術を再利用できるため、既存技術の延長線上で新市場へ入れる。
LCSによる改造、部品、プロセスサポートは、装置納入後の顧客接点を維持する。量産現場から得られる不具合、歩留まり、材料変更の情報を次世代装置へ反映できる点は、後発競合に対する学習曲線の差となる。
今後の評価軸は、約180億円受注の採算と納期、同一顧客からの追加受注、他顧客への横展開、生産能力増強後の固定費吸収である。大型受注を一過性で終わらせず、標準化した装置と継続保守へつなげられれば、売上規模と利益率の両方が一段上がる可能性がある。
弱みとリスク要因
半導体関連への集中、大型案件の検収変動、周辺事業の赤字と高い株価評価
2025年6月期の半導体関連事業売上高は19,521百万円で、連結売上高21,005百万円の約93%を占める。成長事業への集中は利益拡大をもたらす一方、先端パッケージ投資、特定顧客の設備計画、特定地域の需要が減速した場合の影響を大きくする。製造装置は受注時点で売上にならず、製作、出荷、据え付け、顧客検収を経て収益計上される。仕様変更、部材不足、顧客工場の建設遅延、量産立ち上げの遅れが発生すると、売上と利益が四半期をまたいで変動する。大型案件ほど1件のずれが全社業績へ与える影響が大きい。
約180億円の受注は成長材料であるが、売上計上は2027年6月期と2028年6月期に分かれる。顧客との納期調整により業績予想の修正が必要になる可能性を会社自身が記載しており、受注額と各年度の利益貢献を同一視できない。
急速な受注増には、生産スペース、設計者、組立人員、品質保証、長納期部材、外注先の確保が必要になる。生産能力の増強が遅れれば納期が延び、短期間で増員・外注を進めれば原価上昇や品質管理負担が利益率を圧迫する。
IJPソリューション事業は2025年6月期に222百万円の損失、2026年6月期第3四半期累計に567百万円の損失となった。LCD事業も同第3四半期に200百万円の損失であり、半導体関連事業が全社費用と周辺事業の赤字を吸収する構造になっている。
新用途は量産採用までの不確実性が高い。マイクロディスプレイ、シリコンフォトニクス、ナノインプリントは、顧客評価、材料選定、歩留まり、信頼性、量産コストを満たすまで売上規模が限定される可能性がある。研究開発と評価機の費用が先行すれば、IJPの損失が長期化する。
キャッシュ・フローも案件進行に左右される。営業CFは2023年6月期にマイナス692百万円、2024年6月期にマイナス1,131百万円となり、2025年6月期は1,526百万円へ回復した。投資CFは2025年6月期にマイナス2,482百万円で、成長投資と運転資金を同時に管理する必要がある。
競争面では、芝浦メカトロニクスが幅広いボンダ・洗浄・アッシング製品と企業規模を持ち、タツモは貼合・剥離・洗浄・塗布・搬送で直接競合する。競合が価格、納期、保守拠点、ライン一括提案を強化すると、受注単価と利益率が圧迫される。
2026年7月10日終値6,790円に対し、最新発行済株式数で再計算した2026年6月期予想EPSは163.30円、予想PERは約41.58倍。第3四半期純資産ベースのPBRは約9.44倍で、将来成長を高く織り込む評価となる。受注の売上化、利益率、次期予想が市場期待を下回る場合、業績が増益でも評価倍率が低下するリスクがある。
投資判断では、受注残の増加だけでなく、半導体関連のセグメント利益率、IJP・LCDの損益、生産能力、棚卸資産、売上債権、前受金、営業CFを同時に確認する必要がある。
出典
- AIメカテック 公式サイト
- AIメカテック 会社概要
- AIメカテック 製品情報
- AIメカテック IJPソリューション事業
- AIメカテック 半導体パッケージ事業
- AIメカテック 半導体プロセス装置事業
- AIメカテック LCD事業
- AIメカテック LCSセンタ
- AIメカテック IR情報
- AIメカテック 決算短信
- AIメカテック 決算説明資料
- AIメカテック 適時開示情報
- 芝浦メカトロニクス 投資家情報
- 芝浦メカトロニクス 半導体製造装置
- タツモ IR情報
- タツモ 製品情報
- ブイ・テクノロジー IR情報
- ブイ・テクノロジー 製品・事業
本ページは公開情報に基づく銘柄分析であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。業績予想、受注計画、株価指標は作成時点の情報をもとにしており、将来の業績や株価を保証するものではありません。投資判断は各自の責任で行ってください。

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