6954 ファナック

ファナック(6954)|FA・ロボット自動化

ファナック 6954東証P

FANUC CORPORATION|CNC、サーボ、産業用ロボット、ロボドリル・ロボショット・ロボカット、IoT商品、保守サービスを展開するFA総合サプライヤ。

※2026年8月3日時点の情報

事業内容

2026年8月3日の時価総額は約60,056億円。同日の終値は6,114円で、2027年3月期第1四半期末の発行済株式総数982,272,430株を基準に算出した。

ファナックは1972年5月12日設立。本社は山梨県南都留郡忍野村忍草3580、代表取締役社長は山口賢治、決算期は3月、東証プライム市場に上場する。1955年のNC開発開始以来、工場の自動化を追求し、FA、ロボット、ロボマシン、IoT・AI、サービスをグローバルに展開している。

2026年3月期は売上高857,831百万円、営業利益183,763百万円、経常利益227,485百万円、親会社株主に帰属する当期純利益166,543百万円。2027年3月期第1四半期は売上高231,035百万円、営業利益53,492百万円、経常利益68,193百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益50,981百万円。最新の通期会社予想は売上高948,100百万円、営業利益218,000百万円、経常利益271,200百万円、親会社株主に帰属する当期純利益198,000百万円

単一事業セグメント|FA総合サプライヤとしての連結収益

セグメント業績推移:決算短信上、ファナックはファクトリーオートメーションの総合的なサプライヤとして単一業種の事業活動を営み、事業セグメントは単一であるためセグメント情報の記載を省略している。連結売上高は2022年3月期の733,008百万円から2023年3月期に851,956百万円へ増加し、2026年3月期は857,831百万円。営業利益は183,240百万円191,359百万円141,919百万円158,846百万円183,763百万円で推移した。

ファナックの報告セグメントは単一である。すべての商品にCNCとサーボモータが使用され、投資の意思決定は特定の商品だけでなく、全商品の受注、売上、製造状況により判断される。

そのため、商品別の外部顧客売上高は開示されているが、商品別の営業利益やセグメント利益は開示されていない。収益性の分析では、連結営業利益率と商品別売上構成を組み合わせて見る必要がある。

2023年3月期は売上高851,956百万円、営業利益191,359百万円で5期間の高水準だった。2024年3月期は売上高が795,274百万円、営業利益が141,919百万円へ低下し、営業利益率は17.8%まで落ち込んだ。

2025年3月期は売上高がほぼ横ばいの797,129百万円だった一方、営業利益は158,846百万円へ回復した。2026年3月期は売上高857,831百万円、営業利益183,763百万円となり、営業利益率は21.4%まで上昇した。

2027年3月期第1四半期は売上高231,035百万円、営業利益53,492百万円で、前年同期比では売上高17.7%増、営業利益26.1%増となった。第1四半期の営業利益率は約23.2%で、2026年3月期通期の21.4%を上回る。

2027年3月期通期予想は売上高948,100百万円、営業利益218,000百万円。第1四半期実績は売上高で通期計画の約24.4%、営業利益で約24.5%に相当する。

主力需要はFA、ロボット、ロボマシン、サービスにまたがる。景気敏感性の高い設備投資関連銘柄であり、受注、在庫、地域別需要、為替、関税、顧客の設備投資姿勢を並行して確認する必要がある。

FA|CNC・サーボで工作機械と生産設備を制御

商品別売上高推移:FAの外部顧客売上高は2022年3月期226,165百万円、2023年3月期250,113百万円、2024年3月期180,384百万円、2025年3月期194,824百万円、2026年3月期208,478百万円。2026年3月期は連結売上高の約24.3%を占めた。

FAはCNC、サーボ、レーザを中核とする。CNCは工作機械の数値制御装置であり、サーボモータとサーボアンプは機械の軸を高精度に動かす基幹部品である。

ファナックの事業全体はCNCとサーボを基礎としている。ロボットやロボマシンも、制御技術、モータ技術、ソフトウェア、保守体制と一体で展開される。

2023年3月期のFA売上高は250,113百万円で5期間の最高値だった。2024年3月期は180,384百万円まで減少した。2025年3月期は194,824百万円、2026年3月期は208,478百万円へ回復したが、2023年3月期の水準には届いていない。

