5817 JMACS

JMACS 5817 東証S

JMACS Japan Co., Ltd.|計装・制御・通信・防災用ケーブル、産業用ネットワークケーブル、光ファイバーケーブル、受託開発による高機能電線を展開するニッチ型電線メーカー。
※2026年7月15日時点の情報

事業内容

2026年7月15日の時価総額は約58.2億円。株価終値は1,005円、発行済株式総数は5,791,555株。

JMACSは1965年3月10日設立、登記上の設立日は1948年8月3日。本社・本社工場は兵庫県加東市森尾127番1、代表者は代表取締役社長の植村瑠美氏、決算期は2月、上場市場は東京証券取引所スタンダード市場。計装・制御・通信・防災用ケーブル、光ファイバーケーブルの企画・製造・販売、受託開発による各種高機能電線の製造・販売を手掛ける。2026年2月末の従業員数は112名。

2026年2月期は売上高6,028百万円、営業利益501百万円、経常利益543百万円、当期純利益400百万円。2027年2月期第1四半期は売上高1,647百万円、営業利益227百万円、経常利益232百万円、四半期純利益161百万円となり、前年同期比で大幅な増収増益を確保した。通期会社予想は売上高6,300百万円、営業利益329百万円、経常利益361百万円、当期純利益248百万円で据え置かれている。

電線事業

2022年2月期から2026年2月期までに、売上高は4,381百万円から6,028百万円へ拡大した。利益は2024年2月期と2025年2月期に低下した後、2026年2月期は501百万円へ急回復。2025年2月期からは、縮小したトータルソリューション事業を独立した報告セグメントとせず、電線事業の単一セグメントへ変更している。
電線事業 業績推移(単位:百万円)
0 1,750 3,500 5,250 7,000 合計 4,585 4,381 204 2022年2月期 利益率 4.7% 合計 5,169 4,827 342 2023年2月期 利益率 7.1% 合計 5,334 5,201 133 2024年2月期 利益率 2.6% 合計 5,269 5,201 68 2025年2月期 利益率 1.3% 合計 6,530 6,028 502 2026年2月期 利益率 8.3% 売上高 営業損益
黄色は売上高、赤色は営業損益。利益率は営業損益を売上高で除して算出。棒上部の合計値はグラフ表示上の合算値であり、会計上の売上高を示す数値ではない。
2022年2月期から2024年2月期は電線事業の報告セグメント数値。2025年2月期以降は電線事業の単一セグメントとなったため全社数値を使用。
JMACSの主力は、工場、プラント、建築設備、半導体製造装置、産業機械、消防設備、通信設備などで使用される各種ケーブルの企画、製造、販売である。

製品は、計装用ケーブル、制御用ケーブル、防災用ケーブル、通信用ケーブル、産業用イーサネットケーブル、FA・PA用フィールドバスケーブル、光ファイバーケーブルなどで構成される。

大手総合電線メーカーが大量生産品や電力インフラ向け製品まで広く扱うのに対し、JMACSは比較的小規模な案件、特殊仕様、多品種少量、短納期への対応を重視する。

経営・品質方針として「良い製品を、廉価に、早く、社会に供給し、顧客の信頼を得る」を掲げ、ニッチ分野で多品種少量生産を効率化することを基本方針としている。

顧客の装置仕様、使用環境、通信規格、耐熱性、難燃性、耐屈曲性、シールド性能などに応じて製品を選定し、標準品だけでは対応しにくい案件を取り込む事業構造となる。

2026年2月期は、半導体業界を含む国内設備投資、プラント関連案件、短納期需要、高付加価値製品の販売が業績を押し上げた。営業利益率は2025年2月期の1.3%から2026年2月期は8.3%へ上昇した。

2027年2月期第1四半期の営業利益率は13.8%。営業利益は通期予想329百万円に対して227百万円となり、進捗率は約69%に達したが、会社は通期予想を変更していない。

短期的な利益率は、受注時期、納期、製品構成、銅や樹脂などの材料価格によって変動する。第1四半期の高い収益性が年間を通じて持続するかが、次の確認点となる。

FA・計装・産業ネットワークケーブル

工場自動化、半導体製造装置、産業機械、プラント向けが中心。産業用イーサネット、FA・PAフィールドバス、計装用ケーブルを扱い、耐屈曲、シールド、通信規格、顧客仕様への対応力を競争軸とする。
産業用イーサネットケーブルは、工場内のコントローラ、センサー、駆動機器、ロボット、画像処理装置などを接続し、制御情報や稼働情報を伝送する。

