6904 原田工業
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事業内容と業績
日本
アジア
北中米
欧州
直近5年業績サマリー
| 業績項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 2027年3月期予想 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 35,811 | 42,105 +6,294 / +17.6% | 46,993 +4,888 / +11.6% | 44,817 △2,176 / △4.6% | 42,192 △2,625 / △5.9% | 39,000 △3,192 / △7.6% |
| 営業損益 | -1,163 | -721 +442 / +38.0% | 1,026 +1,747 / +242.3% | 1,729 +703 / +68.5% | 2,398 +669 / +38.7% | 2,000 △398 / △16.6% |
| 経常損益 | -951 | -899 +52 / +5.5% | 518 +1,417 / +157.6% | 1,328 +810 / +156.4% | 2,311 +983 / +74.0% | 1,700 △611 / △26.4% |
| 当期純利益 | -1,105 | -1,531 △426 / △38.6% | 885 +2,416 / +157.8% | 166 △719 / △81.2% | 433 +267 / +160.8% | 600 +167 / +38.6% |
| EPS | -50.83円 | -70.40円 △19.57円 / △38.5% | 40.72円 +111.12円 / +157.8% | 7.67円 △33.05円 / △81.2% | 20.51円 +12.84円 / +167.4% | 28.37円 +7.86円 / +38.3% |
| 一株配当金 | 5.00円 | 5.00円 ±0.00円 / ±0.0% | 15.00円 +10.00円 / +200.0% | 7.50円 △7.50円 / △50.0% | 7.50円 ±0.00円 / ±0.0% | 10.00円 +2.50円 / +33.3% |
| 純資産 | 11,205 | 11,166 △39 / △0.3% | 11,913 +747 / +6.7% | 13,381 +1,468 / +12.3% | 13,709 +328 / +2.5% | — |
| 営業CF | -3,569 | 558 +4,127 / +115.6% | 2,423 +1,865 / +334.2% | 855 △1,568 / △64.7% | 4,168 +3,313 / +387.5% | — |
| 投資CF | -131 | -569 △438 / △334.4% | 2,568 +3,137 / +551.3% | -408 △2,976 / △115.9% | -569 △161 / △39.5% | — |
| 財務CF | 2,503 | 2,002 △501 / △20.0% | -5,998 △8,000 / △399.6% | 573 +6,571 / +109.6% | -3,119 △3,692 / △644.3% | — |
| フリーCF | -3,700 | -11 +3,689 / +99.7% | 4,991 +5,002 / +45472.7% | 447 △4,544 / △91.0% | 3,599 +3,152 / +705.1% | — |
1.会社予想と実績
2022年3月期から2026年3月期は期初の通期会社予想と通期実績を比較。2027年3月期は最新の通期会社予想を掲載しています。
2.達成・未達理由
世界的な半導体不足と東南アジアの感染再拡大による部品不足で自動車生産が大幅に減少。材料費・海上運賃の高騰に加え、サプライチェーン混乱で緊急の航空輸送費も発生し、売上高・利益とも期初計画を大きく下回りました。
自動車生産の回復や拡販活動で売上高は期初予想を上回りました。一方、材料費・輸送費高騰、中国の都市封鎖、不可抗力の航空輸送費が重く、営業・経常は赤字。純利益も感染症関連損失、事業構造改善費用、法人税等の影響で大幅未達となりました。
自動車生産の回復、販売活動の強化、関連機器販売、販売価格の適正化で売上高は過去最高。「収益構造改革」により営業・経常も期初予想を大幅超過しました。純利益は固定資産売却益があった一方、中国の生産機能再編費用や法人税等の影響で期初予想1,500百万円には届きませんでした。
世界の自動車生産減少や中国での日系メーカー販売減で前年比では減収でしたが、期初売上予想は上回りました。材料費・労務費高騰の中でも「収益構造改革」の効果で営業・経常利益が大きく伸び、純利益も期初100百万円を上回りました。
