マキヤ 9890 東証スタンダード
静岡県東部地盤のディスカウントショップ「エスポット」運営 ─ 食品スーパー「ポテト」「マミー」、業務スーパーFC展開、創業1895年130年の老舗
2026年5月27日(本日)の値動きと材料
終値 1,500円(+300円・+25.00%)張り付きストップ高本日は寄り付きから買い気配で始まり、ストップ高水準1,500円に張り付く展開となった。買い材料は神戸物産との資本業務提携。5月26日(前日)17:00付で「自己株式に係る取得及び公開買付け、第三者割当による自己株式の処分、神戸物産との資本業務提携、主要株主である筆頭株主・その他の関係会社の異動」を適時開示し、本日寄り前から買いが殺到した。
提携の主要ポイントは、①「業務スーパー」を運営する神戸物産(東証プライム・3038)が同社株19.8%を約16億7,700万円で取得し筆頭株主になる(7月15日予定)、②マキヤ創業家の資産管理会社マキリ(保有比率43.4%)の保有株式を公開買付により自己株式として取得し、その一部を神戸物産に第三者割当で売却、③これまでフランチャイズ契約関係(マキヤは静岡・埼玉・山梨・神奈川で業務スーパー54店舗運営)にあった両社の関係をさらに強化、④共同仕入れによるコスト削減、神戸物産の惣菜事業「馳走菜」へのマキヤ商品の導入などを検討する。
取得価格1,198円に対して前日終値1,200円と既に上回っていたものの、創業家からの株式整理による経営の新展開、業務スーパー本部との一体運営強化、長期的なシナジー期待が買いを集めた。10:30付の株探記事でも「ストップ高、神戸物産との資本業務提携を期待材料視」と報じられている。15:00付には開示文書の訂正版も公表された。
事業内容 ─ 静岡県東部地盤の総合ディスカウントストア運営
株式会社マキヤは1895年(明治28年)創業の130年の歴史を持つ老舗小売企業。静岡県沼津市に本社を置き、静岡県東部を地盤とする総合ディスカウントストア「エスポット」、食品スーパー「ポテト」「マミー」を運営する東証スタンダード上場企業。さらに「業務スーパー」(神戸物産フランチャイズ)を静岡・埼玉・山梨・神奈川の4県で54店舗展開しており、本日のS高材料となった神戸物産との資本業務提携でフランチャイザーとの関係が一段と強化される運びとなった。事業セグメントは小売事業の単一セグメントで、複数業態を組み合わせた多業態展開が特徴。2026年3月期は売上高936.73億円(前期比+5.5%・5期連続増収)、営業利益21.33億円(同-5.9%)と増収減益。自己資本比率は54.8%まで改善し、健全な財務体質を維持。2027年3月期予想は売上高944.27億円・営業利益23.30億円・経常利益24.20億円・当期純利益16.00億円と増収増益見通し。創業家(マキリ)が保有する全株式(43.4%)を整理し、業務スーパー本部の神戸物産が筆頭株主となることで、経営の新たな段階に入る。
主要事業セグメント
総合ディスカウントストア「エスポット」(主力業態)
静岡県東部を中心に展開する総合ディスカウントストア。食品・日用品・衣料品・家電・家具・娯楽用品・スポーツ用品など幅広い商品を低価格で提供するワンストップショッピング型業態。地域密着の店舗運営により、地元住民の生活インフラとしての役割を担っている。エスポット・ポテト・マミーの全店、静岡県及び山梨県の業務スーパー全店で株主優待が利用可能。
食品スーパー「ポテト」「マミー」
静岡県内を中心に展開する食品スーパー業態。地元密着型の店舗運営で、生鮮食品・日配品・加工食品等を地域住民に提供。エスポットと並ぶ収益基盤の柱として、安定した売上を確保している。沼津市内には複数店舗を展開し、地域シェアを持つ。
業務スーパー(神戸物産FC・54店舗)
神戸物産(東証プライム・3038)が本部運営する「業務スーパー」のフランチャイジーとして、静岡県・埼玉県・山梨県・神奈川県の4県で54店舗を運営。業務スーパーは「とにかく安い・大容量・PB商品多数」を特徴とする業態で、近年急成長中。マキヤは本部の神戸物産と長年フランチャイズ契約関係にあったが、2026年5月26日に資本業務提携が決定し、神戸物産が筆頭株主となることで関係を一段と強化する。
多業態展開・地域シェア
