3989 シェアリングテクノロジー

シェアリングテクノロジー 3989 東証G

SHARINGTECHNOLOGY INC.|暮らしのお困りごと解決サービスのWebマッチング、バーティカルメディア、自社施工を展開する生活サービスプラットフォーム企業。

※2026年6月29日時点の情報

事業内容

2026年6月29日の時価総額は約280億円。

シェアリングテクノロジー株式会社は2006年11月設立、本社は愛知県名古屋市中村区名駅1-1-1 JPタワー名古屋19F、代表者は代表取締役CEOの片山善隆、決算期は9月30日。東京証券取引所グロース市場に上場し、街の専門業者を中心とした約7,400の加盟店と提携して、一般家庭で生じる生活トラブル関連サービスを対象としたWeb事業を展開している。

2026年9月期中間期は売上収益4,328百万円、営業利益973百万円、親会社の所有者に帰属する中間利益669百万円。売上収益は前年同期比15.1%増、営業利益は同9.6%増、親会社の所有者に帰属する中間利益は同12.9%増となり、プラットフォーム事業の堅調な増収と自社施工事業の急伸が全体を押し上げた。

暮らしのお困りごと事業:生活トラブル領域の総合プラットフォーム

売上収益は2021年9月期3,531百万円から2025年9月期8,579百万円へ拡大。2022年9月期以降、生活トラブル領域への経営資源集中と広告投資効率の改善で、増収基調が続いている。
売上収益推移(百万円)
3,531 2021 4,429 2022 6,228 2023 7,502 2024 8,579 2025 9,185 2,925

主力は「生活110番」を中心とする暮らしのお困りごと解決プラットフォームである。生活110番は、鍵、水回り、電気工事、害虫・害獣、庭、雨漏り、ガラス、アンテナ、張替えなど、暮らしに関する150以上のサービスジャンルからユーザーに適した専門業者を紹介し、マッチングする。

同社の収益構造は、生活トラブルの検索需要をWebサイト、バーティカルメディア、コールセンターで受け、加盟店や自社施工へ送客するモデルである。ユーザー側は急な困りごとを解決したい需要を持ち、加盟店側は効率的に見込み客を獲得したい需要を持つ。両者をつなぐことで、広告・集客・受付・マッチングの機能を収益化する。

生活トラブルは季節性がある。ハチ、シロアリ、庭木、エアコン、雨漏りなどは時期や天候により問い合わせが増減する。検索流入と広告投資の最適化、コールセンターの処理能力、加盟店の施工キャパシティが売上成長の実務的な制約になる。

2021年9月期は営業損失だったが、2022年9月期に黒字転換し、2025年9月期まで増収と営業増益が続いた。投資判断では、単なる売上拡大だけではなく、広告宣伝費率、問い合わせ単価、成約率、加盟店単価、自社施工比率の変化を見る必要がある。

収益性:広告投資効率と営業利益率の改善

営業利益は2021年9月期1,130百万円の損失から、2025年9月期2,074百万円へ改善。2025年9月期の売上高営業利益率は24.17%まで上昇している。
営業利益推移(百万円)
-1,130 2021 401 2022 1,240 2023 1,790 2024 2,074 2025 2,458 -1,514

シェアリングテクノロジーは、2021年9月期にのれんおよび無形資産の減損損失を計上し、営業損失と当期損失を計上していた。その後、「暮らしのお困りごと」事業へ経営資源を集中し、広告宣伝費率の適正化と売上収益の増加を進めたことで、2022年9月期に営業黒字へ転換した。

2023年9月期以降は、売上収益の拡大に対して営業利益の伸びが大きく、プラットフォーム型モデルの固定費吸収が進んだ。2023年9月期の営業利益は1,240百万円、2024年9月期は1,790百万円、2025年9月期は2,074百万円となり、営業利益率は2023年9月期19.92%、2024年9月期23.86%、2025年9月期24.17%と高水準で推移している。

収益性を見る際は、広告投資を削って短期利益を出しているのか、検索流入・ブランド認知・加盟店網の強化によって構造的に利益率が上がっているのかを分ける必要がある。2026年9月期中間期では売上収益が前年同期比15.1%増、営業利益が同9.6%増であり、営業利益の伸びは売上成長をやや下回った。

プラットフォーム事業:生活110番とバーティカルメディア

2026年9月期中間期のプラットフォーム事業売上収益は3,059百万円、前年同期比2.1%増。既存のWebマッチング基盤は大きく崩れず、自社施工事業の拡大と並行して推移している。
プラットフォーム事業 売上収益(百万円、中間期比較)
2,997 2025中間 3,060 2026中間 3,068 2,989