JMACSはPROFINET、EtherCAT、MECHATROLINK-III、CC-Link IE、EtherNet/IPなど、製造現場で使用される複数の産業用ネットワークへ対応する製品を展開している。

一般的なオフィス用LANケーブルと異なり、産業用ケーブルには電磁ノイズ、油、熱、振動、屈曲、引っ張り、狭い配線スペースなどへの対応が求められる。

ロボットやケーブルキャリアの可動部分では、繰り返し屈曲しても通信性能を維持する必要がある。RXシリーズなどの可動部向け製品は、設備の高速化や自動化が進むほど要求性能が高くなる。

計装用ケーブルは、工場やプラント内のセンサー、計測機器、制御盤などを接続し、温度、圧力、流量、位置などの信号を伝送する。

電力を送る大型電線と比較すると1案件当たりの数量は限定される場合があるが、信号品質、耐ノイズ性能、施工性、設備停止リスクへの対応が重視される。

顧客装置に採用されたケーブルは、装置設計や認証との関係から簡単に変更しにくい。継続採用につながれば、装置の生産台数や更新需要に応じた反復受注が期待できる。

反対に、半導体製造装置、工作機械、ロボット、プラントなどの設備投資が減速すると、受注量や在庫調整の影響を受けやすい。

2027年2月期第1四半期は、半導体業界の需要拡大、国内設備投資、プラント案件、FA・計装ケーブルの受注が増収増益に寄与した。

投資判断では、売上高だけでなく、高付加価値品の構成、短納期案件の比率、材料価格の転嫁、製造効率が営業利益率へ与える影響を確認する必要がある。

防災・通信・光・社会インフラ用ケーブル

消防用耐熱電線、警報用ケーブル、通信用ケーブル、高強度光ケーブル、交通信号・制御用ケーブルを展開。景気敏感なFA向けとは異なる需要先を持つ一方、建設、設備更新、公共投資の時期に影響される。
防災用ケーブルは、火災報知設備や防災施設の小勢力回路などに使用される。耐熱性、難燃性、シールド性能、低発煙性など、用途ごとの安全基準に対応する必要がある。

JMACSは消防用耐熱電線、警報用ポリエチレン絶縁ケーブル、高難燃・ノンハロゲン仕様などを展開している。

防災設備は新築建物だけでなく、既存施設の改修、法定点検、設備更新でも需要が発生する。工場自動化向けと需要サイクルが完全には一致しない点は、製品ポートフォリオ上の分散要因となる。

通信用ケーブルでは、インターホン、電子ボタン電話、建物内部の通信設備などに使用される製品を扱う。誤配線防止、識別性、施工性などが製品選定の要素となる。

高強度光ケーブルでは、難燃性や強度を備えた光ケーブルに加え、顧客の要望に合わせた光コネクタ加工にも対応する。

光ファイバー市場には大手通信ケーブルメーカーが存在するため、JMACSは汎用品の大量生産より、特殊環境、少量、加工、短納期などの案件で差別化する必要がある。

交通信号用・制御用ケーブルは、交通設備や各種制御設備の配線に使用される。施工時の曲げやすさ、耐候性、長期信頼性などが求められる。

エコマテリアル製品では、燃焼時にハロゲンガスや有害物質を発生させにくいケーブルを扱う。公共施設、建築設備、環境配慮案件では、価格だけでなく安全性や環境性能が選定要件になる。

洋上風力発電用ケーブルも製品群に含まれる。ただし、洋上風力向けの売上高、受注残、利益は個別開示されていないため、現時点で全社業績への寄与額は分離できない。

防災、通信、光、交通、再生可能エネルギー向け製品が成長する場合でも、認証、耐久性、量産品質、納期、価格競争への対応が必要となる。

受託開発・高機能電線とソリューション製品

顧客仕様に応じた高機能電線、コネクタ加工、受託開発に対応。画像識別・予知保全、無線センサー、FA表示システムなどのページも存在するが、2025年2月期以降の開示は電線事業の単一セグメントであり、非電線製品の売上高や利益は個別開示されていない。
JMACSは標準ケーブルの販売に加え、顧客の装置や設備に合わせた高機能電線の受託開発を行う。