総合ディスカウント・食品スーパー・業務スーパーFCの多業態を組み合わせることで、静岡県東部を中心に強固な地域シェアを構築。1店舗あたりの売上規模よりも、エリア全体の生活インフラとして地域住民の購買機会を網羅する戦略。マキヤプリカポイントカード、LINEミニアプリ等を活用した顧客囲い込みも展開しており、デジタルマーケティングも強化中。
2026年5月27日決定の事業強化策(神戸物産との資本業務提携)
神戸物産との資本業務提携により、①共同仕入れによるコスト削減、②神戸物産の惣菜事業「馳走菜」へのマキヤ商品の導入、③業務スーパー54店舗の運営強化、④仕入れの効率化と業務の効率化を進める。これまでフランチャイズ契約関係にあった両社の連携を一段と深め、業務スーパー本部直系のグループ会社として動くことで規模の経済を取り込む新展開。
直近5年の業績サマリー
2026年3月期は売上高936.73億円(前期比+5.5%)と5期連続の増収を達成し過去最高を更新。営業利益は21.33億円(同-5.9%)と減益となったが、人件費等の増加が主因。自己資本比率は54.8%まで改善し、財務健全性は一段と強化された。直近5年で売上高は2022年3月期817.13億円→2026年3月期936.73億円と14.6%増の安定成長を継続。2024年3月期は当期純利益5.46億円と一時的に減少局面があったが、2025年3月期は12.36億円・2026年3月期は13.51億円と回復・拡大基調。2027年3月期会社予想は売上高944.27億円(+0.8%)・営業利益23.30億円(+9.2%)・経常利益24.20億円・当期純利益16.00億円(+18.4%)と増収増益見通し。8円増配も予定しており、株主還元の強化も継続。直近12四半期は売上高は増加基調だがEPSの伸びは鈍化傾向で、収益性面での課題が指摘されていたが、神戸物産との資本業務提携によるシナジー効果が今後の業績拡大の起爆剤として期待される。
| 項目(連結・百万円) | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 2027年3月期 会社予想 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 81,713 | 83,933 +2.7% |
87,038 +3.7% |
88,762 +2.0% |
93,673 +5.5% |
94,427 |
| 営業損益 | 1,775 | 2,036 +14.7% |
1,762 △13.4% |
2,266 +28.6% |
2,133 △5.9% |
2,330 |
| 経常損益 | 1,884 | 2,114 +12.2% |
1,844 △12.8% |
2,381 +29.1% |
2,239 △6.0% |
2,420 |
| 当期純損益 | 1,160 | 1,290 +11.2% |
546 △57.7% |
1,236 +126.4% |
1,351 +9.3% |
1,600 |
| EPS(一株利益) | 164.21円 | 182.62円 | 77.31円 | 175.00円 | 189.07円 | ― |
| 決算発表時株価 (参考) |
― | ― | ― | ― | 1,200円 | ― |
| 実績PER | ― | ― | ― | ― | 6.35倍 | ― |
| 予想PER | ― | ― | ― | ― | ― | ― |
| PBR | ― | ― | ― | ― | 0.54倍 | ― |
| 自己資本比率 | ― | ― | ― | ― | 54.8% | ― |
本ページに掲載している業績数値は、各社が公表する決算短信を一次情報として作成しています。 数値は決算短信発表時点のものであり、将来的に修正される可能性があります。 業績予想は会社発表時点のものであり、実績と異なる場合があります。 PER・PBR・PSRは決算発表日の終値で算出した参考値です。 正確な情報は各社公式IRサイトを必ずご確認ください。
業績のポイント
2026年3月期は売上高936.73億円(+5.5%)と5期連続の増収を達成し過去最高を更新。営業利益21.33億円(-5.9%)と減益だったが、人件費等の増加が主因で構造的な収益悪化ではない。自己資本比率は54.8%まで改善し、財務健全性は一段と強化された。2027年3月期予想は売上高944.27億円・営業利益23.30億円(+9.2%)・当期純利益16.00億円(+18.4%)と増収増益見通し、8円増配も予定。PBR0.54倍と1倍を大幅に割り込み、実績PER6.35倍と業績規模に対する市場評価が控えめだったところに、本日(2026年5月27日)神戸物産との資本業務提携を材料に張り付きストップ高+25.00%まで急騰。今後は業務スーパー本部とのシナジー効果による収益性改善期待が市場の主要関心事となる。
