イビデン 4062 東証P・名証P
IBIDEN CO., LTD.|ICパッケージ基板を中核とする電子事業、DPFや触媒担体保持材を扱うセラミック事業、建材・建設・情報サービス等のその他事業を展開する電子部品・セラミック部材メーカー。
※2026年7月31日時点の情報
事業内容
2026年7月31日の時価総額は約46,907億円。同日の終値は16,650円、2026年1月1日付株式分割後の発行済株式総数281,721,114株を基準に算出した。
イビデンは1912年11月25日創立。本社は岐阜県大垣市、代表取締役社長は河島浩二氏、決算期は3月。東証プライム市場および名証プレミア市場に上場し、連結従業員数は2026年3月末時点で11,105名。
2026年3月期は売上高416,201百万円、営業利益62,027百万円、経常利益60,822百万円、親会社株主に帰属する当期純利益63,713百万円。2027年3月期会社予想は売上高500,000百万円、営業利益90,000百万円、経常利益90,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益58,000百万円。
電子事業|ICパッケージ基板
電子事業|ICパッケージ基板 業績推移
外部顧客への売上高とセグメント利益。全年度を同一縮尺で表示。
凡例:黄色=売上高、赤=利益、青=損失。単位:百万円。
電子事業は、パッケージ基板の製造販売を担う中核セグメントである。
主力製品はICパッケージ基板で、パソコン、データセンター用サーバー、高性能半導体向けに使用される。
AIサーバー、HPC、サーバーCPU、GPU、AIアクセラレータでは、半導体チップの高性能化に伴い、基板の大型化、高多層化、微細化、低反り、信号品質、熱特性が重要になる。
2024年3月期は半導体・電子部品市況の調整局面を受けて売上高と利益が大きく低下したが、2026年3月期は高機能基板需要の回復を背景に増収増益へ転じた。
2027年3月期会社予想では電子部門売上高3,300億円、電子部門営業利益750億円が示されており、全社の増益計画は電子事業の回復を前提にしている。
投資判断では、生成AI・データセンター投資の持続性、主要顧客の採用動向、増設ラインの歩留まり、量産認定、製品ミックス、価格条件を同時に確認する必要がある。
競合はSamsung Electro-Mechanics、Unimicron、AT&Sなどで、FC-BGAや高性能ICパッケージ基板の供給能力・技術難度・顧客認定をめぐる競争となる。
セラミック事業|DPF・触媒担体保持材
セラミック事業|DPF・触媒担体保持材 業績推移
外部顧客への売上高とセグメント利益。全年度を同一縮尺で表示。
凡例:黄色=売上高、赤=利益、青=損失。単位:百万円。
セラミック事業は、環境関連セラミック製品、特殊炭素製品、ファインセラミックス製品、セラミックファイバーを扱う報告セグメントである。
公式製品ページでは、DPF、触媒担体保持・シール材、高温断熱ウール、グラファイトなどが示されている。
自動車向け排ガス浄化部材は、内燃機関車の生産、排ガス規制、地域別需要、車種構成の影響を受けやすい。
2026年3月期は電子事業が伸びる一方、セラミック事業は減収減益となったため、全社利益への寄与度は低下した。
同事業は電子事業ほどAIサーバー需要に連動しないが、自動車・環境・産業用途の基盤事業としてキャッシュフローの下支えになりうる。
中期計画では、2026年度セラミック売上800億円、営業利益60億円、2027年度売上900億円、営業利益70億円、2030年度売上1,000億円、営業利益100億円が見通されている。
投資判断では、電子事業の高成長に対する補完的な安定収益源として見る一方、利益率低下が構造的か一時的かを継続確認する必要がある。
その他事業|建材・建設・情報サービス
その他事業|建材・建設・情報サービス 業績推移
外部顧客への売上高とセグメント利益。全年度を同一縮尺で表示。
凡例:黄色=売上高、赤=利益、青=損失。単位:百万円。
その他事業は、建材、建設、環境技術、情報サービス、医療向けソフトウェアなどを含む。
電子・セラミックと比べると半導体市況への直接感応度は低く、地域密着型・サービス型の事業が多い。
2026年3月期は売上高90,330百万円、セグメント利益8,964百万円となり、セラミック事業を上回る利益を計上した。
全社の成長ドライバーは電子事業だが、その他事業は5年間で売上と利益が比較的安定し、収益の下支えとして機能している。
中期計画では、その他事業の売上高は2026年度900億円、2027年度1,000億円、2030年度1,100億円、営業利益は2026年度90億円、2027年度100億円、2030年度100億円が示されている。
投資判断では、その他事業を高成長セグメントとしてではなく、電子事業の大型投資と景気変動を補完する安定収益源として位置付ける見方が適している。
1.会社予想と実績
