2026年10月22日(木)のストップ高銘柄と理由
本日のポイント
10月22日(木)の終値ストップ高は13銘柄。最も顕著な特徴はサイバーセキュリティと、その周辺技術への資金集中だ。監視・脆弱性診断・攻撃防御の専業企業から、認証、耐量子暗号、ソフトウェア品質保証、WordPressの安全運用まで、関連銘柄が幅広く値幅制限上限で取引を終えた。
10月に入ってから相次ぐ企業へのサイバー攻撃や大規模な個人情報流出を背景に、情報セキュリティ関連の物色が続いている。10月15日のソースネクストによる約2,252万件の顧客情報流出の可能性についての発表も、関連株への注目が強まる背景となった。
個別材料には、10月20日のMicrosoft 365監査ログ無償分析、10月19日のクラウド型WAF販売チャネル拡充・鍵管理サービス、10月15日のeKYC累計500社・音声認証OEM契約・品質テスト・WordPress向け新サービスなどがある。材料の公表日と本日の株価反応は必ずしも一致せず、過去の公表材料が継続して評価される例も含まれる。なお、発表内容が事業収益へ結び付いた金額・契約数まで確認できるとは限らない。
テーマ別グルーピング
- 情報セキュリティ/SOC・防御・脆弱性診断:3042 セキュアヴェイル、4288 アズジェント、4398 ブロードバンドセキュリティ、4493 サイバーセキュリティクラウド、5599 S&J。攻撃検知から監視運用、Web防御、診断まで企業の対策需要に直結する領域。
- AI(人工知能)/本人確認・音声認証:3909 ショーケース、4395 アクリート。eKYCの導入実績やAI音声照合技術のOEM契約が確認された。
- 量子コンピュータ/耐量子暗号・暗号鍵管理:3858 ユビキタスAI、4498 サイバートラスト。PQC製品統合や新しい鍵管理サービスを通じた将来の暗号移行対応。
- 情報セキュリティ/開発・品質保証・Web運用:4260 ハイブリッドテクノロジーズ、4386 SIGグループ、4442 バルテスHD、5250 GMOプライム・ストラテジー。開発、クラウド、品質保証、CMS運用などの隣接領域にも買いが波及した。
ストップ高銘柄(13銘柄)
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3042セキュアヴェイル東証S
時価総額 約85億円
情報セキュリティ
AI(人工知能)
1,100円(前日比+150円 +15.79%)
情報セキュリティ・AI-SOC
直近確認材料:10月20日、Microsoft 365監査ログの無償分析サービスを発表。
企業ネットワークのセキュリティ監視、ログ管理・分析、24時間365日のSOC運用を手掛ける企業。主力の「AI-SOC」は、AIを活用して不審なアクセスやログを分析するセキュリティ運用サービスである。
10月20日、不正アクセス被害の増加を受けて、Microsoft 365の監査ログを対象としたセキュリティ調査分析レポートを先着100社へ無償提供すると発表した。
Microsoft 365は多くの企業で認証やクラウド業務の基盤となっており、監査ログの分析には不正アクセスの兆候を把握する役割がある。今回の施策は、既存のAI-SOCを企業へ提案する機会を拡大する取り組みとなる。
同社は10月前半からサイバーセキュリティ関連株の代表的な物色対象となっている。10月20日の大幅反落後、21日にはストップ高で反発し、22日も1,100円でストップ高引けとなった。
ただし、無償分析の申し込み実績、有償契約への転換件数、収益への寄与額は確認できていない。
3858ユビキタスAI東証S
時価総額 約63億円
情報セキュリティ
量子コンピュータ
600円(前日比+100円 +20.00%)
耐量子暗号・IoTセキュリティ・SDV
直近確認材料:PQC技術の製品統合と組み込み機器向けセキュリティ事業。
組み込みソフトウェアやIoT向けセキュリティ製品を開発・提供する企業。
9月16日、IoT製品向け耐量子計算機暗号(PQC)技術を既存のセキュリティソリューション「Ubiquitous Securus」に統合し、2027年度からの製品化を目指すと発表した。
PQCは、将来的な量子コンピュータによる暗号解読への備えとして注目される技術。同社はリソース制約の大きい組み込み機器への実装技術を有している。
10月19日には、組み込み技術関連展示会「EdgeTech+ 2026」への出展も発表している。セキュリティに加えて、自動車のソフトウェア定義化(SDV)も事業テーマとなる。
10月20日、21日に続いて22日も上昇し、600円でストップ高引け。耐量子暗号、IoTセキュリティ、SDVという複数の成長テーマが注目されている。
一方、PQC製品の提供開始は2027年度を予定しており、現時点の売上・利益への寄与額は確認できない。
