| 業績項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 2027年3月期予想 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,021 | 1,042 +21 / +2.1% | 1,598 +556 / +53.4% | 1,494 △104 / △6.5% | 1,721 +227 / +15.2% | 1,250 △471 / △27.4% |
| 営業損益 | △144 | △181 △37 / △25.7% | △71 +110 / +60.8% | △182 △111 / △156.3% | △97 +85 / +46.7% | △180 △83 / △85.6% |
| 経常損益 | △148 | △188 △40 / △27.0% | △72 +116 / +61.7% | △190 △118 / △163.9% | △100 +90 / +47.4% | △150 △50 / △50.0% |
| 当期純利益 | △155 | △224 △69 / △44.5% | 155 +379 / +169.2% | △179 △334 / △215.5% | △151 +28 / +15.6% | △90 +61 / +40.4% |
| EPS | △48.32 | △69.54 △21.22 / △43.9% | 48.19 +117.73 / +169.3% | △55.49 △103.68 / △215.1% | △43.38 +12.11 / +21.8% | △25.27 +18.11 / +41.7% |
| 一株配当金 | 0.00 | 0.00 ±0.00 | 0.00 ±0.00 | 0.00 ±0.00 | 0.00 ±0.00 | 0.00 ±0.00 |
| 純資産 | 752 | 578 △174 / △23.1% | 702 +124 / +21.5% | 504 △198 / △28.2% | 502 △2 / △0.4% | ー |
| 営業CF | 66 | △177 △243 / △368.2% | △159 +18 / +10.2% | △250 △91 / △57.2% | △122 +128 / +51.2% | ー |
| 投資CF | △45 | 309 +354 / +786.7% | 204 △105 / △34.0% | △12 △216 / △105.9% | △8 +4 / +33.3% | ー |
| 財務CF | △199 | 0 +199 / +100.0% | △10 △10 | △14 △4 / △40.0% | 258 +272 / +1942.9% | ー |
| フリーCF | 21 | 132 +111 / +528.6% | 46 △86 / △65.2% | △263 △309 / △671.7% | △131 +132 / +50.2% | ー |
金額単位は百万円、EPS・一株配当金は円。2026年3月期は2026年5月27日訂正後の数値を反映。フリーCF=営業CF+投資CF。受注残高は決算資料に開示がないため作成していません。
1.会社予想と実績
2022年3月期から2026年3月期は各期首に公表された通期会社予想と通期実績を比較し、2027年3月期は2026年8月10日修正後の最新会社予想を掲載しています。
| 指標 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 2027年3月期 | ||||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 予想 | 実績 | 達成率 | 予想 | 実績 | 達成率 | 予想 | 実績 | 達成率 | 予想 | 実績 | 達成率 | 予想 | 実績 | 達成率 | 予想 | 実績 | 達成率 | |
| 売上高 | 1,350 | 1,021 | 75.6% | 1,450 | 1,042 | 71.9% | 1,800 | 1,599 | 88.8% | 1,900 | 1,494 | 78.6% | 1,900 | 1,721 | 90.6% | 1,250 | — | 最新予想 |
| 営業利益 | 50 | -145 | -289.3% | 70 | -181 | -258.9% | 10 | -72 | -718.8% | 50 | -183 | -365.6% | 50 | -98 | -195.6% | -180 | — | 最新予想 |
