8848 レオパレス21

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8848 レオパレス21

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事業内容と業績

賃貸事業

賃貸事業 業績推移
2021年3月期より開発事業を賃貸事業へ統合。現行の報告セグメントは3区分。最新Q1まで表示(セグメント別通期予想は非開示)。
売上高利益損失
事業内容:アパート等の一括借上げによる賃貸・管理を中核に、入居者募集、建物管理・営繕工事、賃貸関連サービス、ブロードバンド「LEONET」などを展開する事業です。法人向け社宅需要にも対応し、賃料債務保証、社宅代行、太陽光発電、少額短期保険、不動産仲介など周辺サービスも提供します。土地オーナーからのアパート建築請負と、建築後の募集・管理までを一体で手掛ける開発機能も会計上は賃貸事業に含まれ、レオパレス21の売上高の9割超を担う中核セグメントです。

シルバー事業

シルバー事業 業績推移
現行の報告セグメント。2022年3月期~2026年3月期実績と2027年3月期Q1を表示。
売上高利益損失
事業内容:高齢化社会の介護需要に対応し、「あずみ苑」ブランドを中心に地域密着型の介護サービスを提供する事業です。グループホーム、デイサービス、ショートステイ、介護付き・住宅型有料老人ホームを運営し、訪問介護や居宅介護支援も行います。施設の建築から入所者募集・運営までをグループで担うモデルを持ち、要介護者の生活支援や家族の介護負担軽減、在宅生活の継続支援まで幅広いサービスを組み合わせています。2026年3月期末の施設数は85施設です。

その他事業

その他事業 業績推移
現行の報告セグメント。2022年3月期~2026年3月期実績と2027年3月期Q1を表示。
売上高利益損失
事業内容:主に米国準州グアムで「レオパレスリゾートグアム」を運営し、ホテル、ゴルフ場などのリゾートサービスを提供する事業です。グループではこのほか、ファイナンスや事務代行などの機能もその他事業に含めています。グアムの宿泊・レジャー需要を取り込む海外リゾート事業という性格を持つ一方、レオパレス21は2020年の抜本的事業戦略再構築以降、賃貸事業への経営資源集中を進めており、グアムリゾートについてはノンコア事業として早期売却方針を掲げています。

直近5年業績サマリー

業績項目 2022年3月期2023年3月期2024年3月期 2025年3月期2026年3月期2027年3月期
会社予想
売上高
398,366
406,449
+8,083 / +2.0%
422,671
+16,222 / +4.0%
431,831
+9,160 / +2.2%
444,820
+12,989 / +3.0%
465,000
営業損益
1,774
9,879
+8,105 / +456.9%
23,313
+13,434 / +136.0%
29,231
+5,918 / +25.4%
35,966
+6,735 / +23.0%
38,500
経常損益
△2,151
6,526
+8,677 / +403.4%
19,476
+12,950 / +198.4%
26,936
+7,460 / +38.3%
34,842
+7,906 / +29.4%
38,100
当期純利益
11,854
19,810
+7,956 / +67.1%
42,062
+22,252 / +112.3%
17,861
△24,201 / △57.5%
14,933
△2,928 / △16.4%
22,200
EPS
36.04
60.22
+24.18 / +67.1%
130.91
+70.69 / +117.4%
56.22
△74.69 / △57.1%
45.14
△11.08 / △19.7%
69.87
一株配当金
0.00
0.00
0.00 / —
5.00
+5.00 / —
10.00
+5.00 / +100.0%
10.00
0.00 / 0.0%
15.00
純資産
11,034
32,922
+21,888 / +198.4%
71,679
+38,757 / +117.7%
88,268
+16,589 / +23.1%
48,150
△40,118 / △45.5%
営業CF
△4,460
10,545
+15,005 / +336.4%
21,422
+10,877 / +103.1%
25,899
+4,477 / +20.9%
38,467
+12,568 / +48.5%
投資CF
886
906
+20 / +2.3%
851
△55 / △6.1%
△604
△1,455 / △171.0%
△815
△211 / △34.9%
財務CF
△5,886
△2,819
+3,067 / +52.1%
△7,119
△4,300 / △152.5%
△6,404
+715 / +10.0%
△68,794
△62,390 / △974.2%
フリーCF
△3,574
11,451
+15,025 / +420.4%
22,273
+10,822 / +94.5%
25,295
+3,022 / +13.6%
37,652
+12,357 / +48.9%
受注残高
6,133

