2026年6月29日(月)のストップ高銘柄と理由

2026年6月29日(月)のストップ高銘柄と理由

S高 10銘柄

本日のポイント

6月29日のストップ高10銘柄は、会社側の開示を伴う資本政策・業績修正・固定資産売却に加え、AI、データセンター、金融DX、海外IP流通、レアアース回収、大手通信グループ向け機器採用など、複数の材料テーマが同時に走った一日となった。

個別材料の明確さでは、日本フエルトの自己株式取得、宮越ホールディングスの2027年3月期通期業績予想上方修正、東京ボード工業の固定資産譲渡益、トラース・オン・プロダクトのNTTイノベーティブデバイス向け採用が目立った。いずれも会社側の開示に基づく材料で、株主還元、黒字転換、財務体質改善、大手案件獲得という投資家が短期で評価しやすい切り口を持つ。

テーマ株の側面では、アクリートのコンテナ型データセンター事業、IGSのAI・人的資本データとインドGCC支援、LiNKXの金融システムモダナイゼーション、Link-Uグループの海外マンガ配信支援、中村超硬の希薄レアアースイオン回収技術が物色軸となった。AIインフラ、データセンター、サイバーセキュリティ、金融クラウド、資源循環、日本IP海外展開という複数の成長テーマが小型・グロース株に波及した。

値幅面では、東京ボード工業、トラース・オン・プロダクト、IGS、LiNKX、アクリート、中村超硬など、時価総額の小さい銘柄ほど買いが集中した。固定資産売却益や共同研究、採択、協業、新規事業といった単発材料だけでなく、今後の事業展開に接続しやすいテーマ性を伴う銘柄が強く反応した点が特徴となった。

テーマ別グルーピング

  • 株主還元・資本政策:日本フエルト。上限100万株、総額7.5億円の自己株式取得枠が材料。
  • 業績修正・半導体商流:宮越ホールディングス。2027年3月期通期業績予想の上方修正と、メモリー半導体調達・大口商談進展が材料。
  • 固定資産売却・財務改善:東京ボード工業。東京都江東区新木場の本社・工場用地等の譲渡により、約42.5億円の特別利益を見込む開示が材料。
  • 人工知能/金融DX:IGS、LiNKX。人的資本データ、AI時代の人材評価、金融システムのモダナイゼーション、クラウド・AI活用が主軸。
  • データセンター/サイバーセキュリティ:アクリート。GPUサーバー、コンテナ型データセンター、耐量子暗号ソリューションを組み合わせた新事業が材料。
  • 海外IP・コンテンツ流通:Link-Uグループ。経済産業省IP360の採択により、海外向けマンガ配信プラットフォームの拡大がテーマ化。
  • レアアース/素材・資源循環:中村超硬。子会社Zeo Nextと芝浦工業大学による希薄レアアースイオン回収技術の共同研究が材料。
  • 映像配信・大手案件:トラース・オン・プロダクト。NTTイノベーティブデバイスの映像配信プロジェクト向けSTB機器・サーバー機器採用が材料。

ストップ高銘柄(10銘柄)

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3512 日本フエルト 東証S 時価総額 約172億円 その他 株主還元 940円(前日比+150円 +18.99%)

日本フエルトは、製紙用フェルトや各種工業用繊維製品を手掛ける老舗メーカー。

主力の製紙用フェルトは、紙・板紙の製造工程で水分を搾り取り、紙質を安定させる重要部材に位置付けられる。

本日の材料は、6月26日に公表された自己株式取得枠の設定。

取得上限は100万株、取得総額は7億5,000万円で、自己株式を除く発行済株式総数に対する割合は5.96%とされた。

取得期間は2026年7月1日から2027年1月15日までで、市場買付およびToSTNeT-3を含む方法で実施する。

同社は2026年3月期に営業利益・経常利益を大きく伸ばしており、収益改善と株主還元強化が同時に意識された。

製紙関連は成長テーマとしては派手さに欠ける一方、資本効率改善と自己株買いが組み合わさると、バリュー株として再評価が入りやすい。

本日は終値940円、前日比+150円、+18.99%のストップ高。

テーマは「株主還元・資本政策」。取得規模が時価総額に対して相応に大きく、短期の需給改善と1株当たり指標の改善が材料となった。

3989 シェアテク 東証G 時価総額 約280億円 その他 生活サービス 1,145円(前日比+150円 +15.08%)