| 経常利益 | 60 | -148 | -247.5% | 80 | -188 | -235.6% | 10 | -73 | -729.0% | 50 | -190 | -380.7% | 50 | -101 | -201.2% | -150 | — | 最新予想 |
| 親会社株主帰属純利益 | 40 | -156 | -389.7% | 60 | -225 | -374.5% | 10 | 156 | 1558.5% | 30 | -180 | -598.5% | 30 | -152 | -505.2% | -90 | — | 最新予想 |
| EPS | 12.40 | -48.32 | -389.7% | 18.59 | -69.54 | -374.1% | 3.09 | 48.19 | 1559.5% | 9.27 | -55.49 | -598.6% | 9.25 | -43.38 | -469.0% | -25.27 | — | 最新予想 |
達成率=実績÷期首会社予想×100。黒字予想に対して赤字となった年度は達成率が負値になります。2027年3月期は実績未確定のため達成率を表示していません。
2.達成・未達理由
JR東日本企画向け時刻表・経路探索技術の提供終了に加え、コロナ禍で鉄道利用・インバウンド需要が低迷し、鉄道開発案件とWi-Fi構築案件が減少。MaaSや新しい無線サービスの立ち上がりも遅れ、売上不足と要員稼働率低下による労務費負担で黒字予想から営業赤字へ転落しました。
大型の開発・構築案件を積み上げられず、モビリティも計画未達。半導体需給逼迫に備え厚めに確保した販売用ハードウェアの滞留で評価損を計上し、空き工数・販売活動に伴う労務費も増加しました。集合住宅向けWi-Fiの開始遅延と投資有価証券評価損も響きました。
第4四半期に大型案件が集中して売上総利益は改善した一方、第1~3四半期の労務費増とMMSマーケティング子会社化後の販管費負担で、営業・経常は黒字予想に届きませんでした。反面、投資有価証券売却益と新株予約権戻入益が大きく、親会社株主帰属純利益とEPSは予想を大幅に超過しました。
ソリューションは伸長したものの、ワイヤレスで大型構築案件を受注できず売上が大幅減。稼働低下による労務費とMMSマーケティングの負担も重く、売上総利益の減少と販管費増加が重なりました。黒字予想に対し営業・経常・最終の各段階で赤字となりました。
売上高は前年を上回り販管費削減で営業損失は縮小したものの、売上総利益の伸びが弱く黒字化に至りませんでした。さらに決算短信訂正で、販売実績が微小な情報通信機器等について棚卸資産評価損36.237百万円を特別損失として前倒し計上し、親会社株主帰属純損失は151.553百万円へ拡大しました。
8月10日に、MMSマーケティングの連結除外と上場廃止に伴う一時的な販管費増などを織り込み通期予想を大幅修正。Q1単体は売上275.678百万円、営業損失100.214百万円で、上期計画に対しては概ね許容範囲ですが、通期では下期の黒字転換を前提とする計画です。
3.事業セグメントの自信度
2026年3月期第1四半期から報告セグメントは「システム・ソリューション事業」の単一セグメントです。以下では、現行単一セグメント内で会社が継続して説明している3事業分野ごとに、各年度カード内の原文コメントと業績変化から自信度を推理しています。
システム・ソリューション事業/モビリティ・イノベーション
事業展開は来期以降となる見込み
鉄道利用低迷で案件先送り。
事業化が遅れており
MaaSの新モデルが小規模案件に留まる。
来期以降にもつながる新規案件を積み上げることができました
Q4で案件形成に改善。
徐々に新規案件を積み上げることができました
案件は増えたが売上・利益は弱い。
徐々に成果を出しつつあります
企画・調整は進む一方、実績は小規模。
小規模案件に留まりました
受注・売上の本格回復はまだ確認できず。
受注・売上の本格回復はまだ確認できず。
システム・ソリューション事業/ワイヤレス・イノベーション
新規取り組みは小規模な成果に留まりました
インバウンド減で大型構築が縮小。
新規構築案件(特に大型案件)については停滞
保守は進捗したが成長案件が不足。
大型の構築案件を計上するとともに、原価率の低減にも成果
Q4で売上・採算が大きく改善。
大型の構築案件を受注することができず
売上急減でセグメント赤字へ。
新規構築の大型案件の獲得には至らず
新製品の引き合いはあるが小規模。
売上を伸ばすには至りませんでした
保守は計画通りでも新規大型案件が不足。
保守は計画通りでも新規大型案件が不足。
システム・ソリューション事業/ソリューション
ほぼ前期並みの売上高を確保
ハードウェアとO2O2O/MMSの回復が支え。
大きな実績を獲得することはできませんでした
アパらくWi-Fi開始遅延、採算課題。
事業規模は拡大しております