2022年3月期から2026年3月期は期首の通期会社予想と通期実績を比較。2027年3月期は2026年8月4日公表の最新通期予想を掲載しています。
| 指標 | 2022/3 | 2023/3 | 2024/3 | 2025/3 | 2026/3 | 2027/3 | ||||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 予想 | 実績 | 達成率 | 予想 | 実績 | 達成率 | 予想 | 実績 | 達成率 | 予想 | 実績 | 達成率 | 予想 | 実績 | 達成率 | 予想 | 実績 | 達成率 | |
| 売上高 (百万円) | 380,000 | 401,138 | 105.6% | 426,000 | 417,549 | 98.0% | 400,000 | 370,511 | 92.6% | 390,000 | 369,436 | 94.7% | 410,000 | 416,201 | 101.5% | 550,000 | — | 最新予想 |
| 営業利益 (百万円) | 45,000 | 70,821 | 157.4% | 67,000 | 72,362 | 108.0% | 52,000 | 47,568 | 91.5% | 42,000 | 47,621 | 113.4% | 48,000 | 62,027 | 129.2% | 127,000 | — | 最新予想 |
| 経常利益 (百万円) | 45,000 | 74,394 | 165.3% | 67,000 | 76,176 | 113.7% | 52,000 | 51,140 | 98.3% | 42,000 | 47,890 | 114.0% | 44,000 | 60,822 | 138.2% | 127,000 | — | 最新予想 |
| 親会社株主帰属純利益 (百万円) | 29,000 | 41,232 | 142.2% | 42,000 | 52,187 | 124.3% | 33,000 | 31,490 | 95.4% | 26,000 | 33,704 | 129.6% | 28,000 | 63,713 | 227.5% | 84,000 | — | 最新予想 |
| EPS (円・株式分割調整後) | 51.94 | 73.84 | 142.2% | 75.21 | 93.43 | 124.2% | 59.08 | 56.36 | 95.4% | 46.53 | 60.33 | 129.7% | 50.14 | 114.08 | 227.5% | 149.68 | — | 最新予想 |
達成率=実績÷会社予想×100。予想はすべて単一値です。EPSは2026年1月1日と2026年10月1日の各1株→2株の株式分割を反映した比較可能ベースです。
2.達成・未達理由
パソコン・データセンター向け需要が堅調で、電子事業の新設備が計画通り量産稼働。FGMやその他事業も伸び、為替差益も寄与したため、売上・利益とも期首予想を大幅に上回りました。
パソコン需要の急減速とモジュール基板減少で売上はわずかに未達。一方、サーバー向け需要と電子事業の増益、受取利息・為替差益、税負担の軽減が利益を押し上げました。
パソコン市場の回復が想定より緩やかで、汎用サーバーも投資抑制・在庫調整が継続。電子事業の減収減益が、セラミック・その他事業の改善を上回り、全指標が期首予想を下回りました。
パソコン・汎用サーバーの回復の弱さと、セラミック事業の需要減で売上は未達。生成AI向けの堅調な受注、採算重視の受注方針、価格転嫁、その他事業の増益に加え、投資有価証券売却益が純利益を押し上げました。
生成AI用サーバー向けが好調で、汎用サーバー向けも回復。フィリピン工場の原価低減が利益に寄与し、セラミック事業の減益を吸収しました。投資有価証券売却益494億円が純利益の大幅超過要因です。
第1四半期の増収増益を受け、通期予想を期初の売上5,000億円・営業利益900億円から、売上5,500億円・営業利益1,270億円へ上方修正しました。
3.事業セグメントの自信度
電子事業
サーバー用の高機能なICパッケージ基板の需要増加が予測されます。
PC特需一巡後もデータセンター・新用途の成長を想定。
足下ではパソコン需要の急な減速やデータセンター等で使われる高性能サーバーの大口ユーザー(ハイパースケーラー)の投資抑制により、半導体需要の伸びが鈍化しております。
足元悪化を認めつつ年度後半の回復を見込む。
生成AI用サーバー向けの需要は引続き堅調に推移しておりますが、パソコン及び汎用サーバー向けの需要は厳しい状況が継続しております。
AIは強いが既存市場の低迷が残る。
2025年度の下期以降は、AI分野の更なる成長に加えてデータ量の増加に伴う処理能力の向上と省電力ニーズの両立が求められることにより、汎用サーバー向けを含む高機能ICパッケージ基板全体の需要回復が見込まれます。
大野事業場の量産開始と市場回復を同時に見込む。
2026年度から2028年度の3ヶ年で電子事業への総額約5,000億円規模の投資を実行することで、成長市場における高付加価値製品の受注増加の機会を最大限に取り込んでまいります。