3909ショーケース東証S
時価総額 約89億円
情報セキュリティ
顔認証
875円(前日比+150円 +20.69%)
eKYC・AI本人確認
直近確認材料:10月21日の導入事例公開、10月15日の累計500社突破。
オンライン本人確認サービス「ProTech ID Checker」を展開する企業。
10月13日、トレミールのモバイル機器レンタルサービスへの採用を発表。14日にはAIによる氏名・住所の自動照合技術の実証結果を公表し、285件の検証で想定どおりの判定率100%を確認した。
15日には「ProTech ID Checker」の累計導入企業数が500社を突破したと発表。21日には、アールナインへの導入事例を公開した。
同事例では、本人確認の結果を既存業務システムに自動連携し、本人確認業務の効率化を実現している。
これらの発表は、サービス導入実績の拡大と機能強化を示す内容であり、情報セキュリティ関連株の物色とも重なっている。
22日は875円でストップ高引け。ただし、サービス導入500社の収益貢献規模や、急騰に見合う利益成長率については追加の確認が必要である。
4260ハイブリッドテクノロジーズ東証G
時価総額 約36億円
情報セキュリティ
AI(人工知能)
317円(前日比+80円 +33.76%)
脆弱性診断・IT開発・セキュリティ
直近確認材料:10月13日、脆弱性診断キャンペーン開催を発表。
日本とベトナムを中心としたITシステム開発、DX支援を主力事業とする企業。子会社ハイブリッドワンを通じ、セキュリティ診断サービスも提供する。
10月13日、企業のサイバーセキュリティ需要の高まりを受けて、脆弱性診断サービスのキャンペーン開催を発表した。
具体的には、公開Webサイトを対象とした無料簡易診断、詳細診断の初回10%割引、診断事例の公開に協力する企業への20%割引制度を用意した。
募集期間は10月15日から12月31日まで。無料診断を入り口に有償サービスの契約へつなげる仕組みとなっている。
同社は10月9日にもストップ高を記録しており、セキュリティ関連株の物色が始まった時期から株価変動が大きくなっている。
22日は317円、前日比33.76%高でストップ高引け。ただし、今回のキャンペーンを直接の上昇理由と断定できる当日報道は確認できなかった。受注金額や業績寄与も未確認である。
4288アズジェント東証S
時価総額 約27億円
情報セキュリティ
AI(人工知能)
718円(前日比+100円 +16.18%)
ネットワーク防御・AIセキュリティ
確認材料:サイバーセキュリティ関連への継続的なテーマ物色。
企業向けのセキュリティ製品の販売、導入支援、監視・運用などを展開する企業。
セキュリティ運用では、UTM、IPS、EDRなどを24時間365日監視するマネージドセキュリティサービスを提供している。
AI関連では、4月21日に生成AIモデルの内部から問題となる学習情報を選択的に除去する「Hirundo」の国内提供について発表した。
10月20日には、サプライチェーンのセキュリティリスクやセキュリティ対策評価制度に関するセミナーを開催するなど、企業の対策需要に接点を持っている。
株価は10月16日、19日にもストップ高を記録。企業への相次ぐサイバー攻撃を背景に、セキュリティ関連銘柄として買いが集まる局面が続いている。
22日は718円でストップ高引け。本日の急騰を直接説明する新規大型受注、業績修正などの個別材料は確認できなかった。
4386SIGグループ東証S
時価総額 約66億円
情報セキュリティ
AI(人工知能)
1,116円(前日比+150円 +15.53%)
クラウドセキュリティ・AI・システム開発
直近確認材料:10月13日、サイバーセキュリティ分野での専門性を紹介する発表。
社会インフラ関連のシステム開発、クラウド基盤構築、ITインフラ・セキュリティサービスを展開する企業。
10月13日、同社の社員がサイバーセキュリティの専門家としてテレビ朝日「グッド!モーニング」のサイバー攻撃特集に出演したことを公式サイトで公表した。
番組では、中小企業を起点として大企業への侵入を試みる攻撃や、事業者を狙う不審アクセスなどが取り上げられている。
同社はクラウドとセキュリティを重要な成長領域と位置付け、AI、クラウド、セキュリティ技術を活用したサービスの拡大を進めている。
22日は1,116円、前日比15.53%高でストップ高引け。ただし、メディア出演は売上や利益を直接増加させる発表ではない。
本日のストップ高につながる明確な個別材料は確認できなかった。
4395アクリート東証G
時価総額 約84億円
情報セキュリティ
AI(人工知能)
1,082円(前日比+150円 +16.09%)
AI音声認証・本人確認・SMS
直近確認材料:10月15日、音声照合技術「SpeakerMatch」のOEM提供契約を発表。