2027年3月期第1四半期のFA売上高は57,352百万円で、前年同期比15.5%増。需要環境が回復する局面では、FAがロボットやロボマシンに先行して工作機械投資の温度感を示すことがある。

FAの競争軸は、CNCの制御性能、サーボの応答性、加工品質、ネットワーク接続、機械メーカーとの設計連携、保守部品の供給期間である。単価だけでなく、機械全体の加工精度と稼働率が採用判断に影響する。

投資判断では、FA単独の売上高だけでなく、工作機械受注、スマートフォン・EV・半導体製造装置・一般機械向け需要、アジア地域の設備投資、為替前提を同時に確認する必要がある。

ロボット|小型・大型・協働・塗装ロボット

商品別売上高推移:ロボットの外部顧客売上高は2022年3月期268,478百万円、2023年3月期356,984百万円、2024年3月期380,944百万円、2025年3月期329,566百万円、2026年3月期378,610百万円。2026年3月期は商品別売上高で最大だった。

ロボットは、小型ロボット、大型ロボット、協働ロボット、塗装ロボットを含む。搬送、組立、溶接、塗装、パレタイジング、食品、物流、医薬、電子部品、自動車など幅広い用途に対応する。

外部顧客売上高は2022年3月期の268,478百万円から2023年3月期に356,984百万円へ増加した。2024年3月期は380,944百万円で5期間の最高値となった。

2025年3月期は329,566百万円まで低下したが、2026年3月期は378,610百万円へ回復した。ロボットはファナックの成長ドライバーである一方、顧客の設備投資サイクルに左右される。

2027年3月期第1四半期のロボット売上高は96,103百万円で、前年同期比18.7%増。通期の増収計画を支える中核分野となる。

産業用ロボットでは可搬質量、動作範囲、軌跡精度、制御ソフト、周辺機器、画像処理、安全機能、稼働データ活用が競争軸となる。協働ロボットでは人との近接作業に対応する安全性、使いやすさ、導入工数が重要となる。

競合は安川電機、ABB、KUKA、川崎重工業、三菱電機などである。ファナックはCNC・サーボを含む制御技術とロボット制御の一体性、世界的なサービス網を競争力として持つ。

ロボマシン・IoT・サービス|小型加工機と保守ネットワーク

商品別売上高推移:ロボマシンは2022年3月期144,633百万円、2023年3月期132,788百万円、2024年3月期103,388百万円、2025年3月期137,588百万円、2026年3月期129,600百万円。サービスは93,732百万円から141,143百万円まで毎期増加した。

ロボマシンには、ロボドリル、ロボショット、ロボカットが含まれる。ロボドリルは小型切削加工機、ロボショットは電動射出成形機、ロボカットはワイヤ放電加工機である。

ロボマシン売上高は2022年3月期の144,633百万円から2024年3月期に103,388百万円まで減少した。2025年3月期は137,588百万円へ回復したが、2026年3月期は129,600百万円だった。

2027年3月期第1四半期のロボマシン売上高は36,549百万円で、前年同期比29.3%増。製造業の小型加工機投資や電子部品・自動車関連需要の動きが業績に反映されやすい。

サービス売上高は5期間で一貫して増加した。2022年3月期の93,732百万円から2026年3月期の141,143百万円へ拡大し、既存設置台数の積み上がりが収益基盤となっている。

サービスはファナックの基本理念にある「壊れない、壊れる前に知らせる、壊れてもすぐ直せる」を実行する領域である。国内外の保守体制、部品供給、予防保全、迅速復旧が顧客の設備稼働率に直結する。

IoT商品はFIELD system Basic PackageやAIサーボモニタを含む。IoT単独の売上高は決算短信の製品・サービス別情報では開示されていないため、FA、ロボット、ロボマシン、サービスと組み合わせた付加価値として評価する。

