550A ソフトテックス

ソフトテックス 550A 東証S / 名証M

SOFTTEX Co., Ltd.|独立系システム開発会社。ソフトウェア開発サービスと医療ITサービスを主軸に、モダナイズ、クラウド、防災、物流、メディア、ORCA関連支援を展開する。
※2026年7月7日時点の情報

事業内容

2026年7月7日の時価総額は約24億円。株価終値は2,638円、発行済株式数912,200株を前提に算出している。2026年4月9日に東証スタンダード市場および名証メイン市場へ新規上場したため、2026年3月期以前の期末決算日終値は存在しない。

ソフトテックスは1984年2月設立、本社は愛知県名古屋市千種区今池五丁目1番5号。代表者は石黒佳彦氏、決算期は3月である。事業内容は、システム設計・ソフトウェア開発、インターネット関連システムサービス、コンサルティング、パッケージ開発・販売・サポート、医療システムの構築・サポートである。

2026年3月期は売上高3,639百万円、営業利益297百万円、経常利益295百万円、当期純利益213百万円。ソフトウェア開発サービスは一部既存顧客の案件獲得遅れ、防災サービスの案件減少などがあった一方、モダナイズソリューションの大型請負案件が堅調に進捗した。医療ITサービスはORCA導入・運用支援やオンライン資格確認関連の需要を背景に伸長した。

全社収益推移と単一セグメント構造

業績推移サマリ:全社売上高は2024年3月期3,376百万円、2025年3月期3,565百万円、2026年3月期3,640百万円、2027年3月期会社予想3,950百万円。2026年3月期は前期比2.1%増、2027年3月期会社予想は前期比8.5%増。
3,376 3,565 3,640 3,950 2024 2025 2026 2027予
ソフトテックスは有価証券報告書上、システム開発事業の単一セグメントとして開示している。事業管理上は、ソフトウェア開発サービスと医療ITサービスの2区分を持つ。

2026年3月期の売上構成は、ソフトウェア開発サービスが2,656百万円で全体の約73%、医療ITサービスが983百万円で全体の約27%である。売上高の大半は企業向けシステム開発、運用、保守、技術支援から構成される。

上場直後の小型ITサービス株でありながら、売上高は30億円台半ば、自己資本比率は2026年3月期で69.3%と高い。成長投資、採用、請負案件の拡大を進めるうえで、財務面の余力は一定程度ある。

ソフトウェア開発サービス

業績推移サマリ:ソフトウェア開発サービス売上高は2025年3月期2,636百万円、2026年3月期2,657百万円。前期比0.8%増となり、全社売上の約73%を占めた。
2,636 2,657 2025 2026
ソフトウェア開発サービスは、同社の中核収益源である。システム設計、ソフトウェア開発、基幹系・情報系システム構築、運用保守、技術者支援を提供する。

公式サービスでは、RPG to Java、モダナイゼーション、IT資産スリム化可視化サービス、IBM iコンサルティング、SOFTTEX AI Docs、防災ソリューション、DX推進ソリューション、メディアソリューション、システム開発・運用支援などが掲げられている。

2026年3月期は、特定の既存顧客において想定案件の獲得が遅れた。ヘルプデスク業務終了に伴う要員の横断的な配置転換も計画どおりに進まなかった。防災サービスでは案件減少があった。

一方、モダナイズソリューションでは大型請負案件の受注および進捗が堅調に推移した。レガシーシステム刷新、クラウド移行、IT資産可視化、既存システム再構築は、国内企業のDX投資と人手不足を背景に継続需要が見込まれる領域である。

同社は大規模SIerとは異なり、個別顧客の既存業務に入り込む受託開発、準委任型支援、運用保守を組み合わせる。案件単価の大型化、請負比率の上昇、生成AI活用による開発生産性の改善が、今後の利益率改善の焦点となる。

医療ITサービス

業績推移サマリ:医療ITサービス売上高は2025年3月期929百万円、2026年3月期983百万円。前期比5.9%増となり、全社売上の約27%を占めた。
929 983 2025 2026
医療ITサービスは、日医標準レセプトソフト「ORCA」の導入・運用支援、電子カルテ連携、医療機関向けシステム連携を中心とする。公式紹介ページでは、ORCA関連のサポートサービス「ORCARE」、リモートメンテナンス、帳票カスタマイズ、電子カルテとの連携支援などが示されている。

