285A キオクシアホールディングス

キオクシアHD(285A)|NAND・AI推論

キオクシアHD 285A 東証P

Kioxia Holdings Corporation|NANDフラッシュメモリ、BiCS FLASH、SSDを中核とするフラッシュメモリ専業グループ。AIサーバー、データセンター、PC、スマートフォン、車載・産業機器向けにメモリ・ストレージ製品を供給する。
※2026年7月31日時点の情報

事業内容

2026年7月31日の時価総額は約254,827億円。キオクシアHDは、旧東芝メモリを母体とするフラッシュメモリ専業グループである。2026年7月31日の終値は46,500円、同日時点の自己株式控除後株式数は548,014,638株として時価総額を算出した。

会社の概要:キオクシアホールディングスは2019年3月1日設立、本社は東京都港区芝浦3-1-21田町ステーションタワーS、代表者は代表取締役社長執行役員の太田裕雄、決算期は3月、上場市場は東京証券取引所プライム市場。連結従業員数は2026年3月31日時点で15,218名。グループはメモリおよび関連製品の研究開発、製造、販売、その他サービスを行う世界最大級のフラッシュメモリ専業プレイヤーである。

直近決算の概要:2027年3月期第1四半期は売上収益1,767,117百万円、営業利益1,270,017百万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益842,165百万円。第2四半期累計会社予想は売上収益4,157,117百万円、営業利益3,160,017百万円、親会社の所有者に帰属する中間利益2,112,165百万円。生成AI用途を中心としたデータセンター向け需要と平均販売単価の上昇が短期業績の主因である。

メモリ事業:単一報告セグメントの収益推移

セグメント業績推移サマリ:キオクシアHDはメモリ事業の単一セグメントで開示している。2022年3月期は売上収益1,526,495百万円、営業利益216,228百万円だったが、2023年3月期から2024年3月期はNAND市況悪化と生産調整の影響で営業赤字となった。2025年3月期は売上収益1,706,460百万円、営業利益451,748百万円へ黒字転換し、2026年3月期は売上収益2,337,628百万円、営業利益870,369百万円まで拡大した。

同社は、メモリ事業の単一セグメントであるため、製品別の営業利益は開示していない。決算短信では、売上収益をアプリケーション別に「SSD & ストレージ」「スマートデバイス」「その他」に区分している。

2024年3月期は売上収益1,076,584百万円、営業損失252,698百万円だった。メモリ市況の下落局面では、価格下落、生産調整、減価償却費、在庫評価、工場稼働率が損益に大きく影響する。

2025年3月期は売上収益が前期比58.5%増の1,706,460百万円、営業利益451,748百万円となった。平均販売単価の上昇と需要回復が業績を押し上げ、営業利益率は26.5%まで回復した。

2026年3月期は売上収益2,337,628百万円、営業利益870,369百万円、営業利益率37.2%。生成AI、データセンター、エンタープライズSSD、高容量NANDの需要が、メモリ市況の回復と利益率改善を支えた。

2027年3月期第1四半期は売上収益1,767,117百万円、営業利益1,270,017百万円と、前年同期から大幅に拡大した。第2四半期累計会社予想は売上収益4,157,117百万円、営業利益3,160,017百万円であり、足元はAI関連ストレージ需要と価格条件の確認が最重要になる。

SSD & ストレージ:AIサーバーとデータセンター向けの中核領域

アプリケーション別売上推移:SSD & ストレージの売上収益は2022年3月期826,675百万円、2023年3月期654,021百万円、2024年3月期516,361百万円、2025年3月期991,147百万円、2026年3月期1,362,638百万円。2027年3月期第1四半期は1,174,719百万円まで拡大した。アプリケーション別の営業利益は開示されていない。
2024/3 売上収益516,361百万円
2026/3 売上収益1,362,638百万円
2027/3 1Q 売上収益1,174,719百万円