必要とされる導体構成、絶縁材、シールド、外径、耐熱性、難燃性、耐屈曲性、コネクタ、使用環境などを確認し、顧客仕様に沿った製品を設計・製造する。

顧客にとっては、既製品を組み合わせて使用するより、装置設計に適合したケーブルを一体で調達できる利点がある。

JMACSにとっては、標準品より価格だけで比較されにくく、技術相談、試作、評価、量産までの関係を構築できる点が重要となる。

多品種少量生産と短納期は、試作機、少量生産装置、既存設備の改造、保守部品、特殊環境向け配線などで需要を取り込むための基盤となる。

過去には、電線事業に加えてトータルソリューション事業を報告セグメントとして開示していた。2022年2月期の同事業は売上高403百万円、セグメント損失34百万円だった。

2023年2月期は売上高234百万円、セグメント損失171百万円、2024年2月期は売上高142百万円、セグメント損失52百万円となった。

事業縮小を受け、2025年2月期からは電線事業の単一セグメントへ変更した。この経緯から、スマートシステムやAIソリューションを現時点の主要な利益成長事業として評価することはできない。

公式サイトには、画像識別・予知保全、無線センサーシステム、FAライン用表示システム、受託開発ソリューションなどが掲載されている。

将来的な評価には、販売実績、導入件数、継続収入、開発費、事業別利益などの開示が必要となる。現在の投資判断では、電線事業を補完する技術・提案機能として扱うのが妥当である。

直近5年業績サマリー

業績項目 2022年2月期 2023年2月期 2024年2月期 2025年2月期 2026年2月期 2027年2月期
会社予想
売上高
(百万円)
4,784 5,061 +277 / +5.8% 5,343 +282 / +5.6% 5,200 -143 / -2.7% 6,028 +828 / +15.9% 6,300 +272 / +4.5%
営業損益
(百万円)
169 170 +1 / +1.0% 79 -91 / -53.2% 67 -12 / -15.5% 501 +434 / +642.7% 329 -172 / -34.4%
経常損益
(百万円)
217 234 +17 / +8.1% 137 -97 / -41.4% 112 -25 / -18.4% 543 +431 / +384.1% 361 -182 / -33.6%
当期純利益
(百万円)
37 206 +169 / +451.4% 71 -135 / -65.5% 116 +45 / +63.2% 400 +284 / +244.3% 248 -152 / -38.1%
EPS
(円)
6.46 35.64 +29.18 / +451.7% 12.30 -23.34 / -65.5% 20.09 +7.79 / +63.3% 69.15 +49.06 / +244.2% 42.82 -26.33 / -38.1%
PER
(倍)
63.58 14.62 45.35 23.45 25.32 23.47
PBR
(倍)
0.54 0.66 0.71 0.52 1.79
BPS
(円)
766.18 794.88 +28.70 / +3.7% 786.28 -8.60 / -1.1% 904.63 +118.35 / +15.1% 976.14 +71.51 / +7.9%
純資産
(百万円)
4,437 4,603 +166 / +3.7% 4,553 -50 / -1.1% 5,239 +686 / +15.1% 5,653 +414 / +7.9%
営業CF
(百万円)
177 -12 -189 / -106.8% -50 -38 / -316.7% 135 +185 / +370.0% 1,338 +1,203 / +891.1%
投資CF
(百万円)
49 683 +634 / +1,293.9% -689 -1,372 / -200.9% -52 +637 / +92.5% -30 +22 / +42.3%
財務CF
(百万円)
-191 -670 -479 / -250.8% 857 +1,527 / +227.9% 1,019 +162 / +18.9% -836 -1,855 / -182.0%
現金及び現金同等物
(百万円)
526 526 -0 / -0.0% 644 +118 / +22.4% 1,746 +1,102 / +171.1% 2,217 +471 / +27.0%
EPS、BPS、PER、PBRは、2026年2月期末の発行済株式総数5,791,555株を全期間へ適用して再計算。PERとPBRに使用した期末株価は、2022年2月期411円、2023年2月期521円、2024年2月期558円、2025年2月期471円、2026年2月期1,751円。2027年2月期会社予想のPERは、2026年7月15日終値1,005円を使用。2023年2月期は2023年4月24日公表の訂正後数値を採用。