中期経営計画・経営戦略
同社は中期経営取り組み施策のもと、5期連続増収・財務体質強化・株主還元充実を推進してきた。2026年5月26日に発表された神戸物産との資本業務提携は、創業家マキリの株式整理と業務スーパー本部との一体運営強化を同時に進める戦略的な意思決定であり、長期的な事業基盤の転換点となる。同提携の目的は、業務スーパー本部の神戸物産が筆頭株主となることで、共同仕入れによるコスト削減・惣菜事業「馳走菜」へのマキヤ商品導入・規模の経済による収益性向上を実現すること。具体的な数値目標を伴う中期経営計画の詳細は公開情報からの確認は限定的だが、2027年3月期会社予想(売上高944.27億円・営業利益23.30億円)は提携シナジー本格化前の数値であり、提携効果反映後の上方修正余地が注目される。
神戸物産との資本業務提携の概要(2026年5月26日発表)
- 取得株式数:マキヤ普通株式140万株(議決権比率19.8%)
- 取得価格:1株1,198円・合計約16億7,700万円
- 取得予定日:2026年7月15日
- スキーム:①公開買付(TOB)により創業家マキリの保有株式を自己株式として取得、②その一部を神戸物産に第三者割当で売却
- 結果:神戸物産がマキヤの筆頭株主に。マキリ(創業家・矢部利久氏代表)は筆頭株主から外れる
提携の主要シナジー
- 共同仕入れによるコスト削減
- 神戸物産の惣菜事業「馳走菜」へのマキヤ商品の導入
- 業務スーパー54店舗運営の本部直系化による効率化
- 規模の経済による収益性向上
2027年3月期業績予想(提携シナジー前)
- 売上高:944.27億円(前期比+0.8%)
- 営業利益:23.30億円(前期比+9.2%)
- 経常利益:24.20億円(前期比+8.1%)
- 当期純利益:16.00億円(前期比+18.4%)
- 配当:8円増配予定(株主還元の強化継続)
強みと注目点
① 神戸物産との資本業務提携でグループ連携強化
2026年5月26日発表の神戸物産との資本業務提携により、業務スーパー本部の神戸物産(東証プライム・3038)が筆頭株主となる。これまでフランチャイズ契約関係にあった両社の連携が一段と深まり、共同仕入れによるコスト削減、惣菜事業「馳走菜」へのマキヤ商品導入、業務スーパー54店舗の本部直系運営化など、規模の経済を取り込む長期的シナジー効果が期待される。本日(2026年5月27日)の張り付きストップ高+25.00%は、この材料を市場が強く評価したもの。
② 1895年創業130年の地域密着型小売の老舗
1895年(明治28年)創業の130年の歴史を持つ静岡県東部地盤の老舗小売企業。エスポット(総合ディスカウント)、ポテト・マミー(食品スーパー)、業務スーパー54店舗(神戸物産FC)の多業態展開で、地域住民の生活インフラとしての役割を担う。長年の地域シェアと顧客基盤、商品調達ノウハウ、店舗運営ノウハウは新規参入者に対する強い参入障壁を形成。
③ 5期連続増収・財務健全性
2026年3月期は売上高936.73億円(+5.5%)と5期連続の増収を達成し過去最高を更新。自己資本比率は54.8%まで改善し、健全な財務体質を維持。2027年3月期予想も売上高944.27億円・営業利益23.30億円(+9.2%)・当期純利益16.00億円(+18.4%)と増収増益見通し。2024年3月期に当期純利益が一時的に減少(5.46億円)したものの、2025年3月期は12.36億円・2026年3月期は13.51億円と回復・拡大基調にあり、業績の安定性は高い。
④ 業務スーパーFC運営54店舗の収益基盤
神戸物産の「業務スーパー」のフランチャイジーとして、静岡・埼玉・山梨・神奈川の4県で54店舗を運営。業務スーパーは「とにかく安い・大容量・PB商品多数」を特徴とする業態で、近年急成長中。マキヤは本部の神戸物産との長年のフランチャイズ関係を基盤に、業務スーパー業態の急成長の恩恵を直接的に受けている。本日発表の資本業務提携により、この収益基盤の本部直系化が進む。
