446A ノースサンド

ノースサンド 446A 東証G

Northsand, Inc.|IT戦略、DX、基幹システム刷新、業務改革、PMOなどを支援する総合コンサルティング会社。人間力を重視した採用・組織運営とNotion導入支援を特徴とする。
※2026年7月15日時点の情報

事業内容

2026年7月15日の時価総額は約996.4億円。株価終値は1,444円、発行済株式総数は69,000,000株。

ノースサンドは2015年7月10日設立、本社は東京都中央区銀座4丁目12番15号の歌舞伎座タワー7階。代表者は代表取締役社長CEOの前田知紘氏、決算期は1月、上場市場は東京証券取引所グロース市場。大阪と福岡にも拠点を置き、2026年4月末時点の従業員数は2,147名。ITコンサルティングとビジネスコンサルティングを主力とする。

2027年1月期第1四半期は、売上高8,856百万円、営業利益1,809百万円、経常利益1,815百万円、四半期純利益1,337百万円。新規コンサルタントの採用と90%を超える高稼働率を背景に、営業利益率は20.4%となった。通期会社予想は売上高38,493百万円、営業利益8,630百万円、経常利益8,647百万円、当期純利益6,405百万円で、期初予想を据え置いている。

コンサルティング事業(単一セグメント)

売上高は2022年1月期の2,407百万円から2026年1月期の26,185百万円へ拡大。経常利益は376百万円から5,479百万円へ増加した。経常利益率は2023年1月期に6.9%まで低下した後、2026年1月期は20.9%まで上昇している。会社はITコンサルティングとビジネスコンサルティングを個別に区分せず、コンサルティング事業の単一セグメントとして開示している。
コンサルティング事業 業績推移(単位:百万円)
0 8,750 17,500 26,250 35,000 2,407 経常 376 2022年1月期 利益率 15.6% 4,447 経常 309 2023年1月期 利益率 6.9% 9,147 経常 1,108 2024年1月期 利益率 12.1% 16,417 経常 2,798 2025年1月期 利益率 17.0% 26,185 5,479 2026年1月期 利益率 20.9% 売上高 経常利益
黄色は売上高、赤色は経常利益。利益率は経常利益を売上高で除して算出。会社は単一セグメントであり、ITコンサルティングとビジネスコンサルティングの個別売上高・利益を開示していないため、全社業績を掲載している。積み上げ表示は視認性を目的とし、棒全体の高さは会計上の売上高を示すものではない。
ノースサンドの収益構造は、基本的にコンサルタント数、稼働率、平均単価によって決まる。コンサルタントの採用人数を増やし、採用した人材を案件へ配置し、高い稼働率を維持することで売上高が拡大する。

会社はコンサルタントと営業担当者を分業させている。コンサルタントが顧客支援に集中する一方、営業組織が既存顧客の深耕、新規案件の開拓、人材と案件のマッチングを担う。

事業規模の拡大に合わせて、コンサルティング事業部を複数のユニットに分け、新規提案、プロジェクト支援、大規模顧客の開発を行う人員を配置している。

顧客の課題を短期間で処理するスポット型だけでなく、継続的なプロジェクト支援を獲得できるかが重要となる。案件継続によって営業コストと待機期間を抑え、稼働率を維持しやすくなる。

2025年1月期はコンサルタント数が前期比51.5%増加し、稼働率は90%以上を維持した。平均単価も上昇し、売上高は前期比79.5%増、営業利益は同153.7%増となった。

2026年1月期も新規コンサルタントの採用と高稼働率が続き、売上高は前期比59.5%増、営業利益は同100.0%増となった。増員による売上成長だけでなく、固定費率の低下によって営業利益率は21.2%まで上昇した。

人月型モデルでは採用を先行させすぎると、案件への配属が遅れた場合に待機人件費が増加する。一方、案件を先に獲得しても採用が追い付かなければ、受注機会を逃す可能性がある。