SSD & ストレージには、PC、データセンター、エンタープライズ向けSSD製品およびメモリ製品が含まれる。AIサーバーとクラウドデータセンターでは、学習済みモデル、推論データ、ログ、ベクトルデータ、キャッシュ、データセットを高速に読み書きする必要があるため、高容量・高性能SSDの重要性が高まっている。

同社は、AIの活用が学習から推論へ移行する中で、ストレージをGPUの拡張メモリとして活用する動きが加速していると説明している。フラッシュメモリとSSDは、次世代AIシステムの中核的な構成要素と位置付けられている。

SSD事業の競争軸は、NANDの積層技術、コントローラー、ファームウェア、消費電力、発熱、QoS、耐久性、フォームファクタ、顧客認定、供給契約である。AI推論向けでは、単純な容量だけでなく、読み出し性能、低遅延、電力効率、TCO削減が評価される。

2027年3月期第1四半期では、SSD & ストレージが売上収益全体の大半を占めた。需要が強い局面では利益率改善のレバレッジが大きい一方、メモリ業界は供給能力の増減が価格に影響しやすく、急拡大後の在庫循環にも注意が必要である。

スマートデバイス:スマートフォン、PC、車載・産業機器向け組み込みメモリ

アプリケーション別売上推移:スマートデバイスの売上収益は2022年3月期540,221百万円、2023年3月期440,213百万円、2024年3月期374,293百万円、2025年3月期501,142百万円、2026年3月期759,978百万円。2027年3月期第1四半期は525,656百万円。アプリケーション別の営業利益は開示されていない。
2024/3 売上収益374,293百万円
2026/3 売上収益759,978百万円
2027/3 1Q 売上収益525,656百万円

スマートデバイスには、スマートフォン、タブレット、テレビなどの民生機器、車載、産業機器などで使用される制御機能付きの組み込み式メモリ製品が含まれる。スマートフォンやPCでは、AI機能の端末搭載比率が高まるほど、ストレージ容量、読み書き速度、低消費電力、信頼性への要求が強まる。

キオクシアのNANDフラッシュメモリは、電源を切ってもデータが消失しない不揮発性メモリであり、スマートフォン、PC、デジタルコンシューマ製品、AIサーバー、データセンターで使われる。1987年にNAND型フラッシュメモリを発明し、2007年には3次元フラッシュメモリ技術BiCS FLASHを発表した技術蓄積が競争力になる。

スマートデバイス向けは数量の裾野が広い一方、スマートフォンとPCの出荷循環、在庫水準、競合価格、搭載容量の増加ペースに左右されやすい。AI端末の普及は容量単価を押し上げる可能性があるが、競合各社の供給増加による価格調整リスクも同時に残る。

車載・産業機器向けでは、長期供給、品質、耐久性、温度耐性、認定期間が重要になる。メモリ単価が急変する民生向けと比べると相対的に安定した需要になりやすいが、売上規模と利益率の開示はアプリケーション単位に限られる。

その他:リテール製品とSanDiskグループ向け売上

アプリケーション別売上推移:その他の売上収益は2022年3月期159,599百万円、2023年3月期187,867百万円、2024年3月期185,930百万円、2025年3月期214,171百万円、2026年3月期215,012百万円。2027年3月期第1四半期は66,742百万円。アプリケーション別の営業利益は開示されていない。
2024/3 売上収益185,930百万円
2026/3 売上収益215,012百万円
2027/3 1Q 売上収益66,742百万円

その他には、SDメモリカード、microSDメモリカード、USBフラッシュメモリなどのリテール向け製品、製造合弁会社3社経由で計上されるSanDiskグループ向け売上などが含まれる。

リテール製品はブランド認知と販路を持つ一方、価格比較が容易で競争が強い。高付加価値領域では、耐久性、速度、容量、信頼性、カメラ・ドライブレコーダー・ゲーム機など用途別の最適化が差別化要素となる。

SanDiskとの共同開発・共同生産は、次世代3D NAND技術と製造効率の面で重要な位置を占める。競合環境を見る際は、共同生産関係を持つ一方で、製品市場では競合要素も生じる点を分けて見る必要がある。