1.会社予想と実績

2022年3月期から2026年3月期は初回公表の通期会社予想と通期実績を比較し、2027年3月期は第1四半期時点の最新会社予想を掲載しています。

売上高の会社予想と実績 売上高 会社予想と通期実績(連結) 会社予想 実績 0 250,000 500,000 750,000 1,000,000 657,100 733,008 2022/3 達成率 111.6% 825,500 851,956 2023/3 達成率 103.2% 819,500 795,274 2024/3 達成率 97.0% 746,400 797,129 2025/3 達成率 106.8% 807,000 857,831 2026/3 達成率 106.3% 第1四半期の初回公表予想 948,100 2027/3 最新会社予想 単位:百万円
達成率は実績÷会社予想。赤=達成・超過、青=未達、黄=最新予想。
営業利益の会社予想と実績 営業利益 会社予想と通期実績(連結) 会社予想 実績 0 62,500 125,000 187,500 250,000 148,400 183,240 2022/3 達成率 123.5% 197,300 191,359 2023/3 達成率 97.0% 156,300 141,919 2024/3 達成率 90.8% 121,000 158,846 2025/3 達成率 131.3% 159,500 183,763 2026/3 達成率 115.2% 第1四半期の初回公表予想 218,000 2027/3 最新会社予想 単位:百万円
達成率は実績÷会社予想。赤=達成・超過、青=未達、黄=最新予想。
経常利益の会社予想と実績 経常利益 会社予想と通期実績(連結) 会社予想 実績 0 75,000 150,000 225,000 300,000 164,500 213,395 2022/3 達成率 129.7% 227,400 231,327 2023/3 達成率 101.7% 185,500 181,755 2024/3 達成率 98.0% 149,400 196,738 2025/3 達成率 131.7% 196,300 227,485 2026/3 達成率 115.9% 第1四半期の初回公表予想 271,200 2027/3 最新会社予想 単位:百万円
達成率は実績÷会社予想。赤=達成・超過、青=未達、黄=最新予想。
親会社株主に帰属する当期純利益の会社予想と実績 親会社株主に帰属する当期純利益 会社予想と通期実績(連結) 会社予想 実績 0 55,000 110,000 165,000 220,000 120,500 155,273 2022/3 達成率 128.9% 166,200 170,587 2023/3 達成率 102.6% 137,100 133,159 2024/3 達成率 97.1% 107,300 147,557 2025/3 達成率 137.5% 143,000 166,543 2026/3 達成率 116.5% 第1四半期の初回公表予想 198,000 2027/3 最新会社予想 単位:百万円
達成率は実績÷会社予想。赤=達成・超過、青=未達、黄=最新予想。
EPS(1株当たり当期純利益)の会社予想と実績 EPS(1株当たり当期純利益) 会社予想と通期実績(連結) 会社予想 実績 0.00 60.00 120.00 180.00 240.00 125.64 161.90 2022/3 達成率 128.9% 173.29 178.55 2023/3 達成率 103.0% 143.87 140.23 2024/3 達成率 97.5% 113.47 157.31 2025/3 達成率 138.6% 153.25 178.47 2026/3 達成率 116.5% 第1四半期の初回公表予想 212.18 2027/3 最新会社予想 単位:円
達成率は実績÷会社予想。赤=達成・超過、青=未達、黄=最新予想。
指標2022/32023/32024/32025/32026/32027/3
会社予想実績達成率会社予想実績達成率会社予想実績達成率会社予想実績達成率会社予想実績達成率会社予想実績達成率
売上高
(百万円)
657,100733,008111.6%825,500851,956103.2%819,500795,27497.0%746,400797,129106.8%807,000857,831106.3%948,100最新予想
営業利益
(百万円)
148,400183,240123.5%197,300191,35997.0%156,300141,91990.8%121,000158,846131.3%159,500183,763115.2%218,000最新予想
経常利益
(百万円)
164,500213,395129.7%227,400231,327101.7%185,500181,75598.0%149,400196,738131.7%196,300227,485115.9%271,200最新予想
親会社株主に帰属する当期純利益
(百万円)
120,500155,273128.9%166,200170,587102.6%137,100133,15997.1%107,300147,557137.5%143,000166,543116.5%198,000最新予想
EPS(1株当たり当期純利益)
(円)
125.64161.90128.9%173.29178.55103.0%143.87140.2397.5%113.47157.31138.6%153.25178.47116.5%212.18最新予想

達成率=実績÷会社予想×100。2026年3月期は期首予想が未公表だったため、第1四半期に初めて公表された通期予想を使用。EPSは2023年4月1日の1株→5株の株式分割を遡及反映し、2022年・2023年3月期の会社予想を5分の1に調整しています。