投資判断では、コンサルタント数の純増、稼働率、平均単価、退職率、採用費、売上原価率、販管費率を連続して確認する必要がある。

ITコンサルティング・DX・PMO

ITコンサルティング単独の売上高と利益は非開示。全社では2027年1月期第1四半期の売上高が8,856百万円、営業利益が1,809百万円となった。企業のデジタル化、生成AIを含む先端技術の活用、基幹システム刷新、業務効率化に対する需要が案件獲得の基盤となる。
ITコンサルティングでは、顧客の事業部門や情報システム部門に対し、IT中期計画の策定からシステム導入後の運用改善までを支援する。

上流工程では、経営戦略とIT投資を接続し、システム刷新の優先順位、予算、ロードマップ、システム構成、導入方式を検討する。

アーキテクチャ設計では、既存システム、クラウド、データ基盤、業務アプリケーション、外部サービスの関係を把握し、将来の事業変化へ対応できる構成を設計する。

基幹システム刷新では、会計、販売、顧客管理、生産、物流などの業務要件を整理し、複数部門とベンダーを横断してプロジェクトを推進する。

PMOでは、計画策定、進捗管理、課題管理、品質管理、予算管理、変更管理、会議運営、経営層への報告を担う。

複数の開発会社やクラウド事業者が関与する案件では、顧客側の立場からベンダーを管理し、部門間の利害調整と意思決定を支援する。

IT運用改善では、障害情報、運用手順、問い合わせ履歴、IT資産、保守期限を可視化し、コスト削減とサービス品質向上の両立を図る。

データ活用案件では、顧客行動や業務データの分析、可視化ツールの構築、マーケティング施策、顧客体験向上の支援を行う。

生成AIを含む先端技術の導入では、技術の選定だけでなく、対象業務、データ管理、情報セキュリティ、利用ルール、現場定着までを含めた変革支援が求められる。

ノースサンドはシステム製品の販売を主軸とする企業ではなく、顧客側でプロジェクトを推進する人材サービスの比重が高い。案件の大型化と上流工程比率の上昇が、平均単価と利益率を高める重要な要因となる。

ビジネスコンサルティング・業務改革

ビジネスコンサルティング単独の業績は非開示。IT分野と個別に区分せず、顧客の経営・業務課題からシステム導入、プロジェクト実行までを単一のコンサルティング事業として受注する。
ビジネスコンサルティングでは、経営課題の整理、事業戦略、業務改革、新規事業、組織改革などを支援する。

顧客の経営計画を実行可能な施策へ分解し、責任者、期限、予算、KPI、意思決定手順を設定する。

業務改革では、現行業務を可視化し、重複作業、属人化、手作業、部門間の分断、承認の停滞などを特定する。

課題を抽出した後は、新しい業務プロセスを設計し、マニュアル、組織、権限、システム、評価指標を同時に変更する。

戦略を提案して終了するのではなく、顧客の現場へ入り、実行状況を追跡するハンズオン型の支援を重視している。

プロジェクトに抵抗する部門や、優先順位が異なる関係者の調整では、論理だけでなく信頼関係とコミュニケーションが必要となる。

会社は「愛嬌・素直さ・しつこさ」を人間力の要素として掲げ、顧客の感情面に寄り添うことを差別化方針としている。

コンサルタントを専門領域ごとに厳格に固定するのではなく、幅広い業界と課題へ配置できる体制は、人員と案件のマッチングを柔軟にする。

一方、専門性の高い戦略、サイバーセキュリティ、AI、業界規制などの案件では、知識の蓄積と専門人材の育成が必要となる。

今後の収益性は、PMOや実行支援を安定的に拡大しながら、経営戦略や業務構想などの上流・高単価案件を増やせるかに左右される。

Notion導入・活用支援

Notion関連サービスの売上高と利益は個別開示されていない。2022年1月にNotionの販売代理業務と企業向け導入コンサルティングを開始し、ライセンス販売、導入設計、社内稟議、セキュリティ確認、オンボーディング、継続支援を提供している。
Notionは、文書、データベース、タスク、社内Wiki、プロジェクト管理などを一つのワークスペースで扱うクラウドサービスである。