シェアリングテクノロジーは、暮らしのトラブル解決領域におけるマッチングプラットフォームを展開する情報・通信系グロース企業。

水回り、害虫駆除、鍵、電気工事、住宅設備など、生活関連サービスの問い合わせ獲得と加盟店送客を主な収益源とする。

直近の投資材料は、5月15日に公表された2026年9月期第2四半期決算。

中間期は売上収益43.28億円、営業利益9.73億円で増収増益となり、生活トラブル領域の集客力と収益性が確認された。

通期では売上収益98億円、営業利益36.5億円、親会社所有者帰属利益25億円の見通しが示されている。

配当見通しも投資家の関心を集めやすく、グロース株でありながら利益成長と株主還元の両面を持つ点が特徴となる。

暮らしのお困りごと事業は景気循環に左右されにくい生活密着型の需要を取り込みやすく、広告効率と加盟店ネットワークの改善が利益率に直結する。

本日は終値1,145円、前日比+150円、+15.08%のストップ高。

テーマは「生活サービス・高収益グロース」。直近決算で確認された増収増益基調と配当見通しが、短期資金の買い材料となった。

4265 IGS 東証G 時価総額 約21億円 人工知能 HRTech 430円(前日比+80円 +22.86%)

Institution for a Global Societyは、AIを活用した人材評価、人的資本データ、教育・HR領域のサービスを展開するHRTech企業。

「GROW360」などを通じて、非認知能力や組織内人材データを可視化し、企業の人的資本経営を支援する。

本日の物色材料は、インド大手人材関連企業Quess International Services Private Limitedとの戦略的協業契約。

協業の対象は、日本企業のインドにおけるGCC、すなわちグローバル・ケイパビリティ・センター設立支援。

日本企業がインドで先端IT人材を確保し、開発・業務機能を現地化する流れに対し、IGSの能力測定技術と人的資本データを活用する。

6月26日に公表された成長可能性資料では、構造改革完了後の「利益ある成長フェーズ」への移行を掲げ、FY28営業利益348百万円、営業利益率15.8%を目標としている。

AIによる定型業務代替が進む中、非認知能力、スキル可視化、人材再配置は企業の経営課題になりやすい。

インドGCC支援は、AI・人材・グローバル開発拠点という複数テーマを同時に含む。

本日は終値430円、前日比+80円、+22.86%のストップ高。

テーマは「人工知能・人的資本」。AI時代の人材評価とインドIT人材活用が、グロース小型株の材料として強く反応した。

4395 アクリート 東証G 時価総額 約73億円 データセンター サイバーセキュリティ 932円(前日比+145円 +18.42%)

アクリートは、国内SMS配信を主力とするコミュニケーションサービス企業。

近年はSMS配信だけでなく、AI活用ソリューション、セキュリティ、GPUサーバー関連など、新たな成長領域を広げている。

本日の主材料は、ゲットワークスと共同でコンテナ型データセンター事業を開始するとの発表。

取得予定の設備は、新潟県南魚沼郡湯沢町のコンテナ型データセンター設備一式。

同社はGPUサーバーの提供に加え、その設置環境となるコンテナ型データセンターを取得し、システムインテグレーターやクラウド事業者向けに各種ソリューションを提供する。