中期経営計画

専用の中期経営計画は確認できず・2027年2月期の運営方針

2026年7月15日時点で、公式IRサイトにおいて複数年度の数値目標を示した専用の中期経営計画資料は確認できない。

代替となる単年度目標として、2027年2月期の会社予想は売上高6,300百万円、営業利益329百万円、経常利益361百万円、当期純利益248百万円。2026年2月期比で売上高4.5%増を見込む一方、営業利益34.4%減、経常利益33.6%減、当期純利益38.1%減を予想している。

予想営業利益率は約5.2%で、2026年2月期の8.3%を下回る。会社予想は、材料価格、受注時期、製品構成などによる反動を一定程度織り込んだ計画となる。

2027年2月期第1四半期は売上高1,647百万円、営業利益227百万円。通期予想に対する進捗率は売上高約26.1%、営業利益約69.0%、経常利益約64.3%、当期純利益約64.9%となった。

第1四半期の進捗は高いが、会社は2026年7月15日時点で通期予想を修正していない。通期予想を超過するかどうかは、今後の受注、納期、材料価格、製品構成に左右される。

経営・品質方針では、ニッチ分野における多品種少量生産の効率化と短納期対応を重視する。現在の事業戦略では、FA、計装、産業用ネットワーク、防災、通信、光、高機能電線の競争力を高め、価格だけに依存しない案件を増やすことが重要となる。

公式サイトの社名由来では、高機能ケーブルの開発、ソリューション事業の拡大、海外市場の拡大を掲げた経緯が説明されている。ただし、現在の決算開示は電線事業の単一セグメントであり、ソリューション事業や海外事業の具体的な数値目標は開示されていない。

2026年5月には物流棟の改修と新社屋の増設を公表した。新社屋には社員食堂や会議室を設け、採用力、福利厚生、働く環境の改善を図るとしている。生産能力の具体的な増加量や投資回収目標は開示されていない。

中期的な確認点は、高付加価値製品の比率、短納期対応による採算、材料価格転嫁、製造効率、営業キャッシュ・フロー、非電線ソリューションの収益化となる。
IR情報へ

競合他社

① SWCC(5805)
2026年7月15日の株価は11,900円、時価総額は約3,668.4億円。JMACSの約63倍の時価総額を持つ総合電線メーカーである。

2026年3月期の連結業績は、売上高2,777億円、営業利益273億円、経常利益261億円、親会社株主に帰属する当期純利益188億円。前期比では売上高16.8%増、営業利益30.5%増、経常利益131.8%増、親会社帰属純利益65.3%増となった。

JMACSと競合する領域は、制御用・産業用ケーブル、消防・耐火ケーブル、通信・LANケーブル、光ファイバーケーブル、建築・プラント設備向けケーブルである。

SWCCは電力インフラ、通信、建築、自動車、電子部品、半導体関連まで幅広い事業基盤を持つ。大量供給、研究開発、設備投資、全国的な販売網、総合提案力ではJMACSを上回る。

北米データセンター向け光ファイバーケーブルや半導体検査関連製品も手掛け、成長市場への投資余力が大きい。

JMACSは規模で対抗するのではなく、多品種少量、特殊仕様、短納期、技術相談を組み合わせたニッチ案件で差別化する必要がある。
② 平河ヒューテック(5821)
2026年7月15日の株価は3,330円、時価総額は約587.0億円。JMACSの約10.1倍の時価総額を持つ。

2026年3月期の連結業績は、売上高384億23百万円、営業利益44億16百万円、経常利益46億39百万円、親会社株主に帰属する当期純利益16億42百万円。前期比では売上高24.7%増、営業利益94.7%増、経常利益81.4%増となった。

当期純利益は減損損失の影響から前期比18.9%減となったが、本業の営業利益は大幅に拡大した。

JMACSと競合する領域は、FAケーブル、高精度・高速伝送ケーブル、産業用ネットワークケーブル、半導体製造装置向けケーブル、機器配線、ワイヤーハーネス、顧客仕様へのカスタム対応である。

平河ヒューテックは、ケーブル単体だけでなく、コネクタ加工やハーネス、機器内配線まで一体で供給できる。半導体製造装置、画像処理、高速伝送など、高い信号品質が要求される市場で競争力を持つ。