ノースサンドは世界初のNotion販売代理店として、企業向けライセンスの提供と導入コンサルティングを展開している。

導入前には、顧客企業の情報管理、文書作成、会議、タスク管理、ナレッジ共有の現状を確認し、Notionへ移行する対象を選定する。

社内稟議支援では、導入目的、費用対効果、対象部署、導入スケジュール、セキュリティ、運用責任者を明確にする。

セキュリティチェックシートの作成支援、日本円による請求書払い、無料トライアル、専任のカスタマーサクセスなど、企業の購買・管理手続きに対応したサービスを提供する。

導入設計では、ページ階層、データベース、権限、テンプレート、命名規則、アーカイブ手順を定め、情報が無秩序に増えることを防ぐ。

既存の表計算、チャット、文書管理、タスク管理からデータを移行する場合は、重複情報を除去し、利用者が検索しやすい構造へ変更する。

導入後は研修、問い合わせ対応、利用状況の確認、運用ルールの改善を継続し、契約しただけで利用が定着しない状態を防ぐ。

Notion AIを活用する場合は、文書作成、要約、検索、情報抽出などの効率化が期待される一方、機密情報、権限設定、回答精度を管理する必要がある。

ライセンス販売を起点として、業務改革、ナレッジ管理、AI活用、組織横断プロジェクトへ支援範囲を広げられれば、既存のコンサルティング事業との相互送客が可能となる。

ただし、Notion事業の売上規模と収益性は個別に開示されていないため、現時点では全社業績への寄与を定量評価できない。

直近5年業績サマリー

業績項目 2022年1月期 2023年1月期 2024年1月期 2025年1月期 2026年1月期 2027年1月期
会社予想
売上高
(百万円)
2,407 4,447 +2,040 / +84.8% 9,147 +4,700 / +105.7% 16,417 +7,270 / +79.5% 26,185 +9,768 / +59.5% 38,493 +12,308 / +47.0%
営業損益
(百万円)
1,093 2,774 +1,681 / +153.7% 5,547 +2,773 / +100.0% 8,630 +3,083 / +55.6%
経常損益
(百万円)
376 309 -67 / -17.8% 1,108 +799 / +258.6% 2,798 +1,690 / +152.6% 5,479 +2,681 / +95.8% 8,647 +3,168 / +57.8%
当期純利益
(百万円)
210 31 -179 / -85.2% 819 +788 / +2,541.9% 1,974 +1,155 / +140.8% 4,046 +2,072 / +105.0% 6,405 +2,359 / +58.3%
EPS
(円)
3.04 0.45 -2.59 / -85.2% 11.87 +11.42 / +2,537.8% 28.61 +16.74 / +141.0% 58.64 +30.03 / +105.0% 92.83 +34.19 / +58.3%
PER
(倍)
26.93 15.56 7月15日終値ベース
PBR
(倍)
6.62 5.60 第1四半期純資産ベース
BPS
(円)
6.19 3.46 -2.73 / -44.1% 15.35 +11.89 / +343.6% 43.96 +28.61 / +186.4% 238.48 +194.52 / +442.5% 257.87 第1四半期実績
純資産
(百万円)
427 239 -188 / -44.0% 1,059 +820 / +343.1% 3,033 +1,974 / +186.4% 16,455 +13,421 / +442.5% 17,793 第1四半期実績
営業CF
(百万円)
1,934 4,286 +2,352 / +121.6%
投資CF
(百万円)
-379 -1,871 -1,492 / -393.7%
財務CF
(百万円)
127 8,912 +8,785 / +6,917.3%
現金及び現金同等物
(百万円)
3,271 14,597 +11,326 / +346.3%

中期経営計画

中長期経営目標・ファンづくりサイクル

ノースサンドは、採用、組織運営、営業、コンサルティングを連動させる「ファンづくりサイクル」を成長戦略の中心に置いている。

顧客から支持されるコンサルタントを増やすことで継続案件と紹介案件を獲得し、業績と知名度を高める。会社の成長と組織文化に魅力を感じる応募者を増やし、採用した人材を再び顧客支援へ配置する循環を目指す。