AIサービス利用時の機密情報漏洩リスクに対して、耐量子暗号ソリューションを組み合わせる点も特徴。

今後5年間で50億円から100億円の売上規模を目指す構想が示され、AIインフラ、GPU、データセンター、耐量子暗号の複合テーマとして評価された。

2026年12月期業績への影響は現時点で未定とされているが、既存のSMS事業とは異なる大型テーマへの展開としてインパクトが大きい。

本日は終値932円、前日比+145円、+18.42%のストップ高。

テーマは「データセンター・サイバーセキュリティ」。AI計算資源と情報保護を同時に扱う新事業が、短期資金の物色軸となった。

4446 Link-Uグループ 東証P 時価総額 約108億円 その他 コンテンツIP 764円(前日比+100円 +15.06%)

Link-Uグループは、電子書籍・マンガ配信サービス向けのサーバープラットフォーム、アプリ開発、データ配信技術を持つ情報・通信企業。

集英社やスクウェア・エニックスなどのコンテンツホルダーと関わる海外向けマンガ配信領域に強みを持つ。

本日の主材料は、連結子会社Link-U Technologiesが関与する海外向けマンガ配信サービスの経済産業省IP360採択。

「MANGA Plus by SHUEISHA」が、IP360の「流通プラットフォーム拡大支援」区分に採択された。

同時に、グループが参画する「Manga UP!」の採択も開示されている。

IP360は日本発コンテンツの海外展開を支援する制度で、海外向けマンガ配信プラットフォームの拡大と、日本IPの国際流通強化が材料となる。

2026年7月期業績への影響は軽微とされる一方、2027年7月期以降の業績向上への寄与が見込まれている。

マンガ・アニメ・ゲームなど日本コンテンツの海外展開は、政策支援、プラットフォーム技術、版元との関係性が組み合わさるテーマ。

本日は終値764円、前日比+100円、+15.06%のストップ高。

テーマは「海外IP・コンテンツ流通」。官民支援を伴う海外配信拡大が、Link-Uグループのサーバー・配信技術への評価につながった。

584A LiNKX 東証G 時価総額 約209億円 人工知能 金融DX 3,075円(前日比+500円 +19.42%)

LiNKXは、金融機関を中心に基幹システム等のモダナイゼーションを支援するシステム開発企業。

2026年6月23日に東京証券取引所グロース市場へ上場した直近IPOで、証券コードは584A。

主な事業領域は、銀行・金融機関向けのAPIゲートウェイ、データ基盤、勘定系システムなどの刷新支援。

レガシーシステムからクラウド・モダンアーキテクチャへの移行を支援し、金融クラウド技術やAI技術を活用する点が投資テーマとなる。

公開価格790円に対し、初値は1,075円と公開価格を36%上回った。

6月24日から貸借融資銘柄に追加されたことも、短期資金の流入を呼び込みやすい材料となった。

金融機関の基幹システム刷新は、コスト削減だけでなく、API連携、データ活用、AI活用、新サービス開発の前提となる。

直近IPOは需給面の軽さが値動きに反映されやすく、金融DXとAIモダナイゼーションのテーマ性が重なった。

本日は終値3,075円、前日比+500円、+19.42%のストップ高。

テーマは「人工知能・金融DX」。IPO需給、金融システム刷新、AI活用の三つが同時に評価された。

6166 中村超硬 東証G 時価総額 約73億円 レアアース 素材・資源循環 666円(前日比+100円 +17.67%)

中村超硬は、ダイヤモンドや超硬合金など高硬度材料の精密加工技術を基盤に、特殊精密機器、材料関連、ナノサイズゼオライト領域を展開する企業。

本日の主材料は、子会社Zeo Nextによる希薄なレアアースイオン回収技術の共同研究。

Zeo Nextは、芝浦工業大学工学部の研究室と共同で、希薄溶液中のレアアースイオン回収技術に関する研究を開始する。

同社はナノサイズゼオライト関連のテーマで注目されており、今回の共同研究により資源循環、レアアース回収、材料技術の切り口が強まった。

レアアースはモーター、電子部品、半導体周辺、再エネ関連など幅広い産業の重要素材として扱われる。

希薄な状態からの回収技術は、資源安全保障やリサイクルの文脈で政策テーマにも接続しやすい。

直近の事業計画資料では、マテリアルサイエンス事業をZeo Nextに移管し、ナノサイズゼオライトの用途開拓を進める方向性が示されている。

現時点では研究開発段階の材料だが、テーマ性の強さと小型株としての値幅の軽さが組み合わさった。

本日は終値666円、前日比+100円、+17.67%のストップ高。

テーマは「レアアース・素材・資源循環」。ナノサイズゼオライトとレアアース回収技術の組み合わせが、短期資金の物色軸となった。

6620 宮越HD 東証P 時価総額 約404億円 半導体 業績修正 1,010円(前日比+150円 +17.44%)