プラットフォーム事業は、生活110番、各ジャンルの専門サイト、24時間365日のコールセンターを通じて、ユーザーからの相談を受け付け、加盟店や施工先に接続する事業である。

生活110番は、鍵、水、電気工事、雨漏り、ガラス、アンテナ、害虫、害獣、庭木、草刈り、ペット葬儀、張替えなど、ユーザーの「今すぐ解決したい」需要を広く取り込む。特定ジャンルに絞ったバーティカルメディアは、シロアリ110番、ハチ110番、害獣駆除110番、ねずみ110番、害虫駆除110番、雨漏り修理110番、カギ110番、お庭110番、草刈り110番、水110番、電気工事110番などで構成される。

この領域の競争力は、検索順位、広告運用、問い合わせ導線、コールセンター品質、地域別加盟店ネットワークの密度で決まる。生活トラブルは地域性が強く、全国対応を掲げるには、地域ごとに十分な施工会社を確保する必要がある。

プラットフォーム事業は軽資産型で利益率を高めやすい一方、検索アルゴリズムや広告単価の変化を受けやすい。売上成長の持続には、広告依存度の低減、自然検索流入の維持、既存ユーザーとの接点拡大、加盟店満足度の維持が重要になる。

自社施工事業:アズサポートによる実作業領域の内製化

2026年9月期中間期の自社施工事業売上収益は1,268百万円、前年同期比65.7%増。マッチングだけでなく、害虫・害獣駆除、電気工事、庭、防犯カメラ、鍵などを自社施工で取り込む成長ドライバーになっている。
自社施工事業 売上収益(百万円、中間期比較)
766 2025中間 1,269 2026中間 1,329 706

自社施工事業は、アズサポートを中心に、害虫・害獣駆除、鳥害対策、電気工事、庭の手入れ、防犯カメラの設置、鍵のトラブルなど、暮らしのお困りごとに関わる施工を自社で行う領域である。

プラットフォーム型モデルは送客収益を得やすいが、施工利益を外部加盟店に渡す構造になる。自社施工を拡大すれば、送客に加えて施工単価を取り込めるため、売上の厚みが増す。一方で、作業員、車両、教育、品質管理、保証対応、施工資材などの運営負荷が増える。

2026年9月期中間期は自社施工事業の伸びが大きく、全社増収の中心になった。施工を内製化することで顧客体験を管理しやすくなる一方、施工品質のばらつきや人材採用難が利益率に影響する。

投資判断では、自社施工比率の上昇が営業利益率を押し上げるのか、それとも採用・教育・車両・保証コストで利益率を圧迫するのかを確認する必要がある。2026年9月期会社予想は営業利益3,650百万円まで引き上がっており、自社施工事業の成長が予想達成の重要要素になる。

直近5年業績サマリー

業績項目 2021年9月期 2022年9月期 2023年9月期 2024年9月期 2025年9月期 2026年9月期
会社予想
売上高
(百万円)
3,531 4,429
+898 / +25.4%
6,228
+1,799 / +40.6%
7,502
+1,274 / +20.5%
8,579
+1,077 / +14.4%
9,800
+1,221 / +14.2%
営業損益
(百万円)
△1,130 401
+1,531 / 黒字転換
1,240
+839 / +209.2%
1,790
+550 / +44.4%
2,074
+284 / +15.9%
3,650
+1,576 / +76.0%
経常損益
(百万円)
△1,151 390
+1,541 / 黒字転換
1,235
+845 / +216.7%
1,791
+556 / +45.0%
2,072
+281 / +15.7%
当期純利益
(百万円)
△1,119 472
+1,591 / 黒字転換
1,320
+848 / +179.7%
1,467
+147 / +11.1%
1,413
△54 / △3.7%
2,500
+1,087 / +76.9%
EPS
(円)
△45.80 19.32
+65.12 / 黒字転換
54.03
+34.71 / +179.7%
60.05
+6.02 / +11.1%
57.84
△2.21 / △3.7%
104.47
+46.63 / +80.6%
PER
(倍)
13.56 12.81 14.64 17.55 10.96
PBR
(倍)
24.82 9.57 7.75 5.52 4.81 5.43
BPS
(円)
7.78 27.38
+19.60 / +252.1%
89.32
+61.94 / +226.2%
159.19
+69.87 / +78.2%
211.05
+51.86 / +32.6%
純資産
(百万円)
190 669
+479 / +252.1%
2,188
+1,519 / +227.1%
3,908
+1,720 / +78.6%
5,200
+1,292 / +33.1%
営業CF
(百万円)
449 725 1,475 2,271 1,981
投資CF
(百万円)
427 5 16 △14 △366
財務CF
(百万円)
△1,324 △1,515 △597 0 △293
現金及び現金同等物
(百万円)
1,742 957 1,851 4,109 5,431
シェアリングテクノロジーはIFRS適用企業のため、経常損益欄には税引前利益を記載。売上高、営業損益、税引前利益、当期純利益、純資産、キャッシュ・フロー、現金及び現金同等物は決算短信の連結数値。EPS、BPS、PER、PBRは、発行済株式総数の変化を踏まえ、最新の発行済株式総数24,429,800株を基準に再計算。ただし、2026年9月期会社予想EPSは2026年9月期中間決算短信の会社予想104.47円を使用。過去5期のPER・PBRはユーザー提供の各期末終値(2021年9月期193円、2022年9月期262円、2023年9月期692円、2024年9月期879円、2025年9月期1,015円)を使用。会社予想列のPERは2026年6月29日終値1,145円と会社予想EPS104.47円、PBRは2026年6月29日終値1,145円と2025年9月期再計算BPSを使用。