2.達成・未達理由
2022年3月期全5指標を達成
売上 111.6%営業利益 123.5%経常利益 129.7%純利益 128.9%EPS 128.9%

製造業の設備投資回復でFA・ロボット・ロボマシン・サービスがそろって増収。半導体不足にも代替品採用や設計変更で対応し、旺盛な需要を取り込んだため、売上・利益とも期初予想を大幅に上回りました。

2023年3月期営業利益のみ小幅未達
売上 103.2%営業利益 97.0%経常利益 101.7%純利益 102.6%EPS 103.0%

FA・ロボット・サービスの伸長で売上は超過しましたが、原材料高、部品不足、ロボマシン減収が営業採算を圧迫。持分法投資損益の増加などで経常利益・純利益は予想を上回りました。

2024年3月期全5指標が未達
売上 97.0%営業利益 90.8%経常利益 98.0%純利益 97.1%EPS 97.5%

2022年度下期からの在庫調整と世界的な景気減速で、FAとロボマシンが大幅減収。ロボットとサービスの増収では補えず、営業利益が最も大きく未達となりました。純利益には過年度法人税等も影響しました。

2025年3月期全5指標を達成
売上 106.8%営業利益 131.3%経常利益 131.7%純利益 137.5%EPS 138.6%

FA、ロボマシン、サービスが増収となり、ロボット減収を吸収。中国・インドの需要、拡販、経費削減、生産効率化が利益率を押し上げ、利益指標は期初予想を3割超上回りました。

2026年3月期初回公表予想を全5指標で達成
売上 106.3%営業利益 115.2%経常利益 115.9%純利益 116.5%EPS 116.5%

期首は関税影響を算定できず予想未公表でしたが、第1四半期に初回予想を開示。中国・インドを中心とするFA需要と中国向けロボットの伸長、拡販・経費削減が寄与し、関税懸念下でも全指標を上回りました。

2027年3月期最新会社予想・通期実績未発表
売上 948,100営業利益 218,000経常利益 271,200純利益 198,000EPS 212.18円

第1四半期が前年同期比で大幅増収増益となり、会社は通期予想を上方修正しました。全4部門が増収で、営業利益率も23.2%と通期計画23.0%を上回る滑り出しです。

3.事業セグメントの自信度

決算短信の部門別説明で変化した表現を年度別に抜き出し、各部門への会社の自信度を推理しています。

FA部門

自信度推移:強気 → 強気 → 弱気 → 中立 → 強気 → 強気
2022年3月期強気
CNCシステムの主要顧客である工作機械業界の需要は、堅調であった中国に加え、欧米、アジア、日本と世界規模で増加し、工作機械向けの当社のCNCシステムの売上も併せて増加しました。

世界的な需要回復を明示。

2023年3月期強気
CNCシステムの主要顧客である工作機械業界の需要は、横ばいであった中国を除き好調に推移し、当社のCNCシステムの売上も前期比で増加しました。

中国以外の地域が成長を支えました。

2024年3月期弱気
CNCシステムの主要顧客である工作機械業界の需要は、国内を含む世界各国で減速傾向がみられ、当社のCNCシステムの売上も減少しました。

在庫調整と世界減速が直撃。

2025年3月期中立
CNCシステムの主要顧客である工作機械業界の需要は、国内や欧州で低調に推移したものの、インドや設備投資に積極的な産業からの需要が旺盛だった中国で堅調に推移し、当社のCNCシステムの売上は増加しました。

地域ごとの強弱が混在。

2026年3月期強気
CNCシステムの主要顧客である工作機械業界の需要は、欧州で低調だったものの、国内において国内工作機械メーカの好調な外需が牽引した他、インドや設備投資に積極的な産業からの需要が旺盛だった中国で好調に推移し、当社のCNCシステムの売上は増加しました。

複数地域で回復が拡大。

2027年3月期Q1強気
CNCシステムの主要顧客である工作機械業界の需要は、欧州で低調だったものの、国内において国内工作機械メーカの好調な外需が牽引した他、インドや設備投資に積極的な産業からの需要が旺盛だった中国で好調に推移し、当社のCNCシステムの売上は増加しました。