欧州・北中米の減産や中国市場の弱さで減収となった一方、収益構造改革が進展。特に中国子会社の機能再編による原価率低下などが寄与し、営業・経常・純利益は期初予想を大幅に上回りました。
3.事業セグメントの自信度
会社の各年度コメントと実績の変化から、地域セグメントごとのトーンを「強気・中立・弱気」で整理しています。
日本
自動車生産台数の減少等により
生産減の影響が直接表れ、セグメント損失となりました。
自動車生産台数の回復等により
売上回復と黒字転換が確認できる一方、利益規模はまだ小さく回復途上でした。
自動車生産台数の回復等により
増収と営業利益の大幅拡大が同時に進み、収益構造改革の効果も表れました。
自動車生産台数は減少したものの、拡販活動等により
市場減産下でも増収・増益を確保しており、営業面の強さが確認できます。
営業利益は、原価率の上昇等により
売上は増えたものの営業利益が67.0%減となり、採算面が大きく悪化しました。
営業利益は、原価率の低下等により
拡販で売上が11.2%増え、原価率改善で営業利益も9.9%増。採算改善が再開しています。
Q1は拡販による増収と原価率低下が同時に進み、利益率も改善。
アジア
自動車生産台数の回復や拡販活動、為替の影響等により
増収となり損失も改善方向でしたが、赤字が残りました。
材料費や輸送費高騰の影響等により
増収でもコスト高を吸収できず、営業損失が大幅に拡大しました。
一部の地域における生産調整や、材料費の高騰
減収に加えて赤字が拡大し、収益環境は厳しい状態でした。
中国市場における日系自動車メーカーの販売台数の減少
売上は減少しましたが営業黒字へ転換し、採算改善の兆しが出ました。
中国子会社の機能再編効果による原価率の低下等により
売上減でも営業利益が402.2%増。機能再編の効果が明確に利益へ反映されました。
中国子会社の機能再編効果による原価率の低下等により
売上23.7%増、営業利益38.5%増。高い利益率を維持しています。
中国子会社の機能再編効果が継続し、売上・利益とも高成長。
北中米
自動車生産台数の回復や為替の影響等により
売上増と黒字転換を達成しましたが、利益率はまだ低水準でした。
材料費や輸送費高騰の影響等により
売上は増えた一方で営業利益はほぼ消失し、コスト負担が強く表れました。
自動車生産台数の回復や為替の影響等により
売上26.3%増、営業利益も大幅増となり、明確な改善局面でした。
自動車生産台数の減少や為替の影響等により
減収に加えて営業利益が59.6%減少し、市況悪化の影響が大きく出ました。
自動車生産台数の減少等により
売上15.2%減、営業利益97.6%減で、ほぼ損益分岐点まで低下しました。
営業利益は、原価率の低下等により
拡販で売上15.1%増、営業利益は448.0%増。収益性が急回復しています。
前年の低採算から急回復し、拡販と原価率改善の双方が寄与。
欧州
自動車生産台数は減少したものの、拡販活動や為替の影響等により
売上は増えましたが営業損失が大きく、採算面は厳しい状態でした。
材料費や輸送費高騰の影響等により
増収でも営業赤字が継続し、コスト高が重荷となりました。
自動車生産台数の回復や為替の影響等により
増収に加えて営業黒字へ転換し、収益改善が確認できました。
自動車生産台数の減少や為替の影響等により
売上25.1%減、再び営業赤字となり、市場減産の影響を強く受けました。
原価率の低下等により
減収ながら営業黒字へ転換し、コスト改善が収益を押し上げました。
原価率の低下等により
売上は3.3%減でも営業利益346.4%増。利益面の改善が継続しています。
売上は微減でも原価率改善により利益が大幅増。利益面は強い。
4.最新予想信頼度
2027年3月期の会社予想は売上高39,000百万円、営業利益2,000百万円、経常利益1,700百万円、親会社株主帰属純利益600百万円、EPS28.37円です。第1四半期実績は売上高11,387百万円、営業利益1,634百万円、経常利益1,611百万円、四半期純利益1,252百万円で、会社は通期予想を据え置いています。
達成できると判断する理由
- Q1は売上高が前年同期比12.5%増、営業利益79.7%増、経常利益74.2%増、純利益86.5%増。全4地域が営業黒字です。
- 通期予想に対し営業利益81.7%、経常利益94.8%まで進み、純利益はQ1だけで通期予想を超過しています。
- 残り9か月で必要な売上高は約27,613百万円、営業利益は約365百万円、経常利益は約89百万円。Q1の収益水準からみると利益面のハードルは低い状態です。
- アジアでは中国子会社の機能再編効果、北中米・欧州・日本では原価率低下がQ1の利益改善要因として明示されています。
達成できないと判断する理由
- 会社はQ1の大幅進捗後も通期予想を据え置き、米国の通商政策、中東地政学リスク、中国経済の停滞、材料費・労務費上昇など先行きの不確実性を強調しています。
- 自動車生産・販売の地域差が大きく、2026年3月期には北中米・欧州・中国関連の弱さが売上減少要因となりました。