JMACSのFA・計装・産業用イーサネット製品とは、半導体製造装置や工場自動化向けの特殊ケーブル案件で直接競合する。

JMACSには、防災、計装、交通信号、洋上風力など幅広いニッチ製品と短納期対応で差別化する余地がある一方、高速伝送技術や海外供給力では継続的な投資が必要となる。
③ オーナンバ(5816)
2026年7月15日の株価は1,627円、時価総額は約204.3億円。JMACSの約3.5倍の時価総額となる。

2025年12月期の連結業績は、売上高444億41百万円、営業利益26億円、経常利益24億41百万円、親会社株主に帰属する当期純利益15億14百万円。前期比では売上高0.8%減、営業利益18.5%増、経常利益4.9%増、親会社帰属純利益45.6%減となった。

2026年12月期第1四半期は、売上高115億47百万円、営業利益5億60百万円、経常利益5億67百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益3億67百万円。前年同期比で売上高7.6%増、営業利益0.1%増、経常利益24.2%増、四半期純利益16.6%増となった。

オーナンバは、計装・通信用ケーブル、産業機器用ワイヤーハーネス、機器内配線、太陽光発電用ケーブル、配線システム、監視・制御システムを展開する。

JMACSとは、計装・制御用ケーブル、受託開発、コネクタ加工、産業機器向け配線、再生可能エネルギー設備向け特殊ケーブルで競合する。

オーナンバは、ケーブルの切断、端末処理、コネクタ接続、検査までを一体化したワイヤーハーネスと、海外量産拠点を持つ点が強みとなる。

大量生産とグローバル供給ではオーナンバが優位となりやすい一方、JMACSは国内の多品種少量、特殊仕様、短納期案件で差別化する必要がある。

強みと将来性

多品種少量・短納期・特殊仕様を組み合わせたニッチ型電線メーカー
JMACSの強みは、総合電線メーカーと同じ規模で大量生産品を競うのではなく、ニッチ製品、多品種少量、短納期、顧客仕様への対応を事業の中心に置いている点にある。

工場やプラントで使用されるケーブルは、使用環境、通信規格、設備設計、安全基準によって必要な仕様が異なる。一般的な汎用品では、耐屈曲性、耐熱性、難燃性、シールド性能、外径、配線方法などが顧客の要求を満たさない場合がある。

JMACSは、FAフィールドバス、PAフィールドバス、産業用イーサネット、計装、防災、通信、光、交通信号、環境配慮型、洋上風力向けまで複数の製品群を持つ。

この製品構成により、半導体製造装置や工場自動化だけでなく、プラント、消防設備、建築設備、交通インフラ、再生可能エネルギーなどへ販売先を広げられる。

特殊仕様品では、顧客との技術打ち合わせ、試作、性能評価、認証、量産立ち上げが必要となる。採用後は装置設計や部品表に組み込まれるため、価格だけでは他社製品へ切り替えにくい場合がある。

短納期対応は、顧客の設備立ち上げ、急な設計変更、保守部品、供給不足への対応で価値を持つ。納期が顧客の生産計画を左右する案件では、単価だけでなく供給速度が受注条件となる。

2026年2月期は売上高6,028百万円、営業利益501百万円となり、営業利益率は8.3%まで改善した。2024年2月期と2025年2月期の低利益率から大きく回復しており、製品構成、短納期対応、原価管理、製造効率の改善効果が表れた。

営業キャッシュ・フローは2025年2月期の135百万円から、2026年2月期は1,338百万円へ増加した。期末の現金及び現金同等物は2,217百万円、自己資本比率は55.0%となった。

現金創出力と財務余力が維持されれば、製造設備、品質管理、物流、採用、研究開発へ投資しやすくなる。

2027年2月期第1四半期は売上高26.5%増、営業利益238.8%増となり、営業利益率は13.8%へ上昇した。半導体業界の需要、国内設備投資、プラント案件、FA・計装ケーブルの受注が寄与した。

第1四半期の営業利益は通期予想の約69%に達した。高付加価値品の構成と生産効率が維持されれば、会社予想を上回る余地は生じるが、会社は通期予想を据え置いているため、上方修正を前提とした評価は避ける必要がある。

将来性の中心は、工場自動化、半導体製造装置、ロボット、設備データ通信の高度化にある。設備内で扱うデータ量が増えるほど、耐ノイズ性、耐屈曲性、高速通信、長期信頼性を備えた産業用ケーブルの重要性が高まる。