前期の好調要因が継続。

最新判断強気

欧州の弱さは残るものの、国内外需・インド・中国が牽引し、第1四半期売上は15.5%増。工作機械需要の地域分散が効いています。

ロボット部門

自信度推移:強気 → 非常に強気 → 強気 → 弱気 → 強気 → 非常に強気
2022年3月期強気
中国でIT関連、EV、重機、建機向けを中心に好調に推移し、米国でも一般産業向けおよびEV関連の需要を取り込んだ自動車産業向けが堅調で、欧州でも一般産業向けが好調に推移しました。

EV・一般産業が世界的に拡大。

2023年3月期非常に強気
中国でEV、物流、再生可能エネルギー関連向けを中心に需要が好調に推移し、売上が前期比で大幅に増加しました。

成長分野への浸透が加速。

2024年3月期強気
欧米共に前期からの受注残により、EV関連向けおよび一般産業向け共に堅調で売上が増加しました。

受注残が売上を下支え。

2025年3月期弱気
中国では好調だったEV関連向けが下降気味であり、一般産業向けと電子産業向けも低調で売上が減少しました。欧米でも主に自動車関連向けが低調で売上が減少しました。

主要地域で需要が鈍化。

2026年3月期強気
中国ではEV関連向け、一般産業向けが好調に推移し、売上が大きく増加しました。

中国回復が部門増収を牽引。

2027年3月期Q1非常に強気
米州については、自動車産業向け、一般産業向けともに堅調に推移し、売上が増加しました。中国ではEV関連向け、一般産業向けが好調に推移し、売上が増加しました。

米州・中国の二本柱が伸長。

最新判断非常に強気

米州と中国の自動車・一般産業需要が伸び、第1四半期売上は18.7%増。国内自動車向けの弱さを海外が補っています。

ロボマシン部門

自信度推移:強気 → 弱気 → 弱気 → 強気 → 中立 → 非常に強気
2022年3月期強気
ロボドリル(小型切削加工機)では、中国でパソコン、タブレット市場向けの需要を受け、売上が増加しました。ロボショット(電動射出成形機)では、IT関連、医療市場向けの需要が好調に推移し、売上が増加しました。ロボカット(ワイヤ放電加工機)では、IT関連、自動車部品市場向けの需要が好調に推移し、売上が増加しました。

全3製品が増収。

2023年3月期弱気
ロボドリル(小型切削加工機)では、好調だったパソコン、タブレット、スマートフォン市場向けの需要が一巡し、売上が前期比で減少しました。

IT需要一巡が減速要因。

2024年3月期弱気
ロボドリル(小型切削加工機)では、中国をはじめとする海外市場の低迷が続き、売上が減少しました。ロボショット(電動射出成形機)では、IT関連向けの需要が落ち込み、売上が減少しました。ロボカット(ワイヤ放電加工機)では、欧米をはじめとする海外市場の低迷が続き、売上が減少しました。

全製品で需要低迷。

2025年3月期強気
ロボドリル(小型切削加工機)では、主に中国市場が堅調に推移し、売上は増加しました。ロボショット(電動射出成形機)では、中国、中国以外のアジアでの需要増があり、売上が増加しました。

中国・アジアで回復。

2026年3月期中立
ロボドリル(小型切削加工機)では、中国で需要が堅調に推移しましたが、国内および中国以外のアジアで低調に推移し、売上が減少しました。ロボカット(ワイヤ放電加工機)では、米州での需要増により売上は増加しました。

製品・地域ごとに強弱。

2027年3月期Q1非常に強気
ロボドリル(小型切削加工機)では、国内や中国で需要が好調に推移し、売上が増加しました。ロボショット(電動射出成形機)では、米州で堅調だったことに加え、中国で好調に推移し、売上が増加しました。ロボカット(ワイヤ放電加工機)では、中国での需要増により売上が増加しました。

全製品・複数地域で回復。

最新判断非常に強気

ロボドリル、ロボショット、ロボカットの全製品で売上が増加し、第1四半期売上は22.8%増。回復の広がりが最も鮮明です。

サービス部門

自信度推移:中立 → 強気 → 強気 → 強気 → 強気 → 非常に強気
2022年3月期中立
サービス部門については、売上が例年並みに回復しています。

コロナ影響から正常化。

2023年3月期強気
「サービス ファースト」をキーワードに、サービス体制の強化、IT技術の積極的な導入による効率アップ等を進めました。

体制・効率の両面を強化。

2024年3月期強気
「サービス ファースト」をキーワードに、サービス体制の強化、IT技術の積極的な導入による効率アップ等を進めました。

増収を伴う継続施策。

2025年3月期強気
「サービスファースト」の精神のもと、ITを活用したCX(顧客体験)を重視し、顧客満足度の向上をグローバルに推進するサービス体制の強化を図りました。