大型投資でAI・高付加価値需要を取り切る方針。
生成AI用サーバー向け及び汎用サーバー向けの高機能ICパッケージ基板の受注が堅調に推移しました。
大野事業場の安定稼働も伴い、売上・利益が大幅増。
生成AI・汎用サーバー向けの双方が伸び、大野事業場も安定稼働。最新予想の上方修正を牽引する中核事業です。
セラミック事業
中国・新興国を中心とした排ガス規制強化を背景に需要拡大が見込まれる大型商用車向け製品の需要を確実に取り込むことで、中・長期で安定的に収益を確保できる体制を構築してまいります。
乗用車の電動化を商用車・新興国で補う構え。
原材料費や欧州を中心としたエネルギー価格の高止まりが見込まれます。
需要回復余地はあるがコスト圧力が強い。
中長期的には、内燃機関向け製品の需要は減少すると見込んでおります。
既存排気系の縮小を明示し、電動車部材へ転換。
米国をはじめとするEV関連の政策変更に伴い、内燃機関向け製品の需要は継続するとみております。
排気系需要の延命を見込む一方、EV再加速にも備える。
量産開始により売上高は前連結会計年度に比べ増加したものの、想定以上のEV市場の減速による固定費負担増加を主要因に、前連結会計年度に引続き、営業損失を計上する結果となりました。
排気系・FGM・NEVの弱さでセグメント利益が大幅減。
以上の結果、セラミック事業の売上高は243億65百万円となり、前年同期に比べ24.3%増加しました。同事業の営業利益は32億20百万円となり、前年同期に比べ53.6%増加しました。
DPF・FGM・NEVが改善し、回復局面入り。
Q1は売上・利益とも二桁増。資材高や自動車市況のリスクは残りますが、複数製品で回復が確認されています。
その他事業
当社グループの電子事業・セラミック事業に次ぐ「第3の収益の柱」としての位置づけを確かなものにしてまいります。
安定収益源として育成する方針を明確化。
発電設備の建設工事受注が堅調に推移したことに加えて、大型工事が着実に進行したことなどにより、売上高は前連結会計年度に比べ増加しました。
売上は伸びたが原材料高で利益に弱さ。
受変電設備・発電設備の建設工事の受注が好調に推移したことに加え、工事が順調に進捗したことにより、売上高・営業利益ともに前連結会計年度に比べ増加しました。
受注と工事進捗の両面が良好。
大型工事が順調に進捗したことにより、売上高・営業利益ともに前連結会計年度に比べ増加しました。
建設と費用改善が利益成長を支える。
年度末にかけて大型受注を獲得したことなどにより、売上高・営業利益ともに前連結会計年度に比べ増加しました。
建設・造園・ヘルスケアが安定成長。
法面及び造園事業の大型物件施工が堅調に推移したことや、イビデン樹脂株式会社において、電子部品加工分野の受注が増加したことなどにより、営業利益は前年同期に比べ増加しました。
売上減でも利益は約5割増。
大型工事と電子部品加工が利益を支え、全社の変動を緩和する第3の収益柱として機能しています。
4.最新予想信頼度
第1四半期は売上高1,232億円、営業利益268億円、経常利益274億円、純利益179億円と大幅増収増益。会社は同時に通期予想を売上高5,500億円、営業・経常利益各1,270億円、純利益840億円へ上方修正しました。
達成できると判断する理由
- 生成AI用・汎用サーバー向け基板の受注が堅調で、大野事業場の生産も安定。電子事業Q1営業利益は前年同期比52.4%増です。
- セラミック事業もQ1営業利益が53.6%増となり、前期の大幅減益から回復しています。
- Q1実績を確認した後に通期予想を上方修正しており、最新情報を織り込んだ会社計画です。
- 過去5期では営業利益予想を3期、経常利益・純利益予想を4期達成。利益予想には上振れ実績があります。
達成できないと判断する理由
- 最新予想は期初比で売上10%、営業利益41%、経常利益41%、純利益45%の上方修正で、要求水準が大きく上がりました。
- 残り9カ月の月平均営業利益は約111億円が必要で、Q1月平均約90億円を約24%上回るペースが求められます。
- 電子事業は大型投資・新工場の安定稼働、歩留り、生産性、顧客のAI投資動向に左右されます。
- セラミック事業は自動車需要、資材価格、EV市場の変化に敏感で、Q1の改善が通期継続するとは限りません。
収益計上時期を見る際の注意点
最新決算短信には、利益が特定四半期に偏重するとの明示的な説明はありません。Q1進捗率は季節性や製品構成を調整していない単純進捗率です。2027年3月期は上方修正後の予想に対して各利益のQ1進捗が約21%であり、残り期間での増産・採算改善が前提になります。
最終判断
生成AI・汎用サーバー向け需要が会社想定どおり続き、大野事業場の安定稼働と歩留り改善が進み、セラミック事業の回復が維持されれば、最新予想は達成可能と判断します。Q1後の上方修正は信頼度を高めますが、営業利益は残り9カ月でQ1を上回るペースが必要なため、「非常に高い」ではなく「やや高い」と評価します。