中期目標の対象期間は2026年1月期から2028年1月期。売上高の年平均成長率30%から35%、2028年1月期の営業利益率20%から25%、コンサルタント数2,000名以上を目標とする。

稼働率は90%以上を維持し、平均単価を継続的に引き上げる方針。単価向上と高稼働率による売上総利益率の上昇に加え、売上高の拡大によってオフィス賃料や管理部門人件費などの固定費率を低下させる。

長期目標は売上高600億円、営業利益率30%、コンサルタント数3,000名以上。稼働率90%以上を維持しながら平均単価を継続的に改善する。

人材戦略では、コンサルティング経験だけでなく、企業理念と行動指針への適合、人間力、顧客への姿勢を重視する。研修、社内コミュニケーション、マネジメント層の育成を通じて、急速な増員下でも組織文化と案件品質を維持する必要がある。

営業戦略では、営業担当者とコンサルタントの分業を継続し、大規模顧客の開拓、既存顧客内の支援部門拡大、プロジェクト継続率の向上を目指す。

2027年1月期会社予想は売上高38,493百万円、営業利益8,630百万円、営業利益率22.4%。第1四半期終了時点の進捗率は、売上高23.0%、営業利益21.0%となっている。

中長期経営目標へ

競合他社

① ベイカレント(6532)
2026年7月15日の株価は6,383円、時価総額は約9,919.9億円。ノースサンドの約10倍の時価総額を持つ、国内最大級の上場総合コンサルティング会社である。

2027年2月期第1四半期は、売上高44,576百万円、EBITDA14,888百万円。前年同期比では売上高29.9%増、EBITDA19.5%増となり、EBITDAマージンは33.4%。コンサルタント数は5,676名で、前年同期比19.0%増加した。

通期会社予想は売上高190,000百万円、EBITDA66,500百万円。売上高の成長率ではノースサンドが上回る一方、利益率、絶対利益額、人員規模ではベイカレントが大幅に上回る。

戦略、事業改革、業務改革、DX、IT、AI、データ、クラウド、サイバーセキュリティ、PMOなど、ノースサンドが提供する主要領域のほぼ全てで競合する。

大企業の全社改革や基幹システム刷新では、複数の専門領域と大規模な人員を一括で提供できる点が強い。戦略策定から実行支援までを連続して受注できるため、案件期間と顧客単価を拡大しやすい。

採用市場でも、高スキルのコンサルタント、IT人材、プロジェクトマネージャーを巡って直接競合する。ベイカレントのブランド、報酬、案件規模は、ノースサンドの採用数と退職率へ影響する可能性がある。

ノースサンドは、成長速度、現場での柔軟な対応、人間関係を重視した組織文化、Notionなど個別SaaSの導入支援によって差別化する必要がある。
② シグマクシス・ホールディングス(6088)
2026年7月15日の株価は576円、時価総額は約495.4億円。時価総額はノースサンドを下回るが、上流工程と高付加価値案件に強いコンサルティンググループである。

2026年3月期の連結業績は、売上高23,831百万円、営業利益6,064百万円、経常利益6,351百万円、親会社株主に帰属する当期純利益3,971百万円。

前期比では売上高9.0%減、営業利益7.6%増、経常利益8.0%増、親会社帰属純利益10.0%減。外部協力会社への発注を抑制した影響で売上高が減少した一方、営業利益率は25.4%まで上昇した。