顧客体験へ重点を拡張。

2026年3月期強気
「サービスファースト」の精神のもと、ITを活用したCX(顧客体験)を重視し、顧客満足度の向上をグローバルに推進するサービス体制の強化を図りました。

グローバル強化を継続。

2027年3月期Q1非常に強気
また、保守にも役立つFIELD system Basic Package、工作機械での故障予兆を可能とするAIサーボモニタや、ロボット用のZero Down Time等、予防保全に活用できるIoT商品の販売促進と導入支援を行いました。

予防保全の付加価値領域へ拡大。

最新判断非常に強気

予防保全IoT商品の販売・導入支援まで拡大し、第1四半期売上は13.0%増。ストック型収益の安定性が高まっています。

4.最新予想信頼度
判定:2027年3月期の達成可能性は「高い」。上方修正後も、営業利益は達成余地があります。

第1四半期は全4部門が増収となり、売上高・営業利益・経常利益・純利益が前年同期比で二桁増。会社は通期予想を売上高4.2%、営業利益2.7%、経常利益5.5%、純利益7.1%上方修正しました。

売上高予想9,481億円Q1単純進捗24.4%
営業利益予想2,180億円Q1単純進捗24.5%
経常利益予想2,712億円Q1単純進捗25.1%
純利益予想1,980億円Q1単純進捗25.7%
EPS予想212.18円Q1単純進捗25.7%

達成できると判断する理由

  • 第1四半期の営業利益率は23.2%で、通期計画23.0%を上回っています。
  • FA・ロボット・ロボマシン・サービスの全部門が増収。特にロボマシンは22.8%増、ロボットは18.7%増です。
  • 第2四半期累計と通期を同時に上方修正しており、会社自身が足元の強さを通期に反映しています。
  • 第2四半期以降に必要な前年同期比は、売上約8.4%、営業利益約16.4%。Q1の売上17.7%増・営業利益26.1%増より低い水準です。
  • 過去5期の25指標中19指標が初回予想を達成し、2025年・2026年3月期は全5指標を上回りました。

達成できないと判断する理由

  • 営業利益は通期で18.6%増が必要で、売上10.5%増を上回る利益成長を求める計画です。
  • 欧州のFA需要と国内自動車向けロボットには弱さが残り、地域別の回復は均一ではありません。
  • 地政学的リスク、米国関税、世界景気、為替変動は需要と採算の双方を押し下げる可能性があります。
  • 最新予想の7月以降の為替前提は1ドル150円・1ユーロ175円。想定以上の円高は円換算業績の下振れ要因です。
  • 生産財メーカーであるため、顧客の在庫調整や設備投資延期が短期間で受注・売上に波及します。

収益計上時期と進捗率

最新資料に利益の特定四半期偏重を示す説明はありません。掲載したQ1進捗率は季節性を調整しない単純進捗率です。前年のQ1通期比は売上22.9%、営業利益23.1%だったのに対し、今期は24.4%、24.5%と上回っています。

総合判断:全部門増収、Q1営業利益率の計画超過、通期上方修正を踏まえると、最新予想は達成可能と判断します。条件は、欧州・国内自動車向けの弱さを中国・米州・インドの需要で補い、通期営業利益率23%前後を維持することです。