SMS配信を中心とした企業向けコミュニケーションサービスに加え、認証関連事業を展開する企業。
10月15日、連結子会社CustIntCo Japanがハイペリオンとの間で、音声照合技術「SpeakerMatch」のOEM提供契約を締結したと発表した。
ハイペリオンは同技術をパスワードレス認証ソリューション「PassProof」に統合する。スマートフォン紛失時のアカウント復旧、電話による本人確認、重要操作時の追加認証などでの活用を想定している。
従来のSMS認証に加えて、音声による本人確認という新たな技術領域へ事業を広げる取り組みである。
10月21日にはストップ高となり、22日も1,082円でストップ高引け。AI認証、不正アクセス対策、パスワードレス化などのテーマと、実際のOEM契約が重なっている。
ただし、契約による売上予定額や利益貢献については具体的な数値を確認できなかった。
4398ブロードバンドセキュリティ東証S
時価総額 約137億円
情報セキュリティ
IoTセキュリティ
2,958円(前日比+500円 +20.34%)
サイバー防御・IoTセキュリティ・脆弱性診断
直近確認材料:10月8日、不正アクセス対策の再点検を提言。
企業向けに脆弱性診断、セキュリティ監視、インシデント対応、セキュリティコンサルティングなどを提供する企業。
10月1日、企業のセキュリティ管理体制整備を支援する情報セキュリティ規程の雛形セットを発売した。
10月5日には、IoT機器の安全性を攻撃者の視点から検証する「IoTセキュリティ診断」の強化を発表した。
10月8日には、国内で相次ぐ不正アクセスを受けて、公開Webサービスの基本的なセキュリティ対策を再点検するよう提言した。
同社は企業への攻撃増加に直接対応するサービス群を保有しており、セキュリティ関連株への資金流入の対象となっている。10月21日にも関連株の一角として大幅上昇した。
22日は2,958円でストップ高引け。企業の診断・監視需要と事業との関連性は明確だが、10月22日固有の新規業績材料や大型受注は確認できなかった。
4442バルテス・ホールディングス東証G
時価総額 約117億円
情報セキュリティ
AI(人工知能)
544円(前日比+80円 +17.24%)
セキュリティ品質テスト・脆弱性診断・AI
直近確認材料:10月15日、新サービス「セキュリティ品質テスト」の提供開始。
ソフトウェアテスト、品質保証、テスト自動化支援を中心に事業を展開する企業。
10月15日、グループ会社のバルテスが新サービス「セキュリティ品質テスト」の提供を開始したと発表した。
従来のソフトウェアテストと脆弱性診断の知見を組み合わせ、システム開発段階からセキュリティ上の弱点を発見する取り組みである。
同サービスは「認証」「認可」「セッション」「入力値」の4分野を中心に検証する。従来は開発の終盤で発見されていたセキュリティ上の問題を、早い段階で見つけることで改修負担の軽減を目指す。
2025年度の同社の脆弱性診断で検出された問題の約83%は、この4分類に関するものだったと公表されている。
12月31日までの申し込みを対象とした割引キャンペーンも実施している。
22日は544円でストップ高引け。セキュリティ関連への物色と、直近の新サービス発表が重なっている。ただし、現時点で受注実績や新サービスの利益寄与は確認できない。
4493サイバーセキュリティクラウド東証G
時価総額 約402億円
情報セキュリティ
AI(人工知能)
3,865円(前日比+700円 +22.12%)
クラウド型WAF・AIセキュリティ・業務提携
直近確認材料:10月19日、TWOSTONE Syncとの業務提携を発表。
クラウド型WAF「攻撃遮断くん」など、Webアプリケーションへの攻撃を検知・遮断するセキュリティサービスを提供する企業。
10月6日、企業への情報漏えいやサイバー攻撃の増加を受けて、緊急セキュリティ相談窓口を開設した。
10月7日には、生成AIやAIエージェントの利用リスクを無償で確認する「AI Security Check 2026」の提供開始を発表した。
10月19日には、TWOSTONE&SonsグループのTWOSTONE Syncとの業務提携を発表した。提携先が「攻撃遮断くん」などを販売・提供し、顧客企業への導入から継続運用まで支援する仕組みとなる。
これは新たな販売・運用支援チャネルの構築に関する発表であり、既存サービスの提供先拡大につながる可能性のある取り組みである。
一方、10月16日には第8回新株予約権の大量行使と行使完了を公表しており、資本政策に関する直近の動きも存在する。
22日は3,865円でストップ高引け。ただし、提携による契約増加件数や売上寄与額は未確認である。
4498サイバートラスト東証G
時価総額 約429億円
情報セキュリティ
量子コンピュータ