事業構想、新規事業、ビジネスモデル設計、企業間共創、業務改革、組織変革、デジタル・IT、クラウド、プログラムマネジメントを提供する。

ノースサンドとは、全社業務改革、DX構想、SaaS導入、データ活用、複数部門・複数ベンダーを横断する大規模プログラム管理で競合する。

シグマクシスは人員数の急拡大よりも、高付加価値案件への集中と利益率を重視する。ノースサンドが上流工程と平均単価の引き上げを進めるほど、競合する案件が増える。

ノースサンドにとって、売上成長だけでなく、コンサルタント1人当たり売上高、案件の付加価値、利益率を比較する上で重要な競合となる。
③ ライズ・コンサルティング・グループ(9168)
2026年7月15日の株価は416円、時価総額は約103.9億円。企業規模はノースサンドを下回るが、サービス内容と人材モデルが最も近い直接競合である。

2027年2月期第1四半期は、売上高2,116百万円、営業利益240百万円、税引前利益234百万円、四半期利益205百万円。前年同期比では売上高4.1%減、営業利益51.3%減となり、営業利益率は11.3%へ低下した。

コンサルタント数は284.6名、稼働率は86%、平均月額単価は250万円。通期会社予想は売上高10,000百万円、営業利益946百万円で、採用と人員構成の最適化に向けた投資局面にある。

戦略、事業改革、業務改革、DX、IT、AI、データ分析、システム導入、PMOを提供する。構想だけでなく実行と成果を重視するハンズオン型の支援を掲げる。

顧客と同じ目線で実行へ入り込む姿勢は、ノースサンドの現場密着型コンサルティングと近い。中堅・大企業の業務改革、システム導入、プロジェクト推進で直接競合する。

案件受注だけでなく、若手・中堅コンサルタントの採用市場でも競争が発生する。ライズの平均単価は、ノースサンドが単価向上を進める際の比較指標となる。

ノースサンドは規模と成長速度で上回る一方、高稼働率を維持しながら上流工程と専門性を高め、1人当たりの収益性でも優位性を示す必要がある。

強みと将来性

採用力、高稼働率、人間力を循環させる成長モデル
ノースサンドの最大の強みは、コンサルタントを短期間で増やしながら、90%を超える稼働率と高い売上成長を維持してきた点にある。

従業員数は2022年1月期の170名から2025年1月期に1,170名まで増加し、2026年4月末には2,147名となった。急速な採用拡大が売上高の成長へ直結している。

2025年1月期の採用活動では、応募者数17,857名、入社者数541名となった。幅広い人材層から企業理念への適合を確認し、継続的に人員を確保できる採用基盤を持つ。

採用する人材をコンサルティング経験者だけに限定せず、事業会社やIT企業で実務経験を持つ人材を受け入れている。顧客企業の現場を理解する人材を確保しやすく、採用可能な市場も広がる。

「愛嬌・素直さ・しつこさ」という人間力を重視し、顧客の感情面へ配慮する方針は、論理や資料だけでは差別化しにくいコンサルティング市場における独自性となる。

顧客との関係を深めることで案件継続と追加受注を獲得し、コンサルタントの待機期間を抑える。高稼働率が利益率を高め、会社の成長と認知度が新たな応募者を呼び込む「ファンづくりサイクル」を形成する。

営業担当者とコンサルタントを分業させているため、コンサルタントは案件へ集中し、営業組織は顧客開拓と人材配置へ集中できる。人員数が増えても案件供給を維持するための重要な仕組みとなる。

2026年1月期は売上高が前期比59.5%増加する一方、営業利益は100.0%増加した。営業利益率は16.9%から21.2%へ上昇しており、規模拡大による固定費負担の低下が確認できる。

上場時の株式発行によって、2026年1月期末の現金及び現金同等物は14,597百万円、純資産は16,455百万円、自己資本比率は75.3%となった。採用、研修、オフィス、システム、専門人材への投資余力が大きくなっている。

企業のDX、業務効率化、基幹システム刷新、生成AI活用に対する需要が続けば、IT戦略からPMO、運用改善まで幅広く人材を配置できる同社に受注機会が生まれる。

Notion導入支援は、ライセンス販売だけでなく、社内稟議、情報設計、セキュリティ、研修、運用改善を含む。既存顧客へ追加提案しやすく、コンサルティング案件の入口として機能する可能性がある。