直近5年業績サマリー

単位:売上高・損益・純資産・キャッシュフローは百万円、EPS・BPSは円、PER・PBRは倍。2023年4月1日付で普通株式1株につき5株の株式分割が行われているため、2022年3月期の期末株価21,645円は5分割後換算の4,329円として使用。EPS・PER・PBR・BPSは最新の発行済株式総数982,272,430株で再計算。過去5期のPER・PBRは各期末の最終取引日終値、2027年3月期会社予想PERは2026年8月3日終値6,114円を使用。
業績項目2022/3
実績
2023/3
実績
2024/3
実績
2025/3
実績
2026/3
実績
2027/3
会社予想
売上高733,008851,956+118,948 / +16.2%795,274-56,682 / -6.7%797,129+1,855 / +0.2%857,831+60,702 / +7.6%948,100+90,269 / +10.5%
営業損益183,240191,359+8,119 / +4.4%141,919-49,440 / -25.8%158,846+16,927 / +11.9%183,763+24,917 / +15.7%218,000+34,237 / +18.6%
経常損益213,395231,327+17,932 / +8.4%181,755-49,572 / -21.4%196,738+14,983 / +8.2%227,485+30,747 / +15.6%271,200+43,715 / +19.2%
当期純利益155,273170,587+15,314 / +9.9%133,159-37,428 / -21.9%147,557+14,398 / +10.8%166,543+18,986 / +12.9%198,000+31,457 / +18.9%
EPS158.08173.67+15.59 / +9.9%135.56-38.10 / -21.9%150.22+14.66 / +10.8%169.55+19.33 / +12.9%201.57+32.02 / +18.9%
PER27.3927.4130.8727.0331.2730.33
PBR2.742.872.392.292.77
BPS1,577.851,656.93+79.08 / +5.0%1,750.23+93.30 / +5.6%1,771.29+21.06 / +1.2%1,916.93+145.64 / +8.2%
純資産1,549,8791,627,555+77,676 / +5.0%1,719,200+91,645 / +5.6%1,739,890+20,690 / +1.2%1,882,947+143,057 / +8.2%
営業CF125,58199,505-26,076 / -20.8%171,764+72,259 / +72.6%255,273+83,509 / +48.6%250,896-4,377 / -1.7%
投資CF-53,929-77,998-24,069 / 支出拡大 44.6%-13,563+64,435 / 支出縮小 82.6%-134,084-120,521 / 支出拡大 888.6%-56,437+77,647 / 支出縮小 57.9%
財務CF-89,154-127,924-38,770 / 支出拡大 43.5%-122,514+5,410 / 支出縮小 4.2%-136,618-14,104 / 支出拡大 11.5%-98,598+38,020 / 支出縮小 27.8%
現金及び現金同等物574,655476,953-97,702 / -17.0%526,881+49,928 / +10.5%502,091-24,790 / -4.7%615,075+112,984 / +22.5%

中期経営計画

経営の基本方針|専用の中期経営計画ページは未確認

2027年3月期売上高予想9,481億円
2027年3月期営業利益予想2,180億円
2027年3月期純利益予想1,980億円
株主還元方針配当性向60%
数値目標と業績予想

ファナックについては、専用の中期経営計画ページは確認できない。代替として公式の「経営の基本方針」と、2027年3月期会社予想を中期方針の確認材料とする。

2027年3月期通期予想は売上高948,100百万円、営業利益218,000百万円、経常利益271,200百万円、親会社株主に帰属する当期純利益198,000百万円。2026年3月期実績に対し、売上高10.5%増、営業利益18.6%増、経常利益19.2%増、当期純利益18.9%増を見込む。

2027年3月期第1四半期時点で、業績予想は上方修正されている。第2四半期累計予想は売上高466,000百万円、営業利益104,400百万円、経常利益134,900百万円、親会社株主に帰属する当期純利益100,300百万円

基本方針

経営方針では、FA、ロボット、ロボマシンの三事業とサービスを柱とし、最新・最強の制御技術、デジタル技術、IoT、AIを商品に取り入れ、顧客工場の自動化と効率化を推進する方針を掲げる。

「one FANUC」によって全事業が連携し、顧客へ総合力を示すことを重視する。商品開発、製造、販売、サービスが分断されず、工場自動化の一体提案につながる点がファナックの経営上の軸である。

「壊れない、壊れる前に知らせる、壊れてもすぐ直せる」というスローガンは、製品の信頼性、予防保全、保守ネットワークを結び付ける。設備停止が顧客損失に直結するFA領域では、この方針が受注維持の重要な要素となる。

事業戦略

FAではCNCとサーボの高性能化、デジタル接続、加工品質改善を進める。工作機械メーカーと最終ユーザー双方に対し、制御装置とサーボを通じて機械性能を高める役割を担う。

ロボットでは、幅広い可搬質量、小型から大型までのラインアップ、協働ロボット、塗装ロボットを展開する。自動車、電子部品、物流、食品、医療などの現場で、自動化対象を拡大することが成長の軸となる。