単位:百万円(EPS・一株配当金は円)。フリーCF=営業CF+投資CF。前年比は前年差÷前年値の絶対値×100で算出し、前年値が0または比較データがない場合は「—」。受注残高は2022年3月期のみ開示。2026年3月期の純資産は、2027年3月期Q1で会計方針変更を遡及適用した比較数値48,150百万円を採用しています。

1.会社予想と実績

2022年3月期から2026年3月期は各期首に公表された通期会社予想と通期実績を比較。2027年3月期は2026年8月7日の第1四半期決算時点で据え置かれた最新通期予想です。レンジ予想はありません。

売上高期首会社予想と通期実績(2027/3は最新会社予想)会社予想実績0250,000500,000750,0001,000,000402,900398,3662022/398.9%410,800406,4492023/398.9%419,800422,6712024/3100.7%428,600431,8312025/3100.8%441,400444,8202026/3100.8%465,0002027/3最新予想単位:百万円
会社予想=青、実績=赤。達成・超過は赤、未達は青、最新予想は黄。赤字予想は赤字幅の縮小を達成として判定。
営業利益期首会社予想と通期実績(2027/3は最新会社予想)会社予想実績012,50025,00037,50050,0002,0001,7742022/388.7%11,7009,8792023/384.4%13,90023,3132024/3167.7%26,60029,2312025/3109.9%32,40035,9662026/3111.0%38,5002027/3最新予想単位:百万円
会社予想=青、実績=赤。達成・超過は赤、未達は青、最新予想は黄。赤字予想は赤字幅の縮小を達成として判定。
経常利益期首会社予想と通期実績(2027/3は最新会社予想)会社予想実績-5,0008,75022,50036,25050,000△2,900△2,1512022/3134.8%6,8006,5262023/396.0%9,40019,4762024/3207.2%24,90026,9362025/3108.2%30,90034,8422026/3112.8%38,1002027/3最新予想単位:百万円
会社予想=青、実績=赤。達成・超過は赤、未達は青、最新予想は黄。赤字予想は赤字幅の縮小を達成として判定。
親会社株主帰属純利益期首会社予想と通期実績(2027/3は最新会社予想)会社予想実績-10,0005,00020,00035,00050,000△5,60011,8542022/3黒字転換24,90019,8102023/379.6%7,40042,0622024/3568.4%14,50017,8612025/3123.2%18,10014,9332026/382.5%22,2002027/3最新予想単位:百万円
会社予想=青、実績=赤。達成・超過は赤、未達は青、最新予想は黄。赤字予想は赤字幅の縮小を達成として判定。
EPS期首会社予想と通期実績(2027/3は最新会社予想)会社予想実績-501275138200△17.0336.042022/3黒字転換75.7160.222023/379.5%22.49130.912024/3582.1%45.6456.222025/3123.2%56.9745.142026/379.2%69.872027/3最新予想単位:円
会社予想=青、実績=赤。達成・超過は赤、未達は青、最新予想は黄。赤字予想は赤字幅の縮小を達成として判定。
指標 2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期2026年3月期2027年3月期
予想実績達成率予想実績達成率予想実績達成率予想実績達成率予想実績達成率予想実績達成率
売上高
(百万円)
402,900398,36698.9%410,800406,44998.9%419,800422,671100.7%428,600431,831100.8%441,400444,820100.8%465,000最新予想
営業利益
(百万円)
2,0001,77488.7%11,7009,87984.4%13,90023,313167.7%26,60029,231109.9%32,40035,966111.0%38,500最新予想
経常利益
(百万円)
△2,900△2,151134.8%6,8006,52696.0%9,40019,476207.2%24,90026,936108.2%30,90034,842112.8%38,100最新予想
親会社株主帰属純利益
(百万円)
△5,60011,854黒字転換24,90019,81079.6%7,40042,062568.4%14,50017,861123.2%18,10014,93382.5%22,200最新予想
EPS
(円)
△17.0336.04黒字転換75.7160.2279.5%22.49130.91582.1%45.6456.22123.2%56.9745.1479.2%69.87最新予想