その他の売上収益は2022年3月期から2026年3月期まで比較的安定して推移した。全社業績に対する寄与度はSSD & ストレージより小さいが、ブランド製品、用途分散、共同生産関連の動きは、NAND事業全体の需給と投資判断に影響する。

1.会社予想と実績

同社はメモリ市場の変動が大きいため年度計画を開示せず、四半期単位で業績予想を公表しています。比較可能な2026年3月期第1四半期と2027年3月期第1四半期を実績と比較し、最新の2027年3月期中間予想を掲載しています。

売上高=IFRS売上収益営業利益=IFRS営業利益経常利益=IFRS税引前利益で代替純利益=親会社の所有者に帰属する利益
レンジ予想:2026年3月期第1四半期は中央値を使用。税引前利益とEPSは会社予想が非開示のため、実績のみ掲載しています。
売上収益の会社予想と実績 売上収益 会社が公表した四半期・中間期予想と実績 会社予想 実績 0 1,205,564 2,411,128 3,616,692 4,822,256 310,000 342,799 2026/3 Q1 レンジ中央値 達成率 110.6% 1,750,000 1,767,117 2027/3 Q1 単一値予想 達成率 101.0% 4,157,117 2027/3 H1 最新累計予想 最新会社予想 単位:百万円
赤=達成・超過、青=未達、黄=最新予想。レンジ予想は中央値を使用。
営業利益(IFRS)の会社予想と実績 営業利益(IFRS) 会社が公表した四半期・中間期予想と実績 会社予想 実績 0 916,405 1,832,810 2,749,215 3,665,620 24,000 44,899 2026/3 Q1 レンジ中央値 達成率 187.1% 1,298,000 1,270,017 2027/3 Q1 単一値予想 達成率 97.8% 3,160,017 2027/3 H1 最新累計予想 最新会社予想 単位:百万円
赤=達成・超過、青=未達、黄=最新予想。レンジ予想は中央値を使用。
経常利益相当(税引前利益)の会社予想と実績 経常利益相当(税引前利益) 会社が公表した四半期・中間期予想と実績 会社予想 実績 0 900,369 1,800,738 2,701,106 3,601,475 予想非開示 27,294 2026/3 Q1 レンジ中央値 達成率算定不可 予想非開示 1,234,720 2027/3 Q1 単一値予想 達成率算定不可 3,104,720 2027/3 H1 最新累計予想 最新会社予想 単位:百万円
赤=達成・超過、青=未達、黄=最新予想。レンジ予想は中央値を使用。
親会社の所有者に帰属する利益の会社予想と実績 親会社の所有者に帰属する利益 会社が公表した四半期・中間期予想と実績 会社予想 実績 0 612,528 1,225,056 1,837,584 2,450,111 7,000 18,284 2026/3 Q1 レンジ中央値 達成率 261.2% 869,000 842,165 2027/3 Q1 単一値予想 達成率 96.9% 2,112,165 2027/3 H1 最新累計予想 最新会社予想 単位:百万円
赤=達成・超過、青=未達、黄=最新予想。レンジ予想は中央値を使用。
EPS(基本的1株当たり利益)の会社予想と実績 EPS(基本的1株当たり利益) 会社が公表した四半期・中間期予想と実績 会社予想 実績 0.0 454.3 908.5 1,362.8 1,817.1 予想非開示 33.90 2026/3 Q1 レンジ中央値 達成率算定不可 予想非開示 1,539.91 2027/3 Q1 単一値予想 達成率算定不可 予想非開示 2027/3 H1 最新累計予想 最新会社予想 単位:円
赤=達成・超過、青=未達、黄=最新予想。レンジ予想は中央値を使用。
指標2026/3 Q12027/3 Q12027/3 H1
予想実績達成率予想実績達成率予想実績達成率
売上収益
(百万円)
310,000342,799110.6%1,750,0001,767,117101.0%4,157,117最新予想
営業利益(IFRS)
(百万円)
24,00044,899187.1%1,298,0001,270,01797.8%3,160,017最新予想
経常利益相当(税引前利益)
(百万円)
非開示27,294非開示1,234,7203,104,720最新予想
親会社の所有者に帰属する利益
(百万円)
7,00018,284261.2%869,000842,16596.9%2,112,165最新予想
EPS(基本的1株当たり利益)
(円)
非開示33.90非開示1,539.91非開示最新予想
Non-GAAPの予想精度:2026年3月期第1四半期は営業利益188.4%、親会社帰属利益264.4%。2027年3月期第1四半期は営業利益102.0%、親会社帰属利益101.9%でした。