2026年3月期は、顧客との信頼関係、協業パートナーとの連携、政府補助金の延長によるオンライン資格確認導入需要を背景に売上が拡大した。ソフトウェア開発サービスが小幅増にとどまる中、医療ITサービスは全社成長を支えた。

医療機関向けITは、診療報酬改定、オンライン資格確認、電子処方箋、電子カルテ連携、サイバーセキュリティ対応など、制度変更に伴うシステム更新需要が発生しやすい。ソフトテックスはORCA周辺に強みを持つため、既存顧客の運用支援から追加開発につなげやすい。

ただし、医療ITは制度・補助金・医療機関投資タイミングの影響を受ける。2026年3月期の伸長要因にはオンライン資格確認関連需要が含まれるため、需要の一巡後も保守、連携開発、追加機能導入を積み上げられるかが重要となる。

モダナイズ・クラウド・DX支援

業績推移サマリ:モダナイズ、クラウド、DX支援はソフトウェア開発サービス内に含まれるため、個別売上推移は未開示。2026年3月期はモダナイズソリューションの大型請負案件が堅調に進捗した。
モダナイズ領域では、レガシーシステムの再構築、RPG to Java、IBM i関連支援、IT資産の可視化、クラウド移行を手掛ける。既存システムを止めにくい中堅・大企業にとって、旧式基幹システムの保守限界、開発者不足、クラウド化、セキュリティ対応は重要テーマである。

ソフトテックスは、単に新規システムを作るだけでなく、既存資産の把握、移行計画、開発、運用保守までを案件化できる点が特徴である。大手SIerのような全国規模の総合提案力では劣る一方、顧客業務に近い個別開発と維持運用の継続性で差別化する。

2027年3月期以降の注目点は、請負ビジネスの拡大と開発部門の収益力強化である。準委任型の技術者支援だけに依存すると人員数が成長制約になりやすい。請負案件、再利用可能な開発ノウハウ、生成AI活用による生産性改善が進めば、売上成長と利益率改善が同時に進む可能性がある。

防災・物流・メディア・技術者支援

業績推移サマリ:防災、物流、メディア、SIer支援、直接顧客支援はソフトウェア開発サービス内に含まれるため、個別売上推移は未開示。2026年3月期は防災サービスの案件減少が開示されている。
防災ソリューションは、自治体・公共性の高い領域に関わるシステム開発である。物流、メディア向けシステムは、業界固有の業務フローを理解した開発・運用が求められる。

技術者支援では、SIer向け支援と直接顧客向け支援を組み合わせる。顧客企業のIT人材不足が続く中、開発・運用の現場に技術者を供給できることは安定受注につながる。

一方で、人材稼働型ビジネスは採用力、離職率、単価改定、案件稼働率の影響を受けやすい。ヘルプデスク業務終了に伴う配置転換が計画どおり進まなかったことは、人的リソース配分が収益に直結する事業構造を示している。

今後は、防災など個別案件の変動を抑えつつ、モダナイズ、医療IT、クラウド、DX支援をどこまで高付加価値化できるかが焦点となる。

直近5年業績サマリー

業績項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期 2027年3月期
会社予想
売上高
百万円
3,047 3,088
+41 / +1.3%
3,376
+288 / +9.3%
3,565
+189 / +5.6%
3,640
+75 / +2.1%
3,950
+310 / +8.5%
営業損益
百万円
284 285
+1 / +0.5%
298
+12 / +4.2%
325
+27 / +9.5%
経常損益
百万円
185 143
-41 / -22.4%
288
+145 / +101.0%
289
+0 / +0.2%
295
+7 / +2.3%
322
+27 / +9.0%
当期純利益
百万円
119 98
-21 / -17.9%
191
+93 / +95.0%
211
+20 / +10.6%
213
+2 / +1.2%
210
-3 / -1.4%
EPS
130.60 107.24
-23.36 / -17.9%
209.08
+101.84 / +95.0%
231.29
+22.21 / +10.6%
234.01
+2.72 / +1.2%
230.21
-3.80 / -1.6%
PER