達成率=実績÷期首会社予想×100。赤字予想で実績も赤字の場合は「予想損失額÷実績損失額×100」。赤字予想から黒字へ転換した場合は「黒字転換」と表示しています。

2.達成・未達理由
2022年3月期売上・営業はわずかに未達、最終損益は黒字転換
売上 98.9%営業 88.7%経常 134.8%純利益 黒字転換EPS 黒字転換

原価・販管費を前期比41,550百万円削減し営業黒字へ転換したものの、売上高と営業利益は期首予想にわずかに届きませんでした。一方、経常赤字は予想より縮小。補修工事関連損失引当金戻入額11,959百万円と法人税等調整額(益)4,401百万円が寄与し、期初の最終赤字予想から11,854百万円の黒字へ大きく上振れしました。

2023年3月期5指標とも期首予想を未達
売上 98.9%営業 84.4%経常 96.0%純利益 79.6%EPS 79.5%

法人需要の回復、入居率・家賃単価の上昇、一括借上家賃の適正化で大幅増益となりましたが、期初計画水準には届きませんでした。経常利益は支払利息4,370百万円が重荷となり、純利益は繰延税金資産の積み増しによる法人税等調整額(益)18,538百万円が寄与したものの、期初予想24,900百万円を下回りました。

2024年3月期5指標すべて達成、利益は大幅超過
売上 100.7%営業 167.7%経常 207.2%純利益 568.4%EPS 582.1%

家賃単価と平均入居率の上昇で売上高が計画を超え、家賃適正化による原価低減で収益性が大きく改善しました。さらに、繰延税金資産の積み増しに伴う法人税等調整額(益)26,564百万円を計上したことで、純利益とEPSは期初予想を大幅に上回りました。

2025年3月期5指標すべて達成
売上 100.8%営業 109.9%経常 108.2%純利益 123.2%EPS 123.2%

入居率は計画に対し下振れしたものの、家賃単価の上昇が売上を支え、コスト構造の適正化で営業利益を伸ばしました。リファイナンスによる支払利息の低減も経常利益を押し上げました。繰延税金資産の一部取り崩しで法人税等調整額8,744百万円を計上したものの、純利益は期初予想を上回りました。

2026年3月期売上・営業・経常は達成、純利益・EPSは未達
売上 100.8%営業 111.0%経常 112.8%純利益 82.5%EPS 79.2%

家賃単価の上昇と売上原価の抑制が人的投資に伴う販管費増を上回り、売上高・営業利益・経常利益は期初予想を超えました。一方、自己新株予約権消却損10,068百万円の特別損失と、繰延税金資産の一部取り崩しに伴う法人税等調整額8,224百万円が響き、純利益とEPSは期初予想を下回りました。

2027年3月期最新会社予想(Q1時点で据え置き)
売上 465,000営業 38,500経常 38,100純利益 22,200EPS 69.87

第1四半期は売上高115,902百万円、営業利益12,123百万円、経常利益12,279百万円、純利益7,034百万円。会社は2026年8月7日時点で第2四半期累計・通期予想を変更していません。