2,560円(前日比+500円 +24.27%)
耐量子暗号・暗号鍵管理・データ主権
直近確認材料:10月19日、PQCへの将来的な移行に対応できる鍵管理サービスを発表。
電子認証、SSL/TLS証明書、電子署名、暗号技術、Linux関連サービスなどを展開する企業。
10月19日、クラウド事業者向けの新サービス「サイバートラスト Key Management Service(KMS)」を2026年11月から提供すると発表した。
新サービスは、クラウドストレージ内の機密データを暗号化・復号する際に必要な暗号鍵を、国内の複数拠点にある電子認証センターで管理するもの。
クラウド運営者と利用企業が暗号鍵の管理権限を分離できる構造を持ち、企業や官公庁のデータ主権確保を支援する。
また、将来的なPQCへの移行を見据えた設計となっている。日本政府は政府機関などにおけるPQCへの移行を原則2035年までに進める方針を示しており、同社のサービスはこの技術移行に関連する。
10月21日にも同サービスに関する報道があり、同日はストップ高で引けた。22日も2,560円でストップ高引けとなっている。
サービスの提供開始予定は11月であり、現時点では販売実績や収益貢献を確認できない。
5250GMOプライム・ストラテジー東証S
時価総額 約50億円
情報セキュリティ
AI(人工知能)
1,399円(前日比+300円 +27.30%)
WordPressセキュリティ・自動アップデート・AI
直近確認材料:10月15日、企業向け「KUSANAGI Enterprise Edition byGMO」の提供開始。
WordPressなどのCMSを高速・安全に稼働させる「KUSANAGI」や、CMSマネージドサービスなどを提供する企業。
10月15日、企業のWordPressサイト向けにセキュリティ運用を自動化・省力化する「KUSANAGI Enterprise Edition byGMO」の提供を開始した。
同サービスでは、OS・ミドルウェアの自動アップデート、サイトを停止せずに行えるバージョンアップ、マルウェア対策などを提供する。
料金は1サーバーあたり月額約5万円(税別)で、AWS、Microsoft Azure、Google Cloudなどのマーケットプレイスを通じて展開する。
10月19日には、法人向けAIサービス「GMO AI RAG」と「JOINT AI Flow by GMO」の連携も発表。AIによる業務自動化という別の成長テーマも持つ。
10月22日には同社社長が、PHPの重大な脆弱性に関連して、WordPressの安全運用と自動更新の必要性を説明する記事を公開している。
22日は1,399円、前日比27.30%高でストップ高引け。Webセキュリティ需要と新製品の事業領域は一致しているものの、当日の急騰に対する各材料の寄与度を特定することはできない。
5599S&J東証G
時価総額 約116億円
情報セキュリティ
AI(人工知能)
2,060円(前日比+400円 +24.10%)
SOC監視・インシデント対応・AIセキュリティ
確認材料:セキュリティ監視需要の拡大と、生成AI対応サービスの展開。
サイバーセキュリティの監視・運用受託、インシデント対応、セキュリティコンサルティングを専門とする企業。
9月1日、主力サービス「My SOC 365」の監視範囲をMicrosoft AzureやMicrosoft Purviewなどのクラウド環境へ拡大したと発表した。
9月15日には、生成AIに対応する国産セキュリティデータレイク「CSIRT-Pro」の提供を開始した。
同製品は、企業内で発生する大量のセキュリティログを集約し、生成AIによる調査支援とSOARによる自動対処を組み合わせるもの。
ログ管理、攻撃の検知、調査、対処までを一体化するサービスであり、同社のSOC運用事業と連携できる設計となっている。
10月8日には、同社代表がランサムウェア被害に関する報道で専門家としてコメントしている。相次ぐサイバー攻撃への対応需要と事業内容に関連性がある。
22日は2,060円でストップ高引け。ただし、直近1か月以内に発表された大型受注や業績修正など、本日の上昇を直接説明できる個別材料は確認できなかった。
主な出典
免責事項
本記事は公開情報をもとに作成した情報提供コンテンツであり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。株式投資には価格変動リスク、流動性リスク、信用リスク等があります。投資判断は必ず各社の公式開示、最新の株価情報、決算資料を確認したうえで行ってください。
時価総額は、レポート記載の2026年10月22日終値と直近確認できた発行済株式数を用いた概算値です。


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