中期経営計画

現行中期経営計画は未確認、2026年9月期業績予想と成長方針を確認

2026年6月29日時点で、公式IRライブラリ上に現行の中期経営計画資料は確認できない。直近の投資判断では、2026年9月期の通期業績予想、配当予想、プラットフォーム事業と自社施工事業の成長方針を中期戦略の代替情報として読む必要がある。

2026年9月期 通期会社予想 金額 前期比
売上収益 9,800百万円 +14.2%
営業利益 3,650百万円 +76.0%
親会社の所有者に帰属する当期利益 2,500百万円 +76.9%
基本的1株当たり当期利益 104.47円
年間配当予想 55.00円 2025年9月期40.00円から増配

成長方針の中心は、「暮らしのお困りごと」事業への経営資源集中である。プラットフォーム事業では、生活110番とバーティカルメディアを通じて、150以上の生活トラブル領域における相談を獲得し、加盟店ネットワークに接続する。

自社施工事業では、アズサポートを通じて、害虫・害獣駆除、電気工事、庭、防犯カメラ、鍵などの実作業を自社で担う。2026年9月期中間期は自社施工事業の売上収益が前年同期比65.7%増となっており、今後の成長余地と実行リスクが同時に大きい領域である。

営業利益3,650百万円の予想は、2025年9月期営業利益2,074百万円から大幅な増益を見込む水準である。下期に季節性のあるサービス需要、広告費、採用・教育費、施工品質管理コストがどう推移するかが、予想達成の焦点になる。

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競合他社

① カカクコム(2371)

株価は約3,371円、時価総額は約6,680億円。価格.com、食べログ、求人ボックスなどを展開する大手インターネットメディア企業であり、生活関連サービスでは「価格.com くらしサポート」を通じて、ホームサービスのマッチング領域に進出している。

2026年3月期は売上収益941.27億円、営業利益272.43億円。求人ボックスなどへの成長投資により営業利益は前期比で減少したが、売上規模とブランド認知、検索流入の強さは国内インターネットメディア企業の中でも大きい。

競合点は、エアコン修理・取り付け、水道・トイレ修理、電気工事、ハウスクリーニング、庭の手入れ、不用品回収などの生活サービス領域である。「価格.com くらしサポート」は、条件に合う業者を1社厳選して紹介する仕組みを持ち、シェアリングテクノロジーの生活110番とユーザー獲得、加盟店獲得、検索流入の面で競合する。

② ダスキン(4665)

株価は約4,419円、時価総額は約2,121億円。清掃用品レンタル、ハウスクリーニング、家事代行、害虫獣駆除、庭木のお手入れ、住まいの補修など、家庭向け生活支援サービスを幅広く展開する。

2026年3月期は売上高1,945.54億円、営業利益87.48億円。訪販グループとフードグループがともに増収となり、営業利益も増益となった。全国的なブランド認知、フランチャイズ網、清掃・衛生領域での信頼が強みである。

競合点は、ハウスクリーニング、害虫獣駆除、庭木のお手入れ、住まいの補修など、一般家庭の困りごとを解決する実作業サービスである。シェアリングテクノロジーはマッチングと自社施工の両面を持つため、ダスキンとはユーザーの生活トラブル解決ニーズを取り合う関係にある。

③ アサンテ(6073)

株価は約1,412円、時価総額は約174億円。シロアリ防除、害虫・害獣対策、湿気対策、地震対策、断熱リフォームなど、木造住宅を中心とした住環境メンテナンスサービスを展開する。