3.事業セグメントの自信度

決算短信のセグメントコメントのトーンと、売上・利益の方向を組み合わせて「強気・中立・弱気」を推定しています。

賃貸事業

回復初期から強気へ移行し、直近Q1も強気を維持。
2022 中立
法人顧客を中心に抑制されていた入居需要が回復傾向にある

需要回復と入居率改善を確認した一方、売上は減収局面であり、回復初期と判断。

2023 強気
家賃単価の上昇や入居率のベースアップ

需要回復が価格・稼働率の双方へ波及し、一括借上家賃の適正化も利益に寄与。

2024 強気
コスト構造の適正化により収益性が向上

平均入居率と家賃単価の上昇を背景に、利益率改善を明確に説明。

2025 強気
家賃単価の上昇等により

入居率下振れを単価上昇で吸収し、増収・増益を継続。

2026 強気
入居率ならびに家賃単価の上昇

稼働率と価格の両輪が揃い、セグメント利益44,295百万円まで拡大。

2027 Q1 強気
増収効果に加え、コスト構造の適正化により収益性が向上

メンテナンス費増を吸収し、売上・セグメント利益とも前年同期を上回る。

最新判断強気

入居率・家賃単価の上昇が継続し、費用増を吸収してQ1セグメント利益も増益。

シルバー事業

一時改善した2024年3月期を除き、赤字継続から弱気基調。
2022 弱気
介護サービスの利用控えが継続

コロナ影響による利用控えが続き、営業赤字が拡大。

2023 弱気
介護サービスの利用控えが継続

需要正常化が遅れ、営業損失1,208百万円へ悪化。

2024 中立
各種営業施策や原価抑制策の継続

赤字は残るものの、営業損失は621百万円まで縮小。

2025 弱気
営業損失803百万円

売上減少と赤字再拡大で改善の勢いが鈍化。

2026 弱気
営業損失1,062百万円

施設数85で横ばいの中、赤字幅がさらに拡大。

2027 Q1 弱気
営業損失は405百万円

前年同期から50百万円の損失拡大で、収益改善は確認できない。

最新判断弱気

Q1でも営業損失が前年同期より拡大しており、黒字化の確認が必要。

その他事業

需要回復局面でも営業赤字が続き、全期間で弱気基調。
2022 弱気
グアムリゾート施設の稼働率が大幅に低下

海外移動制約の直撃を受け、売上・利益とも厳しい状況。

2023 弱気
リゾート施設の稼働率低迷が続いており

需要回復が遅く、営業損失は2,706百万円まで拡大。

2024 弱気
コロナ禍前の水準にはまだ遠く及ばず

回復途上を認める表現で、黒字化への距離が残る。

2025 弱気
営業損失は2,608百万円

売上は微増でも損失が拡大し、収益性改善が見えにくい。

2026 弱気
売上高は1,544百万円

売上は30.2%増えた一方、営業損失は2,677百万円へ悪化。

2027 Q1 弱気
営業損失は680百万円

売上は13.3%増でも損失が58百万円拡大し、採算課題が継続。

最新判断弱気

売上は回復しても営業損失が拡大し、非中核事業として採算改善が見えにくい。

4.最新予想信頼度
達成可能(条件付き)

2027年3月期通期予想は売上高465,000百万円、営業利益38,500百万円、経常利益38,100百万円、親会社株主帰属純利益22,200百万円。Q1時点で予想は据え置かれています。以下の進捗率は季節性等を調整していない単純進捗率です。

売上進捗24.9%115,902 / 465,000
営業利益進捗31.5%12,123 / 38,500
経常利益進捗32.2%12,279 / 38,100
純利益進捗31.7%7,034 / 22,200
残9か月必要売上349,098百万円

達成できると判断する理由

  • Q1の売上高は前年同期比3.7%増。中核の賃貸事業は入居率・家賃単価がともに上昇し、売上高は3.8%増、セグメント利益は1.2%増でした。
  • 営業利益31.5%、経常利益32.2%、純利益31.7%と、利益指標の単純進捗は25%を上回っています。
  • 会社は2026年8月7日のQ1決算で第2四半期累計・通期予想を据え置いています。
  • Q2累計予想に到達するためQ2単独で必要な売上高は115,998百万円、営業利益は9,277百万円で、Q1実績と比較して極端な跳ね上がりは不要です。

達成できないと判断する理由

  • 通期売上高は前期比4.5%増が必要ですが、Q1の全社売上成長は3.7%増で、売上面の余裕は利益ほど大きくありません。
  • 人的投資に伴う販管費増でQ1営業利益は前年同期比1.1%減。賃貸事業でも物件メンテナンス費用の増加が示されています。
  • シルバー事業とその他事業はQ1も営業赤字が前年同期より拡大しており、中核事業の増益を一部相殺しています。
  • 残り9か月で営業利益26,377百万円、経常利益25,821百万円、純利益15,166百万円が必要です。家賃単価・入居率の改善が鈍化すると達成余地は縮小します。

