3891 ニッポン高度紙工業

高度紙(3891)|セパレータ・蓄電池

ニッポン高度紙工業 3891 東証S

NIPPON KODOSHI CORPORATION|アルミ電解コンデンサ用セパレータを中核に、リチウムイオン二次電池用セパレータ、電気二重層キャパシタ用セパレータ、次世代電池向け機能紙を展開する機能性紙メーカー。

※2026年7月31日時点の情報

事業内容

2026年7月31日の時価総額は約720億円。同日15時台に確認できる株価6,730円、2026年3月期末の発行済株式総数10,698,482株を基準に算出した。

ニッポン高度紙工業は1941年8月18日設立。本社・本社工場は高知県高知市春野町弘岡上648番地、代表取締役社長は近森俊二氏、決算期は3月。上場市場は東京証券取引所スタンダード市場で、2026年3月31日現在の連結従業員数は462名

2026年3月期は売上高18,624百万円、営業利益3,533百万円、経常利益3,707百万円、親会社株主に帰属する当期純利益2,642百万円。2027年3月期会社予想は売上高21,000百万円、営業利益4,400百万円、経常利益4,400百万円、親会社株主に帰属する当期純利益3,200百万円

セパレータ事業|単一セグメント

セグメント業績推移サマリ:同社グループは「セパレータ事業」の単一セグメントとして開示している。売上高は2024年3月期に14,828百万円まで低下した後、2025年3月期に16,033百万円、2026年3月期に18,624百万円へ回復した。営業利益は2024年3月期の1,719百万円から2026年3月期は3,533百万円へ増加し、営業利益率は19.0%まで戻った。

ニッポン高度紙工業の報告セグメントは製品別ではなく、セパレータ事業の単一セグメントである。そのため、製品別の売上高は開示される一方、製品別の利益は開示されていない。

同社の収益は、アルミ電解コンデンサ用セパレータと機能材の2本柱で構成される。2026年3月期のアルミ電解コンデンサ用セパレータ売上高は14,024百万円、機能材売上高は4,600百万円で、合計が連結売上高18,624百万円となる。

2022年3月期から2023年3月期は高採算を維持したが、2024年3月期は半導体・電子部品の在庫調整、産業機器・民生機器向け需要の軟化、原材料価格高止まりにより利益が大きく落ち込んだ。

2025年3月期からは売上高の増加と稼働率改善が利益を押し上げ、2026年3月期は生成AI普及にともなうAIサーバー関連需要や電力安定化用途の需要増加が業績を押し上げた。

事業の確認点は、コンデンサ用セパレータのシェア維持、AIサーバー・データセンター向け電源需要の持続性、機能材の成長、米子工場増設ラインの稼働率、原材料・エネルギー価格の転嫁状況である。

アルミ電解コンデンサ用セパレータ

製品別売上推移:売上高は2022年3月期14,210百万円、2023年3月期13,449百万円、2024年3月期11,525百万円、2025年3月期12,249百万円、2026年3月期14,024百万円で推移した。

アルミ電解コンデンサ用セパレータは、同社の中核製品である。コンデンサ内部で電解液を保持し、陽極と陰極の短絡を防止する紙系材料であり、電源、インバータ、産業機器、自動車、通信機器、民生機器に使われる。

この製品の競争力は、電解液の保持性、緻密性、厚み均一性、不純物管理、耐電圧、顧客別仕様への対応力にある。コンデンサメーカーは、容量、ESR、耐久性、リップル電流、温度特性、寿命に応じてセパレータ仕様を決めるため、材料メーカー側には多品種少量対応と長期供給能力が求められる。

2024年3月期は産業機器・民生機器向けの軟調さで売上高が低下した。2025年3月期は産業機器および車載向けの需要回復が見え始め、2026年3月期は生成AI普及にともなうAIサーバー関連等の需要が好調に推移した。

AIサーバー、データセンター、通信設備、産業用電源は、電源回路とバックアップ用途で高信頼性コンデンサを必要とする。これらの設備投資が継続する局面では、同社の主力セパレータ需要も連動しやすい。

一方で、コンデンサ用材料は顧客の在庫調整の影響を受ける。短期では受注・出荷・稼働率の変動が利益率を大きく動かすため、売上高だけでなく営業利益率の戻りを同時に確認する必要がある。

機能材|LIB・EDLC・アルカリ電池用セパレータ

製品別売上推移:売上高は2022年3月期3,863百万円、2023年3月期4,137百万円、2024年3月期3,302百万円、2025年3月期3,784百万円、2026年3月期4,600百万円で推移した。