2026年3月期は売上高143.55億円、営業利益8.35億円。売上は増加したが、営業利益は減益となった。専門施工型の住宅メンテナンス企業であり、シロアリ・害虫・害獣領域ではシェアリングテクノロジーのバーティカルメディアおよび自社施工領域と競合する。

競合点は、シロアリ110番、ハチ110番、害獣駆除110番、ねずみ110番、害虫駆除110番といった害虫・害獣・シロアリ対策の顧客獲得である。特にアズサポートが害虫・害獣駆除や鳥害対策を自社施工する領域では、アサンテの専門施工サービスと直接比較されやすい。

強みと将来性

高成長の生活トラブル集客基盤と自社施工への展開力

シェアリングテクノロジーの強みは、生活トラブル領域に特化した集客基盤、150以上のサービスジャンル、約7,400の加盟店ネットワーク、24時間365日の受付体制を組み合わせている点にある。

生活トラブルは、ユーザーの緊急性が高い。鍵、水回り、電気工事、害虫、雨漏り、ガラス、アンテナ、庭木などは、比較検討に長い時間をかけるよりも、すぐに相談できる窓口が重視される。検索から問い合わせ、コールセンター受付、加盟店紹介までの導線を保有することは、価格比較型サービスとは異なる実務的な強みになる。

2021年9月期の損失計上後、同社は「暮らしのお困りごと」事業へ経営資源を集中し、2022年9月期に黒字転換した。その後、2025年9月期まで売上収益と営業利益を伸ばし、2025年9月期の営業利益率は24.17%に達した。プラットフォーム型の費用構造が効き始めている点は評価材料になる。

将来性は、自社施工事業の拡大にある。従来のマッチングモデルでは、送客手数料や紹介収益が中心になりやすい。一方、アズサポートによる自社施工を拡大すれば、施工単価を取り込み、顧客体験を自社で管理できる。2026年9月期中間期の自社施工事業売上収益は前年同期比65.7%増であり、全社成長の牽引役になっている。

財務面では、2025年9月期末の現金及び現金同等物は5,431百万円、親会社所有者帰属持分比率は69.33%。2021年9月期の低い自己資本水準から財務体質は大きく改善した。営業キャッシュ・フローも2023年9月期1,475百万円、2024年9月期2,271百万円、2025年9月期1,981百万円と高水準で、成長投資と株主還元を両立しやすい状態に近づいている。

2026年9月期会社予想は営業利益3,650百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益2,500百万円で、前期比の増益率が大きい。予想達成が見えてくる局面では、利益成長と配当利回りの両面から市場評価が変化する余地がある。

弱みとリスク要因

広告依存、品質管理、季節性、自社施工の運営負荷

最大のリスクは、Web集客モデルが検索順位、広告単価、競合の入札、媒体アルゴリズムに左右されやすいことである。生活トラブル領域は顕在需要が強い一方、広告出稿で獲得しようとする競合も多い。広告単価が上昇すれば、問い合わせ獲得コストが上がり、営業利益率を圧迫する。

加盟店ネットワークにもリスクがある。ユーザーは生活110番を通じてサービスを依頼するため、実際に現場で対応する加盟店や施工会社の品質が、シェアリングテクノロジーのブランド評価に直結する。料金説明、見積もり、施工品質、対応速度、アフターサポートでトラブルが発生すると、口コミや検索評価に悪影響が出る。

自社施工事業の拡大は成長機会であると同時に、運営負荷の上昇でもある。作業員の採用、教育、資格、車両、工具、資材、在庫、現場管理、保証対応が必要になり、純粋なプラットフォーム型より固定費が重くなる。施工案件が増えても人材確保が遅れれば、受注機会を逃すか、外注比率が上がる。

季節性と天候要因も無視できない。ハチ、シロアリ、庭、草刈り、エアコン、雨漏りなどは、気温、降雨、台風、害虫発生時期に左右される。需要が集中する時期にはコールセンターと施工キャパシティが不足しやすく、閑散期には広告効率や稼働率が低下する可能性がある。

競争環境では、カカクコムのような大手メディア、ダスキンのようなブランド力のある実作業会社、アサンテのような専門施工会社が存在する。シェアリングテクノロジーは領域横断の利便性を持つが、個別ジャンルでは各専門会社に品質・実績・ブランドで比較される。

株価面では、2025年9月期末終値1,015円から2026年6月29日終値1,145円へ上昇しており、会社予想の増益を一定程度織り込んでいる可能性がある。2026年9月期会社予想の営業利益3,650百万円を下回る兆候が出た場合、利益成長期待の反動が出やすい。

出典

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