⑤ 株主還元の強化と割安水準
2026年3月期は配当8円増配を予定し、株主還元の充実を継続。株主優待もエスポット・ポテト・マミーの全店、静岡県および山梨県の業務スーパー全店で利用可能で個人投資家からの支持を集めている。PBR0.54倍と1倍を大幅に割り込み、実績PER6.35倍と業績規模に対する市場評価が控えめだったところから、本日の神戸物産との資本業務提携を契機とした市場再評価が進む可能性。
弱み・リスク要因
有価証券報告書・決算短信および公開情報から判明している同社の事業上の課題・リスクは以下のとおりです。
① 2026年3月期は人件費増加で営業利益減益
2026年3月期は売上高+5.5%と増収を確保したものの、営業利益は21.33億円(前期比-5.9%)と減益。人件費等の増加が主因。最低賃金上昇・人手不足を背景とした人件費構造の悪化は、小売業全体に共通する構造的課題で、収益性の維持・改善には継続的な努力が必要。EPSは前期同期比で伸びが鈍化傾向にあり、収益性面での改善余地が残る。
② ROE・ROAが目安水準を下回る
純利益率と営業利益率は前年同期比で低下傾向にあり、ROE・ROAは一般的に望ましいとされる水準に対してROEはやや下回り、ROAも目安を下回っている。総じて収益性は安定感に欠けると評価されている。自己資本比率の改善(54.8%)と裏腹に、資本効率面では改善余地が残されており、神戸物産との資本業務提携によるシナジー効果での収益性改善が課題。
③ 地域密着型小売の人口減少リスク
静岡県東部を地盤とする地域密着型小売企業として、地元の人口動態・経済環境の影響を直接受ける構造。静岡県東部の人口減少・少子高齢化トレンドは、長期的な顧客基盤縮小要因となる。出店エリア拡大(埼玉・山梨・神奈川での業務スーパーFC展開)で一定の地理的多角化は進めているものの、地域偏在リスクは継続課題。
④ 業務スーパーFCに依存した成長ドライバー
近年の成長ドライバーは業務スーパーFC展開が中心。神戸物産が筆頭株主となった後も、業務スーパー業態は本部の神戸物産が主導するため、マキヤ独自の意思決定範囲は限定的。神戸物産の経営戦略・ブランド方針に業績が左右される構造リスクが、提携深化により一段と強まる可能性がある。
⑤ 神戸物産が筆頭株主となることで創業家との距離
本日の資本業務提携により、創業家の資産管理会社マキリ(保有比率43.4%)が筆頭株主から外れ、神戸物産が筆頭株主となる。創業家経営からの脱却は経営の新展開を意味する一方、長年の地域密着型経営・店舗運営文化との不連続性リスクも内包する。神戸物産との連携・統合プロセスにおいてシナジー効果が想定通りに実現するかは中期的な観察課題。
⑥ 急騰局面後の反動安リスク
本日(2026年5月27日)のストップ高張り付き+25.00%は、神戸物産との資本業務提携材料を契機とした短期資金の流入による側面が大きい。神戸物産の取得価格1,198円に対して既に大幅にプレミアムがついた水準まで上昇しており、提携シナジーの本格化は2027年3月期以降となるため、足元の急騰後は材料出尽くしによる利食い売りが集中する可能性がある。東証スタンダード上場の中小規模銘柄として需給要因による株価変動を受けやすい構造も継続課題。
- 株式会社マキヤ 公式サイト
- 株式会社マキヤ IR情報
- 株式会社マキヤ「自己株式に係る取得及び公開買付け、第三者割当による自己株式の処分、神戸物産との資本業務提携、主要株主である筆頭株主・その他の関係会社の異動」(2026年5月26日適時開示・5月27日訂正版)
- 株式会社マキヤ「2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」(2026年5月12日発表)
- 株式会社マキヤ「2026年3月期(第74期)決算説明資料(速報版)」(2026年5月12日発表)
- 株式会社マキヤ「有価証券報告書」
- 株式会社神戸物産「株式会社マキヤとの資本業務提携に関するお知らせ」(2026年5月26日適時開示)
本ページは投資情報の提供を目的としており、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。最終的な投資判断はご自身の責任において行ってください。

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