機能材は、リチウムイオン二次電池用、電気二重層キャパシタ用、アルカリ電池用セパレータなどで構成される。2026年3月期は電気二重層キャパシタ用セパレータが電力安定化用途等で増加し、機能材売上高は前期比21.6%増となった。

リチウムイオン二次電池用セパレータ「Cellulion」は、セルロースを基盤とする製品である。一般的なフィルム系セパレータに対し、電解液濡れ性、低抵抗、耐熱性を差別化軸とする。

LIB用セパレータでは、旭化成のハイポアや東レのセティーラなど、ポリオレフィン系・高分子フィルム系の大手材料メーカーが競合となる。ニッポン高度紙工業はセルロース系の独自性と抄紙技術を武器に、特殊用途や産業用途で採用拡大を狙う構図となる。

EDLC用セパレータは、急速充放電、長寿命、電力安定化、再生可能エネルギー、車載、産業機器、バックアップ電源と関係する。高出力・高信頼性用途では、電解液含浸性、イオン透過性、短絡防止、耐熱性が採用の軸になる。

中期事業計画では、2027年3月期目標として機能材売上高50億円が示されている。2026年3月期の機能材売上高は46億円であり、目標に近い水準まで拡大した。

次世代電池向け機能紙・新事業開発

新事業開発では、超微細セルロース紙、超微細セルロースマイクロファイバー、超微細セルローススラリーなど、セパレータ製造で培った技術を活かす領域が示されている。

次世代電池向け機能紙は、既存の絶縁紙に機能性を付与し、蓄電デバイスや新しい電子材料への用途展開を狙う開発領域である。

同社の強みは、紙とエレクトロニクスを融合した材料設計、微細繊維の分散、厚み制御、含浸性、不純物管理、顧客別レシピ開発、多品種少量生産にある。

将来の成長には、既存のアルミ電解コンデンサ用セパレータだけではなく、電池・蓄電デバイス・プラスチック代替材料・電子材料への展開が必要になる。中期事業計画でも、セパレータ製造で培ったコア技術を電子材料やプラスチック代替材料へ活用する方針が掲げられている。

ただし、新事業開発は製品別の売上高や利益が詳細に開示されていない。投資判断では、研究開発テーマそのものより、機能材売上高の増加、顧客採用、量産開始、収益貢献の開示を確認する段階である。