収益計上時期を見る際の注意点

主力の賃貸事業は春の転居需要を含む入居率の季節変動を受けます。Q1の利益進捗が25%を上回っていても、そのまま4倍して通期を推定するのは適切ではありません。最新Q1短信では「下期偏重」「4Q偏重」といった明示的な説明はなく、通期予想は据え置きです。

最終判断

達成可能(条件付き)と判断します。売上高はほぼ計画線上、利益は単純進捗に一定の余裕があります。中核の賃貸事業で入居率と家賃単価の改善が続き、人的投資・メンテナンス費の増加を吸収できることが条件です。シルバー・その他事業の赤字拡大が続く場合や、賃貸の価格・稼働率改善が止まる場合は未達リスクが高まります。

東証プライム 8848 2026年5月15日 更新 2026/3期~2028/3期

レオパレス21 中期経営計画
「New Growth 2028」分析

2025年5月策定。初年度である2026年3月期の実績を踏まえ、 2026年5月に2027年3月期・2028年3月期の業績計画を上方修正した。 財務戦略の柱は「持続的な増収増益」と「安定的な株主還元」。

2028年3月期 売上高
4,778億円
2028年3月期 営業利益
431億円
2028年3月期 営業利益率
9.0%
2028年3月期 純利益
250億円

① 企業が掲げる目標業績数字

2026年5月のアップデートでは、法人需要を背景とする 成約家賃単価の上昇と開発事業の受注上振れを反映。 インフレや人員拡充によるコスト増も織り込んだうえで、 2027年3月期・2028年3月期とも売上高から純利益まで計画を見直した。

項目 2027年3月期
新計画
2028年3月期
新計画
2028年3月期
旧計画比
売上高 4,650億円 4,778億円 +98億円
売上総利益 968億円 1,032億円 +41億円
売上総利益率 20.8% 21.6% +0.4pt
営業利益 385億円 431億円 +18億円
営業利益率 8.3% 9.0% +0.2pt
経常利益 381億円 427億円 +26億円
純利益 222億円 250億円 +11億円
ポイント: 2027年3月期は売上高を旧計画比87億円引き上げる一方、 営業利益は385億円で旧計画と同額。 開発事業の原価増、インフレによるメンテナンス費、 人員拡充・給与引き上げなどのコスト増が利益を吸収する構図となっている。 一方、2028年3月期は営業利益を旧計画413億円から431億円へ引き上げており、 単価上昇が利益成長につながる計画である。

主要事業KPI

KPI 2026年3月期 2027年3月期 計画 2028年3月期 計画
期中平均入居率 85.78% 86.49% 87.30%
期末入居率 88.78% 89.24% 89.88%
成約家賃単価指数
17/3期4月=100
114 116 116
管理戸数 540,000戸 537,000戸 534,000戸
開発事業 受注棟数 107棟 140棟 250棟
開発事業 受注戸数 1,524戸 1,900戸 3,500戸
配当性向 30%目標
分析: 今回の上方修正で特に重要なのは、2028年3月期の成約家賃単価指数を 旧計画109から116へ大幅に引き上げた点である。 その一方で入居率目標は2026年3月期実績を踏まえて調整されている。 したがって「戸数を大きく増やす」よりも、 高い入居率を保ちながら1戸当たり収益を引き上げる単価主導型の 成長計画という性格がより鮮明になった。

② 目標達成へのロードマップ・達成計画

STEP 1 | 賃貸事業の収益性向上

最大の収益源である賃貸事業では、 入居率と稼働家賃単価を同時に引き上げることが基本戦略。 エリアごとの需給を踏まえたプライシングを徹底し、 1戸当たり利益の最大化を進める。

STEP 2 | 法人需要を取り込む

社長・役員によるトップ営業、企業別戦略、地域単位の営業体制を強化。 商工会議所・自治体・地場企業との関係を深め、 寮・社宅需要を獲得する。 長期的には法人利用比率70%を目指す方針。

STEP 3 | 外国人・学生・個人市場を拡大

日本語学校、教育機関、自治体、企業との連携や多言語対応を進め、 増加する外国籍人材・留学生の住宅需要を取り込む。 学生市場では生協等との関係再構築も進め、入居率の底上げを図る。