通期実績の推移

売上収益1,706,4602025/3実績 → 2,337,628(2026/3)
営業利益451,7482025/3実績 → 870,369(2026/3)
税引前利益370,6692025/3実績 → 784,095(2026/3)
親会社帰属利益272,3152025/3実績 → 554,490(2026/3)
EPS519.962025/3実績 → 1,024.07(2026/3)

会社は年度計画値を開示していないため、通期実績には達成率を付していません。

2.達成・未達理由
2025年3月期年度計画は非開示・通期実績のみ
年間予想なし 売上 1,706,460百万円 営業利益 451,748百万円

フラッシュメモリの出荷量と販売単価が回復し、前期の大幅赤字から黒字転換しました。AIインフラ向けSSDは堅調でしたが、年度後半はPC・スマートフォンで顧客在庫調整が発生し、第4四半期は売上・利益が前四半期から減少しました。

2026年3月期 第1四半期開示3指標はいずれもレンジ上限を超過
売上 110.6%営業利益 187.1%純利益 261.2% 税引前・EPSは予想非開示

前年度末の顧客在庫調整が正常化し、スマートフォン・PC向けが回復。AI用途のデータセンター・エンタープライズSSD需要も増加し、売上・営業利益・純利益はすべて会社レンジの上限を上回りました。

2027年3月期 第1四半期売上は達成、IFRS営業利益・純利益は小幅未達
売上 101.0%営業利益 97.8%純利益 96.9% Non-GAAP営業利益 102.0%Non-GAAP純利益 101.9%

生成AI用途を中心とするデータセンター需要と平均販売単価の大幅上昇で売上は達成。基礎収益を示すNon-GAAP利益も予想を上回りましたが、訴訟損失引当金366億円と株式報酬費用194億円がIFRS利益を押し下げ、小幅未達となりました。

2027年3月期 第2四半期累計最新予想・実績未発表
売上 4,157,117百万円 営業利益 3,160,017百万円 税引前利益 3,104,720百万円 純利益 2,112,165百万円

会社はデータセンター向け需要が引き続き旺盛と見込み、第2四半期単独で売上2兆3,900億円、営業利益1兆8,900億円を計画しています。第1四半期比で増収増益を前提とする強い予想です。

3.事業セグメントの自信度

報告セグメントは「メモリ事業」の単一セグメントです。継続開示されるアプリケーション区分ごとに自信度の変化を整理しています。

SSD & ストレージ

自信度推移:強気 → 非常に強気 → 非常に強気
2025年3月期強気
データセンター及びエンタープライズ向けSSD製品はAIのインフラ構築から市場が拡大し、堅調な需要が継続しています。

AIインフラ需要を明確な成長要因として認識。

2026年3月期非常に強気
データセンター及びエンタープライズ向けではAI用途によるサーバーの需要が増加しており、市場の拡大が継続しております。

在庫正常化に加え、AIサーバー需要が年間成長を牽引。

2027年3月期 第1四半期非常に強気
生成AI用途を中心としたデータセンター向け顧客の需要が旺盛に推移したことによる平均販売単価の大幅な上昇

数量だけでなく販売単価も急上昇し、最も強い自信度。

最新判断非常に強気

第2四半期もデータセンター向け需要の継続を前提に、SSD & ストレージが全社増収増益の中心です。

スマートデバイス

自信度推移:中立 → 強気 → 強気
2025年3月期中立
PC、スマートフォンにおいては年度前半は需要が堅調に推移したものの、年度後半には顧客の在庫調整により、出荷量の伸び悩みが見られました。