中期目標であるコンサルタント2,000名以上は、2026年4月末の全従業員数が2,147名まで増加したことを踏まえると、人員規模の面では達成可能性を検討できる段階に入っている。今後は人数だけでなく、コンサルタント比率、稼働率、平均単価、上流案件比率が焦点となる。

長期目標の売上高600億円と営業利益率30%を達成するには、コンサルタント数の増加だけでなく、平均単価の上昇、専門領域の拡大、大型顧客内でのシェア拡大が必要となる。

2027年1月期会社予想は売上高38,493百万円、営業利益8,630百万円。計画どおりに進めば、上場後も高成長と営業利益率20%超を継続することになる。

弱みとリスク要因

人材依存、稼働率感応度、急拡大に伴う品質管理
ノースサンドの売上高は、コンサルタント数、稼働率、平均単価に大きく依存する。採用計画、案件獲得、配属時期のいずれかが崩れると、売上高と利益率が同時に悪化する可能性がある。

採用を先行させた後に案件の獲得が遅れれば、待機中の人件費が発生する。人件費は固定的に発生するため、稼働率の低下は営業利益へ大きく影響する。

反対に、案件需要が強くても採用が追い付かなければ、受注を断るか外部人材へ依存する必要がある。外部協力会社への発注が増えると、粗利益率が低下する可能性がある。

コンサルティング業界では、ベイカレントを含む大手企業や外資系企業との人材獲得競争が激しい。報酬、案件内容、昇進機会、働き方で競争力を維持できなければ、採用数の減少や退職率の上昇につながる。

短期間で大量採用を続ける場合、経験の浅い人材の比率が高まりやすい。研修、現場指導、品質確認を十分に行えなければ、顧客満足度、案件継続率、平均単価が低下する。

組織規模が急速に拡大すると、創業期から重視してきた人間力や行動指針が全社員へ浸透しにくくなる。組織文化が弱まれば、同社が掲げる差別化要素そのものが失われる可能性がある。

営業組織が獲得する案件数と採用人数の調整には時間差がある。大型案件の終了が重なった場合、多数のコンサルタントが一時的に待機する可能性がある。

顧客企業が景気悪化、業績悪化、投資方針の変更によってDXやシステム投資を延期した場合、プロジェクトの縮小や中止が発生する。

ITコンサルティングでは、顧客の機密情報、個人情報、システム構成、経営情報を扱う。情報漏えい、誤送信、不正アクセス、端末紛失が発生した場合、損害賠償、契約解除、信用低下につながる。

プロジェクトの遅延、品質不足、要件の認識相違によって顧客へ損害が発生した場合、追加対応費用や訴訟が発生する可能性がある。

代表取締役社長の前田知紘氏は創業者であり、経営、企業文化、採用ブランドにおいて重要な役割を担う。経営執行を継続できなくなった場合、事業と組織へ影響する可能性がある。

新株予約権が行使された場合、発行済株式総数が増加し、1株当たり利益と既存株主の議決権比率が希薄化する。

Notion関連サービスは特定の外部クラウドサービスに依存する。販売条件、価格、代理店方針、製品仕様、競争環境が変化した場合、収益性や顧客獲得へ影響する可能性がある。

2026年7月15日終値を基準とする予想PERは約15.56倍、第1四半期純資産を基準とするPBRは約5.60倍。高成長を前提とした株価評価であり、採用数、稼働率、単価、利益率のいずれかが計画を下回った場合、評価倍率が低下する可能性がある。

投資判断では、売上高成長率だけでなく、コンサルタント数、稼働率、平均単価、退職率、採用費、案件継続率、営業利益率、営業キャッシュ・フローを確認する必要がある。

出典

本ページは、企業が公表した決算短信、開示資料、公式サイト等を基に作成した情報提供を目的とするものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。業績予想や中長期目標は将来の達成を保証するものではなく、実際の業績は経済環境、競争状況、採用、稼働率、単価その他の要因によって変動する可能性があります。投資判断は最新の開示資料を確認した上で、自身の責任において行ってください。

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