STEP 4 | 開発事業を再成長軌道へ

2026年3月期から開発事業を本格再開。 老朽物件の建替え、ランドセット販売、不動産開発、 法人保有の遊休地活用、金融機関との連携を進める。 2028年3月期は250棟・3,500戸の受注を計画する。

STEP 5 | 管理物件ポートフォリオを改善

新規供給と建替えを通じて管理戸数の減少速度を抑え、 管理物件の平均築年数を引き下げる。 2026年3月期の開発受注が計画を上回ったことから、 2028年3月期の管理戸数計画は旧計画53.3万戸から 53.4万戸へ上方修正された。

STEP 6 | DX・AI・人的資本へ成長投資

「守り」から「攻め」の経営へ転換。 AI家賃査定、DXによる業務効率化、人的資本への投資、 営業・開発部門の人員拡充を行い、 エリア支社制を支える持続可能な組織基盤を整える。

STEP 7 | 安定的な株主還元

賃貸事業の営業キャッシュフローを原資として、 成長投資と財務健全性のバランスを取りながら安定配当を継続。 2028年3月期の配当性向30%を目標とする。

基盤戦略

エリア戦略、プライシング、法人営業、賃貸管理品質、 DX・AI、人的資本を強化し、入居率と単価を高める。

成長戦略

開発事業を本格再開し、建替え・新規供給によって 管理物件ポートフォリオを改善する。

収益モデル

管理戸数の単純な拡大ではなく、家賃単価上昇と高稼働によって 1戸当たり収益を高める。

資本政策

キャッシュ創出力改善を成長投資と株主還元へ配分し、 2028年3月期配当性向30%を目指す。

③ 計画資料に記載された達成上の不確実性

市場環境等による業績変動
会社は、中期計画の数値目標・将来見通しについて、 資料作成時点の判断であり、市場環境等のさまざまな重要要素によって 実際の業績が見通しと大きく異なる可能性があると明記している。
インフレ・コスト上昇
更新計画には、インフレによるメンテナンス費等の上昇、 人員拡充・給与引き上げに伴う人件費増などを織り込んでいる。 特に2027年3月期は増収分の相当部分が原価・販管費増に吸収され、 営業利益は旧計画から据え置きとなっている。
新リース会計基準は計画数値に未反映
中期経営計画では、2028年3月期から適用予定の 新リース会計基準を業績計画に考慮していないことが明記されている。 会計基準適用後は、表示される財務数値との比較に注意が必要となる。

総合分析

「New Growth 2028」の中心は、 再建・正常化フェーズから再成長フェーズへの転換である。 これまでのコスト削減中心の経営から、 賃貸営業、開発、人材、DXへの投資を行う「攻め」の経営へ軸足を移している。

計画達成の最大のドライバーは家賃単価。
2028年3月期の成約家賃単価指数を109から116へ上方修正したことで、 最新計画は従来以上に「単価上昇による利益成長」を前提としている。 2028年3月期に売上高4,778億円、営業利益431億円、 営業利益率9.0%を達成できるかは、 高い家賃水準と入居率約90%を両立できるかが重要となる。

また、開発事業は短期的な建築利益だけでなく、 新規物件を賃貸・管理することで長期的な収益源を確保する役割を担う。 「建てる・貸す・管理する」を一体化することで、 管理戸数減少と物件老朽化を抑えながら、 賃貸事業の収益基盤を維持する構造を目指している。

投資家視点でのチェックポイント: 2027年3月期は売上高が上方修正されても営業利益は旧計画据え置きであり、 コスト上昇圧力が強い。 一方、2028年3月期は売上総利益率21.6%、営業利益率9.0%へ改善する計画。 したがって今後は 「家賃単価」「期末入居率」「メンテナンス費・人件費」 「開発事業の受注棟数」 の4項目が、431億円の営業利益達成を判断する主要先行指標となる。
主な参照資料
・株式会社レオパレス21「中期経営計画 New Growth 2028 アップデート」2026年5月15日
・株式会社レオパレス21「中期経営計画 New Growth 2028」2025年5月9日
・株式会社レオパレス21 株主・投資家情報「中期経営計画」
※数値は原則として2026年5月15日公表の更新計画を優先して記載。

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