- Q1の高い利益率が年間を通じて継続する保証はなく、原価率改善効果の反動や顧客生産調整が発生すれば利益進捗は鈍化します。
収益計上時期を見る際の注意点
最新Q1決算短信では、下期偏重・4Q偏重など収益計上時期に関する明確な説明は確認できません。29.2%、81.7%、94.8%、208.7%は季節性を調整していない単純進捗率です。
最終判断
現時点では最新会社予想の達成可能性は高いと判断します。 特に利益3項目はQ1で高い進捗を確保し、全地域の採算改善も確認できます。主な未達リスクは、自動車需要の急減、通商政策・地政学要因によるコスト上昇、Q1の原価率改善が一時的に終わるケースです。2026年9月25日終値899円を会社予想EPS28.37円で割ると、会社予想が達成された場合のPERは約31.7倍です。
中期経営計画分析
最新確認日:2026年9月25日
企業が掲げた目標
中計の唯一の明示的な数値目標はROEで、売上高・営業利益・EPSなどの具体的な最終年度目標は示されていません。 したがって、計画最終年度時点では「安定的にROE10%以上」という目標は未達でした。
目標達成へのロードマップ
- 5Gなど高度通信時代を先取りする製品開発
- 自動運転時代に対応した製造・品質水準の高度化
- 開発購買、自働化、標準化などによるコスト構造改革
- 地域別戦略、新規顧客開拓、1台当たり搭載製品数の増加によるシェア拡大
- 既存のアンテナ技術を応用し、車載通信高度化に対応する周辺製品を展開
- 保有技術・組織能力を活用し、車載アンテナ以外の新規ビジネスを確立
- 本社と海外グループ各社の連携強化、グローバルガバナンスの強化
- 管理会計の高度化、マーケティング・AI・新技術・新規事業の企画機能強化
- 目標管理制度の刷新と、変化・挑戦を評価する企業風土づくり
- 即戦力人材の採用、人員配置最適化、教育体系の再構築
中計終了後も続く現在の経営戦略
2026年3月期の会社開示では、中長期の方向性として 「CASEへの積極的な対応」と 「モビリティの多様化への対応」を維持しています。 足元では、これをより収益改善に寄せた「収益構造改革」に集中しています。
直近業績から見た進捗
| 項目 | 2026年3月期実績 | 2027年3月期1Q | 2027年3月期会社予想 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 421.92億円 | 113.87億円 前年同期比 +12.5% |
390.0億円 前期比 ▲7.6% |
| 営業利益 | 23.98億円 前期比 +38.7% |
16.34億円 前年同期比 +79.7% |
20.0億円 前期比 ▲16.6% |
| 純利益 | 4.33億円 | 12.52億円 前年同期比 +86.5% |
6.0億円 |
| 自己資本比率 | 38.2% | 41.9% | ― |
| ROE | 3.2% | 四半期のため単純比較せず | 会社によるROE予想なし |
2027年3月期1Qの営業利益16.34億円は、通期会社計画20億円の81.7%に到達しています。 ただし会社は8月13日時点で通期業績予想を据え置いています。
達成リスク
| リスク | 内容 |
|---|---|
| 自動車産業への依存 | 売上の大半が自動車向けで、自動車生産・販売の変動を受けやすい。 |
| 海外事業・地政学 | 中国、東南アジア、北米、欧州などで展開しており、政治・規制・戦争・物流混乱などの影響を受ける。 |
| 為替変動 | グローバルに生産・販売拠点を持つため、為替変動が損益・財政状態に影響する。 |
| 価格競争 | 世界各国の競合企業との価格競争により、販売価格やシェアが変動する可能性がある。 |
| 原材料価格 | 銅・樹脂・原油などの価格上昇や部品調達停滞が原価上昇要因となる。 |
| 技術の陳腐化 | 通信・自動運転関連の技術革新に対応できない場合、製品競争力が低下する可能性がある。 |
現在の割安度計算
算定対象外
中期経営計画の数値目標がROE10%以上のみで、最終利益・EPSなどの利益目標が設定されていません。 また計画期間も2023年3月で終了しているため、「目標達成時EPS × 現在PER」による株価余地は合理的に算定できません。
分析要点
- 旧中計KPI未達 2023年3月期ROEは▲13.7%で、「安定的に10%以上」には届かなかった。
- 収益改善 2026年3月期は売上減でも営業利益が38.7%増加し、コスト構造改革の効果が確認できる。
- 財務改善 自己資本比率は2025年3月期34.4% → 2026年3月期38.2% → 2027年3月期1Q41.9%へ上昇。
- 最新1Q 2027年3月期1Qは全体業績が大幅増益となった一方、会社は通期予想を据え置いている。
- 現在の経営テーマは、旧中計の成長戦略を引き継ぎながら、より「収益構造改革」と「B/S改善」に重点が移っている。

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