上場前

上場前

上場前

上場前

期末時点は上場前
11.5
7/7終値ベース
PBR

上場前

上場前

上場前

上場前

期末時点は上場前
1.7
2026年3月期BPSベース
BPS
861.02 952.70
+91.67 / +10.6%
1,151.93
+199.23 / +20.9%
1,337.65
+185.72 / +16.1%
1,512.58
+174.93 / +13.1%
純資産
百万円
785 869
+84 / +10.6%
1,051
+182 / +20.9%
1,220
+169 / +16.1%
1,380
+160 / +13.1%
営業CF
百万円
327 220
-107 / -32.8%
15
-205 / -93.1%
投資CF
百万円
-10 -48
-38 / 支出増
-5
+43 / 支出減
財務CF
百万円
-95 -83
+12 / 支出減
-61
+22 / 支出減
現金及び現金同等物
百万円
875 963
+89 / +10.1%
912
-51 / -5.3%
単位は売上高・利益・純資産・キャッシュフローが百万円、EPS・BPSが円、PER・PBRが倍。EPS、BPS、PER、PBRは、2026年7月7日時点で確認できる発行済株式数912,200株を基準に再計算しているため、会社開示の1株当たり指標と一致しない場合がある。2026年3月期以前は上場前のため、期末決算日終値を用いたPER・PBRは算出していない。

中期経営計画

2028年3月期を見据えた成長目標

IRトップおよびIRライブラリの主要導線では、独立した「中期経営計画」ページは確認できない。一方、新規上場時の開示資料では、現行中期経営計画に基づく2028年3月期目標として、売上高42億円、従業員数390名、経常利益率9%、総資本経常利益率15%、販管費率15%、自己資本比率50%、外部負債依存度10%が示されている。

基本方針は、持続的成長、人的資本強化、品質向上、研究開発、新規ソリューション創出を組み合わせる内容である。2026年3月期決算短信の今後の見通しでは、モダナイズ、防災、医療IT分野を成長牽引分野と位置付け、生成AIの業務活用、開発部門の収益力強化、請負ビジネスの拡大、人材開発、人事賃金制度の見直し、健康経営の推進が掲げられている。

2027年3月期会社予想は、売上高3,950百万円、営業利益325百万円、経常利益322百万円、当期純利益210百万円。売上高と営業利益は増加を見込む一方、当期純利益は前期比1.4%減の予想であり、上場後の成長投資と利益率の両立が評価ポイントとなる。
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競合他社

1. TISI(3626)

時価総額は約7,855億円、株価は3,439円。ソフトテックスと比較すると、企業規模、顧客基盤、業界カバレッジ、提案範囲のすべてで大きく上回る独立系SI大手である。

競合分野は、システムインテグレーション、DX、クラウド、業務システム構築、運用保守である。ソフトテックスがモダナイズ、クラウド移行、業務システム開発を提供するため、大型案件や全国規模案件ではTISIが強い競合となる。

2026年3月期は売上高5,964.79億円、営業利益762.29億円、営業利益率12.8%。高付加価値案件、サービス提供型ビジネス、生産性向上、不採算案件減少が営業増益に寄与した。ソフトテックスは中堅規模案件、顧客密着型の個別開発、名古屋・中部圏の顧客基盤、医療ITの専門性で差別化する必要がある。

2. JBCCホールディングス(9889)

時価総額は約979億円、株価は1,376円。クラウド、セキュリティ、超高速開発、モダナイゼーションを軸に、企業のDXを支援するITサービス企業グループである。

ソフトテックスとの競合度が高いのは、レガシーシステム刷新、クラウド移行、基幹システム再構築、運用保守である。JBCCはクラウド、セキュリティ、超高速開発を組み合わせた包括提案に強い。ソフトテックスは個別開発、既存システム理解、顧客現場に近い技術支援で競争する構図になる。

2026年3月期は売上高760.19億円、営業利益73.08億円、経常利益74.60億円。クラウド、セキュリティなど注力事業の伸長により増収増益となった。ソフトテックスにとって、モダナイズ領域の収益性を高めるうえで比較対象となりやすい企業である。