前半堅調から後半調整へ変化。

2026年3月期強気
前年度末に発生した顧客の在庫調整が正常化し、スマートフォン、PC向け需要の回復

在庫調整の終了と需要回復を確認。

2027年3月期 第1四半期強気
スマートフォン、PC向け需要は堅調である一方

AIほどの急伸ではないが、安定した需要を維持。

最新判断強気

スマートフォン・PC向けは堅調。SSDほどの価格上昇依存ではなく、全社売上の裾野を支えています。

その他(リテール・Sandisk向け等)

自信度推移:弱気 → 強気 → 中立
2025年3月期 第4四半期弱気
その他 542億円 523億円 -18億円

第3四半期から小幅減収。

2026年3月期 第4四半期強気
その他 570億円 652億円 +82億円

前四半期比で増収へ転換。

2027年3月期 第1四半期中立
その他 652億円 667億円 +15億円

増収は継続したが、主力2用途より伸びは限定的。

最新判断中立

安定的に増加していますが、最新局面の急成長はSSD & ストレージが中心です。

4.最新予想信頼度
判定:2027年3月期中間予想の達成可能性は「やや高い」。ただし第2四半期の増収増益幅は大きい。

第1四半期は売上とNon-GAAP利益が会社予想を上回りました。最新予想は、第2四半期もデータセンター向け需要が旺盛に推移し、前四半期比で大幅な増収増益になることを前提としています。

中間売上収益予想4,157,117百万円
中間営業利益予想3,160,017百万円
中間税引前利益予想3,104,720百万円
中間親会社帰属利益2,112,165百万円
第1四半期営業利益率71.9%IFRS
売上・Q1単純進捗42.5%
営業利益・Q1単純進捗40.2%
税引前・Q1単純進捗39.8%
純利益・Q1単純進捗39.9%
Non-GAAP営業利益1,326,216百万円

単純進捗率=第1四半期実績÷最新の中間期累計予想。季節性や販売単価変動は調整していません。

売上・Q2単独必要2,390,000Q1比 +35.2%
営業利益・Q2単独必要1,890,000Q1比 +48.8%
税引前・Q2単独必要1,870,000Q1比 +51.5%
純利益・Q2単独必要1,270,000Q1比 +50.8%
Q2需要前提増収増益データセンター需要継続

達成できると判断する理由

  • 第1四半期の売上は会社予想を上回り、Non-GAAP営業利益とNon-GAAP親会社帰属利益も予想を達成しました。
  • 生成AI用途を中心にデータセンター向け需要が旺盛で、平均販売単価が大幅に上昇しています。
  • SSD & ストレージの第1四半期売上は前四半期比5,744億円増と、全社増収の中心です。
  • 会社自身が第2四半期について、データセンター需要の継続を理由に前四半期比増収増益を明示しています。

達成できないと判断する理由

  • 第2四半期単独では売上が第1四半期比35.2%、営業利益が48.8%、純利益が50.8%増える必要があります。
  • フラッシュメモリ価格は短期間で変動しやすく、平均販売単価の上昇が止まると利益への影響が大きくなります。
  • 成長が生成AI・データセンター用途に集中しており、顧客投資や在庫調整の変化に敏感です。
  • 第1四半期には訴訟損失引当金と株式報酬費用が発生しており、追加の一過性費用はIFRS利益を押し下げます。
  • 為替の円高転換は円換算売上と利益の下振れ要因です。

収益計上時期を見る際の注意点

明確な年度末偏重ではなく、出荷量、平均販売単価、製品構成、為替、顧客在庫調整により四半期ごとの振れが大きい事業です。固定資産税は第4四半期に年間分を一括計上する説明があり、年度後半の利益比較では注意が必要です。

最終判断

データセンター向け需要と販売単価の上昇が第2四半期も継続すれば、中間予想は達成可能性がやや高いと判断します。第1四半期の基礎収益は計画を上回っていますが、第2四半期にはさらに大幅な増収増益が必要です。価格上昇の鈍化、AI需要の反転、一過性費用の追加が生じた場合はIFRS利益が未達となる可能性があります。通期予想は未開示のため、通期の達成可否は現時点では判定できません。

直近5年業績サマリー

単位:売上収益・損益・純資産・キャッシュフローは百万円、EPS・BPSは円、PER・PBRは倍。EPS・PER・PBR・BPSは2027年3月期第1四半期末の自己株式控除後株式数548,014,638株で再計算。2022年3月期から2024年3月期は上場前のためPER・PBRを表示しない。2025年3月期と2026年3月期のPER・PBR計算に使う期末株価はユーザー提供値を採用。2027年3月期予想列は第2四半期累計会社予想。
業績項目 2022/3
実績
2023/3
実績
2024/3
実績
2025/3
実績
2026/3
実績
2027/3
会社予想
売上収益1,526,4951,282,101-244,394 / -16.0%1,076,584-205,517 / -16.0%1,706,460+629,876 / +58.5%2,337,628+631,168 / +37.0%4,157,1172Q累計会社予想
営業損益216,228-99,015-315,243 / -145.8%-252,698-153,683 / -155.2%451,748+704,446 / +278.8%870,369+418,621 / +92.7%3,160,0172Q累計会社予想
税引前利益154,356-186,443-340,799 / -220.8%-343,330-156,887 / -84.1%370,669+713,999 / +208.0%784,095+413,426 / +111.5%3,104,7202Q累計会社予想
当期純利益105,921-138,141-244,062 / -230.4%-243,728-105,587 / -76.4%272,315+516,043 / +211.7%554,490+282,175 / +103.6%2,112,1652Q累計会社予想
EPS193.28円-252.08円-445.36円 / -230.4%-444.75円-192.67円 / -76.4%496.91円+941.66円 / +211.7%1,011.82円+514.90円 / +103.6%3,854.21円2Q累計会社予想
PER4.8倍18.9倍
PBR1.8倍7.5倍
BPS1,448.60円1,200.82円-247.78円 / -17.1%820.48円-380.34円 / -31.7%1,345.89円+525.41円 / +64.0%2,552.72円+1,206.84円 / +89.7%
純資産793,961658,185-135,776 / -17.1%449,766-208,419 / -31.7%737,696+287,930 / +64.0%1,399,079+661,383 / +89.7%
営業CF549,133339,104-210,029 / -38.2%195,111-143,993 / -42.5%476,416+281,305 / +144.2%616,540+140,124 / +29.4%
投資CF-400,304-498,564-98,260 / -24.5%-274,853+223,711 / +44.9%-173,011+101,842 / +37.1%-221,512-48,501 / -28.0%
財務CF-93,277-50,787+42,490 / +45.6%3,238+54,025 / +106.4%-322,679-325,917 / -10065.4%-96,074+226,605 / +70.2%
現金及び現金同等物469,813261,351-208,462 / -44.4%187,593-73,758 / -28.2%167,932-19,661 / -10.5%470,707+302,775 / +180.3%

中期経営計画

AI推論時代における成長戦略

「中期経営計画」という専用ページ名は確認対象資料内では確認できない。代替して、2025年6月5日の「AI時代における中長期戦略」、2026年6月2日のInvestor Day発表、2027年3月期第1四半期決算短信を確認対象とする。

基本方針は、AI推論の本格化に伴って増加する高性能・大容量SSD需要を取り込み、最先端フラッシュメモリとAI推論用途に最適化されたSSDでAIインフラの根幹を支えること。技術力、生産スケール、顧客・サプライチェーンとのパートナーシップを成長のエンジンとしている。

2027/3 2Q累計売上収益予想4,157,117百万円
2027/3 2Q累計営業利益予想3,160,017百万円
2027/3 2Q累計親会社所有者帰属利益予想2,112,165百万円
技術・製品戦略