直近5年業績サマリー
| 業績項目 | 2022年3月期 実績 |
2023年3月期 実績 |
2024年3月期 実績 |
2025年3月期 実績 |
2026年3月期 実績 |
2027年3月期 会社予想 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 百万円 | 401,138 | 417,549+16,411 +4.1% | 370,511-47,038 -11.3% | 369,436-1,075 -0.3% | 416,201+46,765 +12.7% | 500,000+83,799 +20.1% |
| 営業損益 百万円 | 70,821 | 72,362+1,541 +2.2% | 47,568-24,794 -34.3% | 47,621+53 +0.1% | 62,027+14,406 +30.3% | 90,000+27,973 +45.1% |
| 経常損益 百万円 | 74,394 | 76,176+1,782 +2.4% | 51,140-25,036 -32.9% | 47,890-3,250 -6.4% | 60,822+12,932 +27.0% | 90,000+29,178 +48.0% |
| 当期純利益 百万円 | 41,232 | 52,187+10,955 +26.6% | 31,490-20,697 -39.7% | 33,704+2,214 +7.0% | 63,713+30,009 +89.0% | 58,000-5,713 -9.0% |
| EPS 円 | 147.66 | 186.89+39.23 +26.6% | 112.77-74.12 -39.7% | 120.70+7.93 +7.0% | 228.16+107.46 +89.0% | 207.70-20.46 -9.0% |
| PER 倍 | 15.1 | 10.5 | 16.4 | 14.4 | 15.1 | 80.2 |
| PBR 倍 | 1.70 | 1.31 | 1.05 | 0.99 | 1.75 | – |
| BPS 円 | 1,305.58 | 1,501.32+195.74 +15.0% | 1,772.43+271.11 +18.1% | 1,756.50-15.93 -0.9% | 1,969.85+213.35 +12.1% | – |
| 純資産 百万円 | 370,728 | 425,606+54,878 +14.8% | 501,796+76,190 +17.9% | 497,298-4,498 -0.9% | 557,412+60,114 +12.1% | – |
| 営業CF 百万円 | 108,372 | 125,748+17,376 +16.0% | 145,231+19,483 +15.5% | 118,895-26,336 -18.1% | 106,407-12,488 -10.5% | – |
| 投資CF 百万円 | -67,722 | -104,019-36,297 -53.6% | -77,274+26,745 +25.7% | -164,182-86,908 -112.5% | -52,416+111,766 +68.1% | – |
| 財務CF 百万円 | 13,935 | 92,585+78,650 +564.4% | 67,526-25,059 -27.1% | -7,113-74,639 -110.5% | -157,511-150,398 -2114.4% | – |
| 現金及び現金同等物 百万円 | 185,592 | 302,419+116,827 +62.9% | 443,583+141,164 +46.7% | 390,656-52,927 -11.9% | 292,908-97,748 -25.0% | – |
単位:売上高・損益・純資産・キャッシュフローは百万円、EPS・BPSは円、PER・PBRは倍。2026年1月1日付の1株を2株とする株式分割を反映し、EPS・PER・PBR・BPSは2026年3月期末の自己株式控除後株式数279,245,536株で再計算。過去5期のPER・PBRはユーザー提供の各期末最終取引日終値、2027年3月期会社予想PERは2026年7月31日終値16,650円を使用。
株価推移、出来高、移動平均、AIサーバー・ICパッケージ基板関連銘柄としての相対感を確認する。
中期経営計画
Moving on to our New Stage 115 Plan|電子事業を軸に2030年度売上1兆円をめざす
イビデンは、2023年度から2027年度までの5カ年計画「Moving on to our New Stage 115 Plan」を掲げる。活動の柱は、事業の競争力強化、新規製品の事業化、モノづくりの改革、企業文化の改革、ESG経営の推進である。