ロボマシンでは、ロボドリル、ロボショット、ロボカットを通じ、小型加工、電動射出成形、ワイヤ放電加工を扱う。景気循環の影響を受けるため、受注回復と利益率改善を同時に確認する必要がある。

サービスでは、予防保全、故障対応、部品供給、国内外サービス網の維持が重要となる。設置済み機器の拡大に伴い、サービス売上の継続成長が収益安定化に寄与する。

資本政策

株主還元は連結配当性向60%を基本方針とする。自己株式取得は成長投資とのバランスを考慮し、株価水準に応じて機動的に行う方針である。自己株式の保有は発行済株式総数の5%を上限とし、それを超過する部分は原則として毎期消却する。

経営の基本方針へ

競合他社

① 三菱電機(6503)

株価5,536円
時価総額約11兆6,987億円
上場市場東証プライム

三菱電機は、FA機器、CNC、サーボ、PLC、インバータ、表示器、産業用ロボット、電力・社会インフラ、空調、半導体などを展開する総合電機メーカーである。ファナックとの競合は、CNC、サーボ、産業用ロボット、工場自動化ソリューションが中心となる。

CNCでは数値制御装置、サーボドライブを含む工作機械向け制御領域で競合する。産業用ロボットではMELFAシリーズを展開し、組立、搬送、検査、パレタイジングなどの用途でファナックの小型・中型ロボットと比較対象となる。

2027年3月期第1四半期の連結業績は、売上高14,971億円、調整後営業利益1,443億円、税引前四半期純利益1,570億円、親会社株主帰属四半期純利益1,098億円。通期見通しは売上高62,700億円、調整後営業利益6,200億円

三菱電機はFA単独ではなく、社会インフラ、電力、空調、半導体を含む大規模ポートフォリオを持つ。ファナックはFA、ロボット、ロボマシンへ集中しており、専業性と高収益性が対抗軸となる。

② 安川電機(6506)

株価4,935円
時価総額約1兆3,161億円
上場市場東証プライム

安川電機は、ACサーボ、インバータ、コントローラ、産業用ロボットを展開するメカトロニクス企業である。ファナックとの直接競合は、サーボ、モーションコントロール、産業用ロボット、ロボットセルの自動化提案である。

ロボットではMOTOMANブランドを展開し、溶接、ハンドリング、塗装、パレタイジング、半導体・液晶、バイオメディカルなどの用途を扱う。ファナックのロボット事業とは、可搬質量、用途展開、制御ソフト、システムインテグレータ連携で競合する。

2027年2月期第1四半期は売上収益138,982百万円、営業利益8,486百万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益5,445百万円。モーションコントロールは売上収益67,635百万円、営業利益7,562百万円、ロボットは売上収益56,728百万円、営業利益888百万円

安川電機はサーボとロボットの専業性が高く、ファナックと重なる領域が大きい。ファナックはCNC、ロボマシン、サービスを含めた一体展開で差別化し、安川電機はモーション制御とロボットシステムで対抗する。

③ DMG森精機(6141)

株価3,738円
時価総額約5,320億円
上場市場東証プライム

DMG森精機は、マシニングセンタ、ターニングセンタ、複合加工機、5軸加工機、自動化システム、サービスを展開する工作機械メーカーである。ファナックとは工作機械そのものとCNC・ロボマシンの周辺領域で競合・補完の両面を持つ。

ファナックのロボドリルは小型切削加工機であり、DMG森精機のマシニングセンタ、5軸加工機、工程集約機と同じ加工現場で比較される。DMG森精機は機械本体と加工工程提案に強く、ファナックは制御技術、ロボドリル、ロボット、保守網を組み合わせる。

2026年12月期第1四半期は売上収益135,531百万円、営業利益3,417百万円、税引前利益1,968百万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益1,488百万円

工作機械需要が回復する局面では、DMG森精機の受注や機械出荷はファナックのFA、ロボドリル、CNC、サーボ需要の先行確認材料となる。競争軸は加工精度、自動化、稼働率、保守、ソフトウェア、顧客ラインへの組込み提案である。

出典

本ページは公開情報を基に作成した企業分析であり、特定の有価証券の売買を推奨または勧誘するものではありません。業績予想、株価、時価総額、投資指標、製品構成、競争環境は変動する可能性があります。投資判断は最新の開示資料を確認したうえで、自身の責任で行ってください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました