キユーソー流通システム 9369 東証スタンダード
食品物流大手、キユーピー系列 ─ 冷凍冷蔵輸送でシェア上位、全国小口輸配送「キユーソースルー便」を運営する4温度帯3PL専門会社
事業内容
キユーソー流通システムは、東京都調布市に本社を置く食品物流大手で、東証スタンダード上場(業種:倉庫・運輸関連業)。マヨネーズ・ドレッシング類で知られるキユーピー株式会社が「その他の関係会社」(持分法適用関連会社)として位置づけられている。同社グループは、当社、連結子会社15社、非連結子会社3社、関連会社4社で構成される食品物流専門会社。キユーピー(株)およびキユーピーグループ各社、ならびに一般の得意先に保管、荷役(入出庫)、運送、情報処理などの総合的な物流サービスを提供することを主たる業務とする。事業セグメントは共同物流事業、専用物流事業、関連事業の3つで構成。アセット型3PL(サードパーティロジスティクス)として、4温度帯(常温・定温・冷蔵・冷凍)保管管理に対応し、特に冷凍冷蔵輸送において業界上位シェアを誇る。
主要事業セグメント(3セグメント体制)
① 共同物流事業
食品の保管・荷役、全国共同配送、原材料である油脂・食酢等のローリー輸送を行う事業。地域物流システム(在庫型物流)と全国物流システム(幹線輸送)、全国小口輸配送システム「キユーソースルー便」を運営。複数荷主の貨物を効率的に共同で配送することで、物流コストの最適化と環境負荷の低減を実現。同社の中核事業。
② 専用物流事業
コンビニエンスストアなどの物流センターオペレーション業務を専用に行う事業。チェーン向け専門物流として、特定顧客の物流ニーズに専属対応。チェーンストア向け物流の効率化に貢献し、安定した収益基盤を構築。
③ 関連事業(販売、海外)
車両・物流機器および燃料等の販売、ならびに海外における物流事業を展開。中核事業を支援する関連事業として位置づけ。
④ 三菱食品との首都圏低温物流協業
2024年春に三菱食品との共同出資会社を設立し、首都圏の低温物流で協業を開始。物流業界全体の人手不足、ドライバー不足、2024年問題(働き方改革による労働時間規制強化)に対応する戦略的な取り組み。
直近の業績サマリー
2025年11月期は売上高202,602百万円(前期比+3.8%増)、営業利益5,644百万円(+1.5%増)、経常利益4,820百万円(△1.4%減)、当期純利益2,648百万円(△0.5%減)と、増収ながら利益面は概ね横ばい。EPSは106.54円。2026年11月期会社予想は売上高205,000百万円(+1.2%増)、営業利益5,700百万円(+1.0%増)、経常利益4,400百万円、当期純利益2,100百万円とほぼ横ばい見通し(EPS予想84.48円)。物流業界の2024年問題対応のコスト負担と、人件費・燃料費上昇圧力が利益面の重しとなっている。2024年11月期に当期純利益が前期△1,334百万円から黒字転換(2,660百万円)するV字回復を達成済み。
| 項目(連結・百万円) | 2021年11月期 | 2022年11月期 | 2023年11月期 | 2024年11月期 | 2025年11月期 | 2026年11月期 会社予想 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 175,967 | 179,649 +2.1% |
184,617 +2.8% |
195,192 +5.7% |
202,602 +3.8% |
205,000 |
| 営業損益 | 3,638 | 3,695 +1.6% |
4,030 +9.1% |
5,562 +38.0% |
5,644 +1.5% |
5,700 |
| 経常損益 | 3,306 | 3,259 △1.4% |
3,470 +6.5% |
4,887 +40.8% |
4,820 △1.4% |
4,400 |
| 当期純損益 | 1,561 | 1,458 △6.6% |
△1,334 赤字転落 |
2,660 黒字転換 |
2,648 △0.5% |
2,100 |
| EPS(一株利益) | 62.81円 | 58.67円 | △53.70円 | 107.04円 | 106.54円 | 84.48円 |
| 決算発表時株価 (参考) |
919円 | 943円 | 938円 | 2,311円 | 2,993円 | ― |
| 実績PER | 14.63倍 | 16.07倍 | -17.47倍 | 21.59倍 | 28.09倍 | ― |
| 予想PER | ― | ― | ― | ― | ― | 35.43倍 |
| PBR | 0.59倍 | 0.57倍 | 0.58倍 | 1.34倍 | 1.64倍 | ― |
| PSR | 0.13倍 | 0.13倍 | 0.13倍 | 0.29倍 | 0.37倍 | ― |
本ページに掲載している業績数値は、各社が公表する決算短信を一次情報として作成しています。 数値は決算短信発表時点のものであり、将来的に修正される可能性があります。 業績予想は会社発表時点のものであり、実績と異なる場合があります。 PER・PBR・PSRは決算発表日の終値で算出した参考値です。 正確な情報は各社公式IRサイトを必ずご確認ください。
業績ハイライト
売上高は2021年11月期1,759億円→2025年11月期2,026億円と5期連続増収、4年で+15.1%成長。営業利益も4期連続増益(2021→2025年で+55.1%成長)。2023年11月期は特別損失計上で当期純利益が一時赤字となったが、2024年11月期にV字回復済み。PBRは2024年11月期に物流業界2024年問題への期待感から急騰し1.34倍へ、2025年は1.64倍へ。物流業界の安定銘柄として再評価される動きが継続。
強みと注目点
① 食品物流業界での確固たる地位
キユーピー系列の食品物流大手として、冷凍冷蔵輸送でシェア上位。4温度帯(常温・定温・冷蔵・冷凍)保管管理に対応するアセット型3PL(サードパーティロジスティクス)専門会社。食品メーカー、コンビニ、外食産業等の幅広い顧客基盤を保有。
② 全国小口輸配送「キユーソースルー便」
全国小口輸配送システム「キユーソースルー便」を運営。多数の小口荷主の貨物を効率的に集約・配送することで、物流業界の効率化と環境負荷低減に貢献。食品業界の物流効率化ニーズに応える独自サービス。
③ 三菱食品との首都圏低温物流協業
2024年春に三菱食品との共同出資会社を設立し、首都圏の低温物流で協業。物流業界全体の人手不足、ドライバー不足、2024年問題(労働時間規制)に対応する戦略的な取り組み。業界再編・協業の流れの先頭を走る。
④ 安定した業績成長
売上高は5期連続増収。営業利益も2023年11月期以降増益基調を維持。物流業界の構造変化(人件費上昇、燃料費上昇、2024年問題等)への対応で、適切な運賃改定と効率化を進めている。
⑤ 株主優待制度
キユーピー製品(マヨネーズ・ドレッシング類等)の株主優待があり、個人投資家にとっては魅力的。物流関連の安定銘柄として中長期保有志向の投資家からの支持を集める。
弱み・リスク要因
① 業績の伸び悩み
2025年11月期は経常利益△1.4%減、当期純利益△0.5%減、2026年11月期予想も経常利益△8.7%減、当期純利益△20.7%減と利益面で減速。人件費・燃料費上昇圧力が利益を圧迫している。EPS予想84.48円は前年106.54円から△20.7%減。
② 5月21日固有材料なし、テーマ性物色のみ
5月21日の当社固有の適時開示・ニュースは確認できなかった。物流関連株として動意づいた可能性、または個人投資家の物色対象として短期資金が流入した可能性があるが、確実な材料は特定できていない。テーマ性物色のみの場合、株価の持続性に不透明感がある。
③ 高PER水準
実績PER 28.09倍(2025年11月期)、2026年11月期予想PER 35.43倍と、業績水準に対し株価指標はやや割高。物流業界全体の評価上昇によるPER拡大が、業績悪化局面では調整リスクとなる可能性。
④ キユーピー依存度
キユーピー(株)が「その他の関係会社」として位置づけられ、キユーピーグループ向け取引が事業の重要部分を占める。キユーピーの経営戦略変更、取引条件変更等が業績に大きな影響を及ぼす可能性。
⑤ 2024年問題のコスト負担
物流業界の2024年問題(働き方改革による労働時間規制強化)への対応で、ドライバー人件費の上昇、配送効率の低下等のコスト負担が継続。価格転嫁が十分に進まない場合、利益率の継続的な低下リスク。
直近の急騰要因(2026年5月21日 ストップ高)
5月21日の同社固有の適時開示は確認できず、株探の「ニュース/主な株式テーマ」欄も空欄となっていた。同社は食品物流大手で、キユーピーの「その他の関係会社」(持分法適用関連会社)として位置づけられ、冷凍冷蔵輸送でシェア上位を占める。同日はソフトバンクグループ(OpenAI IPO申請観測)等のAI関連株が急騰した相場の中で、物流関連株として動意づいた可能性、または個人投資家の物色対象として短期資金が流入した可能性があるが、確実な材料は特定できなかった。終値3,385円(前日比+501円、+17.37%)でストップ高となった。なお、PBR 1.64倍、5期連続増収、4期連続営業増益という安定的な業績モメンタムが基本的な再評価の背景にあると考えられる。

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