2026年5月12日改訂の見通しでは、電子事業を軸に2030年度に売上高1兆円以上、営業利益3,000億円以上、営業利益率30.0%を目指す。2026年度見通しは売上高5,000億円、営業利益900億円、2027年度見通しは売上高6,500億円、営業利益1,500億円、2030年度見通しは売上高10,000億円以上、営業利益3,000億円以上とされている。
事業戦略の中心は電子事業である。2026年度見通しでは電子売上3,300億円、電子営業利益750億円、2027年度見通しでは電子売上4,600億円、電子営業利益1,330億円、2030年度見通しでは電子売上8,000億円、電子営業利益2,800億円が示されている。
投資家が確認すべき論点は、AIサーバー・データセンター向けICパッケージ基板の需要持続性、設備投資後の稼働率、量産歩留まり、顧客認定、製品ミックス、価格条件である。2027年3月期会社予想の営業利益900億円は、同中期計画上の2026年度見通しと一致する。
中期経営計画資料へ競合他社
① Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd.(韓国取引所:009150)
Samsung Electro-Mechanicsは、MLCC、カメラモジュール、パッケージ基板、半導体PKG基板を展開するSamsungグループの電子部品メーカーである。
イビデンとの競合領域は、FC-BGAを中心とする高性能ICパッケージ基板である。サーバーCPU、GPU、AIアクセラレータ、ネットワーク機器向け高付加価値基板で直接競合する。
2026年第1四半期は売上高3兆2,091億ウォン、営業利益2,806億ウォン。Package Solution事業の売上高は7,250億ウォンで、前年同期比45%増となった。
Samsungグループ内に半導体、メモリー、スマートフォン、ディスプレイ、通信機器の大規模需要先を持つ点が強みである。イビデンは独立系サプライヤーとして、高信頼性・高難度基板、顧客分散、長期量産実績で対抗する構図となる。
② Unimicron Technology Corp.(台湾証券取引所:3037)
Unimicron Technologyは、台湾の大手プリント基板・ICキャリアメーカーであり、HDI、ELIC、多層PCB、FPC、リジッドフレックス基板、ICキャリアなどを展開する。
イビデンとの競合領域は、ICキャリア、FC-BGA、FCCSP、CSP、メモリーモジュール、コアレス基板などの高密度実装基板である。
過去12か月売上高は1,490.2億台湾ドル、過去12か月純利益は238.9億台湾ドル。2025年業績では売上高1,312.4億台湾ドル、利益66.7億台湾ドルが示されている。
台湾半導体エコシステムに近く、TSMC、OSAT、EMS、サーバー関連サプライチェーンとの距離が近い。共同開発や短期量産移行の速さ、PCBからICキャリアまでの製品幅が、イビデンの高性能ICパッケージ基板事業への競争圧力となる。
③ AT&S Austria Technologie & Systemtechnik AG(ウィーン証券取引所:ATS)
AT&Sは、オーストリアの高機能プリント基板・IC基板メーカーであり、高性能IC基板、先端パッケージ、HDI、モジュール基板、高周波基板などを展開している。
イビデンとの競合領域は、AI、データセンター、HPC、サーバー向け高性能IC基板である。中国、マレーシア、オーストリアなどの生産拠点を持ち、地域分散型の供給体制を強みにする。
2025/26年度は売上高約18億ユーロ、調整後EBITDAマージン約23%。2026/27年度は為替影響を除く売上高成長率30%から35%、調整後EBITDAマージン25%から29%が見込まれている。
AMD向け供給実績、マレーシアKulim工場、中国拠点、欧州の研究開発体制、ガラスコア基板などの先端パッケージ開発が特徴である。中長期では、チップレット対応基板やデータセンター向け大型基板でイビデンと競争が強まる。
出典
- イビデン株式会社 公式サイト
- イビデン株式会社 事業・製品
- イビデン株式会社 会社情報
- イビデン株式会社 電子事業 製品情報
- イビデン株式会社 セラミック事業 製品情報
- イビデン株式会社 その他事業
- イビデン株式会社 株主・投資家情報
- イビデン株式会社 決算短信
- イビデン株式会社 中期経営計画
- イビデン株式会社 中期経営計画を含む業績の見通し
- イビデン株式会社 新中期経営計画(2023から2027年度)の概要
- Samsung Electro-Mechanics Announces Q1 2026 Business Performance
- AT&S Press Releases
本ページは公開情報に基づく情報提供であり、特定の有価証券の売買を推奨または勧誘するものではありません。業績予想、株価、時価総額、投資指標、製品構成、競争環境は変動する可能性があります。投資判断は最新の開示資料を確認したうえで、自身の責任で行ってください。

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