売上拡大も販管費負担で損失。
事業規模は拡大しております
流通投資回復、こんぷりん・受託開発が伸長。
ハードウェア販売は好調でした
売上増でも低採算・評価減で利益不足。
ハードウェア販売及びTNT事業、こんぷりん事業は好調
一部新規サービスはなお微少。
一部新規サービスはなお微少。
4.最新予想信頼度
最新通期予想は売上高1,250百万円、営業損失180百万円、経常損失150百万円、親会社株主帰属純損失90百万円、EPS△25.27円。第1四半期は売上高275.678百万円、営業損失100.214百万円、経常損失101.115百万円、親会社株主帰属純損失92.995百万円でした。
進捗率はQ1実績÷通期会社予想の単純計算です。損失項目は絶対額ベースの単純な損失消化率で、季節性や利益計上時期を調整していません。
達成できると判断する理由
- 上期予想500百万円に対してQ1売上は275.678百万円で55.1%。営業損失は上期予想△240百万円に対し△100.214百万円で、損失額の消化は41.8%にとどまります。
- Q2に営業損失が約140百万円追加しても上期予想の範囲内であり、少なくとも上期計画には一定の余裕があります。
- 売上高は前年同期比3.2%減でしたが、売上総利益は92.974百万円から95.043百万円へ増加し、販管費も212.807百万円から195.258百万円へ減少。営業損失は前年同期より縮小しました。
- 8月10日の最新予想は、MMSマーケティングの連結除外と上場廃止に伴う一時的販管費増をすでに織り込んでいます。
- 会社はQ2以降、「ただチケ」「おうちモニタ」の収益化、無線システム販売拡大、防災情報配信システムの横展開を重点施策として掲げています。
達成できないと判断する理由
- 通期予想は上期営業損失△240百万円に対し通期△180百万円であり、下期だけで営業利益60百万円を確保する必要があります。経常利益は下期90百万円、親会社帰属利益も下期90百万円が必要です。
- Q1時点でも営業損失100.214百万円、親会社帰属純損失92.995百万円を計上しており、黒字転換の実績はまだ確認できません。
- 2022~2026年3月期は、期首の売上高予想を5期連続で下回り、営業利益は5期連続で黒字予想に対して実績が営業損失となりました。予想精度の実績は弱い状態です。
- 2027年3月期予想は期初の営業利益50百万円から最新の営業損失180百万円へ大幅に悪化しており、事業環境・連結範囲の変化に対する不確実性が高まっています。
- 継続企業の前提に関する重要な不確実性が継続し、2026年10月1日の上場廃止、MMSマーケティングの連結除外、新会社設立など事業・資本構成も動いています。
利益計上時期の見方
過去にも第4四半期へ大型案件が集中しやすく、会社予想も上期赤字・下期改善を前提に置く傾向があります。最新計画では上期売上500百万円・営業損失240百万円に対し、通期は売上1,250百万円・営業損失180百万円です。つまり下期に売上750百万円と営業利益60百万円が必要です。Q1の通期損失消化率だけを見て未達と断定するのは適切ではありませんが、下期の黒字転換という高いハードルが残ります。
総合判断
現時点では、最新会社予想の達成可能性を「中低位」と判断します。 Q1は上期計画に対して大きく崩れていないものの、通期計画は下期の営業黒字化を前提としており、過去5期の会社予想に対する実績も弱い状況です。Q2で上期損失予想以内に収まり、ただチケ・無線システム・防災関連などの案件が下期売上へ具体的に結び付くことが、達成判断を引き上げる条件です。
ビーマップ
最新中期経営計画分析
2026年6月29日公表「事業計画及び成長可能性に関する事項」を基に、 2027年3月期~2029年3月期の業績目標、成長戦略、利益回復へのロードマップを整理する。
01|目標業績数字
| 業績指標 | 2026/3 実績 |
2027/3 目標 |
2028/3 目標 |
2029/3 目標 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,721 | 1,900 | 2,000 | 2,400 |
| 営業利益 | ▲97 | 70 | 100 | 250 |
| 経常利益 | ▲100 | 70 | 100 | 250 |
| 当期純利益 | ▲151 | 40 | 60 | 180 |
2027年3月期の営業利益目標は70百万円。棚卸資産の前倒し損失を2026年3月期に計上したため、 従来計画の50百万円から改善する想定としている。
売上高の事業分野別計画
| 事業分野 | 2026/3 実績 |
2027/3 目標 |
2028/3 目標 |
2029/3 目標 |