AI関連市場は2029年に市場の約5割になるとする見通しが示されている。製品面では、データセンター向けSSD、エンタープライズSSD、高容量NAND、BiCS FLASHの世代更新、CBA技術、AI推論向けストレージ最適化が中心テーマとなる。

生成AIの普及により、学習だけでなく推論で扱うデータが増える。AIシステムでは、ストレージをGPUの拡張メモリとして活用する動きが加速しており、SSDの容量、速度、電力効率、信頼性が競争力になる。

投資・財務戦略

会社はAI市場向けを中心とした成長投資と財務健全性の強化を掲げる。Investor Dayでは、将来創出される余剰累積フリーキャッシュフローについて株主還元を検討すると説明している。

2026年7月31日のIRニュースでは、株式分割、自己株式の取得枠設定、2027年3月期第1四半期決算短信が同日に公表された。短期の焦点は、急拡大した営業利益が次四半期以降も維持できるか、価格上昇局面の後に供給増加と在庫循環がどのように表れるかである。

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競合他社

① Samsung Electronics(005930)

時価総額は約192.50兆円、株価は2026年7月時点の市場データで185,000ウォン前後。スマートフォン、家電、ディスプレイ、半導体、ファウンドリを持つ総合テクノロジー企業であり、キオクシアHDと直接競合する領域はメモリ事業のNANDフラッシュ、V-NAND、データセンターSSD、エンタープライズSSD、モバイル向けeStorageである。

2026年第2四半期は売上高171.5兆ウォン、営業利益89.5兆ウォン、EPS10,849ウォン。Device Solutions部門は売上高127.5兆ウォン、営業利益89.2兆ウォンとなり、AI需要を中心にサーバー向け製品販売とメモリ価格上昇が業績を押し上げた。

競争上の焦点は、3D NANDの積層技術、TLC/QLCの高容量化、データセンターSSDの性能、DRAM/HBMとの総合提案力である。SamsungはHBM、DRAM、NAND、SSDを一体で提案できるため、AIサーバー顧客への販売力で強い。一方、キオクシアHDはNAND専業色、BiCS FLASH、SanDiskとの共同開発・共同生産、国内生産拠点を武器に対抗する。

② Micron Technology(MU)

時価総額は約158.45兆円、株価は2026年7月時点の市場データで880米ドル前後。DRAM、NAND、NOR、SSD、マネージドNAND、車載・産業向けメモリを展開する米国メモリ・ストレージ大手である。

2026年度第3四半期は売上高414.56億米ドル、GAAP営業利益333.18億米ドル、GAAP純利益282.4億米ドル、希薄化後EPS24.67米ドル、営業キャッシュフロー253.9億米ドル。AI時代におけるメモリ価値の上昇と、データセンター向けメモリ・ストレージ需要の拡大が業績を押し上げた。

キオクシアHDとの競合領域は、NANDフラッシュ、クライアントSSD、データセンターSSD、エンタープライズSSD、車載・産業向けSSDである。Micron 9650、9550、7600、6600 IONなどのデータセンターSSDは、キオクシアのAI・クラウド向けSSDと直接競合する。

③ SK hynix(000660)

時価総額は約136.25兆円、株価は2026年7月時点の市場データで1,460,000ウォン前後。韓国のメモリ大手であり、DRAM、HBM、NAND、eSSDを展開する。キオクシアHDと直接競合する領域はNANDフラッシュ、321層4D NAND、QLC NAND、クライアントSSD、エンタープライズSSD、AIサーバー向けストレージである。

2026年第2四半期は売上高79.3187兆ウォン、営業利益60.5426兆ウォン、純利益93.9226兆ウォン。AI需要を背景に高付加価値DRAM/HBMとNANDの販売が伸び、NANDでは高容量・高性能製品を中心にポートフォリオを強化している。

SK hynixはHBMで高い競争力を持ち、AIサーバー向けにHBM、DRAM、eSSDを組み合わせる提案ができる。キオクシアHDにとっては、NAND単体の性能、消費電力、容量、供給安定性、価格条件、顧客認定を通じて差別化する必要がある競合である。

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