宮越ホールディングスは、中国・深圳を中心とした不動産プロジェクトと投資関連事業を展開する持株会社。

本日の主材料は、2027年3月期通期連結業績予想の上方修正。

営業収益は前回予想比75.0%増の35億円へ引き上げられた。

営業利益は従来の赤字予想から1.5億円の黒字へ転換する見通しとなった。

親会社株主に帰属する当期純利益も、従来の赤字予想から3.3億円の黒字へ修正された。

修正理由として、中国メーカーとのメモリー半導体調達交渉の具体化、日本企業向け大口商談の進展が示されている。

6月26日付で「不動産と半導体の二本立てへ」と題する投資家向け資料も公表されており、従来の不動産テーマに半導体商流の材料が加わった。

赤字予想から黒字予想への転換は、短期投資家にとって評価しやすい数値材料となる。

本日は終値1,010円、前日比+150円、+17.44%のストップ高。

テーマは「半導体・業績修正」。通期黒字転換見通しとメモリー半導体商談の進展が、株価上昇の中心材料となった。

6696 トラースOP 東証G 時価総額 約16億円 その他 映像配信 322円(前日比+80円 +33.06%)

トラース・オン・プロダクトは、IoT機器、STB、サーバー機器、DX関連製品・サービスを手掛けるグロース市場の小型企業。

本日の主材料は、STB機器およびサーバー機器がNTTイノベーティブデバイスの映像配信プロジェクトに採用されたこと。

対象プロジェクトでは、高品質かつ安定的な映像伝送と、視聴環境における操作性の高い映像配信システムが求められている。

同社は「STBを用いたリアルタイムデコード」を実現するシステムの提供で採用された。

リアルタイムデコードに関する技術力と、短納期での提供体制が評価されたとされる。

提供内容は、リアルタイムデコード用システムの開発、STB2拠点分、サーバー機器等の納入。

納品は2026年7月予定で、売上計上は2027年1月期第2四半期を予定している。

売上規模は2026年1月期売上高の10%未満とされるが、大手通信グループ関連案件への採用実績としてインパクトがあった。

本日は終値322円、前日比+80円、+33.06%のストップ高。

テーマは「映像配信・大手案件」。NTTイノベーティブデバイス向け採用が、同社の機器・システム提供力を示す材料となった。

7815 東京ボード 東証S 時価総額 約11億円 その他 固定資産売却 306円(前日比+80円 +35.40%)

東京ボード工業は、木質廃材のリサイクルを活用したパーティクルボードなどを手掛ける建材・リサイクル関連企業。

本日の主材料は、固定資産の譲渡および特別利益の計上。

同社は東京都江東区新木場に保有する本社および工場用地等の固定資産を譲渡する。

譲渡契約締結日は2026年6月26日、譲渡引渡日は2026年6月30日の予定。

今回の譲渡に伴い、2027年2月期連結決算で約42億5,000万円の固定資産売却益を特別利益として計上する見込み。

譲渡後も賃貸借契約により同拠点を継続使用するため、事業所の閉鎖や移転は予定されていない。

通期業績予想への影響は他の要因も含めて精査中とされている。

同社はスタンダード市場の上場維持基準への適合に向けた計画を開示しており、今回の特別利益は財務体質改善や資本政策の観点でも注目された。

本日は終値306円、前日比+80円、+35.40%のストップ高。

テーマは「固定資産売却・財務改善」。時価総額規模に対して大きな特別利益見込みが、強い買い材料となった。

主な出典

免責事項

本記事は公開情報をもとに作成した情報提供コンテンツであり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。株式投資には価格変動リスク、流動性リスク、信用リスク等があります。投資判断は必ず各社の公式開示、最新の株価情報、決算資料を確認したうえで行ってください。

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