|---|---|---|---|---|
| ワイヤレス・イノベーション | 583 | 600 | 650 | 700 |
| モビリティ・イノベーション | 76 | 100 | 100 | 200 |
| ソリューション | 1,062 | 1,200 | 1,250 | 1,500 |
| うちMMSマーケティング | 415 | 600 | 650 | 800 |
02|目標達成へのロードマップ
ワイヤレス・イノベーション
- 既存キャリア向けWi-Fiの拡張・更新・安定運用案件を獲得
- 5G・ミリ波など複数規格を組み合わせた提案力を維持
- 防災情報配信システムを茨城県以外の自治体へ横展開
- Wi-Fi設備のリプレイス需要・投資回復を取り込む
モビリティ・イノベーション
- 私鉄各社の鉄道アプリ開発を拡大
- 交通系ICカード関連の業務サービスとの連携を強化
- 南海以外の鉄道会社でも「とくチケ」の実証を実施
- 実証から商用サービスへの移行ルートを確立
ソリューション
- 「こんぷりん」を証明写真・新用途へ拡張
- 新サービス「アパらくWi-Fi」を強化
- 営業効率が低い病院Wi-Fiは縮小
- MMS・TNT事業を強化
- 電力データ活用「おうちモニタ」を事業化
- 採算性の低い既存事業は取捨選択
03|利益回復の設計図
最重要KPIは「営業利益」
会社は営業利益の成長を最重要の経営指標と位置付けている。 案件単位では売上総利益率の改善、すなわち原価率低減を重要指標として管理する。
- 受注時の採算審査を強化
- 低採算ハードウェア案件の再発を防止
- 開発型・ストック型ビジネスへ徐々に移行
- 採算性の低い事業領域を整理
- 人員の稼働率を高め、販管費計上となる労務費を抑制
主要な利益管理目安
公表時点で、売上目標1,900百万円に対して受注済・高確度案件は1,010百万円。 計画値に対する比率を算出すると約53.2%。
04|達成リスク
05|計画公表後の重要アップデート
ビーマップはMMSマーケティング株式の一部を譲渡し、 出資比率を60.9%から40.9%へ低下させた。 MMSマーケティングは第2四半期から連結子会社ではなく持分法適用関連会社となる。
これにより、6月29日の中期計画に掲げた2027年3月期の目標と、 8月10日時点の会社業績予想には大きな乖離が発生した。
| 2027年3月期 | 中計目標 6/29 |
修正会社予想 8/10 |
差額 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,900 | 1,250 | ▲650 |
| 営業利益 | 70 | ▲180 | ▲250 |
| 経常利益 | 70 | ▲150 | ▲220 |
| 当期純利益 | 40 | ▲90 | ▲130 |
売上高は中計目標比で650百万円、率にして約34.2%下方修正。 会社説明では、MMSの連結除外による影響に加え、 ワイヤレス・モビリティ分野の進捗遅れ、一部事業の整理・縮小などを織り込んでいる。
また、2026年10月1日付の上場廃止に関連する株式事務・開示業務や、 上場廃止後のグループ体制検討に伴う一時的費用の発生可能性も会社が説明している。
06|計画達成をどう見るか
最大のテーマは「売上成長」より黒字化
2029年3月期の売上24億円も重要だが、会社が最重要KPIとしているのは営業利益。 低採算案件を排除し、原価率を正常化できるかが計画の土台となる。
ソリューション依存度が高い
計画では2029年3月期売上24億円のうち15億円をソリューションが占める。 「こんぷりん」「おうちモニタ」等の収益化と既存案件の採算改善が不可欠。
MMS連結除外で初年度シナリオが大きく変化
MMSの持分法化自体は6月の計画資料で可能性が示されていたが、 実際の8月修正では2027年3月期営業利益が70百万円の黒字目標から180百万円の赤字予想となった。 初年度の利益回復計画は大きく後退している。
2028~2029年目標へのハードルは上昇
2027年3月期が計画を下回る見通しとなったことで、 2029年3月期営業利益250百万円へ到達するには、 受注拡大だけでなく原価率改善と事業ポートフォリオの再構築を同時に進める必要がある。
主資料:株式会社ビーマップ「事業計画及び成長可能性に関する事項」(2026年6月29日)
補足資料:株式会社ビーマップ「連結子会社の異動(株式譲渡)、特別利益の計上並びに業績予想の修正に関するお知らせ」(2026年8月10日)
※CAGR、営業利益率、受注済・高確度比率など一部の比率は、公表数値を基に算出。

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