3. EMシステムズ(4820)

時価総額は約356億円、株価は502円。医科、調剤、介護・福祉分野向けの業務支援システムを開発・販売・保守する医療IT企業である。

ソフトテックスとの競合分野は、医療ITサービスである。ソフトテックスはORCA導入・サポート、電子カルテ連携、医療機関向け運用支援を手掛ける。EMシステムズは自社プロダクトとクラウド型共通情報システム基盤を持ち、医科、調剤、介護を横断した提案が可能である。

2025年12月期は売上高236.58億円、営業利益36.76億円、経常利益43.13億円、親会社株主に帰属する当期純利益24.52億円。電子処方箋導入需要の一巡により売上高と営業利益は減少したが、医療機関向けITの制度対応需要は中長期的に残る。ソフトテックスはORCA周辺の導入・保守・連携開発でニッチな競争軸を持つ。

強みと将来性

顧客密着型の独立系開発力と医療ITの専門性

ソフトテックスの強みは、独立系システム開発会社として、特定メーカーや特定パッケージに縛られず、顧客の既存業務に合わせたシステム設計、開発、運用、保守を提供できる点である。大手SIerのような大規模総合力ではなく、顧客ごとの既存システム、業務フロー、運用課題に入り込む個別対応力が競争軸になる。

モダナイズ領域では、古い基幹システムの刷新、RPG to Java、IBM i関連支援、クラウド移行、IT資産可視化など、企業のレガシーシステム問題に対するサービスを持つ。国内ではIT人材不足、既存システムのブラックボックス化、保守費用増加、クラウド活用ニーズが続いており、中長期の需要が見込みやすい。

医療ITサービスも差別化要素である。ORCA導入・運用支援、電子カルテ連携、帳票カスタマイズ、リモートメンテナンスなどは、医療機関の制度対応と日常運用に深く関わる。2026年3月期は医療ITサービスが前期比5.9%増となり、全社成長を支えた。

財務面では、2026年3月期の純資産は1,379百万円、自己資本比率は69.3%、現金及び現金同等物は912百万円である。上場後の資金調達余地と信用力向上を活用し、人材採用、研究開発、新規ソリューション開発を進められる状態にある。

2028年3月期目標では売上高42億円、経常利益率9%が掲げられている。2027年3月期会社予想の売上高3,950百万円から見ると、42億円目標に向けた距離は大きすぎない。重要なのは、売上拡大だけでなく、請負案件拡大、開発生産性改善、生成AI活用により利益率を引き上げられるかである。

弱みとリスク要因

小型上場ITサービス企業特有の人材・案件・流動性リスク

最大のリスクは人材確保である。ソフトウェア開発サービス、医療ITサービス、運用保守、技術者支援はいずれも技術者の採用、育成、定着に依存する。人材採用が計画に届かない場合、売上成長の上限が早く到来する。賃金上昇が続けば、単価改定が遅れた案件では利益率が低下する。

案件進捗リスクもある。2026年3月期は、特定既存顧客の案件獲得遅れ、ヘルプデスク業務終了に伴う要員配置転換の遅れ、防災サービスの案件減少が開示された。小型企業では、一部案件の遅延や縮小が全社成長率に与える影響が大きい。

請負ビジネスを拡大するほど、見積もり誤差、仕様変更、開発遅延、不採算案件のリスクが高まる。準委任型支援は稼働率管理が重要であり、請負型は品質管理とプロジェクト管理が重要になる。開発部門の収益力強化を進める過程では、受注単価、原価管理、納期管理の精度が問われる。

医療ITサービスは制度変更需要の恩恵を受ける一方、補助金、オンライン資格確認、電子処方箋、診療報酬改定など外部要因の影響を受ける。2026年3月期の成長には政府補助金延長による需要が含まれるため、制度対応需要の一巡後に継続的な保守・連携開発を確保できるかが重要である。

株式面では、2026年4月上場の新規上場銘柄であり、過去の期末株価データが存在しない。PER、PBRの時系列比較ができず、需給面では小型株特有の値動きの大きさがある。時価総額約24億円は成長余地を示す一方、流動性リスク、短期資金流入による急騰急落リスクも内包する。

出典

免責事項:本ページは公開情報を基にした企業分析であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。業績予想、成長戦略、株価指標には不確実性があります。投資判断は必ず最新の開示資料と市場情報を確認したうえで行ってください。

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