防災設備、老朽インフラの更新、環境配慮型ケーブル、洋上風力発電なども需要候補となる。ただし、個別製品の売上高や受注残は開示されていないため、成長寄与は決算数値で確認する必要がある。

非電線ソリューションは過去に損失を計上して縮小したが、画像識別、予知保全、無線センサー、FA表示、受託開発で得た技術を電線販売と組み合わせられる可能性がある。

現時点では、ソリューション単独の売上高や利益が開示されていない。将来性を評価する際は、製品ページの存在ではなく、受注、売上、利益、導入件数などの一次情報を確認する必要がある。

弱みとリスク要因

原材料価格、設備投資循環、製品構成で利益が大きく変動
JMACSの現在の開示区分は電線事業の単一セグメントであり、全社業績が国内の電線・ケーブル需要に集中している。

売上先はFA、半導体製造装置、産業機械、プラント、建築設備、防災、通信などに分散しているが、製造業の設備投資が減速すると複数の需要先が同時に弱くなる可能性がある。

2024年2月期は増収ながら営業利益が53.2%減少し、2025年2月期も売上高2.7%減、営業利益15.5%減となった。売上規模が大きく変わらなくても、材料価格や製品構成によって利益率が低下することを示している。

電線の主要材料には銅、樹脂、石油関連材料が含まれる。材料価格が上昇した場合、販売価格への転嫁が遅れると売上総利益が圧迫される。

特殊仕様品や短納期品は採算を高める可能性がある一方、少量生産では段取り替え、在庫管理、品質検査、納期管理の負担が増える。受注量が増えても、生産効率が低下すれば利益率は上がらない。

2027年2月期第1四半期の営業利益率は13.8%と高いが、会社の通期予想営業利益率は約5.2%にとどまる。会社は第1四半期時点で通期予想を修正していない。

高い第1四半期進捗率が、年間を通じた利益水準を保証するものではない。大型案件の検収時期、短納期案件、製品構成、材料価格、顧客の在庫調整によって四半期利益が変動する可能性がある。

競合には、SWCC、平河ヒューテック、オーナンバなど、JMACSより規模の大きい企業が存在する。研究開発、設備投資、原材料調達、海外生産、販売網、価格交渉力では競合が優位となる場合がある。

JMACSが大量生産品で価格競争を行う場合、規模の差が不利に働く。特殊仕様、短納期、技術対応の価値を維持できなければ、利益率が圧迫される。

過去のトータルソリューション事業は、2022年2月期から2024年2月期まで3期連続でセグメント損失となり、その後縮小された。

AIソリューション、無線センサー、FA表示、受託開発などの製品ページは存在するが、現在は個別の売上高や利益を開示していない。非電線分野が再び投資負担となる場合、電線事業で得た利益を消費する可能性がある。

2023年2月期には、製品、仕掛品、原材料で同一品目コードを使用したことに伴う在庫数量の集計誤りが判明し、決算短信を訂正した。訂正後の営業利益は当初公表の214百万円から170百万円へ、当期純利益は237百万円から206百万円へ減少した。

在庫管理や原価計算は電線メーカーの利益把握に直結する。システム運用、棚卸、内部統制に再び不備が生じた場合、決算訂正や市場の信頼低下につながる。

2025年2月期には発行済株式総数が4,691,555株から5,791,555株へ増加した。資本増強は財務基盤を支える一方、既存株主にとっては1株当たり利益や1株当たり純資産の希薄化要因となる。

2026年5月に公表した物流棟改修と新社屋増設は、採用力や職場環境の改善に寄与する可能性があるが、建設費、減価償却費、維持費が発生する。投資額や収益効果が開示されていないため、今後のキャッシュ・フローを確認する必要がある。

2026年7月15日の株価はストップ高となり、前日比17.54%上昇した。時価総額が小さく流動性が限定される銘柄では、決算発表、材料、需給によって株価が大きく変動しやすい。

会社予想EPSを最新の発行済株式総数で再計算した2027年2月期予想PERは約23.47倍。利益成長への期待が後退した場合や、第1四半期後に利益率が低下した場合、評価倍率が調整される可能性がある。

出典

コメント

タイトルとURLをコピーしました