1.会社予想と実績

2022年3月期から2026年3月期は期首通期会社予想と実績を比較。2027年3月期は2026年7月31日の上方修正後最新予想を掲載しています。

売上高の会社予想と実績 売上高 期首会社予想と通期実績(連結) 会社予想 実績 0 6,000 12,000 18,000 24,000 16,800 18,074 2022/3 達成率 107.6% 19,000 17,586 2023/3 達成率 92.6% 18,000 14,828 2024/3 達成率 82.4% 16,000 16,033 2025/3 達成率 100.2% 16,600 18,624 2026/3 達成率 112.2% 24,000 2027/3 最新会社予想 2026/7/31上方修正 単位:百万円
達成率は実績÷期首会社予想。赤=達成・超過、青=未達、黄=最新予想。
営業利益の会社予想と実績 営業利益 期首会社予想と通期実績(連結) 会社予想 実績 0 1,500 3,000 4,500 6,000 3,000 4,066 2022/3 達成率 135.5% 3,800 3,327 2023/3 達成率 87.6% 3,100 1,719 2024/3 達成率 55.5% 2,700 2,460 2025/3 達成率 91.1% 2,600 3,533 2026/3 達成率 135.9% 6,000 2027/3 最新会社予想 2026/7/31上方修正 単位:百万円
達成率は実績÷期首会社予想。赤=達成・超過、青=未達、黄=最新予想。
経常利益の会社予想と実績 経常利益 期首会社予想と通期実績(連結) 会社予想 実績 0 1,500 3,000 4,500 6,000 3,000 4,232 2022/3 達成率 141.1% 3,800 3,532 2023/3 達成率 92.9% 3,100 2,021 2024/3 達成率 65.2% 2,700 2,445 2025/3 達成率 90.6% 2,600 3,707 2026/3 達成率 142.6% 6,000 2027/3 最新会社予想 2026/7/31上方修正 単位:百万円
達成率は実績÷期首会社予想。赤=達成・超過、青=未達、黄=最新予想。
親会社株主に帰属する当期純利益の会社予想と実績 親会社株主に帰属する当期純利益 期首会社予想と通期実績(連結) 会社予想 実績 0 1,250 2,500 3,750 5,000 2,100 2,918 2022/3 達成率 139.0% 2,600 2,468 2023/3 達成率 94.9% 2,200 1,479 2024/3 達成率 67.2% 1,900 1,781 2025/3 達成率 93.7% 1,850 2,642 2026/3 達成率 142.8% 4,200 2027/3 最新会社予想 2026/7/31上方修正 単位:百万円
達成率は実績÷期首会社予想。赤=達成・超過、青=未達、黄=最新予想。
EPS(1株当たり当期純利益)の会社予想と実績 EPS(1株当たり当期純利益) 期首会社予想と通期実績(連結) 会社予想 実績 0 100 200 300 400 195.23 271.26 2022/3 達成率 138.9% 241.60 229.20 2023/3 達成率 94.9% 204.24 138.96 2024/3 達成率 68.0% 178.70 167.55 2025/3 達成率 93.8% 175.61 250.67 2026/3 達成率 142.7% 398.23 2027/3 最新会社予想 2026/7/31上方修正 単位:円
達成率は実績÷期首会社予想。赤=達成・超過、青=未達、黄=最新予想。
指標2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期2026年3月期2027年3月期
予想実績達成率予想実績達成率予想実績達成率予想実績達成率予想実績達成率予想実績達成率
売上高
(百万円)
16,80018,074107.6%19,00017,58692.6%18,00014,82882.4%16,00016,033100.2%16,60018,624112.2%24,000最新予想
営業利益
(百万円)
3,0004,066135.5%3,8003,32787.6%3,1001,71955.5%2,7002,46091.1%2,6003,533135.9%6,000最新予想
経常利益
(百万円)
3,0004,232141.1%3,8003,53292.9%3,1002,02165.2%2,7002,44590.6%2,6003,707142.6%6,000最新予想
親会社株主帰属純利益
(百万円)
2,1002,918139.0%2,6002,46894.9%2,2001,47967.2%1,9001,78193.7%1,8502,642142.8%4,200最新予想
EPS(1株当たり当期純利益)
(円)
195.23271.26138.9%241.60229.2094.9%204.24138.9668.0%178.70167.5593.8%175.61250.67142.7%398.23最新予想

達成率=実績÷会社予想×100。2022年3月期は2021年4月23日公表の期首予想、2023~2026年3月期は各前年の期末決算短信で公表された期首予想を使用。予想はすべて単一値で、レンジ予想はありません。

2027年3月期:期首予想の売上高21,000百万円、営業利益4,400百万円、経常利益4,400百万円、純利益3,200百万円、EPS303.41円から上方修正されています。
2.達成・未達理由
2022年3月期全5指標を達成
売上 107.6%営業利益 135.5%経常利益 141.1%純利益 139.0%EPS 138.9%

車載・産業機器・通信設備向けの需要が強く、リチウムイオン電池用も伸長。増産による稼働率上昇と生産効率改善が原材料・エネルギー高を吸収し、利益は期首予想を大幅に超過しました。

2023年3月期全5指標が未達
売上 92.6%営業利益 87.6%経常利益 92.9%純利益 94.9%EPS 94.9%

産業機器・車載向けは高水準を保った一方、民生機器向けの需要減少と期末にかけた在庫調整が重荷。値上げとコスト低減でも原材料・エネルギー高を補い切れず、全指標が未達となりました。

2024年3月期全5指標が未達
売上 82.4%営業利益 55.5%経常利益 65.2%純利益 67.2%EPS 68.0%

電子部品市場の在庫調整が長期化し、産業機器・民生機器向けとリチウムイオン電池用が低迷。稼働率低下と原材料価格の高止まりが重なり、利益の未達幅が拡大しました。

2025年3月期売上のみ達成、利益4指標は未達
売上 100.2%営業利益 91.1%経常利益 90.6%純利益 93.7%EPS 93.8%

アルミ電解コンデンサ用と機能材の販売回復で売上は小幅に達成。ただし需要回復の速度は緩く、原材料高と為替差損が利益を圧迫しました。減価償却方法変更による利益押上げがあっても期首利益予想には届きませんでした。

2026年3月期全5指標を達成
売上 112.2%営業利益 135.9%経常利益 142.6%純利益 142.8%EPS 142.7%

AIサーバー関連と電力安定化用途が想定以上に伸び、増収による稼働率改善が原材料高と新設備の減価償却増を吸収。為替差益や補償金収入も加わり、利益は期首予想を4割前後上回りました。

2027年3月期最新会社予想・第1四半期で上方修正
売上 24,000営業利益 6,000経常利益 6,000純利益 4,200EPS 398.23円

第1四半期はAIサーバー関連と電力安定化用途が拡大し、売上高60.53億円、営業利益17.77億円。会社は通期予想を期首の売上210億円・営業利益44億円から、売上240億円・営業利益60億円へ上方修正しました。

3.事業セグメントの自信度

報告セグメントは「セパレータ事業」の単一セグメントです。開示される二つの製品区分に分けて、自信度の推移を整理しています。

アルミ電解コンデンサ用セパレータ

自信度推移:強気 → 中立 → 弱気 → 中立 → 強気 → 非常に強気
2022年3月期強気
アルミ電解コンデンサ用セパレータは、年間を通じて車載向けや産業機器向けが好調を維持し、通信設備関連の需要も堅調に推移した

主要用途がそろって強く、増産効果も顕在化。

2023年3月期中立
産業機器および車載向けでは年間を通じて高い水準の需要が継続しましたが、巣ごもり需要一巡等の影響により民生機器向け需要が減少

主力用途は堅調だが、民生向けの調整が始まる。

2024年3月期弱気
車載向けは安定して推移したものの、産業機器および民生機器向け等が軟調に推移

需要調整が複数用途へ広がり、自信度が低下。

2025年3月期中立
産業機器および車載向け等では需要回復は鈍いものの立ち上がりが見え始め

底打ち感はあるが、本格回復には至らない。

2026年3月期強気
年間を通じて生成AI普及にともなうAIサーバー関連等の需要が好調に推移

AIサーバー関連が新たな成長軸として定着。

2027年3月期非常に強気
アルミ電解コンデンサ用セパレータは、AIサーバー関連等の需要が好調に推移した

第1四半期の実績を受けて通期予想を上方修正。

最新判断非常に強気

AIサーバー関連の需要が第1四半期も強く、増設設備の稼働とともに売上拡大の確度が上昇しています。

機能材

自信度推移:中立 → 強気 → 弱気 → 強気 → 強気 → 非常に強気
2022年3月期中立
機能材は、リチウムイオン電池用セパレータが好調に推移したものの、海外における風力発電向けの電気二重層キャパシタ用セパレータが減少した

用途間で強弱が分かれ、全体判断は中立。

2023年3月期強気
機能材は、省エネや環境需要の増加を受けた海外向けの電気二重層キャパシタ用セパレータが増加

環境用途が成長を牽引。

2024年3月期弱気
市場全体の回復が総じて鈍く、リチウムイオン電池用セパレータ等が減少

需要調整が長引き、成長期待が後退。

2025年3月期強気
電気二重層キャパシタ用セパレータおよびリチウムイオン電池用セパレータが増加

主要製品がそろって回復。

2026年3月期強気
電気二重層キャパシタ用セパレータが、電力安定化用途等での需要が増加

電力インフラ用途の需要が拡大。

2027年3月期非常に強気
主に電気二重層キャパシタ用セパレータが、生成AI普及にともなう電力需要の増加による電力安定化用途等で好調に推移した

生成AIの電力需要が機能材の増収を加速。

最新判断非常に強気

生成AIに伴う電力安定化用途が急伸。電気二重層キャパシタ用を中心に、会社の成長期待が最も強い領域です。

4.最新予想信頼度
判定:2027年3月期の達成可能性は「やや高い」。AI関連需要の継続と高稼働の維持が条件。

最新予想は第1四半期実績を受けた上方修正です。営業利益率25.0%を計画する一方、第1四半期の営業利益率は29.4%で、上方修正後の利益計画に対しても約30%まで進捗しています。

売上高予想24,000百万円 / 前期比+28.9%
営業利益予想6,000百万円 / 同+69.8%
経常利益予想6,000百万円 / 同+61.8%
親会社帰属純利益4,200百万円 / 同+58.9%
EPS予想398.23
売上高・Q1単純進捗25.2%
営業利益・Q1単純進捗29.6%
経常利益・Q1単純進捗30.4%
純利益・Q1単純進捗30.2%
EPS・Q1単純進捗30.2%

単純進捗率=第1四半期実績÷上方修正後の最新通期予想。季節性は調整していません。

達成できると判断する理由

  • 第1四半期は売上高が前年同期比30.3%増、営業利益が107.6%増となり、上方修正の根拠となる需要増を実績で確認できています。
  • 上方修正後の通期営業利益率25.0%に対し、第1四半期は29.4%。残り期間に必要な利益率は第1四半期を下回ります。
  • 米子工場の増設設備と物流・自動化投資が稼働し、高付加価値品の需要増に対応できる生産基盤があります。
  • 2026年3月期は期首予想を全5指標で大幅に上回り、AIサーバー関連と電力安定化用途の伸びが翌期にも継続しています。

達成できないと判断する理由

  • 上方修正後の営業利益は前期比69.8%増、利益率は19.0%から25.0%へ上昇する計画で、要求水準は高いままです。
  • 成長の中心がAIサーバーと電力安定化用途に集中しており、設備投資サイクルや顧客在庫調整が反転すると下振れしやすい構造です。
  • 原材料・エネルギー価格、部材供給、物流費、地政学リスクは、増収効果を相殺する可能性があります。
  • 2023~2025年3月期は需要調整とコスト高で利益予想を連続して下回っており、市況変化への感応度は高めです。

収益計上時期を見る際の注意点

会社資料に明確な期末偏重の説明はなく、前期の売上高・営業利益は四半期ごとに概ね均等でした。第1四半期の単純進捗率は参考になりますが、需要・稼働率・製品構成による変動は残ります。

最終判断

条件付きで達成可能性はやや高いと判断します。第2四半期累計予想を満たすには、第2四半期単独で売上高6,247百万円、営業利益1,423百万円が必要です。第1四半期より低い利益率でも到達できるため、AI関連需要が失速せず、高稼働を維持できれば最新予想は射程内です。

直近5年業績サマリー

業績項目 2022年3月期
実績
2023年3月期
実績
2024年3月期
実績
2025年3月期
実績
2026年3月期
実績
2027年3月期
会社予想
売上高
百万円
18,07417,586-488
-2.7%
14,828-2,758
-15.7%
16,033+1,205
+8.1%
18,624+2,591
+16.2%
21,000+2,376
+12.8%
営業損益
百万円
4,0663,327-739
-18.2%
1,719-1,608
-48.3%
2,460+741
+43.1%
3,533+1,073
+43.6%
4,400+867
+24.5%
経常損益
百万円
4,2323,532-700
-16.5%
2,021-1,511
-42.8%
2,445+424
+21.0%
3,707+1,262
+51.6%
4,400+693
+18.7%
当期純利益
親会社株主帰属・百万円
2,9182,468-450
-15.4%
1,479-989
-40.1%
1,781+302
+20.4%
2,642+861
+48.3%
3,200+558
+21.1%
EPS
276.7234.0-42.7
-15.4%
140.2-93.8
-40.1%
168.9+28.7
+20.5%
250.5+81.6
+48.3%
303.4+52.9
+21.1%
PER
8.08.413.210.313.722.2
PBR
1.210.960.870.771.38
BPS
1832.92045.4+212.5
+11.6%
2120.8+75.4
+3.7%
2266.4+145.6
+6.9%
2484.8+218.4
+9.6%
純資産
百万円
19,33121,572+2,241
+11.6%
22,367+795
+3.7%
23,903+1,536
+6.9%
26,206+2,303
+9.6%
営業CF
百万円
2,907685-2,222
-76.4%
1,910+1,225
+178.8%
3,801+1,891
+99.0%
5,240+1,439
+37.9%
投資CF
百万円
-1,837-3,599-1,762
-95.9%
-3,412+187
+5.2%
-3,401+11
+0.3%
-1,397+2,004
+58.9%
財務CF
百万円
-1,2552,575+3,830
+305.2%
1,498-1,077
-41.8%
-637-2,135
-142.5%
-3,287-2,650
-416.0%
現金及び現金同等物
百万円
4,4354,224-211
-4.8%
4,306+82
+1.9%
4,126-180
-4.2%
4,741+615
+14.9%

単位:売上高・損益・純資産・キャッシュフローは百万円、EPS・BPSは円、PER・PBRは倍。EPS・PER・PBR・BPSは2026年3月期末の自己株式控除後株式数10,546,664株で再計算。過去5期のPER・PBRはユーザー提供の各期末最終取引日終値、2027年3月期会社予想PERは2026年7月31日15時台に確認できる株価6,730円を使用。

株価推移、出来高、移動平均、コンデンサ・蓄電デバイス材料関連銘柄としての相対感を確認する。

中期経営計画

3カ年中期事業計画(2025年3月期から2027年3月期)|飛躍への助走と事業構造の転換

中期事業計画では、長期ビジョンとして「高機能セパレータ、高機能素材の安定供給を通じて、持続可能な社会の実現に貢献する」方針が掲げられている。

基本方針は「飛躍への助走&事業構造の転換」。基本戦略は、新事業創出による事業ポートフォリオの転換、成長分野における重点的取り組みと新製品開発の強化、ESG経営基盤の強化、DXの推進、人的資本への投資で構成される。

2027年3月期目標売上高200億円
2027年3月期目標機能材売上高50億円
2027年3月期目標営業利益36億円
2027年3月期目標ROE10%以上
2027年3月期会社予想売上高210億円
2027年3月期会社予想営業利益44億円

米子工場における建屋・抄紙ラインの増設、裁断加工ラインの新設により、生産能力増強と安定供給体制確立を進める方針が示されている。顧客の成長市場として車載、通信、環境が挙げられており、AIサーバー、電源、電力安定化、蓄電デバイス関連の需要と接続する。

2026年3月期実績は売上高186.24億円、営業利益35.33億円で、2027年3月期会社予想は売上高210億円、営業利益44億円。会社予想は中期事業計画の売上高200億円、営業利益36億円を上回る水準である。

中期事業計画へ

競合他社

① 旭化成(3407)

株価1,715.5円
時価総額約2.34兆円
2026年3月期売上高3兆745億円

旭化成は、マテリアル、住宅、ヘルスケアを展開する総合化学メーカーである。ニッポン高度紙工業との競合領域は、リチウムイオン電池用セパレータ「ハイポア」を中心とする電池材料である。

2026年3月期は売上高3兆745億円、営業利益2,312億円、経常利益2,304億円、親会社株主帰属当期純利益1,588億円。マテリアルセグメントの規模、ポリマー・膜・コーティング技術、グローバル供給力が強みとなる。

アルミ電解コンデンサ用セパレータでは直接競合度は限定的だが、Cellulionや次世代電池向け機能紙では、ポリオレフィン製微多孔膜とセルロース系機能紙が比較される。電池安全性、薄膜化、耐熱性、イオン透過性、量産安定性が競争軸である。

② 東レ(3402)

株価1,160.0円
時価総額約1.75兆円
2026年3月期売上収益2兆5,850.77億円

東レは、繊維、機能化成品、炭素繊維複合材料、環境・エンジニアリング、ライフサイエンスを展開する総合素材メーカーである。

競合領域は、リチウムイオン電池向けバッテリーセパレータフィルム「セティーラ」を中心とする電池用セパレータである。2026年3月期は売上収益2兆5,850.77億円、事業利益1,419.13億円、営業利益972.21億円、親会社所有者帰属当期利益795.21億円。

ニッポン高度紙工業が紙系・セルロース系材料で電解液濡れ性、低抵抗、耐熱性を訴求するのに対し、東レは高分子フィルム、均一な孔構造、強度、シャットダウン機能、フィルム加工技術を競争力とする。LIB用途では代表的な代替比較対象である。

③ 三菱製紙(3864)

株価1,100円台前半
時価総額約510億円
2026年3月期売上高1,574.55億円

三菱製紙は、紙・パルプ、機能商品、湿式不織布、電子工業材料、水処理膜支持体、蓄電デバイス用セパレータなどを展開する製紙・機能材料メーカーである。

2026年3月期は売上高1,574.55億円、営業利益2.64億円、経常利益17.20億円、親会社株主帰属当期純利益19.00億円。2027年3月期は売上高1,750億円、営業利益60億円を見込む。

選定3社の中では最も直接性が高い競合である。湿式不織布セパレータ、EDLC用セパレータ、固体電解コンデンサ用耐熱セパレータ、高性能電解コンデンサ用セパレータで技術と用途が重なる。薄さと強度、含浸性、イオン透過性、短絡防止、耐熱性、不純物管理、顧客別カスタム対応が競争軸となる。

出典

本ページは公開情報に基づく情報提供であり、特定の有価証券の売買を推奨または勧誘するものではありません。業績予想、株価、時価総額、投資指標、製品構成、競争環境は変動する可能性があります。投資判断は最新の開示資料を確認したうえで、自身の責任で行ってください。

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